JIS C 1912:2014 家庭用電気機器及び類似機器からの人体ばく露に関する電磁界の測定方法 | ページ 7

                                                                                             29
C 1912 : 2014 (IEC 62233 : 2005)
D.2 結合係数
結合係数を表D.3に示す。
表D.3−結合係数ac(r1)
機器のタイプa) 測定距離r1 結合係数ac(r1) 結合係数ac(r1)
cm 1998年に発行された IEEE規格(60 Hz)
ICNIRPの指針
小 0 1.00 0.330
大 0 0.15 0.048
小 10 0.14 0.043
大 10 0.16 0.051
小 30 0.14 0.043
大 30 0.18 0.056
注記1 最悪状態の仮定では,全身について式(C.7)で計算する。
注記2 IEEE規格の参考レベルは,ICNIRPの指針の参考レベルより10倍ほど高いが,結合係数
が小さくなるのは,“その他の組織”では35倍ほどIEEE規格の値がICNIRPの指針の基
本制限より高いことによる。この手順は,基本制限に戻って計算する。
注a) 小 : 磁界発生源は,機器きょう体面内側のすぐ近くにある。
大 : 磁界発生源は,機器きょう体面から内側に10 cm40 cm離れている。
D.3 結合係数の決定例
附属書Cで規定するように,結合係数ac(r1)は,次の四つのステップで決定する。
ステップ1 ホットスポットの広がり評価
測定手順を図D.1に,測定結果を図D.2に示す。
1 ホットスポットに接する平面上で測定。
2 球形とした家電機器のモデル。
3 磁界発生源としての等価コイル。
図D.1−磁束密度の測定

――――― [JIS C 1912 pdf 31] ―――――

30
C 1912 : 2014 (IEC 62233 : 2005)
ステップ2 等価コイルの決定
1
0.9
正規化測定値
0.8 コイルモデル正規化計算値
正規化)
0.7
0.6
磁束密度測定値(
0.5
0.4
0.3
0.2
0.1
0
0 0.010.020.030.040.050.060.070.080.09 0.1 0.110.120.130.140.15
接線方向距離 r0 (m)
図D.2−接線方向距離r0に沿った正規化磁界分布
軸に沿って測定した磁束密度を正規化した曲線(図D.2の正方形付きの曲線)を積分して,G=0.071 66 m
の値が得られる。
ステップ3 係数kの決定
積分値Gの値を用いて,等価コイルの半径rcoilを決定する(表C.1参照)。このステップでは,測定した
家電機器の寸法に依存する距離lcoilを知ることが重要である。この例では,lcoil=70 mmとする。表C.1の
lcoil=70 mmの行で,実際の積分値G=0.071 66 mに最も近い値のG=0.075 35 mを選択して,rcoil=50 mm
を決定する。図D.2の黒丸付きの曲線は,決定したコイルの径による理論計算による曲線である。この図
からも分かるように,このコイルがよい近似となっている。
ここで,例えば,表C.2でr=7 cm,rcoil=50 mmとして,対象とする機器に依存するr1=0のときの係
数kを決定できる。最も近い値はr=5 cmであり,全身に対してk=3.180(σ=0.1 S/m,Asensor=100 cm2)
となる。
ステップ4 結合係数の計算
5.5.2及び5.5.3に従って測定する場合,重み付けによって50 Hzと等価になっているので,適切な評価
は既に終わっている。したがって,σ=0.1 S/mのときの結合係数ac(r)は,式(D.1)のようになる。
T
ac(r,σ)=k(r,f=50 Hz,σ)×50×10−3 (D.1)
A/m 2
これによって,全身の場合の結合係数ac(r)=0.159となる。

――――― [JIS C 1912 pdf 32] ―――――

                                                                                             31
C 1912 : 2014 (IEC 62233 : 2005)
σ≠0.1 S/mのときの結合係数ac(r)を求める場合は,係数に を乗じる。
1.0 S/m
σ=0.3 S/m(全身)の場合の結合係数の決定例を,次に示す。
3.0 S/m
ac(r)σ=0.3 S/m=0.159× =0.477
1.0 S/m
D.4 結合係数の決定に関する追加説明
D.4.1 均一な人体の数値モデル
結合係数の計算に用いる均一な人体の数値モデルの寸法を,図D.3に示す。最下部は,回転だ円体の半
分であり,けい骨(すね)のところに下部の頂点があって,短軸及び長軸は,それぞれ350 mm,1 200 mm
である。中央部は,直径350 mmの円筒とする。頭部及び肩についての詳細を,図D.4に示す。
単位 mm
Z
原点(0,0,0)
Y
X
図D.3−均一な人体の数値モデル

