JIS B 8446-2:2016 生活支援ロボットの安全要求事項―第2部:低出力装着型身体アシストロボット | ページ 3

8
B 8446-2 : 2016

5.4 ロボットの通常運転における起動及び再起動

5.4.1  一般
JIS B 8445の5.4.1(一般)によるほか,次による。
a) 起動してから装着するロボットは,ユーザが装着したまま起動した場合であっても,危険な動作をし
てはならない。
b) ユーザが装着してから起動するロボットは,未装着状態で起動された場合であっても,危険な動作を
してはならない。
c) 起動時の出力レベルは,意図する使用を考慮して決定しなければならない。
5.4.2 本質的安全設計
JIS B 8445の5.4.2(本質的安全設計)による。
5.4.3 安全防護及び付加保護方策
JIS B 8445の5.4.3(安全防護及び付加保護方策)によるほか,ロボットの起動後に,安全関連構成部品
にエラーがないことを確認するために実施する必要最小限の動作において,ロボットの出力は,その出力
によるリスクが受容可能な範囲にとどめられなければならない。
注記1 起動後に安全関連構成部品にエラーがないことを確認するための必要最小限の動作は,JIS B
8445の5.4.2(本質的安全設計)の最終段落において許容されている。
注記2 受容可能な範囲のロボットの出力は,5.16.1及び5.16.2が参考になる。
5.4.4 使用上の情報
JIS B 8445の5.4.4(使用上の情報)による。ただし,JIS B 8445の5.4.2(本質的安全設計)の最終段落,
又は5.4.3の付加保護方策を適用する場合は,ロボットが正常な状態にあることを確認する起動時の動作
についての情報をユーザマニュアルに記載しなければならない。
5.4.5 検証及び妥当性確認
JIS B 8445の5.4.5(検証及び妥当性確認)による。

5.5 静電電位

  JIS B 8445の5.5(静電電位)による。
なお,JIS B 8445の5.5.1(一般)の第2段落及び第3段落の要求事項は,静電放電に起因するロボット
の暴走状態によって,人及び飼育動物に危害を加えないことを要求している。

5.6 ロボットの形状による危険源

5.6.1  一般
JIS B 8445の5.6.1(一般)によるほか,ロボット及びロボットから分離可能な構成部品における次の箇
所は,特に注意して設計しなければならない。
− 外郭
− 可動部
− ロボットの保守・点検時に,保守作業者が防護カバー,扉などを外して作業するために接近する箇所
− 環境との衝突などによって,意図するロボットの動作を妨げるような極端な突出部
5.6.2 本質的安全設計
JIS B 8445の5.6.2(本質的安全設計)によるほか,ロボットの突出部は,意図する動作を妨げないよう
に設計しなければならない。
5.6.3 安全防護及び付加保護方策
JIS B 8445の5.6.3(安全防護及び付加保護方策)によるほか,必要に応じて,次の方策を適用しなけれ

――――― [JIS B 8446-2 pdf 11] ―――――

                                                                                              9
B 8446-2 : 2016
ばならない。
a) 環境の状況などに応じて,ロボットの突出部を減らす機構を採用する。
b) 環境との接触又は衝突による衝撃を緩和するための,材料・部材・制御をもつロボットの突出部を採
用する。
5.6.4 使用上の情報
JIS B 8445の5.6.4(使用上の情報)によるほか,必要に応じて,可動部による挟み込み,押し潰し,巻
き込みが,意図する使用を達成するために,実現可能な設計によって回避できない場合,使用時の注意・
警告をユーザマニュアルに含めなければならない。
注記 実現可能な設計によって回避できない例には,ロボットを下肢に装着したユーザが座る場合に,
ユーザが自らの手を座面とロボットとの間に差し込むことも含む。
5.6.5 検証及び妥当性確認
JIS B 8445の5.6.5(検証及び妥当性確認)による。

5.7 放射による危険源

5.7.1  有害な騒音
JIS B 8445の5.7.1(有害な騒音)による。
5.7.2 有害な振動
JIS B 8445の5.7.2(有害な振動)による。
5.7.3 有害な物質及び流動体
JIS B 8445の5.7.3(有害な物質及び流動体)による。
5.7.4 極端な温度
5.7.4.1 一般
JIS B 8445の5.7.4.1(一般)によるほか,材料及び接触時間ごとの極端な高温及び低温の基準は,それ
ぞれISO 13732-1及びISO 13732-3による。
注記1 JIS B 8445の5.7.4.1の注記の43 ℃は,意図して又は合理的に予見可能な誤使用によって,
人とロボットとが長時間接する場合であっても,人が低温やけどとならないと考えられる温
度上限を示している。
注記2 温度感覚の弱いユーザ(例えば,高齢者,幼児など)を意図する場合は,接触時間が長くな
る可能性を考慮して設計することが望ましい。
5.7.4.2 本質的安全設計
JIS B 8445の5.7.4.2(本質的安全設計)による。
5.7.4.3 安全防護及び付加保護方策
JIS B 8445の5.7.4.3(安全防護及び付加保護方策)による。
5.7.4.4 使用上の情報
JIS B 8445の5.7.4.4(使用上の情報)による。
5.7.4.5 検証及び妥当性確認
JIS B 8445の5.7.4.5(検証及び妥当性確認)によるほか,ロボットの通常使用(充電状態を含む。)にお
いて,ユーザ及びオペレータが触れる可能性があると製造業者が指定する部位の温度は,計測し,基準を
満たすことを確認しなければならない。
試験を行う場合は,ロボットがユーザに装着されていない状態で行ってよい。試験時の温度計測は,ユ
ーザ及びオペレータが接触可能な部分を対象に行う。ただし,温度計測の対象となる部位には,拘束部を

