JIS C 3053:1988 規格概要
この規格 C3053は、電気機器の巻線及び配線に用いるエナメル線と横巻線の構造及び特性など一般的な事項について規定。
JISC3053 規格全文情報
- 規格番号
- JIS C3053
- 規格名称
- 巻線通則
- 規格名称英語訳
- General rules for winding wires
- 制定年月日
- 1975年8月1日
- 最新改正日
- 2019年10月21日
- JIS 閲覧
- ‐
- 対応国際規格
ISO
- 国際規格分類
ICS
- 29.060.10
- 主務大臣
- 経済産業
- JISハンドブック
- ‐
- 改訂:履歴
- 1975-08-01 制定日, 1978-09-01 確認日, 1983-05-01 確認日, 1988-03-01 改正日, 1993-06-01 確認日, 1998-06-20 確認日, 2003-09-20 確認日, 2008-10-01 確認日, 2013-10-21 確認日, 2019-10-21 確認
- ページ
- JIS C 3053:1988 PDF [6]
日本工業規格(日本産業規格) JIS
C3053-1988
巻線通則
General Rules for Winding Wires
1. 適用範囲 この規格は,電気機器の巻線及び配線に用いるエナメル線と横巻線の構造及び特性など一
般的な事項について規定する。
引用規格 :
JIS C 2351 エナメル線用ワニス
JIS C 3003 エナメル銅線及びエナメルアルミニウム線試験方法
JIS C 3006 横巻銅線及び横巻アルミニウム線試験方法
JIS C 3102 電気用軟銅線
JIS C 3103 電気機器巻線用軟銅線
JIS C 3104 平角銅線
JIS C 3202 エナメル線
JIS C 3204 横巻線
JIS C 4003 電気機器絶縁の種類
JIS H 2110 電気用アルミニウム地金
JIS R 3413 ガラス糸
JIS Z 8703 試験場所の標準状態
関連規格 : JIS B 8243 圧力容器の構造
JIS K 8271 キシレン(試薬)
JIS Z 3282 はんだ
2. 用語の意味 この規格及び個別規格で用いる主な用語の意味は,次のとおりとする。
(1) 巻線 エナメル線及び横巻線の総称。
(2) エナメル線 導体に天然樹脂又は合成樹脂絶縁塗料を焼き付けた線(表参照)。
(3) 横巻線 導体の長さ方向に対して繊維,テープなどをら旋状に巻き付けた線(表参照)。
(4) 絶縁皮膜 エナメル線に施された絶縁の皮膜。
(5) 絶縁被覆 横巻線に施された絶縁の被覆。
(6) 融着皮膜 絶縁皮膜の上にあって,熱又は溶剤で線を融着させるための皮膜。
(7) 0種,1種,2種,3種 エナメル線における皮膜厚さの種類。0種が最も厚く,3種が最も薄いものを
示す。
(8) 一重,二重 横巻線における繊維テープなどの重ね巻き回数。一重は1回横巻きしたもの,二重は1
回横巻きした上に反対方向に更に1回横巻きしたものを示す。
――――― [JIS C 3053 pdf 1] ―――――
2
C3053-1988
(9) 温度指数 JIS C 3003(エナメル銅線及びエナメルアルミニウム線試験方法)の22.の耐電圧試験で求
めた耐熱寿命グラフの20 000時間での温度。
(10) 許容最高温度 JIS C 4003(電気機器絶縁の種類)の規定による継続して使用できる最高の温度で,
経験によって規定された値。
3. 分類,種類及び記号 この規格に規定する巻線の分類,種類及び記号は,表のとおりとする。
表
導体形状 温度指数許容最 個別製品 左記規格
分
種類 記号 (℃) 高温度 規格番号 の附属書
類 丸線 平角線
(℃) 及び名称 番号
1種油性エナメル銅線 1EW ○ −
1
2種油性エナメル銅線 2EW ○ −
0種ホルマール銅線 0PVF ○ −
1種ホルマール銅線 1PVF ○ − 2
105 −
2種ホルマール銅線 2PVF ○ −
Al-0PVF
0種ホルマールアルミニウム線 ○ −
3
Al-1PVF
1種ホルマールアルミニウム線 ○ −
ホルマール平角銅線 PVF − ○ 4
エ
0種ポリエステル銅線 0PEW ○ −
ナ JIS C 3202
1種ポリエステル銅線 1PEW ○ − 155 − 5
