JIS C 4304:2013 配電用6kV油入変圧器 | ページ 2

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C 4304 : 2013
3.1.11
基準エネルギー消費効率
判断の基準で指定するエネルギー消費効率の算出式によって算出した値。
3.2 冷却に関する気象データ
3.2.1
日間平均気温
日間の最高気温と最低気温との和の2分の1。
3.2.2
月間平均気温(monthly average temperature)
何年間かのある月の日間最高気温の平均値と日間最低気温の平均値との和の2分の1。
3.2.3
年間平均気温(yearly average temperature)
月間平均気温の和の12分の1。
3.3 巻線
3.3.1
巻線(winding)
変圧器の指定された電圧に対応する電気回路を構成するターンの集合体。
3.3.2
相巻線(phase winding)
三相巻線のうち一相分を構成するターンの集合体。
3.3.3
一次巻線(primary winding)
運転時,電源側の回路から電力を受け取る巻線。6 kV側を一次とする。
3.3.4
二次巻線(secondary winding)
運転時,負荷側の回路に電力を送る巻線。210 V,420 V及び440 V側を二次とする。
3.4 定格
3.4.1
定格(rating)
この規格の変圧器の動作を定義する数値で,製造業者の保証及び試験の基本となるもの。
3.4.2
定格周波数(rated frequency)
その周波数において用いるよう設計した周波数。
3.4.3
定格電圧(rated voltage of a winding)
基準タップに接続した一次巻線と二次巻線の端子との間に,印加するために指定する電圧又は無負荷時
に発生する電圧。実効値で表す。
注記 定格電圧を一つの巻線に印加したとき,無負荷時にはほかの巻線に定格電圧が誘起される。
3.4.4
定格容量(rated power)

――――― [JIS C 4304 pdf 6] ―――――

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銘板に表示された皮相電力で,定格二次電圧,定格周波数及び定格力率においてこの規格に規定する温
度上昇の限度を超えることなく,二次端子間に得られる値。単位は,キロボルトアンペア(kVA)である。
3.4.5
定格力率(rated power factor)
その力率において用いるよう設計した力率。
3.4.6
定格電流(rated current)
定格容量を,定格電圧及び該当する相係数で除した線路電流。実効値で表す。相係数は,表1による。
表1−相係数
相数 相係数
1 1
3 3
3.5 タップ
3.5.1
基準タップ(principal tapping)
定格諸量に関するタップ。
3.5.2
タップ電圧(tapping voltage)
あるタップについて,巻線の線路端子間に,無負荷時に印加する指定電圧。
3.5.3
全容量タップ電圧(full-power tapping voltage)
規定した温度上昇の限度を超えることなく,定格容量で用いることができるタップ電圧。
3.5.4
低減容量タップ電圧(reduced-power tapping voltage)
規定した温度上昇の限度を超えることなく用いるために,定格容量を低減しなければならないタップ電
圧。
3.5.5
タップ電流(tapping current)
その巻線容量を,そのタップ電圧と表1の該当する相係数とで除した線路電流。実効値で表す。
3.6 特性
3.6.1
無負荷電流(no-load current)
一つの巻線に定格周波数の電圧を印加し,ほかの巻線を開路としたときの線路電流の実効値。その巻線
の定格電流に対する百分率(%)で表す。
注記 三相変圧器で各相の無負荷電流の値が異なるときは,全部の平均値をとる。
3.6.2
無負荷損(no-load loss)
一つの巻線に定格周波数の電圧を印加し,ほかの巻線を開路としたときに消費する有効電力。
注記 無負荷損は,鉄損,無負荷電流による巻線の抵抗損,絶縁物中の誘電体損などを含む。

――――― [JIS C 4304 pdf 7] ―――――

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3.6.3
変圧比(voltage ratio)
二次巻線を基準とした,二つの巻線の無負荷時における電圧の比。
3.6.4
指定変圧比(rated voltage ratio)
銘板に表示された電圧の比。二次電圧を基準にして表す。
3.6.5
基準巻線温度(reference temperature of winding)
負荷損,短絡インピーダンスなどの特性値を算出する基準となる温度。単位は,度(℃)である。
3.6.6
負荷損(load loss)
一方の巻線を短絡して,他方の巻線に定格周波数の電圧を印加し,電流を通じた場合に消費する有効電
力。負荷損は,規定した基準巻線温度に補正した値で表す。
3.6.7
効率
定格二次電圧及び定格周波数における有効出力を,有効出力と変圧器の損失との和で除した値。単位は,
百分率(%)で表す。
3.6.8
短絡インピーダンス(short-circuit impedance)
一方の巻線を閉路とし,定格周波数において,あるタップに対して他方の巻線端子間で測定した等価的
な星形結線に置き換えたインピーダンス。特に指定がない場合,基準タップでの値を測定した巻線の基準
インピーダンスに対する百分率(%)で表す。
短絡インピーダンスは,基準巻線温度に補正した値で表す。基準インピーダンスは,各巻線のタップ電
圧の二乗を定格容量で除した値である。
百分率で表した短絡インピーダンスは,一方の巻線を短絡し,あるタップにおいてタップ電流を流す印
加電圧のタップ電圧に対する百分率に等しい。
3.6.9
単三平衡度
単相変圧器の2群の巻線に不平衡負荷をかけたときの各巻線の電磁的平衡の度合い。
3.6.10
電圧変動率
一方の巻線に次の電圧を印加したとき,指定された負荷及び力率において,ほかの巻線端子に発生する
電圧と無負荷電圧との算術差を,次の電圧で除した値。単位は,百分率(%)で表す。
a) 変圧器を基準タップに接続している場合,定格電圧。
b) 変圧器をほかのタップに接続している場合,タップ電圧。
3.7 温度
3.7.1
温度上昇(temperature rise)
変圧器各部分の測定温度と基準周囲温度との差。