――――― [JIS B 8446-2 pdf 12] ―――――

10
B 8446-2 : 2016
含まなければならない。試験には,製造業者が意図する通常使用時の最大出力を含む代表的な運転パター
ンを利用してもよい。
5.7.5 有害な非電離放射
JIS B 8445の5.7.5(有害な非電離放射)による。
5.7.6 有害な電離放射線
JIS B 8445の5.7.6(有害な電離放射線)による。

5.8 電磁障害による危険源

  JIS B 8445の5.8(電磁障害による危険源)による。
なお,6.1に規定する制御システムの諸機能に対する電磁イミュニティの要求として,JIS B 8445の5.8.2
(本質的安全設計)に規定するIEC 62061:2012によるほか,IEC 61326-3-2を適用してもよい。
注記 制御システムの諸機能に対する電磁イミュニティ規格への適合は,JIS B 8445の5.8.2では本質
的安全設計として扱われている。

5.9 ストレス,姿勢及び使用法による危険源

5.9.1  一般
JIS B 8445の5.9.1(一般)による。
5.9.2 肉体的ストレス及び姿勢の危険源
5.9.2.1 一般
JIS B 8445の5.9.2.1(一般)によるほか,次による。
a) 製造業者は,拘束部とユーザの身体との相対的な動きによって生じるユーザの皮膚の擦過のリスク,
及び拘束部を過度に圧迫して使用する場合に生じるうっ血,じょくそう(褥瘡)などの傷害のリスク
を,受容可能なレベルにまで低減しなければならない。
注記1 これらの傷害は,ロボットの通常使用においても生じる可能性がある。
b) 製造業者は,誤装着のリスク並びにユーザの体形差及び個人差を考慮しなければならない。
注記2 ロボットが製造業者の意図しない位置,方向などでユーザに装着された場合,ロボットが
ユーザの体形に合致しない場合などには,ロボットの誤作動,ユーザの肉体的な苦痛など
につながる可能性がある。
注記3 JIS B 8445の5.9.2.1のb) は,一般に,ユーザ,オペレータなどがロボットを操作する場
合に,又は保守作業者がロボットを保守・点検する場合に,無理な姿勢とならないことを
要求している。
5.9.2.2 本質的安全設計
JIS B 8445の5.9.2.2(本質的安全設計)によるが,方策の一つに次も含める。
a) ユーザの身体と拘束部との相対的な運動を,人体が許容できる限度内に抑える。
b) 外力に起因する拘束部への負荷を,人体が許容できる限度内に抑える。
5.9.2.3 安全防護及び付加保護方策
JIS B 8445の5.9.2.3(安全防護及び付加保護方策)によるが,方策の一つに次を含める。
a) 拘束部を適切に滑らせる機構,材料などを採用する。
b) 外力に起因する拘束部への負荷を分散させる構造を採用する。
c) 外力に起因する拘束部への負荷を外骨格に負担させる構造を採用する。
d) 拘束部による圧迫の程度を調整できる機構,材料などを採用する。

――――― [JIS B 8446-2 pdf 13] ―――――

                                                                                             11
B 8446-2 : 2016
5.9.2.4 使用上の情報
JIS B 8445の5.9.2.4(使用上の情報)によるほか,ユーザマニュアルには,次の情報を記載しなければ
ならない。
− 意図する装着状態における,ユーザの身体部位とロボットの部分との位置関係
注記 ユーザが位置関係を保って適切に装着する方法も提供することが望ましい(5.10.6.4参照)。
− ユーザの身体部位とロボットの部分との位置関係が誤ったまま装着された場合に備えた注意・警告
− ユーザがロボットを過剰に連続使用する場合に生じる,身体機能の低下に対する注意及び体性感覚の
変化に対する注意
5.9.2.5 検証及び妥当性確認
JIS B 8445の5.9.2.5(検証及び妥当性確認)による。
5.9.3 精神的ストレス及び使用法による危険源
5.9.3.1 一般
JIS B 8445の5.9.3.1(一般)による。
5.9.3.2 本質的安全設計
JIS B 8445の5.9.3.2(本質的安全設計)に対応する方策は,この規格の6.8及び8.6による。
5.9.3.3 安全防護及び付加保護方策
安全防護及び付加保護方策は,6.8及び8.6による。
注記 JIS B 8445の5.9.3.3(安全防護及び付加保護方策)に,推奨する方策は記載されていない。
5.9.3.4 使用上の情報
JIS B 8445の5.9.3.4(使用上の情報)に対応する方策は,この規格の8.3による。
5.9.3.5 検証及び妥当性確認
JIS B 8445の5.9.3.5(検証及び妥当性確認)による。

