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C 2550-1 : 2011
4.8 周波数測定
±0.1 %以内の精度の周波数計を使用する。
注記 デジタルサンプリング法の適用については,附属書Aを参照。
4.9 電力測定
電力は,実際の力率と波高率において±0.5 %以内の精度の電力計で測定する。可能な限り,レンジの
1/4以下での読取りはしない。
注記 デジタルサンプリング法の適用については,附属書Aを参照。
電圧回路のリアクタンスを補償している電力計を除き,電力計の電圧回路の抵抗は,そのリアクタンス
の少なくとも5 000倍でなければならない。
電流計が測定回路内にある場合には,二次電圧を調整して損失を測定している間,電流計を短絡してお
く。
5 鉄損測定の手順
鉄損測定の手順は,次による。
注記 デジタルサンプリング法の適用については,附属書Aを参照。
5.1 測定回路
エプスタイン試験器と測定計器とを,図3に示すように結線する。
5.2 測定の準備
試験片の合計質量を±0.1 %以内の精度で測定する。ひょう(秤)量後,エプスタイン試験器のコイル内
に試験片を挿入し,角部で1枚ずつ交互に重なり合うように積層する。この際,エプスタイン試験器の各
辺内の試験片の枚数は同一とし,試験片で形成される正方形の内側の長さが22010
試験片の半数を圧延方向と平行に切断し,半数を直角に切断する場合は,圧延方向に平行に切断した試験
片を,エプスタイン試験器の向かい合う辺に挿入し,直角に切断した試験片を,他の二つの辺に挿入する。
試験片が重なり合った部分において,試験片の間の隙間は,できる限り狭くなるように注意しなければな
らない。それぞれの角部には,重なり合った試験片の表面に垂直に,約1 Nの力をかけてもよい。
次に,試験片は,前の測定に使用したものよりも高い初期磁場から,減衰する交流磁場で消磁する。
5.3 励磁電源の調整
励磁電源は,エプスタイン試験器の二次電圧の整流平均値 Uが所要値に達するまで,徐々に出力を増
2
加させる。この間,一次回路内の電流計を観察し,電力計の電流回路が過負荷にならないように注意する。
この値は,磁束密度の所要値から,式(4)によって算出する。
Ri
U2 4 fN2 AJ (4)
Ri Rt
ここに, U :
2
二次コイルに誘起された電圧の整流平均値(V)
f : 周波数(Hz)
N2 : 二次コイルの総巻数
Ri : 二次回路内の計器の合計抵抗(Ω)
Rt : 二次コイルと相互誘導器の直列抵抗(Ω)
A : 各コイルに挿入された試験片の断面積(m2)
J : 磁束密度の波高値(T)
注記 二次コイル誘起電圧を,実効値表示された平均値形電圧計の読みを用いる場合は式(4)の係数を
4.444とする必要がある。式(4)の定数を4.444とした式を次に示す。
――――― [JIS C 2550-1 pdf 11] ―――――
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Ri
U2 .4444 fN2 AJ
Ri Rt
試験片の断面積は,式(5)による。
m
A (5)
4l m
ここに, A : 試験片の断面積(m2)
m : 試験片の合計質量(kg)
l : 試験片の長さ(m)
ρm : 試験片の規定の密度,又はJIS C 2550-5に従って測定された
値(kg・m−3)
5.4 電力の測定
一次回路内の電流計を短絡し,必要に応じて二次電圧を再調整する。二次電圧の波形率を4.5に従って
判定し,電力計の読取り値を記録する。
5.5 鉄損の測定
電力計によって測定された電力Pmは二次回路内の計器によって消費された電力を含んでいる。二次電
圧は基本的に正弦波状であるため,この電力は一次近似では 2
.1111U2 Ri に等しい。このため,試験片の
合計損失算出値Pcは,式(6)を用いて算出する。
2
N1 .1111U2
Pc Pm (6)
N2 Ri
ここに, Pc : 試験片の合計損失算出値(W)
N1 : 一次コイルの総巻数
N2 : 二次コイルの総巻数
Pm : 電力計によって測定された電力(W)
U :
2
二次コイル内で誘起された電圧の整流後の平均値(V)
