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C 1400-3 : 2014 (IEC 61400-3 : 2009)
それぞれ波浪モデルを,確率論的な海況表現及び規則的な設計波の両方について,6.4.1.16.4.1.8に規
定する。確率論的海況モデルは,洋上風車の設置予定サイトに適した波のスペクトルに基づかなければな
らない。
6.4.1.1 通常海況(NSS)
それぞれ通常海況に対して,有義波高,ピークスペクトル周期及び波向を,関連する平均風速と併せて
選定しなければならない。選定は,設置予定のサイトに適した気象海象パラメータの長期的な結合確率分
布に基づくものとする。
疲労荷重計算において,設計者は,考慮する通常海況(データ)の個数及び分解能が,十分に長期間の
気象海象パラメータの分布から想定される疲労損傷の計算をするのに十分であることを確認しなければな
らない。
終極(終局)荷重計算では,通常海況は,7.4.1に規定する例外事項を除き,与えられた平均風速の値を
条件とする有義波高Hsの期待値で表現した海況としなければならない。設計者は,それぞれの有義波高に
対応したピークスペクトル周期Tpの範囲を考慮しなければならない。設計計算は,洋上風車に作用する荷
重が最大となるピークスペクトル周期値に基づくものとしなければならない。
6.4.1.2 通常波高(NWH)
決定論的な通常設計波高HNWHは,与えられた平均風速の値を条件とする有義波高の期待値Hs.NSSに等し
いと仮定しなければならない。
設計者は,それぞれの通常波高に対応した波の周期Tの範囲を考慮する。通常波高と併せて用いる波の
周期は,式(6)で算出する範囲内と仮定してもよい。
Hs,NSS (V) Hs,NSS (V)
111. ≦T ≦143. (6)
g g
NWHに基づく設計計算では,この範囲内で洋上風車に作用する荷重が最大となる波の周期値を仮定し
なければならない2)。
注2) 波の周期の下限値は,砕波の波高限界から求められる(附属書C参照)。
なお,波の周期には深さに依存する下限はなく,低周波数成分の発達によって砕波帯内で伸
長する傾向があることに注意する。
6.4.1.3 高波浪時海況(SSS)
発電中の洋上風車の終極(終局)荷重の計算では,高波浪時海況の確率論的モデルを通常風条件と併せ
て考慮しなければならない。高波浪時海況モデルは,発電に対応する風速範囲のそれぞれの風速に対して
一つの高波浪時海況を関連付けるものである。それぞれの高波浪時海況の有義波高Hs,SSS (V) は,一般にサ
イト固有の気象海象データに外挿法を適用して決定する。このとき,有義波高と風速との組合せの再現期
間は50年とする3)。全ての風速に対して,風条件によらない再現期間50年の極値有義波高Hs50をHs,SSS (V)
の安全側に見積もった値として用いてもよい。
注3) 気象海象データの外挿は,いわゆる逆一次信頼性解析法(Inverse First Order Reliability Method :
IFORM)を用いて行うことが望ましい。この方法を,附属書Gに記載する。附属書Gでは,
サイト固有の環境条件からHs,SSS (V) を求める指針についても説明する。
設計者は,それぞれの有義波高に対応するピークスペクトル周期Tpの範囲を考慮する。この範囲内で,
設計計算は,洋上風車に作用する荷重が最大となるようなピークスペクトル周期の値に基づかなければな
らない。
6.4.1.4 高波浪時波高(SWH)
――――― [JIS C 1400-3 pdf 21] ―――――
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C 1400-3 : 2014 (IEC 61400-3 : 2009)
発電中の洋上風車の終極(終局)荷重の計算では,高波浪時の決定論的な設計波を通常風条件と併せて
考慮しなければならない。高波浪時波高モデルは,発電に対応する風速範囲のそれぞれの平均風速に対し
