JIS C 2116:2011 電気絶縁用マイカ製品試験方法 | ページ 4

12
C 2116 : 2011
図3−ブロックマイカ,シンマイカ及びがしマイカの区分けの図
10 引張強さ及び破断伸び

10.1 試験装置

  引張荷重速度を一定に保てる試験機,又はクロスヘッド速度を一定に保てる試験機のいずれかとする。
試験機は,規格値の1 %まで読み取れる目盛をもたなければならない。

10.2 試験片

  5個の試験片を用意する。試験片は,つかみ間隔200 mmに取付け可能な長さとする。
試験する材料が原板又はシートの場合は,縦方向及び横方向1)から幅25 mmの試験片を各5個採る。補
強材として織布を使用している場合は,各試験片が引張方向の同じ糸を含まないように切断する。
試験する材料がテープの場合は,縦糸方向で試験する。また,25 mm以下のものは,原幅で試験する。
注1) この規格で,縦方向とはテープの巻取り方向をいい,横方向とは巻取り方向に対して直角方向
をいう。

10.3 手順

  試験機に試験片を取り付け,荷重を加える。
引張りの速さは,集成マイカでは10 mm/minとし,補強材あり又は接着剤を含浸したマイカでは
50 mm/minとする。ただし,受渡当事者間の協定によってもよい。
試験片が破断したときの荷重及び伸び,又は補強材の入った製品では構成する成分の一つが破断したと
きの荷重及び伸びを記録する。試験機のつかみの中で又はその付近で切断した場合はその結果を除き,他
の試験片で追加の試験を行う。継ぎ目の引張強さを求める場合は,継ぎ目の位置がつかみのほぼ中央にな
るように取り付ける。
注記 つかみで滑りやすい試験片は,滑らないような処置をする。

10.4 結果

  縦方向及び横方向それぞれの引張強さを報告する。各方向について,5個の破断荷重の平均値を求め,

――――― [JIS C 2116 pdf 16] ―――――

                                                                                             13
C 2116 : 2011
幅10 mm当たりに換算した荷重で表す。伸びの結果は,5個の測定値の平均値,最大値及び最小値を元の
長さに対する百分率で表す。

11 曲げ強さ及び曲げ弾性率

  曲げ強さ及び曲げ弾性率は,A法又はB法による。電熱用マイカ板の測定方法は,B法による。

11.1 A法

11.1.1 試験片
曲げ強さの測定には,一つの端面に平行方向及びそれと垂直方向から試験片をそれぞれ5個採る。試験
片の厚さは4±0.2 mm,幅は1025 mm,長さは厚さの20倍以上とする。
曲げ弾性率の測定には,縦方向及び横方向それぞれ2個の試験片を用いる。硬化形材料の場合は,箇条
4で作製した積層板から試験片を採る。
11.1.2 手順
JIS K 7171に規定する方法を用いる。試験温度は23 ℃及び155 ℃とする。
11.1.3 結果
曲げ強さ及び曲げ弾性率は,次の式によって求める。
3FL
f 2
2bh
f 2
L
i
si (i=1,2)
6h
f2 1f
Ef
f2 1f
ここに, σf : 曲げ強さ(MPa)
F : 試験片が折れたときの荷重(N)
L : 支点間距離(mm)
b : 試験片の幅(mm)
h : 試験片の厚さ(mm)
si : たわみ(mm)
εfi : 曲げひずみ εf1=0.000 5,εf2=0.002 5
Ef : 曲げ弾性率(MPa)
σf1 : たわみs1で測定した曲げ応力(MPa)
σf2 : たわみs2で測定した曲げ応力(MPa)

11.2 B法

11.2.1 試験装置
試験装置は,ショッパー式振り子形引張試験機又はクロスヘッド速度を一定に保てる材料試験機とする。
11.2.2 試験片
製品から切り取った幅25 mm,長さ50 mmの周辺にきずがない試験片を5個採る。
11.2.3 手順
試験片を図4に示す測定具の間に置き,ショッパー式振り子形引張試験機では約200 mm/minの速度で
引張り,クロスヘッド速度を一定に保てる材料試験機では約50 mm/minの速度で押し込み,破壊までの最
大荷重を測定する。
11.2.4 結果
結果は,5個の平均値とする。試験結果の算出は,11.1.3による。

――――― [JIS C 2116 pdf 17] ―――――

14
C 2116 : 2011
単位 mm
P: 荷重
図4−マイカ板曲げ強さ試験測定具

12 耐折り曲げ性

  試験片を23±2 ℃で1時間放置した後,その温度で試験する。適切な寸法の試験片を,基材側表面を内
側にして180°折り畳む。折り目を付ける操作は,指でできるだけ速やかに行う。試験片の割れ又はが
れを観察する。

13 柔軟性

13.1 試験条件

  試験片は,試験室の温度23±2 ℃と平衡状態にする。

13.2 試験片

  試験する材料がシートの場合は,縦方向及び横方向から幅15 mm,長さ50200 mmの試験片を5個採
る。
試験する材料がテープの場合は,幅が10 mm以上のとき,原幅で長さ50200 mmの試験片を5個採る。
縦方向の柔軟性を試験する場合は,テープの幅が試験片の長さとなる。