Ri : 二次回路内の計器の合計抵抗(Ω)
鉄損測定値Psは,試験片の合計損失算出値Pcを,試験片の実効質量maで除すことによって算出する。
Pc Pc 4l
Ps (7)
ma mlm
ここに, Ps : 試験片の鉄損測定値(W/kg)
Pc : 試験片の合計損失算出値(W)
ma : 試験片の実効質量(kg)
l : 試験片の長さ(m)
m : 試験片の合計質量(kg)
lm : 実効磁路長(m),lm=0.94
5.6 鉄損測定の再現性
この項に記述した手順から得られる結果の再現性は,磁束密度1.7 Tまでの方向性電磁鋼帯の測定,及
び1.5 Tまでの無方向性電磁鋼帯の測定において,1.5 %の相対標準偏差とみなされる。
さらに高い磁束密度での測定については,相対標準偏差が増加することが予想される。
6 磁束密度の波高値,磁界の強さの実効値,磁界の強さの波高値,及び皮相電力の測定手順
この項目では,以下の特性を判定するための測定方法を記述する。
− 磁束密度の波高値 J
――――― [JIS C 2550-1 pdf 12] ―――――
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− 磁界の強さの実効値 H~
− 磁界の強さの波高値 H
− 皮相電力 Ss
6.1 試験片
試験片は,4.2に適合しなければならない。
6.2 測定原理
6.2.1 磁束密度Jの波高値
磁束密度の波高値は,箇条5に規定したように,測定された二次電圧の整流平均値から求め,式(4)から
算出する。式(4)を変形した式(8)を次に示す。
1 Ri Rt 1
J U2 (8)
4 fN2 Ri A
注記 二次コイル誘起電圧を,実効値表示された平均値形電圧計の読みを用いる場合は式(4)の係数を
4.444とする必要がある。式(8)の定数を4.444とした式を次に示す。
1 Ri Rt 1
J U2
.4444 fN2 Ri A
6.2.2 磁界の強さの実効値
磁界の強さの実効値は,図4に示す回路内の実効値交流電流計によって測定される,励磁電流の実効値
から算出する。第二法として,精密抵抗器を電流計の位置に接続し,この抵抗器の両端に発生する電圧降
下を,4.6の要求事項に適合する実効値交流電圧計を用いて測定する。精密抵抗器は,一般的には0.1 Ωか
ら1 Ωの範囲の値をもつ0.1 %精度のものを用いる。励磁周波数は,所要の値に設定する。磁束密度の波
高値は,エプスタイン試験器の二次電圧を式(4)から算出された所要の値に調整することによって設定する。
このようにして,電流の実効値を測定し,記録する。磁界の強さの実効値は式(9)から算出する。
~ N1~
H I1 (9)
lm
ここに, H~ : 磁界の強さの実効値(A/m)
N1 : 一次コイルの総巻数
lm : 実効磁路長(m),lm=0.94
~I : 励磁電流の実効値(A)
1
Hz : 周波数計
A : 実効値交流電流計
M : 空隙補償用の相互誘導器
V1 : 平均値形交流電圧計
V2 : 実効値交流電圧計
図4−磁界の強さの実効値の測定回路
――――― [JIS C 2550-1 pdf 13] ―――――
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6.2.3 磁界の強さの波高値
磁界の強さの波高値は,励磁電流の波高値から得る。励磁電流の波高値は,図5に示すように,既知の
0.1 %精度の精密抵抗器の両端に生じる電圧降下を,波高値電圧計を用いて測定する。この測定においては,
二次電圧の波形率は規定の値を超えてもよい(4.5参照)。
磁界の強さの波高値は,式(10)から算出する。
N1
H I1 (10)
lm
ここに, H : 磁界の強さの波高値(A/m)
N1 : 一次コイルの総巻数
lm : 実効磁路長(m),lm=0.94
U
I1
1I : 励磁電流の波高値
(A)
Hz : 周波数計
A : 電流測定計器
R : 精密抵抗器
V1 : 波高値交流電圧計
M : 空隙補償用の相互誘導器
V2 : 平均値形交流電圧計
図5−波高値電圧計を用いた磁界の強さの波高値の測定回路
1Iは,0.5 %精度の相互誘導器MDの二次コイルの両端に発生する電圧
