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B 9622 : 2000 (ISO 13656 : 2000)
附属書A(参考) 重量法によるインキトラッピングの検証
以下は,先刷りのインキ膜の上に印刷された後刷りインキの正確な質量を被印刷物面に直接印刷された
後刷りインキの質量と比較しながら求める実験室的な方法についての手順である。工程管理の手法として
はみなさない。サンプルの作り方は,ISO 5737 (Prints−Preparation of standard print for optical tests) の規定
に従う。
印刷適性試験機で,被印刷物の上に先刷りインキで測色計又は濃度計を用いて望ましい色になるように
ベタの印刷を行う。版は余白部分を少し残したベタ版を用いる。同様に,同じ版を使用して後刷りインキ
で被印刷物の上に望ましい色になるようにベタサンプルの印刷を行う。重量法で転移したインキの膜厚を
求める。重量法は,版の印刷前後の質量差から求める方法のほうが望ましいが,印刷物の印刷前後の質量
差から求める方法でも可能である[被印刷物は周囲の条件によって影響を受けやすいので,精密な分析用
の天びん(秤)を使用する場合には,一般的には前者のほうがより正確なひょう(秤)量ができる]。得ら
れた値は,被印刷物面の後刷りインキだけの膜厚になるが,これをSsとする。
同じ版を使用して先刷りインキの印刷物の上に後刷りインキの印刷を行う。このとき測色計又は濃度計
を用いて余白部分の色が始めに被印刷物に印刷した場合と同じになるように調整する。このとき転移した
後刷りインキの膜厚を求める。得られた値は重刷りされた後刷りインキの膜厚になるが,これをSoとする。
インキトラッピングは,次の式によって計算する。
Ig (%) =100 (So/Ss)
ここに, Ig : 質量(真の)インキトラッピング
So : 重刷りした後刷りインキの膜厚
Ss : 被印刷物に印刷した後刷りインキの膜厚
刷り順とともに質量インキトラッピングを記録する。
参考 質量インキトラッピングは100%に近くなることが多いが,先刷り面のインキ受容性が被印刷
物よりよい場合にはそれ以上の値になることもある。
――――― [JIS B 9622 pdf 11] ―――――
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B 9622 : 2000 (ISO 13656 : 2000)
附属書B(参考) 偏光フィルタによる濃度測定
物体面から反射される光は,通常二つの成分,すなわち,表面(又は鏡面)反射光成分と物体内部から
の散乱光成分とから成っている。第一の成分は印刷サンプルの“光沢”に関係し,2番目の成分だけが色
に関係する。工程管理上単位面積当たりの色材量を測ることが目的のときは,濃度計の設計者はできるだ
け第一の成分の影響を測定から除去するよう努力してきた。光沢の高いサンプルの場合は,標準の0°/45°
又は45°/0°濃度計で鏡面反射の影響をほとんど抑えている。しかし,光沢があまりないサンプルの場合
は,こうした条件ではかなりの量の鏡面反射光成分が受光器に入ってしまう。メーカによっては,偏光フ
ィルタ装置を装備して表面反射光を抑制する濃度計を出しているところもある。この装置は,鏡面反射光
は偏光を受けたままの状態になっているのに対して,物体内部からの散乱成分はそうした状態がほとんど
消滅するという事実に基づいている。照明光側と受光側の偏光フィルタの角度を適切に調整すると表面反
射の影響を50%程度抑制することができる。偏光フィルタを使用すると視感的な印象と濃度値との整合性
がやや失われることが分かっているが,次のような点は工程管理にとっては都合がよい。
− 単位面積当たりの色材量と濃度値とのおおまかな直線関係が,より高い濃度の範囲まで拡大する。
− 加則性不軌の傾向が軽減する。
− 反射濃度がインキの乾燥又はインキセットに依存する時間が軽減する。
