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附属書JA
(参考)
Niの飽和磁気分極並びに相互誘導器及び電圧の時間積によるJ積分器の
校正方法
JA.1 Niの飽和磁気分極
J軸の校正への適用を目的とし,Niの飽和磁気分極の文献値を表JA.1に示す。Niの飽和磁気分極の文
献値にはばらつきが見られるが,この規格では,表JA.1に示す引用文献[注a)]による値“Js=0.6102T”
を推奨する。
表JA.1−Niの飽和磁気分極の文献値
No. 飽和磁気分極値Js 測定温度 引用文献 備考
(T) (℃/K)
a)
1 0.610 2 23/296 純度99.995 %
b)
2 0.608 4 20/293 15 ℃/288 Kのデータも0.608 4 T
と記載
c)
3 0.615 9 室温 σs=55.1 emu/g
d)
4 0.609 2 20/293 Is=485 G
注a) EC 60556:2006 + AMD 1:2016 CSV “Gyromagnetic materials intended for application at microwave
frequencies−Measuring methods for properties”
b) . M. Bozorth: “Ferromagnetism”, IEEE PRESS (1978) . 867.
c) . Crangle and G. M. Goodman: Proceedings of the Royal Society of London, vol. 321, No. 1547 (1971)
p. 477.
d) . S. Tebble and D. J. Craik: “Magnetic Materials”, Wiley-Interscience, (1969) . 51.
JA.2 相互誘導器によるJ積分器の校正方法
自記磁束計のJ積分器の校正法の一つに,相互誘導器を用いる方法がある。相互誘導器によるJ積分器
の校正に用いる電気回路を,図JA.1に示す。相互誘導器の1次電流Iによって,2次側に発生する誘起電
圧eは,次の式(JA.1)によって求める。
dI
e M (JA.1)
dt
ここに, e : 2次側に発生する誘起電圧(V)
M : 相互誘導器の相互インダクタンス(H)
I : 1次側の電流(A)
一方,磁束の変化によって,さぐりコイルに誘起される電圧eは,電磁誘導の法則から,次の式(JA.2)
によって求める。
dΦ
e (JA.2)
dt
ここに, e : 誘起電圧(V)
Φ : 磁束(Wb)
式(JA.1)及び式(JA.2)から,Φ=M tI
0d=MIが導かれる。具体的には,I=100 mA±0.16 mA及びM=
――――― [JIS C 2501 pdf 16] ―――――
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100 mH±0.1 mHが用いられ,このときΦ=MI=0.01 Wb±0.26 %が得られる。
相互誘導器によるJ積分器の校正方法は,積分器のドリフト性能が良ければ,時間軸の制約を受けずに
校正が行える。
図JA.1−相互誘導器によるJ積分器の校正に用いる電気回路
JA.3 電圧の時間積によるJ積分器の校正方法
自記磁束計のJ積分器の第2の校正方法では,電圧の時間積による磁束源を用いる。電圧1 Vを1秒(s)
間発生する単掃引波の時間積分1 Vsは,磁束1 Wbに相当することから使用される。一つの回路と鎖交し
ている磁束数が変化しつつある場合は,鎖交磁束数の減少の割合に等しい起電力を生じる。磁束量をΦ(Wb)
とする場合,生じる起電力U(V) は,式(JA.3)から求める。
U(V) dΦd/t (JA.3)
鎖交する磁束が1秒間に1 Wbの割合で変化するときに,1 Vの起電力を生じる。すなわち,1 Vの電圧
を1秒間時間積分すると磁束は1 Wbとなる。
1 Vsのような電圧方形波を積分器に与える場合は,積分器の周波数応答性を考慮して,誤差要因を軽減
する必要があり,サイン波形を用いる。穏やかなサイン波形を用いた1 Wb校正用電圧−時間波形を,図
JA.2に示す。
――――― [JIS C 2501 pdf 17] ―――――
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図JA.2−穏やかなサイン波形を用いた1 Wb校正用電圧−時間波形
――――― [JIS C 2501 pdf 18] ―――――
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附属書JB
(参考)
昇温時の磁気測定に用いる補助磁極
JB.1 測定装置
一般的には,閉磁路を構成する電磁石,試料及びサーチコイルを電気的絶縁性をもつ絶縁油に浸して測
定する。絶縁油は,必要とする温度に加熱し,熱平衡を向上するためにかき混ぜる。温度制御可能な装置
を小形化するため,加熱システムを電磁石の磁極間に挿入する手法を用いてもよい。この手法の詳細は,
IEC TR 61807[4]に示す。
この附属書では,磁極間に挿入する加熱ヒータ内蔵補助磁極について記載する。典型的な電磁石の磁極
間に挿入された加熱ヒータ内蔵補助磁極の配置図を図JB.1に示す。図JB.1のシステムは,電磁石の磁極
を上下に配置し,上部が可変側磁極である。上下の磁極には,試料加熱用ヒータ内蔵補助磁極(上部1及
び下部2)を取り付ける。磁極と補助磁極との間には,熱絶縁材(上部1a及び1b並びに下部2a及び2
b)が挿入されている。測定時,試料はJコイル内に挿入され,補助磁極(上部1及び下部2)の間にセッ
トする。Jコイル及び磁界測定用のHセンサは,水冷ケース内に装着される。上部可変及び下部固定磁極
に配置される補助磁極に内蔵されるヒータの温度は,上部補助磁極及び下部補助磁極にそれぞれ独立にセ
ットされた試料温度検出用熱電対及び温度制御電源によって個別に制御される。熱電対は,補助磁極内に
孔をあけて挿入され,試料近傍にセットされる。図JB.2に熱電対の試料近傍へのセット方法を示す。試料
近傍の温度測定に用いる熱電対は,非磁性で,可能な限り試料近傍に配置する。
昇温時の磁気測定に用いるヒータ内蔵補助磁極の使用方法で重要な点をまとめると,次の3点となる。
− 補助磁極は上下それぞれ個別に温度制御する。
− 温度制御用の熱電対は非磁性とし試料近傍に配置する。
− Jコイル及びHセンサは水冷し,常温を維持する。
図JB.1−電磁石の磁極間に挿入された加熱ヒータ内臓補助磁極の配置図
――――― [JIS C 2501 pdf 19] ―――――
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図JB.2−熱電対の試料近傍へのセット方法
参考文献
[1] IEC TR 62331,Pulsed field magnetometry
[2] IEC TR 62517,Magnetizing behavior of permanent magnets
[3] Chen, C.H., et al. Verification by finite element modeling for the origin of the apparent image effect in
closed-circuit magnetic measurements. Journal of Magnetism and Magnetic Materials. 2011, 323(1), 108-114
[4] IEC TR 61807,Magnetic properties of magnetically hard materials at elevated temperatures−Methods of
measurement
――――― [JIS C 2501 pdf 20] ―――――
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JIS C 2501:2019の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60404-5:2015(MOD)
JIS C 2501:2019の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.220 : 電気学.磁気学.電気的及び磁気的測定 > 17.220.20 : 電気的及び磁気的量の測定