第二法として,励磁電流の波高値
の整流平均値を測定することによって求めることができる。相互誘導器の一次コイルは,エプスタイン試
験器の一次コイルに直列に接続する。この方法では,相互誘導器の二次コイルの電圧波形に,1周期当た
り2か所を超えるゼロ交差点がないようにする必要がある(例えば,オシロスコープでの波形観察による)。
図6は,この第二法の測定回路を示す。平均値形交流電圧計は,エプスタイン試験器の二次電圧の測定に
使用する計器と同じものでよい。この方法では,磁界の強さの波高値は,式(11)から算出する。
N1 Rv Rm
H Um (11)
4 fMDlm Rv
ここに, MD : 図6に示す回路内の電流波高値検出用の相互誘導器の相互イ
ンダクタンス(H)
lm : 実効磁路長(m),lm=0.94
Rm : MDの二次コイルの抵抗(Ω)
Rv : 平均値形交流電圧計の内部抵抗(Ω)
U : m MDの二次コイルに誘起される電圧の整流平均値(V)
注記 二次コイル誘起電圧を,実効値表示された平均値形電圧計の読みを用いる場合は式(4)の係数を
――――― [JIS C 2550-1 pdf 14] ―――――
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4.444とする必要がある。式(11)の定数を4.444とした式を次に示す。
N1 Rv Rm
H Um
.4444 fMDlm Rv
Hz : 周波数計
A : 電流測定計器
MD : 電流波高値検出用の相互誘導器
M : 空隙補償用の相互誘導器
V : 平均値形交流電圧計
図6−相互誘導器MDを用いた磁界の強さの波高値の測定回路
6.2.4 皮相電力の測定
磁束密度及び周波数の所要の値に対して,励磁電流の実効値(6.2.2参照)とエプスタイン試験器の二次
電圧の実効値とを測定する。二次電圧の実効値は,4.6の要求事項に適合する電圧計を,エプスタイン試験
器の二次コイルの両端に接続して測定する。
皮相電力は,式(12)から算出する。
~~ N1 ~~ N1 4l
Ss I1U2 I1U2 (12)
ma N2 mlmN2
ここに, Ss : 皮相電力(VA/kg)
~I : 励磁電流の実効値(A)
1
lm : 実効磁路長(m),lm=0.94
l : 試験片の長さ(m)
m : 試験片の合計質量(kg)
ma : 試験片の実効質量(kg)
N1 : 一次コイルの総巻数
N2 : 二次コイルの総巻数
~U : 二次コイルの誘起電圧の実効値(V)
2
6.3 再現性
この項で記述した手順から得られる結果の再現性は,測定に用いた計器の精度及び試験片の組立て(5.1
及び5.2参照)などによって本質的に変化する。±0.5 %以内の精度の計器を使用する場合には,再現性は,
皮相電力を除き2 %程度の相対標準偏差であるとみなされる。皮相電力の再現性は,2 %(磁化曲線の屈曲
部以下の領域での値)から7 %(磁束密度が飽和に近づく領域での値)の範囲の相対標準偏差であるとみ
なされる。
――――― [JIS C 2550-1 pdf 15] ―――――
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JIS C 2550-1:2011の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60404-2:2008(MOD)
JIS C 2550-1:2011の国際規格 ICS 分類一覧
- 17 : 度量衡及び測定.物理的現象 > 17.220 : 電気学.磁気学.電気的及び磁気的測定 > 17.220.20 : 電気的及び磁気的量の測定
JIS C 2550-1:2011の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC2550-3:2019
- 電磁鋼帯試験方法―第3部:中間周波磁気特性の測定方法
- JISC2550-5:2020
- 電磁鋼帯試験方法―第5部:電磁鋼帯の抵抗率,密度及び占積率の測定方法
- JISC2552:2014
- 無方向性電磁鋼帯
- JISC2553:2019
- 方向性電磁鋼帯