13.3 手順

  試験片の寸法を±0.5 mmの精度で測定する。図5及び図6に示す測定具を備えた装置を用いる。溝の幅
を5 mm以外で測定した場合は,溝の幅を記録する。マイカ(又は3層では表面材)を上にして,試験片
の中心線が測定具の溝の中心線に重なるように,測定具の上に試験片を置く。試験片の抵抗に逆らって押
込み板を溝の中に押し込み,最大荷重を読み取り,押込み速さを記録する。柔軟性は,次の式によって求
める。
Fmax
S
L
ここに, S : 柔軟性(N/m)
Fmax : 最大曲げ荷重(N)
L : 試験片の長さ(m)

――――― [JIS C 2116 pdf 18] ―――――

                                                                                             15
C 2116 : 2011
1 押込み板 3 支持台
2 試験片 4 荷重測定装置
図5−柔軟性測定具
単位 mm
1 押込み板 3 支持台
2 試験片
図6−柔軟性測定具

13.4 報告

  試験片の縦方向及び横方向それぞれの柔軟性について,平均値,最大値及び最小値を報告する。補強材
がガラス布の場合,縦糸を折り曲げる試験を縦方向の試験とし,横糸を折り曲げる試験を横方向の試験と
する。
試験温度も報告する。

14 熱圧安定性

  この試験は,一般に整流子片用マイカ板に適用し,ある特定温度及び圧力条件下でマイカのずれ及び/
又は試験片の端面からの接着剤の染み出しを測定する。この試験は,非常に主観的なものであるため,試
験結果の記述には注意を払わなければならない。

14.1 試験装置

  試験片に60 MPaの圧力を加えることができるプレス,厚さ2 mmの鋼板,及び温度測定用の熱電対を挿

――――― [JIS C 2116 pdf 19] ―――――

16
C 2116 : 2011
入できる穴をあけた厚さ10 mmの鋼製ブロックを用いる。

14.2 試験片

  表面積約20 cm2(寸法40 mm×40 mmを推奨)の小片を準備する。小片を準備するとき,再現性を確保
できるように注意し,各小片の4端面はできるだけきれいに切断する。
試験片を構成する材料の小片n個と同一寸法の鋼板n+1個とを交互に高さ1215 mmに積み重ね,試
験片の中央部に穴をあけた鋼製ブロックを置き,それらの側面をきちんとそろえる。

14.3 手順

  試験片を個別製品規格で規定する温度より510 ℃高めに予熱したプレス定盤の間に置き,試験片に
60 MPaの圧力を加える。断熱材で周りを囲み保温する。試験片の中央部に挿入した熱電対の指示温度が個
別製品規格で規定する温度に達した後,温度及び圧力を30分間保持する。その後,試験片の端面を注意深
く観察する。
注記 温度,圧力及び時間の試験条件は,受渡当事者間の協定によってもよい。

14.4 報告

  次の事項を報告する。
a) 材料のずれ
b) 接着剤の染み出し

15 弾性圧縮率及び塑性圧縮率

  この試験は,整流子片用マイカ板に適用する。弾性圧縮率及び塑性圧縮率は,試験片に7 MPa及び60 MPa
の繰返し圧力を加えたときの試験片の厚さの変化から求める。厚さの変化が一定になった後,測定する
(15.3参照)。試験温度は,個別製品規格による。弾性圧縮率及び塑性圧縮率は,7 MPaの圧力を加えた状
態で測定した試験片の厚さの変化率で表す。

15.1 試験装置

  試験装置は,14.1による。ただし,スタックの総厚さを0.01 mmの精度で測定できる装置を備えなけれ
ばならない。

15.2 試験片

  試験片は,14.2による。

15.3 手順

  試験片をプレス定盤の間に置く。試験片に室温で7 MPaの圧力を加え,スタックの総厚さd0を測定する。
試験片の周りを断熱材で囲み保温する。その後,プレス定盤を個別製品規格で規定する温度(以下,規定
温度という。)tspecより510 ℃ 高めになるまで加熱する。この温度は,試験片の中央部に挿入した熱電
対が個別製品規格で規定する温度になるまで保持しておく。7 MPaの圧力を維持する。スタックの総厚さ
d3を測定する。
スタックに加わる圧力を徐々に昇圧させ,約1分間で60 MPaにし,15分間保持する。
スタックの総厚さd4を測定する。
次に,徐々に減圧し,約1分間で7 MPaにし,再度スタックの総厚さd3を測定する。
保持時間を5分間として加圧と減圧とを繰り返し,7 MPaに下げる。d3及びd4の測定値が前回より
0.02 mm以内になるまで加圧と減圧とを繰り返し,このサイクルで安定したとみなす。最終サイクルのd3
及びd4をそれぞれD1及びD2として記録する。次に,7 MPaの圧力に保ったままで室温まで冷却し,その
ときのスタックの総厚さd7を記録する。

――――― [JIS C 2116 pdf 20] ―――――

次のページ PDF 21

JIS C 2116:2011の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60371-2:2004(MOD)

JIS C 2116:2011の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 2116:2011の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISB7502:2016
マイクロメータ
JISC2250:2008
電気絶縁用マイカ製品通則