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C 1400-3 : 2014 (IEC 61400-3 : 2009)
通常水位範囲は,海況及び風速の結合確率分布(Hs,Tp及びVhub)に基づく通常海況(NSS)の疲労荷
重ケース及び終極(終局)荷重ケースにおいて仮定しなければならない。また,次の条件の終極(終局)
荷重ケースでも通常水位範囲を仮定しなければならない。
・ 高波浪時海況(SSS)モデル及び高波浪時波高(SWH)モデル
・ 再現期間1年の波浪条件
終極(終局)荷重の計算は,荷重が最大となる通常水位範囲内の水位に基づくか,又は通常水位範囲内
の水位の確率分布を適切に考慮して実施しなければならない。
確率論的な高波浪時海況(SSS)モデル及び高波浪時波高(SWH)モデルに関連した終極(終局)荷重
ケースにおいて,通常水位範囲に対応する水位では波高が水深によって制限される場合がある。この場合,
波高が水深によって制限されることを回避するためには,極値水位範囲(EWLR)内で,より高めの水位
を仮定しなければならない。
流体力学的疲労荷重の計算では,設計者は,水位の変化が疲労荷重に及ぼす影響が無視できるか,又は
平均潮位以上の一定水位を仮定することで,その影響を安全側に見積もることができることを,場合によ
っては適切な解析によって実証してもよい。
6.4.3.2 極値水位範囲(EWLR)
極値水位範囲は,再現期間50年の波浪条件に対応する終極(終局)荷重ケースに対して仮定しなければ
ならない。荷重計算は,洋上風車に作用する荷重が最大になるような水位を基準として行わなければなら
ない。支持構造物の流体力荷重,氷荷重及び浮力の計算のために,対応する設計に必要な変動水位を求め
なければならない。
水位を含む気象海象パラメータの長期的な結合確率分布が存在しない場合,設計者は,少なくとも次の
水位に基づいて計算を実施しなければならない。
・ 再現期間50年の最高静水位(最高天文潮位と高潮による水位上昇との適切な組合せに基づく。)
・ 再現期間50年の最低静水位(最低天文潮位と高潮による水位低下との適切な組合せに基づく。)
・ 砕波の最大荷重に対応した水位
6.4.4 海氷
場所によっては,海氷による洋上風車の支持構造物の荷重が重要となる場合がある。氷の荷重は,定着
氷板による静的荷重に関係している場合,又は風及び水流によって引き起こされる氷盤の動きによる動的
荷重に関係している場合がある。移動氷盤が長期間にわたって支持構造物に衝撃を与えた結果,顕著な疲
労荷重を引き起こすこともある。海氷の発生及び特性に関するサイト固有の評価は,12.7の規定によって
実施しなければならない。
氷荷重の計算に関する指針を附属書Eに示す。
6.4.5 海洋付着生物
海洋付着生物は,洋上風車の支持構造物の質量,形状及び表面状態に影響する。その結果,海洋付着生
物が支持構造物の流体力による荷重,動的応答,アクセス性及び腐食速度に影響する場合がある。
場所によっては,海洋付着生物が顕著になることがあり,支持構造物の設計において考慮しなければな
らない。
海洋付着生物は,“硬質”(一般に,貝類及びフジツボ)及び“軟質”[のり(海苔)及びコンブ類]に大
分される。硬質の付着物は,一般に軟質の付着物より厚さは薄いが粗度が大きい。一般に,構造物を設置
すると間もなく海洋生物が群生するが,数年後には成長速度が鈍る。
海洋付着生物の性質及び厚さは,構造部材の潮位に対する位置,卓越水流に対する向き,年月及び保守
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の方針によって異なるが,塩分,酸素濃度,pH値,水流,温度のようなその他のサイト条件にも依存する。
腐食環境は,通常,支持構造物の上部浸水部分及び飛まつ帯の下部に付着した海洋付着生物による影響
を受ける。海洋付着生物の種類及びその他の局部条件によって,実質的な影響は腐食性を進行させる場合