メ (エナメル
2種ポリエステル銅線 2PEW ○ −
ル 線)
1種ポリウレタン銅線 1UEW ○ −
線
2種ポリウレタン銅線 2UEW ○ − 6
3種ポリウレタン銅線 3UEW ○ −
120 −
0種融着性ポリウレタン銅線0SBUEW ○ −
1種融着性ポリウレタン銅線1SBUEW ○ − 7
2種融着性ポリウレタン銅線2SBUEW ○ −
0種ポリエステルイミド銅線0EIW ○ −
1種ポリエステルイミド銅線1EIW ○ − 180 − 8
2種ポリエステルイミド銅線2EIW ○ −
一重綿巻銅線 SCC ○ −
二重綿巻銅線 DCC ○ −
− 1
一重絹巻銅線 SSC ○ − 90
二重絹巻銅線 DSC ○ −
二重綿巻平角銅線 DCC − ○ − 2
一重ガラス巻銅線 (130℃) SGC ○ −
横 − 130
二重ガラス巻銅線 (130℃) DGC ○ − JIS C 3204
巻
一重ガラス巻銅線 (155℃) SGC ○ − (横巻線)
線 − 155 3
二重ガラス巻銅線 (155℃) DGC ○ −
一重ガラス巻銅線 (180℃) SGC ○ −
− 180
二重ガラス巻銅線 (180℃) DGC ○ −
BDGC
二重ガラス巻平角銅線 (130℃) − ○ 130
FDGC
二重ガラス巻平角銅線 (155℃) − ○ − 155 4
HDGC
二重ガラス巻平角銅線 (180℃) − ○ 180
備考 Alの記号は,Alとしてもよい。
――――― [JIS C 3053 pdf 2] ―――――
3
C3053-1988
4. 特性 特性は,個別規格による。
5. 導体及び絶縁
5.1 導体
5.1.1 銅線 エナメル線の0種,1種及び横巻線の導体は,JIS C 3102(電気用軟銅線)に規定する軟銅
線又はこれに準じる軟銅線とし,エナメル線の2種及び3種の導体は,JIS C 3103(電気機器巻線用軟銅
線)に規定する軟銅線とする。
5.1.2 平角銅線 導体は,JIS C 3104(平角銅線)に規定する3号又は4号平角銅線とする。
5.1.3 アルミニウム線 導体は,JIS H 2110(電気用アルミニウム地金)に規定するアルミニウム地金を
伸線して仕上げた軟アルミニウム線とする。
5.2 絶縁
5.2.1 エナメル線 エナメル線の絶縁皮膜は,JIS C 2351(エナメル線用ワニス)に規定するエナメル線
用ワニス又はこれと同等以上の品質をもつエナメル線用ワニスを導体表面に一様に焼き付けたもので,き
ず及び汚れがあってはならない。
丸線では,皮膜の厚さによって厚い順に0種,1種,2種及び3種に区分する。
5.2.2 横巻線 横巻線の絶縁被覆は,次による。
(1) 綿巻線及び絹巻線 綿巻線及び絹巻線の絶縁被覆は,導体に白色綿糸又は白色絹糸を,むらなく緊密
に一重又は相互反対方向に二重に横巻きしたものとする。
(2) ガラス巻線 ガラス巻線の絶縁被覆は,JIS R 3413(ガラス糸)に規定する無アルカリガラス糸,又
はこれと同等以上の品質のガラス糸を,一重又は相互反対方向に二重に緊密に横巻きし,許容最高温
度が130℃,155℃又は180℃に適する耐熱性絶縁塗料を均一に塗布焼き付けたもので,導体に対し有
害な作用を及ぼさないものでなければならない。
6. 寸法 寸法は,個別規格による。
7. 製造
7.1 潤滑剤 エナメル線の場合,巻枠及び容器に緩み,もつれが生じないようにするため通常皮膜の表
面に,皮膜に害がない潤滑剤を塗布するものとする。
7.2 導体の接続 導体を接続する場合には,銀ろう付け,圧接などで行うものとする。接続部の表面は,
滑らかで絶縁を行うためにふさわしいものとする。絶縁を施された部分は,個別規格を満足するものとす
る。
8. 試験
8.1 試験方法 試験方法は,JIS C 3003及びJIS C 3006(横巻銅線及び横巻アルミニウム線試験方法)
による。
8.2 試験材料の取扱い 巻枠よりきず,曲げ,伸びなどを与えないように注意して試料を採取する。
8.3 試験状態 試験状態は,特に指定がない限りJIS Z 8703(試験場所の標準状態)に規定する常温,
常湿(温度20±15℃,湿度65+20%)とする。
8.4 再試験 試験値が規定値に適合しない場合には,個別規格に指定がある場合にだけ再試験をするこ
