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C 4411-1 : 2015
5.5.1 一般事項
次の規定とともに,JIS C 6950-1の2.7.3,2.7.4,2.7.5及び2.7.6の規定を適用する。
5.5.2 基本的な要求事項
入出力回路の過電流,短絡及び地絡に対する保護は,装置との一体部分とするか,又は建築物の設備の
一部として行う。
注記1 この箇条での地絡は,4.7.12及び4.7.13で規定する漏れ電流とは異なる。
建築物の設備の保護装置は,主回路入力に直接接続するUPSの部品に対する短絡及び地絡保護を備えな
ければならない。保護対象とする部品には,電源コード,機器用カプラ,RFI(無線周波妨害)フィルタ,
バイパス及び分離スイッチを含む。また,8.3で規定する異常運転状態及び故障状態の要求事項に適合する
ために必要な保護装置は,UPSとの一体部分として取り付けなければならない。
建築物の設備の保護装置で保護を行う場合は,建築物の設備内の保護要求事項(4.7.12)を据付説明書に
記載する。ただし,タイプAプラグ接続形UPSでは,建造物の設備でコンセントの定格に従った保護が
されているとみなし,4.7.12を適用しない。
製造業者は,出力回路に恒久接続する中性線,保護導体及び相電線の寸法を正しく決められるように最
悪条件で流れ得る最大故障電流の実効値を指定しなければならない。製造業者が出力回路の保護を行う場
合,又は出力がタイプAプラグ接続形機器の場合は,故障電流を指定する必要はない。
インバータの出力電流を電流制限回路だけで抑制する場合は,抑制された短絡電流又は過負荷電流が,
この規格で想定する危険が生じないようにする。
短絡に対する保護は,5秒以内に動作しなければならない。
注記2 ここで規定する要求事項の目的は,出力短絡中に感電又は発火のリスクを低減することであ
る。出力回路と同じ定格の出力遮断器の設置,又は同じ定格で過電流を制限することは,こ
の要求事項を満足するのに十分とみなす。
適合しているかどうかは,検査及び機能試験によって確認する。
5.5.3 蓄電池回路保護
5.5.3.1 過電流及び地絡保護
蓄電池回路は,過電流及び地絡から保護され,5.5.3.2及び5.5.3.3の要求事項に適合しなければならない。
注記 この箇条での地絡は,4.7.12及び4.7.13で規定する漏れ電流とは異なる。
5.5.3.2 保護装置の位置
蓄電池をUPSに内蔵する場合は,蓄電池に接続する回路に過電流保護装置を備えなければならない。
注記 蓄電池をUPSの外部に設置する場合は,地域設置規則に従って蓄電池の近くに過電流保護装置
を取り付けることが望ましい。
適合しているかどうかは,検査によって確認する。
5.5.3.3 保護装置の定格
UPSに内蔵する過電流保護装置の定格は,JIS C 6950-1の5.3.1に規定する条件に対して保護できるよう
にする。
蓄電池をUPSの外部に設置する場合,過電流保護装置の定格は,取扱説明書で指定するとともに,UPS
と蓄電池との間に接続する導体の電流定格を考慮し,6.2で規定する要求事項に従って決める。
注記 蓄電池バンク端子が直接接地されていない場合,その装置は,両方の端子を保護することが望
ましい。
適合しているかどうかは,検査によって確認する。
――――― [JIS C 4411-1 pdf 21] ―――――
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5.5.4 短時間耐電流
5.5.4.1 一般事項
短時間耐電流の試験は,特に除外された場合を除いて,指定の運転状態において短絡回路が出力端子間
に構成されたときのUPSの安全を確認する形式試験として実施する。試験実施時の代表的な回路について
は図P.1,除外については5.5.4.3.2参照。
注記 内部故障は,ここでは考慮していない。UPS内部に起因する故障については,8.3参照。
5.5.4.2 運転状態
試験は,交流入力から低インピーダンス電路を介して出力に電力が供給される運転状態の場合にだけ行
う。
注記1 例として,次の運転状態が含まれる。