又は遅らせる場合がある。海洋付着生物によって腐食プロセスが進行する場合(例えば,腐食性代謝物質
によって),一般に“微生物腐食”(Microbiologically influenced corrosion : MIC)と呼ばれる。さらに,海
洋付着生物は,コーティング/ライニング及び電気防食を含む腐食抑制のシステムに影響を及ぼすことも
ある。
海洋付着生物について仮定するのは不確かさが伴うため,海洋付着生物の検査及び除去に関する方策を
支持構造物の設計の一環として計画することが望ましい。実施間隔,検査方法及び海洋付着生物の除去基
準は,洋上風車の構造信頼性に対する海洋付着生物の影響,及びサイト固有の条件下で海洋付着生物の経
験の程度を基準としなければならない。
6.4.6 海底変形及び洗掘
洋上風車の支持構造物は,海底変形及び洗掘の影響を考慮に入れて設計しなければならない。海底変形
及び洗掘の解析,並びに適切な洗掘防止工の設計は,ISO 19901-4:2003の要求事項に適合しなければなら
ない。海底条件の評価に関する要求事項は,12.9による。
6.5 その他の環境条件
風及び海洋環境条件以外の種々の環境(気象)条件は,熱,光化学,腐食,機械,電気,その他の物理
的作用によって,洋上風車の健全性及び安全性に影響することがある。さらに,気象パラメータが組み合
わさるとその作用が増大することがある。
少なくとも,次に示す環境条件を考慮し,施した対応を設計文書に記載しなければならない。
・ 気温
・ 湿度
・ 空気密度
・ 太陽の放射
・ 雨,ひょう(雹),あられ(霰),雪及び氷結
・ 化学的活性物質
・ 活動粒子[浮遊じんあい(塵埃)など]
・ 腐食を引き起こす塩分
・ 雷
・ 地震
・ 海水密度
・ 水温
・ 船舶などの往来
設計で考慮する気象条件は,変化する条件の代表値又は限界値によって指定する。設計値を選定する場
合は,幾つかの気象条件が同時に発生する確率も考慮する。
再現期間1年かそれ以上頻発する,気象条件の通常限界内の変化が,洋上風車の設計に用いた通常運転
(条件)を阻害してはならない。
相関関係が存在しない限り,6.5.2のその他の極値環境条件は,JIS C 1400-1:2010の通常風条件及び6.4
の通常海洋環境条件とを組み合わせなければならない。
6.5.1 その他の通常環境条件
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考慮しなければならないその他の通常環境条件の値は,次の値を用いることが望ましい。
・ 気温範囲5) −10 ℃+40 ℃
・ 相対湿度 100 %まで
・ 太陽の放射強度 1 000 W/m2
・ 空気密度 1.225 kg/m3
・ 海水密度 1 025 kg/m3
・ 水温範囲5) 0 ℃+35 ℃
注5) 気温範囲及び水温は,1時間平均値とする。
設計者がその他の外部条件を指定する場合は,それらのパラメータ及びその値を設計文書に記載する。
また,それらはIEC 60721-2-1:2002の要求事項に適合しなければならない。
6.5.2 その他の極値環境条件
洋上風車の設計で考慮しなければならないその他の極値環境条件は,温度,雷,氷結及び地震とする。
6.5.2.1 温度
標準風車クラスの洋上風車に対する極値気温範囲は,−20 ℃+50 ℃であることが望ましい。
6.5.2.2 雷
JIS C 1400-1:2010で要求している雷保護に関する規定は,標準風車クラスの洋上風車に対しても十分で
あると考えてもよい。
6.5.2.3 氷結
標準風車クラスの洋上風車に対しては,氷結に関する最低要求事項は,規定しない。風車各部の氷結と
して,次によるものを考慮しなければならない。
・ 温度0 ℃前後及び0 ℃以下では,湿度及び氷の堆積物
・ 温度0 ℃以下では,波頂の波しぶき
6.5.2.4 地震
標準風車クラスの洋上風車に対しては,地震に関する最低要求事項は規定しない。地震の条件及び影響
に関しては,JIS C 1400-1:2010を参照する。
6.6 電力系統条件
