この規格ページの目次
24
C 4034-1 : 1999 (IEC 60034 : 1996)
項 回転機の種別 主要な定格値
格速度を保つ界磁電流とする。
図11 発電機の電圧・周波数 図12 電動機の電圧・周波数
6.4 無接地システムで運転する三相交流機
三相交流機は中性点を大地電位又はそれに近い電圧で連続運転するのに適したものでなければならない。
それらはまた,まれに短時間ではあるが,例えば,一般の故障解消に必要なものとして一線が大地電位に
ある非接地運転にも適したものでなければならない。この状態で連続的又は長い期間運転する回転機は,
それに適する絶縁レベルをもつ必要があり,その条件は運転指針に定義されるべきである。
備考 回転機の中性点の接地又は相互接続は,製造業者と相談の上実施しなければならない。これは
ある運転条件では全周波数の零相電流成分の危険があり,また,各相と中性点間の故障では巻
線の機械的損傷があり得るためである。
6.5 耐電圧(ピーク及びこう配)レベル
交流電動機の場合,製造業者はピーク電圧及び連続運転における電圧こう配の制限値を明示しなければ
ならない。
IEC 60034-12の適用範囲内のかご形誘導電動機については,IEC 60034-17も参照。高圧交流電動機につ
いては,IEC 60034-15も参照。
7. 温度上昇及び試験
7.1 耐熱クラス
JIS C 4003に基づく耐熱クラスを回転機の絶縁システムに適用する。絶縁システムの耐熱クラスは,温
度値ではなく,文字によって表す。
製造業者は,耐熱試験によって得られた結果を自社の回転機種別と適用に合わせて説明する責任がある。
備考1. 新しい絶縁システムの耐熱クラスは,使用する個別材料の耐熱能力に直接関係すると想定す
べきではない。
2. 経験によって立証されている場合は,既存の耐熱クラスを継続して使用できる。
――――― [JIS C 4034-1 pdf 26] ―――――
25
C 4034-1 : 1999 (IEC 60034 : 1996)
7.2 基準冷媒
回転機を冷却する各方式に対して使用する基準冷媒を表3に示す。
表3 冷却方式及び基準冷媒
項目 一次冷媒 冷却方式 二次冷媒 適用表番号 左欄記載の表が 基準冷媒
規定する限度
1 空気 間接 なし 表6 温度上昇 周囲空気
2 空気 間接 空気 表6 温度上昇 周囲空気
3 空気 間接 水 表6 温度上昇 回転機への入口の空気1)
4 水素 間接 水 表7 温度上昇 回転機への入口の水素1)
5 空気 直接 なし 表11 温度 周囲空気
6 空気 直接 空気 表11 温度 周囲空気
7 空気 直接 水 表11 温度 回転機への入口の空気
8 水素又は液体 直接 水 表11 温度 回転機への入口の水素
又は巻線の入口の液体
1)
巻線が間接冷却てあり,水冷熱交換器をもつ回転機は,基準冷媒として一次又は二次冷媒のどちらか
を使用することができる(定格銘板に関する情報として9.2を参照)。
三次冷媒が用いられる場合,温度上昇は表3に指定されるように一次又は二次冷媒の温度を基準として
測定される。
備考 回転機には,表3の項目を二つ以上適用し冷却することができる。この場合,異なる巻線に対
して異なる基準冷媒を適用できる。
7.3 温度上昇試験の条件
7.3.1 電源
電動機の温度上昇試験においては,電源の高調波電圧係数HVFは0.015を超えてはならない。また,零
相分の影響のない場合に,逆相電圧が正相電圧の0.5%未満でなければならない。
製造業者と購入者の合意によって,逆相電圧の代わりに逆相電流を測定する場合には,逆相電流は正相
電流の2.5%を超えてはならない。
7.3.2 温度上昇試験前の回転機の温度
巻線温度を抵抗の増加から決定する場合は,抵抗を温度上昇試験の前に測定するとき,温度計によって
測定した巻線温度が,実際上その時点の冷媒の温度と等しくなければならない。
短時間定格(使用形式S2)の回転機の場合,温度上昇試験開始前の回転機の温度と冷媒温度との差は,
5K以内でなければならない。
7.3.3 冷媒温度
回転機は,任意の都合のよい冷媒温度において試験することができる。表10(間接冷却巻線)又は表13
(直接冷却巻線)を参照。
7.3.4 試験中の冷媒温度の測定
回転機の温度上昇試験中に冷媒温度が変化する場合は,温度計で等間隔に測定した記録から試験時間の
最後の4分の1の期間における平均値を冷媒温度とする。
冷媒温度の変動に伴う大形回転機の温度変化の時間遅れによる誤差を少なくするため,あらゆる合理的
な予防措置を講じて変動を最小限に抑えねばならない。
7.3.4.1 開放形回転機又は熱交換器のない閉鎖形回転機(冷却は,周囲空気又は気体による。)
回転機から12m隔たった箇所で,回転機の床上高さのほぼ中央の高さに設置した数個の温度計によっ
て測定する。各温度計は,回転機又は他からの熱放射若しくは通風の影響を受けないように保護する。