て一つの高波浪時波高を関連付けている。高波浪時波高HSWH (V) は,一般に,サイト固有の気象海象デー
タに外挿法を適用して求める。このとき,有義波高と平均風速との組合せの再現期間は50年とする4)。全
ての平均風速に対して,風条件によらない再現期間50年の極値波高H50をHSWH (V) の安全側に見積もっ
た値として用いてもよい。
注4) 6.4.1.3に記載した高波浪時海況モデルに関しては,附属書Gに記載するIFORMを使用するこ
とが望ましい。附属書Gには,Hs,SSS (V) からHSWH (V) を求める指針も記載している。
設計者は,それぞれの高波浪時波高に対応する波の周期Tの範囲を考慮しなければならない。高波浪時
波高と併せて用いる波の周期は,式(7)で算出する範囲内と仮定してもよい。
Hs,SSS (V) Hs,SSS (V)
111. ≦T ≦143. (7)
g g
SWHに基づく設計計算では,この範囲内で洋上風車に作用する荷重が最大となる波の周期値を仮定しな
ければならない。
6.4.1.5 極値海況(ESS)
確率論的な極値海況モデルは,再現期間50年の極値有義波高Hs50及び再現期間1年の極値有義波高Hs1
の両方について考慮しなければならない。Hs50及びHs1の値は,12.4を参照し,洋上風車サイトの測定値
及び/又は波の推算データの解析から求める。設計者は,Hs50及びHs1に対応するピークスペクトル周期
Tpの範囲をそれぞれ考慮する。設計計算は,洋上風車に作用する荷重が最大となるようなピークスペクト
ル周期値の基準としなければならない。
極値風及び極値波の長期的な結合確率分布を定義する情報がない場合,再現期間50年の3時間極値海況
の状態で,再現期間50年の10分間平均極値風速が発生すると仮定する。同様の仮定を,再現期間がそれ
ぞれ1年の3時間極値海況と10分間極値風速との組合せに適用する。
6.4.1.6 極値波高(EWH)
決定論的な極値設計波は,再現期間50年の極値波高H50及び再現期間1年の極値波高H1の両方につい
て考慮しなければならない。H50及びH1の値並びに対応する波の周期は,12.4を参照し,洋上風車サイト
の測定値の解析から求めてもよい。別の方法として,波高のレイリー分布を仮定し,式(8)及び式(9)のよう
に仮定してもよい。
H50=1.86Hs50 (8)
H1=1.86Hs1 (9)
ここに, Hs50 : 3時間の評価時間に対する再現期間50年の極値有
義波高H50の値
Hs1 : 3時間の評価時間に対する再現期間1年の極値有
義波高H1の値
これらの極値波高と組み合わせる波の周期は,式(10)で与えられる範囲内と仮定してもよい。
Hs.ESS (V) Hs.ESS (V)
111. ≦T ≦143. (10)
g g
EWHに基づく設計計算では,この範囲内で洋上風車に作用する荷重が最大となる波の周期値を仮定し
なければならない。水深が浅いサイトでは,極値波高H50及びH1並びに対応する波の周期をサイト固有の
測定値の解析から求めなければならない。利用できる測定値がない場合,上記のレイリー分布の関係から
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C 1400-3 : 2014 (IEC 61400-3 : 2009)
求めたH50及びH1の各値よりも砕波波高が小さい場合,H50及びH1は,砕波波高に等しいと仮定しなけれ
ばならない。参考として附属書Cに,サイト条件に基づく砕波の性質及び大きさの求め方の指針を示す。
附属書Cには,水深が浅い海岸付近の波高分布の経験的モデルも示す。
6.4.1.7 低減波高(RWH)
決定論的な低減設計波は,50年に1回発生する事象と定義される低減波高Hred50及び1年に1回と定義
される低減波高Hred1の両方を考慮しなければならない。Hred50及びHred1の各値は,3秒平均の極値風速(Ve50
及びVe1)と同時発生する組合せが,極値波高(H50及びH1)と低減極値風速(Vred50及びVred1)との組合
せと同じ確率か,又は更に条件の悪い組合せとなるように決定する。