洋上風車接続端における通常の条件は,次による。
すなわち,パラメータが次の範囲内にある場合は,通常の電力系統条件を適用する。
・ 電圧 公称値±10 %(公称値自体は,IEC 60038参照)
・ 周波数 公称値±2 %
・ 電圧不平衡 電圧の逆相成分の比が2 %以下。
・ 自動再閉路周期 自動再閉路の周期は,初回の再閉路では0.1秒5秒,2回目の再閉路では10秒
90秒を考慮しなければならない。
・ 供給停止 電力系統の供給停止は,年間20回発生すると仮定する。6時間以下6) の供給停止は,通常
の供給停止状態であるとみなす。3か月以下の供給停止は,極値状態とみなさなければならない。
注6) 6時間の運転を,暴風の最も厳しい地域の持続時間に相当すると仮定している。
7 構造設計
7.1 一般
洋上風車構造物の荷重を受ける部品が健全であることを検証し,安全性レベルが許容水準にあることを
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確認する。適切な安全性レベルをもつ洋上風車の構造的健全性を立証するために,構造部材の終極(終局)
強度及び疲労強度を,計算及び/又は試験によって検証しなければならない。
構造解析は,ISO 2394:1998に基づいて行う。
計算は,適切な方法を用いて実施する。計算方法の説明を設計文書に記載しなければならない。説明に
は,計算方法の妥当性の根拠を盛り込むか,又は適切な検証研究を参照しなければならない。
なお,強度検証試験の荷重レベルは,7.6による特性荷重に適した安全率に対応していなければならない。
7.2 設計方法
風車を設計するに当たっては,限界状態を超えないことを検証しなければならない。また,ISO 2394:1998
に規定するように,計算の代わりに模型試験及び試作機試験によって構造設計を検証してもよい。
7.3 荷重
設計計算では,7.3.17.3.6に規定する荷重を考慮しなければならない。
7.3.1 重力荷重及び慣性荷重
重力荷重及び慣性荷重は,重力,振動,回転及び地震によって生じる静的及び動的荷重をいう。
7.3.2 空力荷重
空力荷重とは,空気流,並びに空気流と風車の静止部及び可動部との相互作用によって生じる静的及び
動的な荷重をいう。
空気の流れは,ロータ面を通過する平均風速及び乱れ,ロータの回転速度,空気密度並びに風車構成部
品の空力形状及び空力弾性効果を含むそれらの部品の相互作用効果に依存する。
7.3.3 作動荷重
作動荷重は,風車の運転及び制御によって生じる。また,作動荷重には,発電機及びインバータからの
トルク制御,ヨー及びピッチのアクチュエータの荷重,並びに機械ブレーキの荷重を含む幾つかの区分が
ある。それぞれのケースにおいて,応答及び荷重の計算では,利用可能なアクチュエータ力の範囲を考慮
することが重要である。特に,機械ブレーキでは,あらゆる制動時の応答及び荷重を確認する場合,温度
及び経年変化の影響を受ける摩擦,ばね力又は圧力の範囲を考慮しなければならない。
7.3.4 流体力荷重
流体力荷重は,水の流れ及び水の流れと洋上風車の支持構造物との相互作用によって生じる動的荷重で
ある。
流体力荷重は,水の流れの運動,水の密度,水深,支持構造物の形状及び流力弾性効果を含むそれらの
相互作用効果に依存する。
洋上風車の支持構造物のうち,流体力荷重を受けるものとして設計していない部分は,再現期間50年の
最高波頂高の期待値に最小間隔を加えた高さに位置していなければならない。このとき,最高天文潮位,
高潮による水位上昇,極値波の波頂高及び支持構造物の動きを考慮する。最小間隔はエアギャップと呼ば
れるが,これは0.2* Hs50とする。ただし,最小値は1 mとしなければならない。
特に,附属物の設計においては,波の“打上げ”によって生じる流体力荷重を考慮することが望ましい。
7.3.5 海氷荷重
洋上風車に作用する海氷荷重は,静的荷重及び動的荷重の両方がある。静的荷重は,定着氷板の温度変
