JIS B 8811:2015 ラウンドスリング | ページ 3

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a) プルーフロード試験後のラウンドスリングについて,図4又は図5に示す方法で引張試験機の引張ジ
グにエンドレス形の本体又は両端アイ形のアイを真っすぐに取り付ける。このとき,アイ及び本体の
厚みが引張ジグに均等に配分され,できるだけ接触部には表面布のしわがないようにする。
b) 静的に引張力を加え,ラウンドスリングが破断するまでの最大引張力を測定する。ただし,最大使用
荷重が16 t以上のラウンドスリングの引張試験については,最大引張力を測定する代わりに引張試験
機の保全のために最大使用荷重の6倍に相当する引張力を加えることでもよい。
c) 引張ジグの直径は,両端アイ形のアイ又はエンドレス形の本体の厚みを引張ジグに均等に配分したと
きの厚さの68倍とする。

10.5 伸び率試験

  ラウンドスリングの伸び率試験は,次による。
a) ラウンドスリングを図4又は図5に示す方法で引張試験機に真っすぐに取り付け,エンドレス形の本
体又は両端アイ形のアイを引張ジグに取り付ける。このとき,アイ及び本体の厚みが引張ジグに均等
に配分され,接触部にはできるだけ表面布にしわがないようにする。
b) 最大使用荷重の3 %に相当する引張力を加え,そのときの標点距離を測定し,これを初標点距離とす
る。
c) 次に,最大使用荷重に相当する引張力を加え,そのときの標点距離を測定し,次の式によって伸び率
を求める。
l1 l0
100
l0
ここに, 伸び率(%)
l0 : 初標点距離(mm)
l1 : 最大使用荷重に相当する引張力を加えたときの標点距
離(mm)

10.6 芯体の永久伸び率試験

  芯体の永久伸び率試験は,次による。
a) 試料として,ラウンドスリングの引張試験機の引張ジグに接触しない部分の本体の表面布を左右に切
り離すか又は取り除いたものを製作する。
注記 芯体の永久伸び率に表面布が影響しないようにするため。
b) ラウンドスリングを図4又は図5に示す方法で引張試験機に真っすぐに取り付け,エンドレス形の本
体又は両端アイ形のアイを引張ジグに取り付ける。また,アイ及び本体の厚みが引張ジグに均等に配
分され,接触部にはできるだけ表面布のしわがないようにする。
c) 最大使用荷重の3 %に相当する引張力を加え,初標点距離を測定する。
d) 次に,最大使用荷重の4倍に相当する引張力を加えた後に最大使用荷重の3 %に相当する引張力まで
戻し,そのときの標点距離を測定し,次の式によって芯体の永久伸び率を求める。
l2 l0
100
l0
ここに, β : 芯体の永久伸び率(%)
l0 : 初標点距離(mm)
l2 : 最大使用荷重の4倍に相当する引張力を加えた後に最大
使用荷重の3 %に相当する引張力まで戻したときの標点
距離(mm)

――――― [JIS B 8811 pdf 11] ―――――

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10.7 最大使用荷重の大きいラウンドスリングの試験

  最大使用荷重が5 tを超えるラウンドスリングにおける10.310.6の試験は,より糸又はたばね糸の巻
数及び質量と各性能との相関が確認されている範囲に限って,その試験における試料と同じ材料及び同じ
製造方法のラウンドスリングについては,より糸又はたばね糸の巻数及び質量を測定し,破断荷重を算出
することで,これらの試験に代えてもよい。
なお,ラウンドスリングの最大使用荷重が表1の中間値1) の場合は,表1におけるすぐ上の最大使用荷
重のラウンドスリング及びすぐ下の最大使用荷重のラウンドスリングにおいて,より糸又はたばね糸の巻
数及び質量と各性能との相関が確認されている場合に限って,必要な巻数及び質量を内挿法によって算出
してもよい。
注1) 0.5 t以上100 t以下の値のうち,表1に記載されていない値。

10.8 摩耗試験

  表面布の摩耗試験は,次による。
a) 試験で使用する表面布は,芯体を被覆する前の,縫製加工を行っていない平状又は筒状のものとする。
b) 表面布を図6に示す方法で試験機に取り付ける。表面布の一端に,最大使用荷重1 t以下のラウンド
スリングには8 kg,1 tを超えるものには16 kgのおもりをつるし,表面布の他端は六角棒の上に渡す。
c) 表面布を,毎分30回±1回,移動距離330 mm±30 mmで,六角棒の2か所の角に10 000回往復摩擦
させた後,表面布の破れの有無について目視で確認する。
.00
d) 試験機に使用する六角棒は,JIS G 3123による。その対辺距離は24 mmで公差等級IT12( 21mm),
角の半径は0.5 mm±0.1 mmとする。また,六角棒の1回使用した角は,再び使用してはならない。
図6−ラウンドスリング表面布の摩耗試験の例

