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B 8392-3 : 2001 (ISO 8573-3 : 1999)
10. 不確かさ
備考 この箇条によれば考えられる不確かさの計算は,必ずしも必要ではない。
物理的な測定の本質のために,物理的な量を誤差なく測定すること,又は実際にどの特定の測定におい
ても真の不確かさを決定することは不可能である。
しかし,測定条件が十分に周知の場合は,真の値から測定値の偏差特性を推定又は計算することは可能
である。この場合,真の誤差は,前途の偏差より小さいという,ある程度の信頼度をもって断言すること
が可能である。そのような偏差値は,その信頼水準(通常95%)とともに特定の測定精度の規準を構成す
る。
個々の量の測定及びガス特性の測定において,生じる可能性のあるすべての系統的な不確かさは,修正
によって補正されたものとみなす。さらに,読み取った数値で十分な場合は,個々の読み取りの誤差と積
算誤差の不確かさの信頼限界は無視してもよいといえる。生ずる(小さな)系統的な不確かさは,精度誤
差に含まれる。
不確かさの質の等級及び限界は,例外(例えば,電気変換器)を除き,類似した質の等級又は不確かさ
の限界から成り立っているため,しばしば,個別の測定によって生じる不確かさの確認が必要である。
測定された個々の量の測定の不確かさとガスの特性の信頼限界に関する情報は,近似である。この近似は,
不均衡な損失により高めることができる(ISO 2602及びISO 2854参照)。
11. 結果の表示 試験の中で圧縮空気中の水蒸気の濃度は,圧力露点で表現しなければならない。
表示内容はできるだけ詳細にし,この規定の手順に従って確認(検証)できるようにしなければならな
い。
12. 試験報告 この規定に従って使用する報告書の中の湿度は,次の情報を含まなければならない。
a) 圧縮空気装置とその運転条件の説明は,湿度の適切性を判断できるだけの詳細なものであること。
b) 試料が採取された場所についての説明。
c) サンプリング及び測定装置(特に使用した器具)の説明とその校正記録の詳細。
d) この規格に基づく“公表圧力露点”は,次による。
e) サンプリング及び測定の日付
報告書の見本を附属書Aに記載する。
1) 実際条件として,8.に従って評価した実測値の平均値を摂氏で表す。
2) 基準条件として,8.に従って評価した実測値の平均値を基準条件で換算した数値。
3) 露点の基準となる実際の圧力。Pa (bar) で表示する。
4) 適切な不確かさに関する説明を付す。
――――― [JIS B 8392-3 pdf 6] ―――――
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B 8392-3 : 2001 (ISO 8573-3 : 1999)
附属書A(参考) 圧縮空気湿度報告例
XX産業の圧縮空気装置は,4台の空気圧縮機・アフタクーラ及び冷凍式エアドライヤから構成されてお
り,1台は予備,2台は最大負荷,1台は約50%の負荷で稼動し,0.7MPa (7bar) の回路圧力で作動してい
る。湿度の測定は,装置の供給用の配管がB工場に入る地点で行った。
試料の採取は,1996年1月23日から1996年1月25日までの48時間内において1時間ごとに定期的に
行った。
サンプリング場所における圧力は,0.66MPa (6.6bar) であった。
測定は,±0.5℃の不確かさを有する冷却露点計(凝縮)タイプXXを用いて行った。
計測器は,記録(同封のもの)に示すように1995年11月30日に校正を行った。
JIS B 8392-3に基づく公表圧力露点は,次のとおりである。
実際の条件 (0.66MPa, 26℃) における圧力露点+1±0.5℃。
基準条件 (0.7MPa, 20℃) における再計算に基づく圧力露点+3±0.5℃。
――――― [JIS B 8392-3 pdf 7] ―――――
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B 8392-3 : 2001 (ISO 8573-3 : 1999)
附属書B(参考) 蒸気圧力の計算
B.1 乾湿球温度測定に基づく実際の水蒸気圧計算
乾湿球湿度計の公式 :
pw=pwsat−C・ptot・(T−Tw)
ここに
pw : 実際の蒸気分圧,(Pa)
pwsat : 飽和蒸気圧,(Pa)
ptot : ガスの全圧,(Pa)
T : 乾球温度,(K)
Tw : 湿球温度,(K)
C : 係数は使用する計器のタイプに応じて異なり,10−3の等
級(オーダー)である。
数値は,校正値に基づいて計算しなければならない。
B.2 温度測定に基づく水の飽和蒸気圧の計算
参考文献[4]を参照
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i 2
B 1nTw FiTw
pwsat e i 0
ここに
B= −12.150 799
Fi= 表B.1参照
その他の記号は,次の表B.1に記載したものと同じである。
表B.1 係数Fiの数値
係数Fi=0−9 数値 係数 数値
F0 −8 499.22 F5 −1.146 05×10−8
F1 −7 423.186 5 F6 2.170 13×10−11
F2 96.163 514 7 F7 −3.610 26×10−15
F3 0.024 917 646 F8 3.850 45×10−18
F4 −1.316×10−5 F9 −1.431 7 ×10−21
B.3 非基準圧力における測定に基づく基準圧力における露点の計算
水と接するときの露点
ptot, rp
pw , nrp
243.12 ln
.6112 ptot, nrp ptot, rp
pw , nrp
tD, rp tD w , rp
条件 1
ptot, rp