Hred50,Hred1及び対応する波の周期は,洋上風車サイトの測定値の解析から求めてもよい(12.4参照)。
別の方法として,波高のレイリー分布を仮定し,式(11)及び式(12)のように仮定してもよい。
Hred50=1.3Hs50 (11)
Hred1=1.3Hs1 (12)
ここに, Hs50 : 3時間の評価時間に対する再現期間50年
の極値有義波高H50の値
Hs1 : 3時間の評価時間に対する再現期間1年の
極値有義波高H1の値
式(11)及び式(12)は,10分平均風速の確率分布及び個別波高の確率分布による結合確率分布を考慮して
導き出された式である。この導出過程で,風速変動についてはガウスの確率分布を,波高についてはレイ
リー分布を仮定している。砕波が発生するような水深が浅い場所では,波高のレイリー分布は必ずしも有
効ではない。浅水サイトでは,低減波高Hred50及びHred1並びに対応する波の周期をサイト固有の測定値の
解析から求めなければならない。利用できる測定値がない場合は,上記のレイリー分布の関係式から求め
たHred50及びHred1の各値よりも砕波波高が小さい場合,Hred50及びHred1は砕波波高に等しいと仮定しなけ
ればならない。参考として附属書Cに,浅水域における波高分布の経験的モデルを示す。
6.4.1.8 砕波
洋上風車の設計では,砕波の影響を評価しなければならない。砕波は,崩れ波,巻き波又は砕け寄せ波
に分類される。崩れ波又は巻き波が,洋上風車に適したサイトで見られる砕波である。水深,海底勾配及
び波の周期によって,砕波が崩れ波又は巻き波となるかが決まる。
附属書Cに,浅水の流体力学及びサイト特性が砕波の性質及び大きさに及ぼす影響についての指針を参
考として示す。また,附属書Dには,洋上風車の支持構造物に対する砕波荷重の計算に関する指針を参考
として示す。
6.4.2 海の流れ
海の流れは,通常空間的及び時間的に変化するものの,一般には,速度及び方向が一定の水平面内で一
様な流れであり,深さだけの関数と考えることができる。海流速については,次の成分を考慮しなければ
ならない。
・ 潮せき(汐),高潮,大気圧の変化などによって生じる海潮流
・ 風によって生じる海面付近の流れ
・ 沿岸において,波によって引き起こされる沿岸に平行に流れる海浜流(沿岸流及び離岸流)
全体的な流速は,これらの成分のベクトル和である。波によって引き起こされる水粒子速度及び流速は
ベクトル的に加算しなければならない。海の流れが波長と波の周期との関係に及ぼす影響は,一般に小さ
いため,無視してもよい。
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波によって引き起こされる波頂の水粒子速度に比べて全体的な流速が遅い場合,及び渦放出又は移動氷
盤による支持構造物の振動が発生しにくい場合は,海の流れが洋上風車の流体力学的疲労荷重に及ぼす影
響は考えなくてもよい。設計者は,サイト固有のデータを適切に評価することによって,疲労荷重の計算
に対して海の流れを無視してもよいかどうかを判断しなければならない。
6.4.2.1 海潮流
海潮流プロファイルは,流速Uss (z) をSWLからの高さzの関数と定義したとき,水深dに対する単純
な指数法則の式(13)によってその特性を表してもよい。
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z+d 7
(pdf 一覧ページ番号 )
Uss (z)=Uss )0(
d
海面流速Uss(0)の1年再現値及び50年再現値は,12.5を参照し,洋上風車サイトの測定値を解析して求
めてもよい。
一般に,海潮流の方向は,波向と同じと仮定してもよい。
6.4.2.2 吹送流
吹送流は,水面流速Uw(0)から静水位の下20 mの深さでゼロに減少する速度Uw(z)の線形分布の式(14)
としてその特性を表してもよい。
z
Uw (z)=Uw )0( 1+ (14)
20
水深が20 m未満のサイトでは,吹送流の海底面での流速はゼロにはならない。