濃度計を設計する際には,偏光フィルタの分光特性及びその他の光学的な特性を考慮して行うこと
が重要になる。偏光フィルタを付けない状態でISO 5-3及びISO 5-4の規定に適合している濃度計に
そのまま偏光フィルタを付けると適合性が失われる場合がある。同様に,偏光フィルタを付けた状態
でISO 5-3及びISO 5-4の規定に適合している濃度計から偏光フィルタを除くと,適合性が失われる
場合がある。
偏光フィルタ付濃度計を校正するには,光沢の高い光学試料片が必要になる。この試料片は偏光フ
ィルタなし濃度計にも使用できるが,詳細についてはISO 14981を参照。
――――― [JIS B 9622 pdf 12] ―――――
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B 9622 : 2000 (ISO 13656 : 2000)
附属書C(参考) 版面のトーンバリュー
一定の条件のもとであれば,濃度計を使用して版面のトーンバリューを求めることが可能である。ほか
に画像部の面積率を測る正確な方法がないので,トーンバリューはその尺度として使用することができる。
その場合には,次の条件が満たされることが望ましい。
− 画像部と非画像部の濃度差が最低でも0.7ある。
− 画像部と非画像部共に版面のどの部分においても濃度に変動がない。
− 濃度値を小数点以下3けたまで表示,又はトーンバリューを直接表示する高精度の装置である。
− 濃度計の有効アパーチュア径がスクリーン幅の15倍以上になっていることが望ましい。
測定方法 : 反射濃度計を用いて同じ版上の非画像部とコントロールパッチのベタ部及び網点部の濃
度を測る。現像後の刷版でまだ感光性が残っている場合は,現像後昼光にさらされる前に速やかに測
定する。画像部と非画像部の濃度差が0.7以下の場合は,再現性のある方法で版にインキを盛ってコ
ントラストを上げてもよい。コントロールパッチのベタ部分に対して最も高い濃度を示す濃度計のフ
ィルタにセットする(分光光度計が使用できる場合は,感光層の光吸収波長域内に入る狭帯域フィル
タを選んでそれをカラーチャンネルと定義すれば,トーンバリューが計算できる。もう一つの方法と
して,あまり手間を掛けたくなければ濃度計にあるすべてのカラーチャンネルを試して最も高い濃度
を示すチャンネルを使用してもよい。)。
濃度値に読取方向性がある場合には,10か所以上の測定値を平均する。その場合,測定の半数はシ
リンダの回転方向に濃度計を置いて,残りの半数を軸方向に置いて測定する。
網点コントロールパッチのトーンバリューは,3.ae)で定義した式から計算する。
JIS原案作成委員会 構成表
(委員長) 高 橋 恭 介 東海大学工学部
(幹事) 山 崎 雅 彦 ISO/TC130国内委員会
(委員) 倉 田 道 夫 大日本印刷株式会社
渡 辺 豊 也 共同印刷株式会社
槍 田 哲 二 凸版印刷株式会社
坂 本 卓 大日本スクリーン製造株式会社
加 瀬 元 禮 富士写真フィルム株式会社
後 藤 聖 コニカ株式会社
中 塚 毅 大日本インキ化学工業株式会社
小 沢 義 夫 伊原電子工業株式会社
渡 部 義 昭 サカタインクス株式会社
橋 本 進 財団法人日本規格協会
(事務局) 白 井 宏 社団法人日本印刷産業機械工業会
竹 内 時 男 社団法人日本印刷産業機械工業会
JIS B 9622:2000の引用国際規格 ISO 一覧
- ISO 13656:2000(IDT)
JIS B 9622:2000の国際規格 ICS 分類一覧
- 37 : 映像技術 > 37.100 : グラフィック技術 > 37.100.01 : グラフィック技術一般
JIS B 9622:2000の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB9620-1:2000
- 印刷技術―カラー印刷における工程管理―第1部:パラメータ及びその測定方法
- JISB9620-2:2000
- 印刷技術―カラー印刷における工程管理―第2部:オフセット印刷