10.9 芯体の強さ試験

  芯体の強さ試験は,次による。
a) ラウンドスリングを図7又は図8に示す方法で引張試験機に取り付ける。このとき,芯体の強さ試験
用引張ジグはラウンドスリングの本体に取り付け,本体の厚みが芯体の強さ試験用引張ジグに均等に
配分されるようにするとともに,接触部にできるだけ表面布のしわがないようにする。
b) 表面布に芯体の強さ試験用引張ジグの痕跡が表れるまで又は表面布が破損して芯体が視認できるまで
徐々に引張力を加える。その後,引張力を除去して試験機から外し,表面布及び芯体の損傷状態を目
視又は手による感触によって確認する。

――――― [JIS B 8811 pdf 12] ―――――

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c) 表面布及び芯体の損傷状態を確認する部分に用いる芯体の強さ試験用引張ジグは,二辺の内角が90°
±2°,先端の半径が0.5 mm以下のものとする。
図7−両端アイ形ラウンドスリングの試験の例
図8−エンドレス形ラウンドスリングの試験の例

11 検査

11.1 検査の種類

  検査の種類は,形式検査及び受渡検査の2種類とする。

11.2 形式検査

  形式検査は,次の項目について箇条10の試験を行ったとき,箇条5箇条9及び箇条13の規定に適合
したものを合格とする。
なお,形式検査は,新規設計,又は構造,材料及び製造方法の変更によって新規設計とみなされるもの
について行う。
a) 構造及び寸法(箇条6)
b) 外観(箇条7)
c) 材料(箇条8)
d) 製造方法(箇条9)
e) プルーフロード(5.1及び10.3参照)
f) 破断荷重(5.2及び10.4参照)
g) 伸び率(5.3及び10.5参照)
h) 芯体の永久伸び率(5.4及び10.6参照)
i) 表面布の摩耗強さ(5.5及び10.8参照)
j) 芯体の強さ(5.6及び10.9参照)
k) 表示(箇条13)

11.3 受渡検査

  受渡検査は,次の項目について検査を行い,各規定に適合しなければならない。
なお,受渡検査は既に形式検査で性能が確認されたものについて,製品の受渡しをする場合に行う。

――――― [JIS B 8811 pdf 13] ―――――

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a) 外観(箇条7)
b) 表示(箇条13)

12 製品の呼び方

  ラウンドスリングの呼び方は,規格名称又は規格番号,種類,最大使用荷重及び寸法による。
例 両端アイ形,芯体に使用する単糸の種類がH,最大使用荷重が0.5 t,長さが5 mの場合
ラウンドスリング,HE-W005,0.5 t,5 m

13 表示

  表示は,次による。
a) 全ての要求事項に適合したラウンドスリングには,適切な箇所に,次の事項を表示する。
1) 規格番号及び種類の記号
2) 最大使用荷重(t)
3) 長さ(m)
4) 芯体の材料
5) 表面布の材料
6) 製造業者名又はその略号2)
7) 製造年月又はその略号 略号は,一般に分かりやすい方法とする。
例 1403(2014年3月)
8) その他必要な事項(受渡当事者間の協定による。)
注2) 製造業者名の略号は,できるだけ登録商標とするのがよい。
b) 表示例は,次による。
表示例1 表示例2
1) 規格番号及び種類の記号 JIS B 8811 HE-W005 JIS B 8811 SN-W100
2) 最大使用荷重 0.5 t 10 t
3) 長さ 5m 5m
4) 芯体の材料 ポリエステル ポリアリレート
5) 表面布の材料 ナイロン ポリエステル
6) 製造業者名又はその略号 株式会社○○ ××会社
7) 製造年月又はその略号 1403 1403

14 取扱説明書

  ラウンドスリングには,次の事項を記載した取扱説明書を添付する。
a) ラウンドスリングの使用荷重は,附属書Aによる。
b) ラウンドスリングの使用基準は,附属書Bによる。
c) ラウンドスリングの点検基準は,附属書Cによる。

――――― [JIS B 8811 pdf 14] ―――――

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附属書A
(規定)
ラウンドスリングの使用荷重
ラウンドスリングは,つり方,つり本数及びつり角度を確認し,最大使用荷重にモード係数を乗じて求
められる使用荷重以下で使用する。使用荷重を表A.1に示す。
なお,モード係数Mは,次の式によって求める。
cos
M N F
2
ここに, M : モード係数
N : つり本数
F : つり方係数
ストレートづりの場合 1
目通しづり(チョークづり)の場合 0.8
バスケットづりの場合 2
懿 つり角度(°)

――――― [JIS B 8811 pdf 15] ―――――

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