・ 常時商用給電方式(VFD)UPSの通常運転状態又はバイパス運転状態
・ ラインインタラクティブ方式(VI)UPSの通常運転状態又はバイパス運転状態
・ 常時インバータ給電方式(VFI)UPSのバイパス運転状態
・ 保守バイパスを内蔵しているUPSの保守バイパス運転状態
注記2 VFD,VI,VFIなどのUPSの分類の詳細は,JIS C 4411-3参照。
5.5.4.3 試験手順
5.5.4.3.1 一般的な適用
表3に従った推定試験電流を出力できる交流電源にUPSを接続する。UPSは,適切な運転状態(運転状
態は5.5.4.2参照),又は無負荷かつ定格入力電圧・定格入力周波数で運転する。短絡電流をUPS出力端子
の相間に通流させる。UPSの入出力電圧定格が複数ある場合は,最も高い定格入力電圧における推定試験
電流を遮断することができる過電流保護装置を用いて試験する。
注記1 製造業者は,その他の定格電圧及び電流における追加試験の実施を選択できる。
中性相端子がある場合は,各出力端子と中性相端子との間にこの試験を繰り返し実施する。ただし,出
力端子と中性相との間の試験は,中性相端子の構造が断面積,機械的な保持,及び空間距離に関して出力
端子の導体相当に堅ろう(牢)である場合,この試験は行わなくてもよい。
製造業者が表3に規定する値より大きい短時間電流耐量を指定した場合は,その値で試験する。
この試験は,推定試験電流が表3の最小持続期間以上継続する場合を考慮して行う。
表3−短時間耐電流
定格出力電流I 推定試験電流a) 初期非対称ピーク電流比 推定試験電流の
(実効値) 電流値(実効値)b) 力率(代表値)e) e) 最小持続期間f)
(Ipk / Icw) サイクル
A A (50/60 Hz)
I≦16 1 000 c) ) 0.95 1.42 1.5
3 000 0.9
16 75 400 500 か低い方 又は0.2のいずれか高い方又は2.2のいずれか低い方
――――― [JIS C 4411-1 pdf 22] ―――――
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表3−短時間耐電流(続き)
注記1 UPSの特性に応じて,実際の測定値は,この表に規定する数値と異なる場合がある。
注記2 Icpの値がこの表で規定する値よりも大きい場合には,適用する条件について4.7.12参照。
注a) この規格で使われる推定試験電流は,推定短絡電流(Icp)を意味している。
b) 数値は,IEC 60947-6-1:2005の表4参照。
c) プラグ接続形UPSにだけ適用する。
d) 公共電力系統の代表的な75 A以下の事故電流,及び16 A以下の定格電流をもつ機器は,IEC/TR 60725に示
す基準インピーダンスから計算できる。
e) IS C 8201-1から転記。
f) EC 60947-6-1:2005から転記。
試験の結果,適合性は,次の基準を満足することによって確認する。
a) PSは,例えば回路故障が解消したときに回路遮断器から通常放出される金属粒子を除いて,炎,溶
けた金属又は燃えた粒子を放出してはならない。
注記2 詳細の指針は,7.5参照。
b) 充電部から,UPSのケース又はきょう体にアークが発生してはならない。
注記3 附属書Pに記載する,損傷がないきょう体に接続する試験ヒューズの使用は,ケース又はき
ょう体が導体でない(例 プラスチックケース)場合,UPSには適用できない。
c) 充電部の取付けに用いる導体支持のような構成要素は,取付位置から外れてはならない。
d) きょう体の扉は,標準の掛け金だけで固定するときは(けがをしないように)急速に開放してはなら
ない。
e) 導体が接続端子から外れず,かつ,導体又はその絶縁物に損傷があってはならない。
f) UPSは,8.2で規定する耐電圧試験に合格しなければならない。
5.5.4.3.2 試験の免除
次の場合には,短時間耐電流試験を行わない。
a) cw又はIccが10 kA以下を指定しているUPS。
b) PSの入力端子で推定される最大許容短絡電流が17 kAを超えない遮断電流を備えた限流装置によっ
て保護されたUPS。