――――― [JIS C 4304 pdf 8] ―――――

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3.7.2
基準周囲温度(cooling-air temperature)
変圧器の温度上昇を算出するときの基準となる周囲温度。
3.8
裕度(tolerances)
規定値又は保証値と,試験結果との差異の許容できる範囲。
注記 保証値とは,注文者が指定し,製造業者が請合い保証した短絡インピーダンスの値をいう。
3.9 端子及び中性点
3.9.1
線路端子(line terminal)
外部回路の線路導体に接続する端子。
3.9.2
中性点端子(neutral terminal)
中性点端子には,次の二つがある。
a) 三相変圧器の場合,星形結線の巻線の共通接続点に接続する端子。
b) 単相変圧器の場合,回路の中性点に接続する端子。
3.9.3
中性点(neutral point)
中性点には,次の二つの意味がある。
a) 三相平衡回路において常時ゼロ電位にある点。
b) 星形結線の三相回路の共通接続点。
3.10 結線
3.10.1
星形結線(star connection)
三相変圧器のそれぞれの相巻線の一端を共通点である中性点に接続し,他端をそれぞれの線路端子に接
続した巻線接続。
3.10.2
三角結線(delta connection)
三相変圧器のそれぞれの相巻線を閉回路を作るように直列接続した巻線接続。
3.10.3
位相変位(phase displacement of a three-phase winding)
中性点と二つの巻線の対応する端子との間の位相電圧ベクトルの角度差。
3.10.4
接続記号(connection symbol)
高圧巻線及び低圧巻線の結線及び位相変位を,文字及び時数で表した記号。
注記 時数とは,電圧の高い方の巻線の電圧ベクトルを時計の分針とみなし,電圧の低い方の巻線の
電圧ベクトルを時計の時針とみなした場合,分針がゼロ分の位置にあるときの時針の位置をい
う。
3.10.5
単三専用結線

――――― [JIS C 4304 pdf 9] ―――――

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単相変圧器の二次結線を,単相三線式の配電方式専用の結線にした結線方式。
3.11 騒音レベル
3.11.1
騒音レベル(sound levels)(A特性音圧レベル)
JIS C 1509-1に規定するA特性で重み付けられた音圧の実効値PAの二乗と,基準音圧P0(20 μPa)の二
乗との比の常用対数の10倍。単位は,デシベル(dB)である。
3.11.2
基準放射面(principal radiating surface)
変圧器の周りに仮定した,音が放射されると考えられる面。
3.11.3
測定面(measurement surface)
基準放射面から規定の間隔をとって測定を行う面。
3.11.4
暗騒音(background noise)
騒音測定時と同一の周囲騒音条件で,変圧器を停止した状態における変圧器測定面の騒音レベル。
3.12 試験の種類
3.12.1
受渡試験(routine test)
個々の変圧器に行う試験。
3.12.2
形式試験(type test)
代表する変圧器に対し,受渡試験に含まれない項目について,変圧器が規定された要求に合致している
ことを証明するために行う試験。
注記 変圧器は,仕様及び構造が全く同じ場合に,ほかのものを代表すると考えることができる。仕
様又はほかの特性について僅かな違いがある変圧器に対して実施した形式試験についても,注
文者と製造業者との協定によって有効と考えることができる。
3.12.3
特殊試験(special test)
受渡試験及び形式試験以外に,受渡当事者間の協定によって行う試験。

4 使用状態

4.1 標準使用状態

  次の使用状態を全て満足する場合を標準使用状態とし,特に注文者による指定がない場合,変圧器は,
次の状態で用いる。
a) 標高 標高は,1 000 m以下の場所で用いる。
b) 周囲温度 周囲温度は,−20 ℃40 ℃で用いる。
なお,日間平均気温が35 ℃を超えず,かつ,年間平均気温が20 ℃を超えないものとする。
c) 回路の電圧波形 変圧器を接続する回路の電圧波形は,ほぼ正弦波とする。
d) 三相回路の電圧平衡 三相変圧器を接続する三相回路の電圧は,ほぼ平衡している。

――――― [JIS C 4304 pdf 10] ―――――

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JIS C 4304:2013の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60076-10:2001(MOD)
  • IEC 60076-1:2000(MOD)
  • IEC 60076-2:1993(MOD)
  • IEC 60076-3:2000(MOD)
  • IEC 60076-4:2002(MOD)
  • IEC 60076-5:2000(MOD)
  • IEC/TR 60616:1978(MOD)

JIS C 4304:2013の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 4304:2013の関連規格と引用規格一覧