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C 4034-1 : 1999 (IEC 60034 : 1996)
素子の検出点は巻線表面と密着させ,かつ,冷媒の影響を受けないように保護する(7.6.1も参照)。
7.6.4 温度計法による測定
7.6.1の目的から,接近できる温度が最高と思われる箇所に,温度計を取り付ける。
7.7 温度上昇試験の試験時間
7.7.1 連続定格の回転機
熱的平衡状態に達するまで試験を継続する。
7.7.2 短時間定格の回転機
試験継続時間は,定格として定めた時間とする。
7.7.3 反復定格の回転機
通常,製造業者が選定した等価負荷定格(4.2.6を参照)にて熱的平衡状態に達するまで試験を実施する。
実際の使用に対する試験条件が合意されていれば指定の負荷サイクルを適用し,温度サイクルが同一と
みなされるまで,すなわち,隣り合ったサイクル間の対応する点を結んだ直線の傾きが1時間当たり2K
未満になるまで,定められた負荷サイクルを継続しなければならない。必要ならば,期間中,適切な間隔
で測定を行う。
7.7.4 非反復定格及び多段階一定負荷定格の回転機
製造業者が選定した等価負荷定格(4.2.6を参照)にて熱的平衡状態に達するまで試験を実施する。
7.8 使用形式S9の回転機の等価熱時定数の決定
温度変化過程をほぼ決定するのに用いる回転機の等価熱時定数は,運転中と同じ通風のもとで7.6.2.3と
同じ方法でプロットされる冷却曲線から決定できる。時定数の値は,電源開路後に回転機の温度が全負荷
温度の1/2まで低下するのに要する時間の1.44倍(すなわち,1/ln 2)である。
備考 時定数の異なる電機子巻線,界磁巻線,補極巻線をもつ直流機のように,時定数が二つ以上あ
る回転機の場合には,すべての時定数について検討し,温度上昇が最も大きいと思われる部位
の時定数を用いて,温度上昇を予測する。
7.9 軸受の温度測定方法
軸受の温度測定には,温度計法又はETD法を用いる。
温度測定点は,表5に規定する2か所のいずれかにできるだけ近い位置とする。
表5 軸受の温度測定点
軸受の種類 測定点 測定点の位置
転がり軸受 A 軸受ハウジング内で,軸受の外輪からの距離1)が10mm以下の位置2)
B 軸受ハウジング外表面で,軸受の外輪にできるだけ近い距離
滑り軸受 A 軸受台金内の荷重部位3)で油膜からの距離1)が10mm以下の位置2)
B 軸受台金内の他の位置
1) : この距離は,ETD又は温度計の感温部の最も近い点から測る。
2) : 内輪が固定されており,外輪が回転する形式の回転機の場合,測定点Aは,内輪からの距
離が10mm以下の固定部にあり,また,測定点Bは,内輪にできるだけ近い固定部の外表
面にある。
3) : 軸受台金とは軸受を支える部分をいい,軸受ハウジングの中で固定されている。荷重部位
とは,回転子質量及び半径方向荷重の合成力を支える円周上の領域である。
温度計と温度測定対象物との間の熱抵抗は,極力少なくする。例えば,空げき(隙)などは熱伝導の良
いペーストでふさぐようにする。
備考 これらの測定点と軸受の最高温度との間に温度差があるように,測定点AとBの間にも軸受寸
法によって温度差が存在する。圧入ブッシュをもつ滑り軸受や内径150mmまでの転がり軸受
――――― [JIS C 4034-1 pdf 31] ―――――
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C 4034-1 : 1999 (IEC 60034 : 1996)
では,測定点AとBとの間の温度差は無視してもよい。さらに大きな軸受の場合には,測定点
Aの温度はBの温度よりおよそ15Kも高くなることがある。
7.10 温度及び温度上昇の限度
温度及び温度上昇限度は,5.に規定する設置場所の条件と連続定格(基準条件)における運転に対して
定められている。他の条件の現場や他の定格において運転するときの限度の補正法も決められている。試
験場所の条件が設置場所の条件と異なる場合は,別の規則によって温度上昇試験時の限度を補正する。
この限度は,表3に規定する基準冷媒との関係において規定されている。
水素冷媒の純度を考慮に入れた規則も定められている。
7.10.1 間接冷却巻線の温度上昇限度
基準条件の下での温度上昇は,該当する表6(空気冷媒)又は表7(水素冷媒)に示す限度を超えてはな
らない。
他の設置場所の条件,連続使用以外の定格,11 000Vを超える定格電圧の場合,限度は表8に従って補
正する。(表8に想定されている冷媒温度の限度については,表9を参照)
7.6.1d)に従い温度計の読みを確認する場合には,温度上昇限度は製造業者と購入者の合意によるが,次
の限度を超えてはならない。
耐熱クラスAの絶縁の巻線 65K
耐熱クラスEの絶縁の巻線 80K