c) 短絡インピーダンスが4 %以上で,かつ,定格二次電圧が110 V以上で1相当たり10 kVAを超えない,
又は定格二次電圧が110 V以下で1相当たり1.6 kVAを超えない変圧器から電源供給されるUPS。
d) 5.5.4.3.1で規定する試験要求事項に従って試験した単一UPSユニット以外のUPS。
免除できるUPSを判断するガイダンスについては,IEC 61439-1:2011の10.11.3及び表13(チェックリ
スト),又は10.11.4(計算)を参照。
注記 a) c)の免除条件は,IEC 61439-1:2011の10.11.2から転記している。
適合性は,a) d)の免除条件の一つ以上を満たしていることで確認する。
5.6 人に対する保護-安全インタロック
5.6.1 操作者の保護
操作者が接近可能な区域に対して,JIS C 6950-1の2.8の規定及び適合に関する要求事項を適用する。
適合しているかどうかは,検査,測定及びテストフィンガ(JIS C 6950-1の図2A)の使用によって検証
する。
5.6.2 サービス従事者の保護
5.6.2.1 概要
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電圧印加中のUPSを調整又は測定するために,絶縁しない部分,又は機械的に動く部分の周辺にサービ
ス従事者が手を伸ばす必要がある場合は,5.6.2.25.6.2.8の規定とともにJIS C 6950-1の2.8の要求事項
を適用する。
適合しているかどうかは,検査,測定及びテストフィンガ(JIS C 6950-1の図2A)の使用によって検証
する。
5.6.2.2 カバー
カバーを外すとき又は戻すときに,感電又は大電流が流れるリスクを低減するために,危険電圧又は危
険エネルギーレベルの部分を構成するとともにカバーを配置する。
適合しているかどうかは,検査,測定及びテストフィンガ(JIS C 6950-1の図2A)の使用によって検証
する。
5.6.2.3 危険部分の配置及び保護
サービス従事者が次の例に示すような機械的操作を行うとき,危険電圧又は危険エネルギーレベルの部
分,及び危険な機械的可動部への接触を低減するために,配置,保護又は囲いを施す。機械的操作の例と
しては,制御の調整若しくは再設定又はそれに類する操作,電動機への油差し,ダイアル設定(目盛の有
無にかかわらない)による調整,トリップのリセット,手動スイッチの操作など,UPSが運転中に行う機
械的操作などが挙げられる。
適合しているかどうかは,検査,測定及びテストフィンガ(JIS C 6950-1の図2A)の使用によって検証
する。
5.6.2.4 扉に取り付ける部品
扉の裏面に取り付けられた,危険電圧及び危険エネルギーレベルで用いる部品は,電圧印加した部品に
サービス従事者が予期しない接触を低減するために保護又は絶縁する。
適合しているかどうかは,検査,測定及びテストフィンガ(JIS C 6950-1の図2A)の使用によって検証
する。
5.6.2.5 部品への接近
電圧印加中のUPSにおいて,検査,リセット,調整,点検又は保守が必要な部品は,感電,危険エネル
ギーレベルによる危険,大電流通電による危険,動いている部分によるけがなどの危険にさらされずにサ
ービス従事者が接近できるように,ほかの部品及び接地した金属部品の配置も考慮して適切な位置に取り
付ける。部品への接近が,ほかの部品又は電線で妨げられてはならない。
UPSに電圧を印加したままドライバ又は類似の工具で調整を行う場合は,JIS C 6950-1の2.8.3での要求
事項に従って,感電又はエネルギーによる危険がある絶縁しない電圧印加部分に不注意に接触することが
ないように保護を行う。調整時に工具で間違った位置に触れることも考慮する。
この保護は,次のいずれかによって行う。
・ 危険電圧が印加した非絶縁部分から離した場所に調整箇所を配置する。
・ 絶縁しない電圧印加部分への工具の接触を低減するために保護する。
適合しているかどうかは,検査及び必要に応じて故障の模擬によって確認する。
5.6.2.6 可動部
接触するとけがをするおそれがある可動部は,機器を操作したときにその部分に接触することがないよ