動又は水位変化のいずれかによって生じる。動的荷重は,風及び潮流による氷盤の動き,並びに氷盤が支
持構造物と接触することによって生じる。
海又は湖における氷荷重と,支持構造物の設計との関連性は,洋上風車の具体的な設置場所及び特性に
依存する。氷荷重の計算に関する指針を附属書Eに示す。
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7.3.6 その他の荷重
風車後流荷重,衝撃荷重,氷荷重などのその他の荷重が発生する可能性があるため,適宜,考慮する。
必要に応じて,JIS C 1400-1:2010に従って地震荷重を考慮しなければならない。このほか,海底地震で
生じた波(津波)による流体力荷重について考慮が必要な場合もある。
内圧及び外圧,並びにそれらから生じる浮力によって支持構造物に作用する静水圧荷重を,適宜,考慮
しなければならない。
7.4 設計条件及び荷重ケース
この細分箇条では,洋上風車の設計荷重ケースを示し,考慮しなければならない最小限の条件を規定す
る。
設計では,洋上風車の寿命は,洋上風車がさらされると考えられる最も顕著な状態までを含んだ設計条
件の組合せによって代表させることができる。
荷重ケースは,運転モード又は洋上風車特有の組立,建設若しくは保守の条件のようなその他の設計条
件と外部条件との組合せによって決定しなければならない。適切な発生確率での全ての該当する荷重ケー
スを制御及び保護システムの挙動と併せて考慮する。洋上風車の構造的健全性の検証に用いる設計荷重ケ
ースは,次の組合せから計算する。
・ 通常設計条件,及び適切な通常又は極値外部条件
・ 故障設計条件,及び適切な外部条件
・ 輸送,据付及び保守の設計条件,並びに適切な外部条件
極値外部条件と故障条件との間に相関関係がある場合は,両者の現実的な組合せを設計荷重ケースとし
て考慮しなければならない。
それぞれの設計条件において,数種類の設計荷重ケースを考慮する。少なくとも,表1の設計荷重ケー
スを考慮しなければならない。表1では,設計荷重ケースは,それぞれの設計条件について,風条件,海
洋環境条件,電気系統条件及びその他の外部条件によって規定している。さらに,海氷の発生が予想され
るサイトに洋上風車を設置する場合には,表2に示す海氷の設計荷重ケースを考慮しなければならない。
決定論的な風モデルによる設計荷重ケースにおいて,最大ヨー角及び/又は最大風速に達する前に,洋
上風車の制御によって風車を停止することがあり得る場合,同じ決定論的な風条件の変化による乱流条件
の下で,風車が確実に停止できることを示さなければならない。
特定の風車設計の構造的健全性に関連する場合は,その他の設計荷重ケースも考慮しなければならない。
それぞれの設計荷重ケースに対して,適切な解析タイプを,表1に“F”及び“U”で示す。“F”は,疲
労強度の評価に用いる疲労荷重の解析を意味する。“U”は,材料強度,翼端たわみ及び構造安定性に関係
した終極(終局)荷重の解析を意味する。
“U”で示す設計荷重ケースは,通常状態(N),異常状態(A)又は輸送及び建設状態(T)に分類され
る。通常設計荷重ケースは,風車の寿命を通じて頻繁に発生することが予想される。風車は,通常な状態,
又は軽度の故障若しくは異常状態の場合がある。異常設計条件は,発生頻度が低いと予想されるものであ
る。これは,通常,保護システムの作動に至る重大な故障を伴った設計条件に相当する。設計条件の分類
N,A又はTによって,終極(終局)荷重に適用する部分安全率γfを決定する。この安全率は,表3によ
る。
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- IEC 61400-3:2009(IDT)
JIS C 1400-3:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.180 : 風力タービンエネルギーシステム
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