JIS B 9932:2015 油圧―液体用自動粒子計数器の校正方法 | ページ 10

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B 9932 : 2015 (ISO 11171 : 2010)
H.2 例2−校正曲線の作成
H.2.1 6.8参照。
6.3で校正サンプルを分析することによって得たデータを用いて,粒子濃度と粒径区分電圧との関係を決
定する。6.4で定めた適切なデータだけを用いて粒子濃度と粒径区分電圧との関係を両対数グラフにプロッ
トする[図H.1 b)]。適切な数学的手法を用いて,滑らかな曲線を作成する(図H.1の曲線1)。
H.2.2 校正のために粒径を選定する。この例では,10 c) の粒径を使用する。
H.2.3 H.2.2で選定した粒径に対応する粒子濃度を求める。図H.1 a) は,この例で使用したSRM 2806の
一次校正用懸濁液の粒子濃度と粒径との関係を示す。NIST証明書によると,10 c) より大きな粒子の
濃度は,513.7個/mLである。10 c) 点での垂直方向の矢印[図H.1 a) の矢印2]はこの値に対応して
いる。
H.2.4 H.2.3で決定した粒子濃度に対応する粒径区分設定電圧を決定する。二つのグラフを結ぶ水平方向
の矢印(図H.1の矢印3)を参照すると,513.7個/mLに対する粒径区分設定電圧が339 mVとなる(図H.1
の矢印4)。
H.2.5 選定した粒径10 m(c) に対して,H.2.4で決定した粒径区分設定電圧339 mVをプロットする(図
H.1の矢印5)。
H.2.6 他の粒径についてもH.2.2H.2.5を繰り返す。粒径及びこの方法によって求めた粒径区分設定電圧
を用いて校正曲線(図H.1の曲線6)を作成する。

――――― [JIS B 9932 pdf 46] ―――――

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a) 証明書に基づいた粒径と粒子濃度との関係 b) 測定した粒子濃度と粒径区分電圧との関係
c) PCの校正曲線
記号
d : 粒径[m(c)] X : 指定粒径以上の粒子の濃度(個/mL)
Vt : 粒径区分電圧(mV) 1,2,3,4,5,6 : H.2参照
図H.1−粒径及び粒径区分電圧から校正曲線を作成する方法の実例

――――― [JIS B 9932 pdf 47] ―――――

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H.3 例3−同時通過損失のための回帰式の手順
H.3.1 B.7参照。
同時通過損失の手順を,附属書Bに従いノイズレベルの1.5倍で実行した。表H.1は,結果の一部であ
る。
表H.1−例3において使用するデータ
APC製造業者の推奨限界濃度 ダスト濃度,γ 測定濃度,X
% mg/L 個/mL
0 0 6.6
10 0.12 1 654
20 0.25 3 347
30 0.28 3 857
40 0.40 5 235
50 0.48 6 286
H.3.2 040 %のデータだけが回帰のために用いることができることから,実際濃度と測定濃度との間の
理論的な関係を決定するために5個(N=5,すなわち,0 %,10 %,20 %,30 %及び40 %のデータ)のデ
ータを用いる。
ΣX,Σγ,ΣγX,Σγ2及びΣX2を計算する。
ΣX=6.6+1 654+3 347+3 857+5 235=14 099.6
Σγ=0+0.12+0.25+0.28+0.40=1.05
ΣγX=(0×6.6)+(0.12×1 654)+(0.25×3 347)+(0.28×3 857)+(0.40×5 235)=4 209
Σγ2=(0.00)2+(0.12)2+(0.25)2+(0.28)2+(0.40)2=0.315 3
ΣX2=(6.6)2+(1 654)2+(3 347)2+(3 857)2+(5 235)2=56 219 843
H.3.3 回帰式を求めるために傾きa及び相関係数rを計算する。
N X X 5 4 209 .105 14 0996.
a 2 2 2
13 167
N 5 .0315 3 .105
N X X 5 4 209 14 0996..105
r .0999
2
N 2 2
NX 2
X
2 5 .0315 3 .105 5 56 219 843 14 0996. 2
H.3.4 回帰式を用いて,理論濃度Xt[50 %(0,48 mg/L)濃度]を計算する。
Xt=aγ=13 167×0.48=6 320.16
H.4 例4−ハーフカウント設定値の決定
H.4.1 D.5参照。
APCの差分モードを使用し,表H.2の結果が得られるまで,最初の4個のチャンネルの粒径区分電圧を
D.3で規定するとおりに調整する。APCのノイズレベルは3.0 mVである。

――――― [JIS B 9932 pdf 48] ―――――

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表H.2−例4のデータ
チャンネル 記述 粒径区分電圧 mV 差分計数 Ni
1 ノイズレベルの1.5倍 1.5×3.0=4.5 953
2 第3チャンネルの設定の0.72倍 0.72×57.8=41.6 29 592
3 ポリスチレンラテックス球の粒径の中央値 57.8 30 250
4 第3チャンネルの設定の1.32倍 1.32×57.8=76.3 1 774
H.4.2 Dを計算する。
N2 29 592
D 1 100 1 100 .218 %
N3 30 250
H.4.3 Dの絶対値が3 %より小さいことから,ハーフカウント状態は達成された。この場合,第3チャン
ネルの粒径設定電圧は,ポリスチレンラテックス球の粒径に対応する。
H.5 例5−分解能の決定
H.5.1 D.11及びD.12参照。
例4において,6.8で求めた校正曲線を用いることによってハーフカウント設定値を得た。この設定値は
13.12 c)[d=13.12 c)]の粒径と対応することが分かる。
最初の5個のチャンネルをD.7に従って再調整した結果,表H.3を得た。
表H.3−例5のデータ
チャンネル 記述 設定値 mV 粒径 c) 差分計数 Ni
A チャンネルCの0.72倍 0.72×57.8=41.6 10.91 304
ポリスチレンラテックス球の粒径の 48.1 0.9×13.12=11.81 29 946
B
0.9倍
C ハーフカウント設定値 57.8 13.12 23 879
ポリスチレンラテックス球の粒径の 68.4 1.1×13.12=14.43 4 713
D
1.1倍
E チャンネルDの1.32倍 1.32×57.8=76.3 15.30 1 774
H.5.2 c) の単位で,sL及びsRを計算する。
表H.3の結果から,d=13.12 c),NA=304,NB=29 946,NC=23 879及びND=4 713であるので,
d 13.12
sR .091 μm) c(
NC 23 879
6 ln 12 6 ln 12
ND 4 713
d 13.12
sL .041 μm) c(
NB 29 946
6 ln 12 6 ln 12
NA 304
H.5.3 RL及びRRを計算する。
供給元から報告されたポリスチレンラテックス球の粒径の標準偏差sIは,0.039
2 2
100 sL sI 100 .0412 .0039 2
RL .311
d 13.12

――――― [JIS B 9932 pdf 49] ―――――

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2 2
100 sR sI 100 .0912 .0039 2
RR .693
d 13.12
H.5.4 分解能を決定するためにRLとRRとを比較する。
例5においては,RRはRLより大きいのでR=RRとなる。したがって,APCの分解能は6.93 %であり附
属書Dの性能仕様の範囲内である。

――――― [JIS B 9932 pdf 50] ―――――

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JIS B 9932:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • ISO 11171:2010(IDT)

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JIS B 9932:2015の関連規格と引用規格一覧