pw , nrp .6112 ptot, nrp
17.62 ln
.6112 ptot, nrp
氷と接するときの露点
ptot, rp
pw , nrp
272.46 ln
.6112 ptot, nrp ptot, rp
pw , nrp
tD, rp tD ,i rp
条件 1
ptot, rp
pw , nrp .6112 ptot, nrp
22.46 ln
.6112 ptot, nrp
――――― [JIS B 8392-3 pdf 8] ―――――
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B 8392-3 : 2001 (ISO 8573-3 : 1999)
ここに,
tD,rp : 基準圧力における露点温度,(℃)
tD(w),rp : 水と接するときの基準圧力における露点温度,(℃)
tD(i),rp : 氷と接するときの基準圧力における露点温度,(℃)
pot,rp : 総基準圧力,(Pa)
ptot,nrp : 非基準圧力における全圧,(Pa)
pw,nrp : 非基準圧力における水蒸気分圧,(Pa)
――――― [JIS B 8392-3 pdf 9] ―――――
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B 8392-3 : 2001 (ISO 8573-3 : 1999)
附属書C(参考) 基準の湿度測定方法
C.1 測定方法の説明
C.1.1 乾湿球湿度計(サイクロメータ) 乾湿球湿度計は,温度的に隔離した2個の温度計を並べるよう
に構成されていて,一つの温度計は,湿度が生じやすい環境に置いている。温度計の一方の感温部は,多
孔性の媒体(ウイック)で包まれて水溜からの毛管現象で湿った状態に保たれている。
水は,空気中の湿度に比例した割合で湿ってから蒸発する。蒸発によって湿った感温部は冷やされる。
湿った感温部と乾いた感温部の温度差を用いて空気中の湿度を計算する。
C.1.2 冷却露点計(凝縮)
C.1.2.1 肉眼判定式露点計 光学式凝縮露点計においては,鏡を冷却することによって空気にさらされた
鏡面上に気流中の湿気の凝縮がひきおこされる。凝縮が始まる温度は,鏡面の光の反射状態の変化を検出
することによって観測できるので,その温度を露点として記録する。
C.1.2.2 自動平衡式露点計 上記と同じであるが凝縮及び温度を監視する電子装置が付いている。
C.1.3 電子センサを使った測定
C.1.3.1 概要 このタイプのセンサは,吸湿性のある素材で作られており,その電気的特性は,水の分子
を吸収すると変化する。湿度の変化は,センサの静電容量又は抵抗並びに,この両者を組み合わせたもの
の変化として測定される。プローブは,汚染を防止するためにフィルタを取り付けなければならない。こ
の保護を行わなければ応答時間は,より早くなる。インピーダンス湿度計には,通常温度センサが取り付
けられている。示度は直接表示され,単位(例えば,相対湿度又は露点)を選択することができる場合が
あり,また,電気信号(アナログ電圧)の出力が可能な場合もある。
電気センサには,数種類の異なったタイプのものがある。
C.1.3.2 静電容量センサ このタイプのセンサは,露点よりむしろ相対湿度にもっとも敏感に応答し,低
い相対湿度において直接性は最もよい。一般的に静電容量センサは,凝縮(すなわち,100%の相対湿度)
によって損傷することはない。ただし,結果として校正値がずれることがある。
C.1.3.3 抵抗センサ このタイプのセンサは,露点よりむしろ相対湿度にもっとも敏感に応答し,高い相
対湿度において直接性は最もよい。ほとんどの抵抗センサは,凝縮に対して耐えられない。ただし,凝縮
を防止するために自動加熱装置の付いた“飽和防止式”のものもある。
C.1.4 化学反応法 化学反応を起こす物質の入った直読式(ガラス)チューブを用いる。直読式チューブ
による方法は,基本的に,空気サンプル中の水蒸気とチューブ内の充てん剤が化学的に反応し,色素変化
を起こす。その反応は,一定量の空気が通過したときにチューブ内に流れ込む全水分量に比例し,色素の
沈着した部分が長さとして示されるので,その目盛を読む。
C.1.5 分光分析法 分光分析は,一般に,特定の波長又は振動数をもつ光に対して混合気体の組成物質が
どのように吸収(又は放出)するかを分析して,その組成物を判明するために使われる技術である。化学
物質は,すべてスペクトルの紫外線又は赤外線上に存在する“固有”の振動特性をもっている。分光分析
の測定方法は,他の物質の濃度を水蒸気の濃度と同様に測定する場合に適している。
高湿度又は中湿度に対して用いられる分光分析技術は,赤外線の吸収性に基づいている。水は,1
ら10 囲内にある何種類かの波長の赤外線を吸収する。伝達される放射線の強度は,光電管を用い
てこの波長中の一つを探索,測定して基準となる波長と比較することによって求められる。気体に吸収さ
――――― [JIS B 8392-3 pdf 10] ―――――
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JIS B 8392-3:2001の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 8573-3:1999(IDT)
JIS B 8392-3:2001の国際規格 ICS 分類一覧
- 23 : 一般的に利用される流体システム及びその構成要素 > 23.100 : 流体動力システム > 23.100.01 : 流体動力システム一般
JIS B 8392-3:2001の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB0142:2011
- 油圧・空気圧システム及び機器―用語
- JISB8392-1:2012
- 圧縮空気―第1部:汚染物質及び清浄等級