5.10 ロボットの動作による危険源

5.10.1 一般
JIS B 8445の5.10.1(一般)による。
5.10.2 機械的な不安定性
5.10.2.1 一般
JIS B 8445の5.10.2.1(一般)によるほか,次による。
a) 転倒に関わるリスクが受容できない場合,製造業者は,ロボットとユーザとから成る系の機械的安定
性を考慮しなければならない。
b) この機械的安定性がユーザのバランス能力に依拠する場合は,ロボットはユーザのバランス能力を妨
げてはならない。
c) つえ(杖),歩行器,リフターなど,ユーザの身体を支持する器具・装置の使用を前提とする場合,ロ
ボットとユーザとから成る系が,機械的安定性を備えているとしてもよい。
5.10.2.2 本質的安全設計
JIS B 8445の5.10.2.2(本質的安全設計)によるほか,必要に応じて,次の方策を適用しなければならな
い。
a) ロボットの質量を,ユーザの体重に比して十分軽量に設計する。
b) ロボットの重心を,可能な限り,ユーザの身体の重心と近くなるように設計する。
注記 a) 及びb) の方策は,ロボットとユーザとから成る系のZMPを支持多角形内に収め,かつ,ユ

――――― [JIS B 8446-2 pdf 14] ―――――

12
B 8446-2 : 2016
ーザのバランス能力を妨げないことに有用である。
5.10.2.3 安全防護及び付加保護方策
JIS B 8445の5.10.2.3(安全防護及び付加保護方策)によるほか,必要に応じて,次の方策を適用しなけ
ればならない。
a) ユーザのバランス能力を妨げないアシスト力を採用する。
b) 十分なバックドライバビリティをもつ駆動部を採用する。
c) 質量のアンバランスをロボットが相殺する手段を採用する。
d) 質量のアンバランスをユーザが調整する手段を採用する。
e) 転倒防止支援機能を採用する。
注記1 転倒防止支援機能には,例えば,歩行時の膝折れ防止機能がある。
f) 転倒する可能性を検知して,ゆっくり座ることを支援する機能を採用する。
ただし,e) 又はf) の機能だけによって転倒防止を実現する場合は,該当する機能を安全関連部とし,
6.6の要求を満たさなければならない。また,a) f) の方策を適用した後でも,転倒に関わるリスクが受容
できない場合は,次の方策を適用してもよい。
g) 転倒後の衝突によって,ユーザに印加される衝撃を緩和する手段を採用する。
注記2 衝突衝撃を緩和する手段には,例えば,エアバッグ,保護具などがある。保護具に関する
要求事項は,箇条10に規定している。
5.10.2.4 使用上の情報
JIS B 8445の5.10.2.4(使用上の情報)によるほか,ユーザの身体を支える器具又は保護具の使用を意図
する場合,それらの情報をユーザマニュアルに記載しなければならない。
注記 もつべき性能などの条件を記載するほか,条件を満たした製品の形名を記載する方法などがあ
る。
5.10.2.5 検証及び妥当性確認
JIS B 8445の5.10.2.5(検証及び妥当性確認)による。
5.10.3 移動中の不安定性
JIS B 8445の5.10.3(移動中の不安定性)に対応する要求事項は,5.10.2の要求事項に包含している。
5.10.4 物体操作中の不安定性
5.10.4.1 一般
JIS B 8445の5.10.4.1(一般)によるほか,次による。
a) ロボットを装着したユーザが,運搬,上げ・下ろし,把持,操りなどの物体操作をする場合は,必要
に応じて,ユーザ自身が操作する物体の形状,質量(質量配分を含む。)及びそれに起因したユーザと
ロボット相互の運動特性の変化による物体の取り落としリスクを考慮しなければならない。
b) 特に,操作する物体が,ユーザだけで支えられる範囲の形状及び質量を超える場合は,十分に考慮し
なければならない。
注記 例えば,運搬する物体を降ろす場合の過渡的な負荷の変化,又はロボットの特定の機能が停止
することで生じるアシスト力の低下によって,ユーザにかかる負荷が急激に変化し,ユーザが
物体を取り落とすおそれがある。
5.10.4.2 本質的安全設計
JIS B 8445の5.10.4.2(本質的安全設計)によるほか,必要に応じて,次の方策を適用しなければならな
い。

――――― [JIS B 8446-2 pdf 15] ―――――

次のページ PDF 16

JIS B 8446-2:2016の国際規格 ICS 分類一覧

JIS B 8446-2:2016の関連規格と引用規格一覧