耐熱クラスBの絶縁の巻線 90K
耐熱クラスFの絶縁の巻線 115K
耐熱クラスHの絶縁の巻線 140K
――――― [JIS C 4034-1 pdf 32] ―――――
表6 空冷間接冷却形回転機の温度上昇限度
単位 K
項目 回転機の部分 耐熱クラス
A E B F H
温度計 抵抗法 埋込温温度計抵抗法 埋込温温度計 抵抗法 埋込温温度計抵抗法 埋込温温度計 抵抗法 埋込温
法 度計法 法 度計法 法 度計法 法 度計法 法 度計法
1a) 出力5 000kW(又はkVA)以上の回転 − 60 651) − − − − 80 851) − 100 1051) − 125 1301)
機の交流巻線
1b) 出力200kW(又はkVA)超過,5 000kW− 60 651) − 75 − − 80 901) − 105 1101) − 125 1301)
(又はkVA)未満の回転機の交流巻線
1c) 出力200kW(又はkVA)以下で,項目− 60 − − 75 − − 80 − − 105 − − 125 −
1d)又は1e)以外の回転機の交流巻線2)
1d) 出力600W(又はVA)未満の回転機の − 65 − − 75 − − 85 − − 110 − − 130 −
交流巻線2)
1e) 冷却扇なしの自冷形 (IC40) ・モールド
− 65 − − 75 − − 85 − − 110 − − 130 −
形回転機の交流巻線2)
2 整流子をもつ電機子巻線 50 60 − 65 75 − 70 80 − 85 105 − 105 125 −
3 50
項目4以外の交流機・直流機の界磁巻 60 − 65 75 − 70 80 − 85 105 − 105 125 −
線
4a) スロット内に埋め込んだ直流界磁巻線
− − − − − − − 90 − − 110 − − 135 −
をもつ円筒形回転子の同期機の界磁巻
線で,誘導同期電動機以外のもの
4b) 二層巻以上の直流機の静止界磁巻線 50 60 − 65 75 − 70 80 90 85 105 110 105 125 135
4c) 交流機・直流機の低抵抗界磁巻線及び
60 60 − 75 75 − 80 80 − 100 100 − 125 125 −
C4
二層巻以上の直流機の補償巻線
0
4d) 交流機・直流機の露出した裸導体又は
65 65 − 80 80 − 90 90 − 110 110 − 135 135 −
34-
ワニス処理した単層巻線,直流機の単
1:
層補償巻線3)
199
1)
高圧交流巻線の場合に補正が適用される項目(表8の4を参照)。
9(
2)
I
耐熱クラスがA,E,B,Fであり,定格が200kW(又はkVA)以下である回転機の巻線に重畳法を適用する場合は,抵抗法の温度上昇限度を5Kだけ超えてもよい。
EC6
3)
多層巻線であっても,下層巻線が,一次冷媒にそれぞれ接触している場合も含む。
0034:199
3
6
1
)
――――― [JIS C 4034-1 pdf 33] ―――――
C4
3
表7 水素間接冷却形回転機の温度上昇限度
2
03
単位 K
4-
1:
項 回転機の部分 耐熱クラス
1
目 A E B F
999(
抵抗法 埋込温 抵抗法 埋込温 抵抗法 埋込温 抵抗法 埋込温
IEC6
度計法 度計法 度計法 度計法
1 出力5 000kW(又はkVA)以上,又は鉄心長1m以上の回転機の交流巻線
00
水素圧力2)≦150kPa (1.5bar) − − − − − 851) − 1051)
34:
150kPa<水素圧力2)≦200kPa (2.0bar) − − − − − 801) − 1001)
19
200kPa<水素圧力2)≦300kPa (3.0bar) − − − − − 781) − 981)
96)
300kPa<水素圧力2)≦400kPa (4.0bar) − − − − − 731) − 931)
400kPa<水素圧力2) − − − − − 701) − 901)
2a) 出力が5 000kW(又はkVA)未満,又は鉄心長1m未満の回転機の交流巻線 60 651) 75 801) 80 851) 100 1051)
2b) 項目3,4以外の交流機及び直流機の直流界磁巻線 60 − 75 − 80 − 105 −
3 直流励磁形の円筒形回転子機の界磁巻線 − − − − 85 − 105 −
4a) 多層低抵抗界磁巻線及び補償巻線 60 − 75 − 80 − 100 −
4b) 露出した裸導体又はワニス処理した単層界磁巻線3) 65 − 80 − 90 − 110 −
1)
高圧交流巻線の場合に補正が適用される項目(表8の4を参照)。
2)
許容温度上昇が水素圧力に依存するのは,この項だけである。
3)
多層巻線であっても,下層巻線が,一次冷媒にそれぞれ接触している場合も含む。