――――― [JIS C 4034-1 pdf 27] ―――――
26
C 4034-1 : 1999 (IEC 60034 : 1996)
7.3.4.2 換気ダクトを通じて取り入れる遠方の空気又は気体によって冷却する回転機及び別置きの熱交
換器をもつ回転機
回転機への入口で一次冷媒温度を測定する。
7.3.4.3 取付け熱交換器又は内部熱交換器をもつ閉鎖形回転機
一次冷媒温度は回転機への入口で測定する。二次冷媒温度は熱交換器への入口で測定する。
7.4 回転機各部分の温度上昇
7.5による適切な方法で測定した回転機の各部分の温度と,7.3.4に従って測定した冷媒温度との差を回
転機のその部分の温度上昇 (△ ‰
表6,表7の温度上昇限度,表11の温度限度と比較する場合,温度は7.7に規定する温度上昇試験の終
了時に測定する。
連続定格(使用形式S1)の回転機に対しては,可能な場合は運転中及び停止後の両方について温度を測
定する。
反復定格(使用形式S3S8)の回転機に対しては,試験終了時の温度を試験の最終サイクルの最大の発
熱を生じる期間の中央における温度とする(7.7.3参照)。
7.5 温度測定方法
回転機の巻線及びその他の部分の温度の測定方法には,次の3方法がある。
− 抵抗法
− 埋込温度計 (ETD) 法
− 温度計法
相互の点検のために異なる方法を使用してはならない。
7.5.1 抵抗法
巻線抵抗の増加を測定して巻線の温度上昇を算出する方法である。
7.5.2 埋込温度計 (ETD) 法
回転機の完成後には,接近できない箇所に温度検出器(例えば,抵抗温度計素子,熱電対素子,サーミ
スタ素子など)をあらかじめ埋め込んでおいて,その箇所の温度を測定する方法である。
7.5.3 温度計法
回転機が完成した後,外部から接近できる表面に温度計を取り付けて温度を測定する方法である。温度
計としては,棒状温度計,抵抗温度計,熱電対温度計などのいずれでもよい。
なお,棒状温度計を磁界の影響を受ける場所に使用する場合には,水銀温度計ではなくアルコール温度
計を使用する。
7.6 巻線温度の決定
7.6.1 巻線の温度測定法の選択
通常は,回転機の巻線の温度測定には7.5.1の抵抗法を適用する(7.6.2.3.3も参照)。
定格出力5 000kW(又はkVA)以上の交流機の固定子(電機子)巻線にはETD法を適用する。
定格出力200kW(又はkVA)超過,5 000kW(又はkVA)未満の交流機に対しては,他に協定がない限
り,製造業者は,抵抗法又はETD法のどちらかを選択する。
定格出力200kW(又はkVA)以下の交流機に対しては,他に協定がない限り,製造業者は抵抗法の直接
測定法又は直流重畳法を適用する(7.6.2.1参照)。
定格出力600W(又はVA)以下の回転機に対しては,巻線が一様でない場合,又は必要な接続をするの
が困難な場合は,温度は,温度計法によって決定してもよい。この場合,表6の温度上昇限度を適用する。
――――― [JIS C 4034-1 pdf 28] ―――――
27
C 4034-1 : 1999 (IEC 60034 : 1996)
温度計法は,次のような場合に適用できる。
a) 抵抗法によって温度上昇を決定することが実際的でない場合,例えば,低抵抗の補極巻線及び補償巻
線又は一般の低抵抗の巻線,特に全体の抵抗に比べ接合部の抵抗が無視できないような場合。
b) 固定部又は回転部の単層巻線。
c) 量産機の受渡試験の場合。
d) 購入者が抵抗法又はETD法で決定する温度上昇のほかに,温度計法による読みを要求する場合。
単層巻の交流機の固定子(電機子)巻線に対しては,本規格との適合性の検証には,ETD法は適用しな
い。抵抗法を適用する。
備考 単層巻線の使用時の温度を調べるために,スロットの底に入れた埋込温度計は,主として鉄心
の温度を示すのでほとんど役に立たない。巻線とくさび(楔)の間に入れた埋込温度計は低め
ではあるが,はるかに巻線温度に近い値を与えるので,参考値としては,より優れている。こ
の場所での温度測定値と抵抗法による温度測定値との関係は,温度上昇試験によって決定する
べきである。
単層巻のその他の巻線及びコイルエンドの場合,本規格との適合性の検証には,ETD法は使用しない。
直流機及び交流整流子機の電機子巻線の場合,及び円筒形回転子の同期機界磁巻線を除く界磁巻線の場
合,抵抗法と温度計法が使用できる。
固定子側に取り付けられる直流機多層界磁巻線の場合は,抵抗法が望ましいが,ETD法を用いてもよい。
7.6.2 抵抗法による温度上昇の決定
7.6.2.1 測定
次のいずれかの方法を使用する。
7.6.2.1.1 直接測定法
適切な計器を使用して,試験の開始前と試験終了時に直接抵抗値を測定する方法。
7.6.2.1.2 直流電流/電圧測定法
直流巻線の場合 : 適切な計器を使用して巻線に流れる電流と印加電圧を測定する。
交流巻線の場合 : 交流電圧が印加されていない状態のときに直流電圧を印加する。