うに配置又は保護する。
適合しているかどうかは,検査によって確認する。
5.6.2.7 コンデンサバンク
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コンデンサバンクには,サービス従事者の保護のために放電手段を取り付ける。放電時間が1.0秒を超
える場合は,電圧を安全なレベルまで低減するのに要する時間(例 5分間以下)を記載した警告ラベル
を取り付ける。
適合しているかどうかは,検査によって確認する。
5.6.2.8 内蔵蓄電池
内蔵蓄電池は,不注意によって端子に接触して感電するリスクを最小化するように配置し,かつ,点検
時及び交換時に短絡及び感電するリスクを最小化するように内部配線する。
可能な場合,取扱説明書に次の指示又は類似の警告を記載する。
注意 : 蓄電池は,感電及び大きな短絡電流を発生するおそれがあります。蓄電池を扱う間,次のことに注
意することを推奨します。
a) 時計,指輪又はその他の金属製の物を取り外してください。
b) 手持ち部分が電気的に絶縁を施した工具を使用してください。
c) ゴム製の,手袋及び長靴を着用してください。
d) 蓄電池の上に,工具又は金属部品を置かないでください。
e) 蓄電池の端子の着脱前に,蓄電池へ充電するための電源を切り離してください。
f) 蓄電池回路が接地されていないことを確認してください。接地されている場合は,接地線を蓄電池回
路から取り外してください。接地された蓄電池は,どこに触れても感電するおそれがあります。この
ような感電のおそれは,設置時及び保守時にそのような接地が取り外された場合に低減できます(接
地回路をもたない装置及び外部蓄電池回路に適用できます)。
適合しているかどうかは,検査によって確認する。
5.7 空間距離,沿面距離及び絶縁物を通しての距離
JIS C 6950-1の2.10の規定を適用する。
5.7A 蓄電池の監視・制御及びUPSの保護
UPS製造業者は,蓄電池製造業者に,電池が破損したときの対策などを確認し,それに応じた保護手段
を設けなければならない。UPS製造業者は,蓄電池製造業者との協定によって,次の項目に配慮して設計
しなければならない。
a) 蓄電池を入れるきょう体に対する構造仕様(床面からの距離,きょう体の材質,空間距離,電池ユニ
ットの隔離など)
b) 蓄電池の監視・制御(温度センサ・液面センサの数,充電電流・直流電圧の監視など)
リチウム二次電池を用いた電池システムの監視・制御は,JIS C 8715-2に適合しなければならない。
6 配線,接続及び電源
6.1 一般事項
6.1.1 概要
次の規定とともにJIS C 6950-1の3.1の規定を適用する。
カバー又は扉の中の機器及び測定装置への供給電源コードは,カバー又は扉が動作しても導体に機械的
損傷がないように設置する。
三相4線式UPSの中性相導体は,単相負荷によって生じる高調波電流の合計を考慮して選定する。
――――― [JIS C 4411-1 pdf 25] ―――――
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JIS C 4411-1:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62040-1:2008(MOD)
- IEC 62040-1:2008/AMENDMENT 1:2013(MOD)
JIS C 4411-1:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.200 : 整流器.変換器.安定電源装置
JIS C 4411-1:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC4411-2:2019
- 無停電電源装置(UPS)―第2部:電磁両立性(EMC)要求事項
- JISC4411-3:2014
- 無停電電源装置(UPS)―第3部:性能及び試験要求事項
- JISC8715-2:2019
- 産業用リチウム二次電池の単電池及び電池システム―第2部:安全性要求事項