――――― [JIS C 4034-1 pdf 34] ―――――
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C 4034-1 : 1999 (IEC 60034 : 1996)
表8 基準外運転条件及び定格を考慮した間接冷却巻線の設置場所における温度上昇限度の補正
項目 運転条件又は定格 表6及び表7における温度上昇 (△ の補正
1 0℃≦
周囲空気の最高 製造業者と購入者との合意によって,最高を30Kとして最高冷媒温度と
温度又は回転機 40℃との差の分を加えることができる。
40℃<
への入口部の空 冷媒温度が40℃を超えた分だけ差し引く。
気の最高温度 は
製造業者と購入者との合意による。
(
2 5℃≦
水冷式熱交換器 10Kだけ加える。さらに,最高水温と25℃との差の分だけ加えることが
への入口部の水 できる。3)
の最高温度 ( 10Kを加え,最高水温と25℃との差の分を差し引く。3)
3 標高 (H) 1 000m<H≦4 000mで 補正しない。標高による冷却効果の減少は,最高周囲温度が40℃より低
くなることによって補償されると考えられるため,合計温度は40℃に表
最高周囲空気温度の指
定のない場合 6,表7の温度上昇を加えた値を超えないと考えられる。1)
H>4 000m 製造業者と購入者との合意による。
4 11kV<UN≦17kV
固定子巻線の定 埋込温度計 (ETD) 法によって測定する場合は,11 000Vを超える1 000V
格電圧 (UN) 又はその端数ごとに1Kだけ差し引く。
UN>17kV 埋込温度計 (ETD) 法によって測定する場合は,6Kと更に17 000Vを超え
る1 000V又はその端数ごとに0.5Kだけ差し引く。
52) 10Kだけ加える。
定格出力が5 000kW(又はkVA)未満で
ある短時間使用 (S2) 定格
62) 非反復使用 (S9) 定格 回転機の運転中,短時間だけ温度上昇限度を超えてもよい。
72) 多段階一定負荷使用 (S10) 定格 回転機の運転中,過負荷期間だけ温度上昇限度を超えてもよい。
1)
必要な周囲温度の減少を,1 000mを越える100mごとに表6の1b)と1c)の温度上昇限度の1%とすると,1 000m以下
の最高周囲温度を40℃として,設置場所の想定最高周囲温度を求めると表9のようになる。
2)
空冷巻線だけに適用する。
3) 水温基準で表6,表7を適用する場合の補正。
表9 想定最高周囲温度
耐熱クラス
A E B F H
標高 (m) 温度 (℃)
1 000 40 40 40 40 40
2 000 34 33 32 30 28
3 000 28 26 24 19 15
4 000 22 19 16 9 3
巻線が空気によって間接的に冷却される場合試験場所の条件が設置場所の条件と異なっていれば,表10
で与えられる補正された限度を試験場所で適用する。
表10で与えられる補正された限度が,製造業者によって過剰と考えられる試験場所の許容温度になる場
合は,試験手順と限度は合意によって定めなければならない。
水素によって間接的に冷却する巻線に関しては,試験場所についての補正を行わない。その巻線を設置
場所以外の場所において定格負荷で試験することは極めてまれなためである。
7.10.2 直接冷却巻線
基準条件の下での温度は,表11に示す限度を超えてはならない。
他の設置場所の条件に関しては,限度は表12に従い補正する。
試験場所の条件が設置場所の条件と異なる場合は,表13で与えられる補正された限度を試験場所で適用
する。
表13で与えられる補正された限度が,製造業者によって過剰と考えられる試験場所の許容温度になる場
――――― [JIS C 4034-1 pdf 35] ―――――
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JIS C 4034-1:1999の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60034-1:1996(NEQ)
- IEC 60034-1:1996/AMENDMENT 1:1997(NEQ)
JIS C 4034-1:1999の国際規格 ICS 分類一覧
JIS C 4034-1:1999の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0364-4-41:1997
- 建築電気設備 第4部:安全保護 第41章:感電保護
- JISC0366:1997
- 建築電気設備の電圧バンド
- JISC4003:2010
- 電気絶縁―熱的耐久性評価及び呼び方
- JISC4034-5:1999
- 回転電気機械―第5部:外被構造による保護方式の分類
- JISC4034-6:1999
- 回転電気機械―第6部:冷却方式による分類