この規格ページの目次
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B 9962 : 2019 (IEC 62745 : 2017)
3.4
送信機(transmitter)
ケーブルレス制御システムのうち,受信機にフレームを伝送する部分。
3.5
オペレータコントロールステーション(operator control station)
同一パネル上又は同一のエンクロージャ内にある一つ以上の制御アクチュエータのユニット(外部から
の手動操作が行われるデバイス部分)。
注記 オペレータコントロールステーションには,関連機器(例えば,ポテンショメータ,信号ラン
プ,計器,ディスプレイデバイスなど)を含めることも可能である。
3.6
フレーム(frame)
リモートステーションとベースステーションとの間で交わされる情報の“パッケージ”。例えば,次の事
項を含む。
a) アドレス符号
b) 操作指令
c) エラー検出符号
d) その他の指令,信号又は情報
注記 “フレーム”は,“テレグラム”又は“メッセージ”と呼ぶ場合もある。
3.7
アドレス符号(address code)
ベースステーション又はリモートステーションが,フレームが指令を伝えることを目的としたものであ
ることを認識できるようにするフレームの一部。
注記 ベースステーション又はリモートステーションは,適切なアドレス符号があると認識された指
令に反応する。
3.8
操作指令信号(operating command signal)
機械の機能を開始,変更又は維持するための制御信号。
3.9
エラー検出符号(error detection code)
伝送エラーの検出を可能にする各フレームに追加された情報。
3.10
ニュートラルフレーム(neutral frame)
フレーム内の操作指令信号は全て,ベースステーションで受信されたときに,機械の危険な作動を引き
起こさない状態にあるフレーム。
注記1 ニュートラルフレームは,送信機と受信機との間の通信(すなわち,有効信号)を維持する
ために使用する場合もある(例えば,機械の停止機能の自動開始を防ぐなど)。
注記2 ニュートラルフレームの伝送は,通信の確立又は再確立時に機械の危険な作動を防ぐために
用いられる。
注記3 ニュートラルフレームには,情報(例えば,パラメータ化情報など),及び機械の危険な作動
を引き起こさない指令を含めることができる。
――――― [JIS B 9962 pdf 6] ―――――
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B 9962 : 2019 (IEC 62745 : 2017)
3.11
ハミング距離(hamming distance)
同一長の二つのフレームを比較した場合の異なるビット位置の数。
3.12
リモートステーション(remote station)
ケーブルレス制御システムの一部で,オペレータがケーブルレス制御システムを操作するインタフェー
ス。
注記1 ケーブルレス制御システムのリモートステーションを“送信機”と呼ぶ場合がある。しかし,
双方向ケーブルレス制御システムの一部であるリモートステーションには,送信機及び受信
機の両方が含まれる。
注記2 リモートステーションは,ケーブルレス制御システムのオペレータコントロールステーショ
ンを構成する。
注記3 リモートステーションは,(オペレータによる)携帯型,移動体型(例えば,機械とは分離し
て車両又は台車に設置),固定型(例えば,機械上又は機械付近に設置)などがある。
3.13
ベースステーション(base station)
ケーブルレス制御システムの一部で,機械制御システムのインタフェース。
注記1 ケーブルレス制御システムのベースステーションを“受信機”と呼ぶ場合がある。しかし,
双方向ケーブルレス制御システムの一部であるベースステーションには,送信機及び受信機
の両方が含まれる。
注記2 ベースステーションは,固定型又は可動型のいずれの機械にも設置できる。
注記3 ベースステーションは,必ずしも個別の物理的実体である必要はないが,ベースステーショ
ンに対してこの規格で定められた要求事項を満たすコンポーネントを全て備えている。
3.14
停止出力(stop output)
停止機能を開始する機械の制御システムに接続された,ベースステーションの出力回路。
注記1 停止出力は,安全関連の場合も,そうでない場合もある(表3参照)。
注記2 CCSベースステーションのフィールドバス部の接続も,出力回路とみなせる。
3.15
オフ状態(OFF-state)
ベースステーションの安全関連停止出力状態であり,機械の一つ以上の停止機能を開始するために使用
する。
3.16
安全関連停止機能(safety-related stop function)
CCSによって提供される停止機能であり,機械はオフ状態となる。この機能に障害が発生した場合は,
リスクが急激に高まる。
3.17
アクティブ停止(active stop)
リモートステーションからベースステーションに停止信号を伝送することによる停止。
――――― [JIS B 9962 pdf 7] ―――――
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B 9962 : 2019 (IEC 62745 : 2017)
3.18
パッシブ停止(passive stop)
ベースステーションに有効信号がないことによる安全関連停止。
注記 例えば,範囲外の状態,バッテリ故障,電磁妨害の場合にパッシブ停止は開始される。
3.19
自動停止(automatic stop)
オペレータによるデバイスの手動操作なしに作動する安全関連停止。
3.20
手動停止(manual stop)
オペレータによるデバイス操作によって作動する停止。
3.21
有効信号(valid signal)
受信機のエラーチェックルーチンによって受信したフレーム及び該当する受信機のアドレス符号を含む,
ニュートラルフレームを含む全てのフレーム。
3.22
リモートステーションの無効化(disabling of a remote station)
リモートステーションからベースステーションに信号を伝送できない状態にする意図的操作。
4 機能要求事項
4.1 一般
図1はCCSと機械制御システムとの相互作用の主な要素の例を示す。
――――― [JIS B 9962 pdf 8] ―――――
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B 9962 : 2019 (IEC 62745 : 2017)