とができる。再試験の試験値が規定値に適合した場合には,特性を満足するとみなすことができる。
――――― [JIS C 3053 pdf 3] ―――――
4
C3053-1988
8.5 試験条件
8.5.1 巻付け 丸線を巻き付けるために用いる丸棒は,表面が滑らかであり,その径は試験片の標準導体
径 (d) の整数倍とし,1d,2d······で表す。ただし,1dの巻付けに用いる丸棒は,試験片と同じ巻線を用い
てもよい。
8.5.2 曲げ 平角線を曲げるために用いる丸棒は,表面が滑らかであり,その径は試験片の標準導体厚さ
(dF) 又は標準導体幅 (dE) の整数倍とする。厚さ方向に曲げる場合をフラットワイズ曲げ(図1参照)と
呼び,1dF,2dF······で表し,幅方向に曲げる場合をエッジワイス曲げ(図2参照)と呼び,1dE,2dE······
で表す。
図1 図2
9. 検査
9.1 検査 検査は,8.1の試験方法によって個別規格に規定された項目について行い,個別規格の規定に
適合しなければならない。ただし,受渡当事者間の協定によってその一部の項目を省くことができる。
9.2 検査区分 形式検査と受渡検査に区分する。形式検査とは個別規格に規定する特性全項目にわたっ
て設計,原材料及び製造条件の良否を判定するため行う検査であって,通常の受渡しのときには行わない。
受渡検査とは,既に形式検査に合格したものと同じ設計,原材料,製造条件による製品の受渡しに際し,
必要と認められる規格の条項を満足しているかどうかを判定するために行う検査をいう。
10. 包装及び1巻の正味質量 包装及び1巻の正味質量は,個別規格による。
11. 製品の呼び方 製品の呼び方は,個別規格による。
12. 表示 表示は,個別規格による。
13. 製品の保管 製品の特性を損なわないために,高温場所,高湿場所及び直射日光の当たる所には長期
保管しないように注意する。
参考 取扱い上の注意 巻線を使用するとき,又は巻線の試験をするときに扱うはく離剤,溶剤及び
圧力容器などの取扱い上の注意事項は参考表に示す。
――――― [JIS C 3053 pdf 4] ―――――
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C3053-1988
参考表
項目 種類 規格・番号及び名称 注意事項
直接皮膚及び体に付けないように注意
はく離剤 各種 − し,付いた場合は直ちに洗浄する。
また,使用時は,排気に注意する。
火気のある場所での保存,使用は避け
JIS K 8271
溶剤 キシレン る。
[キシレン(試薬)]
また,使用時は排気に注意する。
フレオン 高温場所及び直射日光の当たる所には
JIS B 8243
圧力容器 ガス用圧 保存しないように注意する。
[圧力容器の構造]
力容器
使用時は排気に注意する。
JIS Z 3282
はんだ はんだ はんだを扱った手で食品,たばこなど
[はんだ]
を直接つかまない。
――――― [JIS C 3053 pdf 5] ―――――
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JIS C 3053:1988の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 3053:1988の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC2351:2013
- エナメル線用ワニス
- JISC3003:1950
- エナメル銅線試験方法
- JISC3003:1999
- エナメル線試験方法
- JISC3006:1999
- 横巻線試験方法
- JISC3102:1984
- 電気用軟銅線
- JISC3103:1984
- 電気機器巻線用軟銅線
- JISC3104:1994
- 平角銅線
- JISC3202:2014
- エナメル線
- JISC3204:1988
- 横巻線
- JISC4003:2010
- 電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
- JISH2110:1968
- 電気用アルミニウム地金
- JISR3413:2012
- ガラス糸
- JISZ8703:1983
- 試験場所の標準状態