吹送流の海面流速は,方向が風向と一致していると仮定して,式(15)から推定してもよい。
Uw (0)=0.01 V1-hour (z=10 m) (15)
ここに, V1-hour (z=10 m) : SWLから10 mの高さにおける風速の1時間平均値
V1-hour (z=10 m) の1年再現値及び50年再現値は洋上風車サイトの測定値を解析して求めてもよい。こ
れらの風速を式(15)に代入し,吹送流の海面流速の1年再現値及び50年再現値を推定してもよい。
6.4.2.3 砕波によって引き起こされる海浜流
海岸の砕波帯付近又はその範囲内に洋上風車を設置する場合,砕波のせん断力によって引き起こされる
海浜流を考慮しなければならない。
砕波によって引き起こされる海浜流の大きさは,波の運動及び水流の運動の連成を十分に考慮した適切
な数値モデル(ブシネスク方程式モデルなど)を用いて求めてもよい。ただし,海岸線に平行に流れる海
浜流については,砕波点における設計速度Ubwを式(16)から推定してもよい。
Ubw 2s gHB (16)
ここに, HB : 砕波波高
s : 海底勾配
g : 重力加速度
砕波波高は,附属書Cに記載するサイト特性に基づいて推定してもよい。
注記 砕波及び沿岸潮流の扱いは,附属書JBを参照。
6.4.2.4 通常流速モデル(NCM)
通常流速モデルは,通常波浪条件に対応した吹送流と,砕波によって引き起こされる水流(必要な場合)
とのサイト固有の組合せとして定義する。通常流速モデルには,潮せき(汐)及び高潮によって生じる海
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潮流は含まない。
通常流速モデルは,通常及び高波浪時波浪条件(NSS,NWH,SSS及びSWH)を含む終極(終局)荷
重ケースにおいて仮定しなければならない。6.4.2.2を参照し,それぞれの荷重ケースで,吹送流の速度は
対応する平均風速から推定してもよい。
6.4.2.5 極値流速モデル(ECM)
極値流速モデルは,再現期間1年及び50年の,海潮流,吹送流及び砕波によって引き起こされる水流(必
要な場合)のサイト固有の組合せとして定義する。
極値流速モデルは,極値波浪条件又は低減波浪条件(ESS,EWH及びRWH)を含む終極(終局)荷重
ケースであると仮定する。波と同じ再現期間の海の流れを,これらの荷重ケースについて仮定しなければ
ならない。
6.4.3 水位
洋上風車の流体力荷重の計算では,サイトにおける水位の変化(顕著な場合)を考慮しなければならな
い。ただし,通常波浪条件(NSS及びNWH)を伴う終極(終局)荷重ケースでは,次の6.4.3.1に規定す
る例外を除き,平均潮位(MSL)に等しい一定水位を想定してもよい。
図3は,水位の定義を示す。
HSWL 最高静水位 A 高潮による水位上昇
HAT 最高天文潮位 B 潮差
MSL 平均潮位 C 高潮による水位低下
LAT 最低天文潮位 D 最高波頂高
CD E 最低波底高
海図基準水位(LATに等しい場合が多い)
LSWL 最低静水位
図3−水位の定義
6.4.3.1 通常水位範囲(NWLR)
通常水位範囲は,再現期間1年の水位の変化に等しいと仮定しなければならない。水位の長期的な確率
分布を表すサイト固有のデータが存在しない場合,通常水位範囲は,最高天文潮位(HAT)から最低天文
潮位(LAT)までの差に等しいと仮定してもよい。
――――― [JIS C 1400-3 pdf 25] ―――――
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- IEC 61400-3:2009(IDT)
JIS C 1400-3:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- 27 : エネルギー及び熱伝達工学 > 27.180 : 風力タービンエネルギーシステム
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