機械制御システム
オペレータコントロールステーション(3.5)
ケーブルレス制御システム(3.2)
有線 リモートステーション(3.12)
有線制御
ペンダント
ステーション 送信機 受信機
コントローラ (3.4) (3.3)
制御回路 受信機 送信機
(3.3) (3.4)
有線信号
ベースステーション(3.13)
ケーブルレス信号
図1−ケーブルレス制御システムと機械制御システムとの関係ブロック図例
注記 この規格でのJIS B 9960-1の引用において,IEC 60204シリーズのその他の関連部分における
対応要求事項が含まれる場合がある。
4.2 操作上の防止事項
4.2.1 不注意による作動の防止
リモートステーション及びその制御アクチュエータは,不注意による作動(例えば,床に落とす,物に
ぶつかる,電源喪失など)によって,意図しない危険な指令が引き起こされる可能性を最小限に抑えるよ
う設計し,配置しなければならない。
4.2.2 無許可操作の防止
CCSの無許可操作を防止する必要がある場合,リモートステーションに無許可操作を防止する手段(キ
ースイッチ,アクセス符号など)を設けなければならない。
4.2.3 意図しない指令の防止
操作指令信号を確実にする次の手段をとらなければならない。
・ 操作指令信号が,意図するベースステーション又はリモートステーションだけに作用するようにする
(例えば,アドレス符号を使用する。)。
・ 操作指令信号が,ベースステーション又はリモートステーションにおいて意図する機能だけ開始させ
る。
こうした手段は,偶発的又は意図せぬ変更の影響を受けないようにしなければならない。
誤作動又は故障の検出時に,関連する全ての安全関連出力は適切な安全インテグリティでオフ状態にな
るよう制御しなければならない。
装置アドレス指定にハードウェアスイッチ(例えば,DIPスイッチ)を用いるとき,故障時の要求事項
――――― [JIS B 9962 pdf 9] ―――――
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B 9962 : 2019 (IEC 62745 : 2017)
を満たすためにパリティチェックのような追加手段が必要になる場合がある。
注記 よくある手法として工場出荷時の符号設定がある。この手法はユーザによって(意図的又は不
注意で)損なわれないため,ユーザが設定する手法よりも強固である。
4.3 シリアルデータ転送
シリアルデータ転送は,次の要求事項の一つを満たさなければならない。
・ 入力ビットエラー率Pe=10−3でそれ以上の入力ビットエラー率が認められない場合は,受信するエラ
ーフレームの未検出率R(Pe) を,1×10−8未満となるような手段を講じなければならない。
・ ハミング距離は,4又は1フレームの総ビット数を20で除した数の,いずれか大きい値でなければな
らない。
注記1 入力ビットエラー率Pe=10−3という値は,加法性白色ガウス雑音(AWGN)と電磁妨害(EMI)
とによって障害が発生した無線チャネルの基準予測値とみなすことができる。
注記2 IEC 60870-5-1では,一連の可能な伝送フレーム形式を定義している。
注記3 シリアルデータ伝送の信頼性向上を図ることによってだけ,伝送メディアで発生するエラー
の可能性を減らすことができる。
CCSの安全関連機能に加えて,1時間当たりの未検出エラー発生確率である見逃しエラー率Λは,CCS
各機能に対するPFHD値の1 %未満でなければならない。1時間当たりの未検出エラー見逃し確率Λは,
次の計算式による。
Λ(Pe)=R(Pe)×v×b [1/h]
ここに, Λ(Pe) : 入力ビットエラー率に対する1時間当たりの未検出エラ
ー見逃し確率
R(Pe) : 入力ビットエラー率に対する1フレーム当たりの未検出
エラー見逃し確率
Pe : 入力エラー確率。同値に関してより高い数値が認められ
ない場合は,Pe=1×10−3として計算
v : 1時間当たりの安全関連の最大メッセージ数
b : 待受状態にあるベースステーション最大数
注記4 PFHDの定義については,JIS B 9961又はJIS B 9705-1を参照。
注記5 Λ(Pe) の計算は,IEC 61784-3に基づく。この手法は,安全関連メッセージのサイクリック伝
送に有効である。
注記6 CRCをハッシュ機能として用いる場合,IEC 61784-3:2016の式(B.3)又は式(B.4)を用いて,入
力ビットエラー率Pe=1×10−3でR(Pe) を適用して決定することができる。
CCSは,伝送の信頼性を示す表示器を設けることができる。
注記7 伝送の信頼性に影響を及ぼす可能性がある各条件に対して,個別の警告表示器を用意する必
要はない。
4.4 リモートステーション伝送の除去
リモートステーションからの伝送を容易に停止できる手段を用意する必要がある。これは,次の一つ以
上の方法によって達成しなければならない。
・ リモートステーションに対する伝送の電力供給を遮断する機器で,この機器は直接開路動作機能をも
つ(IEC 60947-5-1:2016のAnnex K参照)。
・ 工具を使わずにバッテリを取り外す。
――――― [JIS B 9962 pdf 10] ―――――
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JIS B 9962:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62745:2017(IDT)
JIS B 9962:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 35 : 情報技術.事務機械 > 35.100 : 開放型システム間相互接続(OSI) > 35.100.01 : 開放型システム間相互接続一般
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.110 : 機械の安全
JIS B 9962:2019の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISB9703:2019
- 機械類の安全性―非常停止機能―設計原則
- JISB9705-1:2019
- 機械類の安全性―制御システムの安全関連部―第1部:設計のための一般原則
- JISB9961:2008
- 機械類の安全性―安全関連の電気・電子・プログラマブル電子制御システムの機能安全
- JISC8201-5-5:2008
- 低圧開閉装置及び制御装置―第5部:制御回路機器及び開閉素子―第5節:機械的ラッチング機能をもつ電気的非常停止機器