7.6.2.1.3 直流重畳法
IEC 60279に基づき,交流負荷電流を遮断せずに,わずかな直流測定電流を交流負荷電流に重畳して流
す方法。
7.6.2.2 温度上昇の算出
温度上昇 ( 愀 ‰ 次の式によって算出する。
2 k R2
1 k R1
ここに, 初期抵抗R1を測定したときの巻線(冷状態)温度 (℃)
温度上昇試験終了時における巻線温度 (℃)
懿 温度上昇試験終了時の冷媒温度 (℃)
R1 : 温度 冷状態)における巻線抵抗
R2 : 温度上昇試験終了時の巻線抵抗
k : 導線材料の0℃における抵抗の温度係数の逆数。
銅に対しては,k=235
アルミニウムに対しては,特に取決めがない限りk=225を
用いる。
実用上は,次の式が便利である。
――――― [JIS C 4034-1 pdf 29] ―――――
28
C 4034-1 : 1999 (IEC 60034 : 1996)
R2 R1
2 a k 1 1 a
R1
7.6.2.3 電源開路後の回転機の停止時間に関する補正
直接測定抵抗法による温度上昇試験後の温度測定には,速やかな回転機の停止が心要である。
綿密に計画した手順と適切な人員が必要である。
7.6.2.3.1 短い停止時間の場合
最初の抵抗の読みが,表4に示した時間内で得られる場合は,その読みを巻線温度の測定値とする。
表4 電源開路後の経過時間
定格出力PN (kW又はkVA) 電源開路後の経過時間 (s)
PN≦50 30
50<PN≦200 90
200<PN≦5 000 120
5 000<PN 合意による
7.6.2.3.2 長い停止時間の場合
最初の抵抗測定が表4に示した時間内にできない場合は,できるだけ早く,表4に規定する経過時間の
2倍以内に最初の抵抗を測定し,抵抗値が最大の値から明確な下降を始めるまで約1分間の間隔で測定す
る。これらの測定値を時間関数としてプロットし,表4に示した回転機定格出力に対応する経過時間まで
外挿する。このとき,温度を対数目盛とした片対数表示がよい。
このようにして得た温度は,電源開路時の巻線温度とみなす。
停止後の継続温度測定において温度が上昇し,その後,低下していくような場合は,測定した最も高い
温度を最高温度とする。
最初の測定までに,表4に示した経過時間の少なくとも2倍の時間を要する場合は,この補正法は,製
造業者と購入者との合意がある場合だけ用いる。
7.6.2.3.3 スロット内巻線が単層の場合
単層巻き巻線の回転機の場合,回転機が表4に規定する経過時間内に停止すれば,直接測定法による抵
抗法を使用できる。電源遮断後,回転機が停止するのに要する時間が90秒を超える場合は,あらかじめ合
意していれば,直流重畳法を使用できる。
7.6.3 ETD法による温度上昇の決定
埋込温度計素子の数は6個以上とし,これを巻線全体に適切に分布させる。
埋込温度計素子は,最高温度となると思われる箇所に,一次冷媒に触れないよう,また,安全性を配慮
して設置する。
埋込温度計素子の読みの最大値を巻線の温度とする。
備考 埋込温度計素子やその接続部が故障したり,誤った読みを示すことがあるので,一つ又は二つ
以上の読みが異常であれば,調査後にその読みを除去する。
7.6.3.1 スロット内巻線が2層以上の場合
スロット内巻線の上下層間の温度が最高と思われる箇所に,温度計素子を埋め込む。
7.6.3.2 スロット内巻線が単層の場合
くさびと巻線の間の最高温度となりそうな位置に,温度計素子を埋め込む(7.6.1も参照)。
7.6.3.3 コイルエンドの場合
コイルエンド内の二つの隣接巻線の間の最高温度となりそうな位置に,温度計素子を埋め込む。温度計
――――― [JIS C 4034-1 pdf 30] ―――――
次のページ PDF 31
JIS C 4034-1:1999の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60034-1:1996(NEQ)
- IEC 60034-1:1996/AMENDMENT 1:1997(NEQ)
JIS C 4034-1:1999の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 4034-1:1999の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0364-4-41:1997
- 建築電気設備 第4部:安全保護 第41章:感電保護
- JISC0366:1997
- 建築電気設備の電圧バンド
- JISC4003:2010
- 電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
- JISC4034-5:1999
- 回転電気機械―第5部:外被構造による保護方式の分類
- JISC4034-6:1999
- 回転電気機械―第6部:冷却方式による分類