JIS B 8248-2:2015 円筒形多層圧力容器―第2部:特定規格 | ページ 7

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なお,層成胴の分類Dの溶接継手は,7.1.2 h) による。
7.2.5 すみ肉溶接
すみ肉溶接は,JIS B 8266:2006の7.2.5による。

7.3 非破壊試験

  溶接継手の非破壊試験は,JIS B 8266:2006の7.3による。

7.4 熱処理

  溶接後の熱処理は,JIS B 8266:2006の7.4によるほか,箇条10による。

8 工作一般

8.1 材料の確認

  材料の確認は,JIS B 8266:2006の8.1による。

8.2 材料欠陥の補修

  材料に欠陥がある場合の補修の方法は,JIS B 8266:2006の8.2による。

8.3 材料の加工前の検査

  材料の加工前の検査は,JIS B 8266:2006の8.3による。

8.4 材料の切断及び切断面の仕上げ

  板,その他の材料の切断及び切断面の仕上げは,JIS B 8266:2006の8.4による。

8.5 切断面の試験及び検査

  切断面の試験及び検査は,JIS B 8266:2006の8.5による。

8.6 胴及び鏡板の成形

  胴及び鏡板の成形は,JIS B 8266:2006の8.6による。

8.7 層成胴の層間の密着度

  層成胴の層間の密着度は,検査方法に応じて,次のa) 又はb) による。
なお,a) 又はb) の代わりに,c) によることができる。また,疲労解析が必要な場合には,次のa),b)
及びc) の全てを満足する必要がある。
a) 層間隙間の測定による方法 層成胴端部において,開先加工後,層間隙間及び有効弧長から層間隙間
の面積を,次の式によって算定する(図12参照)。ここで,層間隙間が0.25 mmより小さい場合は,
無視してよい。
g 2
A bh
3
ここに, Ag : 層間隙間の面積(mm2)
b 層間隙間の有効弧長(mm)
h : 層間隙間(mm)
上記の結果が,次の1)4) を満足することを確認する。
1) 層間隙間の面積Agは,25t(mm2)を超えない[t : 層の厚さ(mm)]。
2) 層間隙間の有効弧長b 湧Y 多層容器の内径を超えない。
3) 層間隙間hの最大値は,5 mmを超えない。
4) 隣接する2層間に二つ以上の層間隙間がある場合には,層間隙間の有効弧長の合計が多層容器の内
径の長さを超えない。
b) 水圧試験による伸びの測定による方法 層成胴に複数の周継手がある場合,水圧試験を行い,隣接す

――――― [JIS B 8248-2 pdf 31] ―――――

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る周継手間の中央部又は周継手と管台間の中央部で,加圧の前後の周長の差を測定し,周長の差が外
周伸びの計算値の0.5倍以上となることを確認する。ここで,水圧試験の試験圧力は設計圧力とし,
層成胴の外周伸びの計算値は,次の式によって算定する。
2
7.1 πP 2Rts 2R ts
eth
8ERts
ここに, eth : 層成胴の外周伸びの計算値(mm)
R : 層成胴の平均半径(外半径−ts/2)(mm)
P : 設計圧力(MPa)
ts : 層成胴の全厚さ(mm)
E : 常温における層成胴の縦弾性係数で,6.2.3による
(N/mm2)。
図12−層間隙間 †
c) 層間隙間の測定値を計算による許容値と比較する方法 a) 又はb) の代わりに,次の1) 及び2) によ
ることができる。
1) 層間隙間の測定値は,次の式による計算値を超えない。
P RgSm
h .055 N 5.0
Sm E
ここに, h : 層間隙間(mm)
Sm : 設計温度における層成胴の設計応力強さで,6.2.1による
(N/mm2)。
Rg : 層間隙間の内側の層の外半径(mm)
E : 常温における層成胴の縦弾性係数で,6.2.3による
(N/mm2)。
N : 設計(想定)繰返し数が多い場合は3,設計(想定)繰
返し数が少ない場合は2Sa/(KeSm)。ただし,KeはJIS B
8266:2006の附属書8の2.5 d) による割増し係数で,次
の式による。
5.0
1 C 1 2 8SaC
Ke C 1
2 2 3Sm
C : 材料定数で,炭素鋼では2,低合金鋼及びマル
テンサイト系ステンレス鋼では4,オーステナ
イト系ステンレス鋼及びニッケル・クロム鉄合
金では3.3。

――――― [JIS B 8248-2 pdf 32] ―――――

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Sa : JIS B 8266:2006の附属書8図1,附属書8図2
及び附属書8図3の設計疲労曲線から得られる
許容応力振幅(N/mm2)
2) 層成胴端部において,1) を満足する複数の層間隙間について,次の2.1) の測定及び2.2) の計算を
行う。
2.1) 断面全体にわたって,複数の層間隙間の有効弧長長さb 定する。
2.2) 単一の層間隙間について,次の式でFを計算する。
bh
F .0109 2
Rg
複数の層間隙間について得られたFの合計は,次の式で計算したFrの値を超えない。
2
1 v2 2PR2
Fr NSm 2 2
E R2 R1
ここに, v : ポアソン比
R1 : 層成胴の内半径(mm)
R2 : 層成胴の外半径(mm)
b びhは,a) に同じ
P及びEは,b) に同じ
N,Sm及びRgは,c) 1) に同じ