――――― [JIS C 1912 pdf 33] ―――――

32
C 1912 : 2014 (IEC 62233 : 2005)
単位 mm
図D.4−頭部及び肩の形状の詳細
D.4.2 不均一な磁界の様々な磁界発生源及び係数kの計算
次に示す不均一な磁界発生源のリストは,全てを示しているものではなく,概要を示している。
・ 円形電流ループ
・ 方形電流ループ
・ 単線電流
・ 円形電流コイル
・ ダイポール
ただし,結合係数の計算には,磁界発生源として円形電流ループ(ほかの箇条では等価コイルと表現し
ている。)だけを用いている。したがって,径の異なる電流ループは,数値モデルに対して最悪状態(磁界
と人体との結合が最大となる。)となるように配置している。この最悪状態での磁界発生源QとモデルK
との位置関係を,図D.5に示す。

――――― [JIS C 1912 pdf 34] ―――――

                                                                                             33
C 1912 : 2014 (IEC 62233 : 2005)
図D.5−磁界発生源QのモデルKに対する位置関係
数値計算の場合は,周波数fに関して,人体組織の導電率σ(f)を考慮する。最後にオームの法則を当ては
めると,人体モデル内部の電流密度Jは,式(D.2)によって求めることができる。
J(r,f,σ)=σ(f) 1(r,f) (D.2)
係数kは,数値モデル内部の最大誘導電流密度Jmax(r)と,モデルの同位置で測定した最大磁束密度
Bmax,sensor(r)との関係を示す。磁界発生源としての電流IQは任意のものを選択してよいが,Jmax及びBmax,sensor
の計算のときと同じものであることが望ましい。したがって,係数kの決定は,用いるセンサに依存する。
任意のセンサ面積Asensorについては,その面積全体の平均磁束密度を計算し,最大磁束密度Bmax,sensorとす
る。周波数f及び導電率σは,係数kに線形の関係があるので,式(D.3)によって係数kを求めることがで
きる。
Jmax (r,f,) Ei,max (r,f )
k(r,f,σ)= = (D.3)
Bmax ,sensor (r,Asensor )
Bmax ,sensor (r,Asensor )
均一な磁界では,胴体モデルの導電率を均一としてσ=0.2 S/mとすればよい。ただし,機器近くの磁界
分布に強い不均一性がある場合,胴体への浸透はごく僅かであるので,σ=0.1 S/mを用いることができる。
注記1 胴体表面近くの0.1 S/mの導電率の計算は,胴体導電率の混合体を用いている。
導電率σの詳細な値は,参考文献[9]から入手できる。
測定した磁束密度からIEEE規格の基本制限と比較するEiを計算するために必要となる係数は,式(D.4)
によって求める。
k(r,f, ) Ei,max (r,f )
= (D.4)
Bmax ,sensor (r,Asensor )
附属書Cの係数kを決定するときは,数値解析手法としてモーメント法(MoM)[5]を用いている。
例1 距離r=10 cmのときの半径rcoil=20 mm,電流IQ=100 Aの円形コイルの場合,結果は,胴体モ
デル(σ=0.1 S/m,f=50 Hz)で誘導電流密度Jmax=14.956 μA/m2となる。100 cm2センサの平均
磁束密度を計算した場合,Bmax, sensor 100 cm 2 =5.468 35 μTとなる。したがって,係数kを計算した
場合,式(D.5)のようになる(表C.2のr=10 cmのときのrcoil=20 mmの係数k参照)。

――――― [JIS C 1912 pdf 35] ―――――

次のページ PDF 36

JIS C 1912:2014の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62233:2005(IDT)

JIS C 1912:2014の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 1912:2014の関連規格と引用規格一覧