8.8 ベントホール

  層成胴には,内層からの漏れを検知するとともに,層成部に密閉された空気を開放するために,次のa)
f) の方法によってベントホールを設ける。
a) 層成胴を構成する層成部には,直径6 mm以上のベントホールを2個以上設ける。ベントホール用の
穴は,層成部を半径方向に貫通させるか,層成材ごとに設けるかのいずれかの方法による。
b) コイル状の巻付け方式[図1 b) 参照]の場合は,層成部に直径6 mm以上のベントホールを4個以上
設ける。このベントホールのうち2個は,層成胴の端部近くに設け,約180°の間隔を設ける。
c) スパイラル状の巻付け方式[図1 c) 参照]の場合は,層成材の両端近くに直径6 mm以上のベントホ
ールを設ける。ベントホールは,層成材の全長にわたり,互いにほぼ次の式の距離だけ離れるように
配置する。
πR
L
tan
ここに, L : ベントホール間の距離(mm)
R : 層成胴の平均半径(mm)
θ : 長手軸とスパイラル状の巻付けの角度(rad)(図6参照)
スパイラル状に巻き付けた層成材の溶接がベントホールの一部又は全体を覆う場合は,塞がれた穴
の両側に追加のベントホールを設ける。
d) ベントホールは,閉塞しない。ベントホールに配管などを接続し,漏れ検知を集中管理する場合,層
間に密閉された空気を開放できる構造とする。
e) ベントホールは,外圧が層成胴のベントホールを介して伝達されないようにする。
f) 層成胴にジャケットを設ける場合は,層成胴のベントホールを延伸してジャケットを貫通する構造と
する。

――――― [JIS B 8248-2 pdf 33] ―――――

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8.9 胴の直径法真円度

8.9.1  内圧を保持する胴の直径法真円度
内圧を保持する胴の直径法真円度は,JIS B 8266:2006の8.7.1による。ただし,層成胴の場合は,内層
の直径法真円度とする。
8.9.2 外圧を保持する胴の直径法真円度
外圧を保持する胴の直径法真円度は,JIS B 8266:2006の8.7.2による。

8.10 成形鏡板の製作公差

  成形鏡板の製作公差は,JIS B 8266:2006の8.8による。

8.11 調質高張力鋼の工作についての特別規定

  調質高張力鋼の工作についての特別規定は,JIS B 8266:2006の8.9による。

8.12 ステンレスクラッド鋼の工作についての特別規定

  ステンレスクラッド鋼の工作についての特別規定は,JIS B 8266:2006の8.10による。

9 溶接施工

9.1 溶接施工一般

  溶接施工一般は,JIS B 8266:2006の9.1.1及び9.1.39.1.17による。

9.2 溶接施工方法の確認及び記録

9.2.1  一般
溶接施工方法の確認試験及び記録は,JIS B 8266:2006の9.1.2による。
なお,層成胴の溶接施工方法の確認試験は,9.2.2及び9.2.3による。
9.2.2 周継手の溶接施工方法の確認試験
周継手の溶接施工方法の確認試験は,次のa) d) による。
なお,試験方法は,JIS B 8285:2010の5.2による。
a) 試験材の溶接及び試験片の採取要領は,図13による。
b) 試験の種類及び試験片の数は,表1による。ただし,衝撃試験は,JIS B 8266:2006の附属書15によ
って要求される場合に限る。溶接継手の支配厚さは,層成胴を構成する層ごとの厚さとする。また,
衝撃試験片の数は,熱影響部及び溶接金属からそれぞれ3個とする。ただし,複数の材料を用いる場
合は,材料ごとに母材の熱影響部から3個,溶接金属から3個とする。
c) 周継手の試験片の厚さは,次の1) 及び2) による。
1) 試験片は,表曲げ試験片及び裏曲げ試験片を除き,2層以上の層成材を含み,全厚さを50 mm以上
とする。ただし,75 mmを超える必要はない。
2) ステップ溶接1) の場合の試験は,ステップ溶接の継手間の距離2) が,層成材の厚さ以上であれば,
長手継手の試験に準じて行うことができる。継手間の距離がこの条件を満足しない場合は,9.2.2に
よって試験を行う。
注1) ステップ溶接は,図8のb-1),b-2) 及びd-2),図9 f),図10 m) 並びに図11 g) に示す周
溶接線が重ならない溶接をいい,図1 c) の巻付け方式に示す溶接で,周溶接とみなせる場
合もこれに含める。
2) 継手間の距離は,継手中心間の距離とする。
d) 周継手の試験片の形状及び寸法は,次の1)3) による。
1) 継手引張試験片は,図14による。

――――― [JIS B 8248-2 pdf 34] ―――――

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2) 側曲げ試験片は,図15による。
3) 表曲げ試験片及び裏曲げ試験片は,図16による。
a) 層成胴と単肉胴の溶接継手 b) 層成胴と層成胴の溶接継手
T : 試験片の厚さで,層成胴の厚さとする。
注a) 層成胴は開先加工面を除き,試験材の端面を溶接によって固定する。
この図は,片側溶接の場合の試験材の取付け及び試験片の採取要領を示す。
両側溶接の場合,裏曲げ試験片は,表曲げ試験片と読み替える。
図13−突合せ溶接の場合の試験材の溶接及び試験片の採取要領a)
表1−試験の種類及び試験片の数
試験の種類 継手引張 表曲げ 裏曲げ 側曲げ 衝撃
試験 試験 試験 試験 試験
突合せ両側溶接 2 2 − 2 3+3
突合せ片側溶接 2 − 2 2 3+3

――――― [JIS B 8248-2 pdf 35] ―――――

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JIS B 8248-2:2015の国際規格 ICS 分類一覧

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