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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
· 交換可能な部品に関する情報(表示器,ヒューズなどを適用する場合)
· 接続リード線の断面積
A.2 JIS C 5381-11:2014に規定する試験手順の説明
A.2.1 一般原則
JIS C 5381-11:2014への適合が必要な場合,SPDを代表する供試品は,規定する全ての試験群に合格し
なければならない。試験群は,一連の試験であり,3個の供試品は,この試験に合格しなければならない。
SPDの分類によっては,形式試験全体で,最大八つの試験群に合格することが必要となる。
各試験は,製品規格JIS C 5381-11:2014に規定する。A.2.2に,試験及び合格基準を要約するが,JIS C
5381-11:2014の代わりに用いることは不可能である。疑わしい場合,JIS C 5381-11:2014を優先する。
A.2.2 試験群及び試験の説明
A.2.2.1 一般
次に示す試験群の説明において,実施する試験は,製品規格と同じ方法であり,次に示す括弧内の箇条
番号は,JIS C 5381-11:2014に規定する細分箇条を参照している。
A.2.2.2 試験群1
A.2.2.2.1 識別及び表示(JIS C 5381-11:2014の7.1.1,7.1.2及び8.2参照)
SPDは,SPDの本体又は取扱説明書に,要求性能又は情報を明示する。この情報をSPDの本体に明示す
る場合,表示の耐久性(不滅性)を確認する試験を実施する。
A.2.2.2.2 取付け(JIS C 5381-11:2014の7.3.1参照)
SPDの取付方法,並びにプラグイン形SPDのSPDプラグとソケットとの誤った組合せを防ぐための機
械的な構造及び/又はインターロックは,目視検査で確認する。
A.2.2.2.3 ねじ,電流通電部品及び接続(JIS C 5381-11:2014の7.3.2,7.3.3,8.4.1及び8.4.2参照)
ねじ,電流通電部品及び接続の信頼性は,目視検査及び一連の試験によって確認する。
接続ねじは,導体を規定のトルクで締付け及び緩めを数回実施し,緩み及び製品(外郭及びカバーを含
む)の破損があってはならない。
接続した導体に引張り力を加える引張試験は,各接続に対して実施する。特定の条件(引張り力)は,
接続導体の特性(例えば,導体の最大及び最小断面積)及び接続の種類(例えば,ねじ端子,ねじなし端
子,絶縁貫通形締付式接続,平形接続子又は口出し線接続)に応じて規定する。この試験中,製品に接続
した導体の移動があってはならない。
A.2.2.2.4 感電保護に対する試験(JIS C 5381-11:2014の7.2.1及び8.3.1参照)
SPDの充電部分に触れる可能性がないことを確認する。SPDは,全ての取付状態において,試験指(JIS
C 0920に規定する)が,あらゆる方法で充電部分に接触しないように設計する。
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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
A.2.2.2.5 外郭,IPコード(JIS C 5381-11:2014の7.4.1及び8.5.1参照)
固体の侵入及び水の浸入に対する保護のためのSPDの外郭は,製造業者が明示するIPコードで,JIS C
0920に規定する試験を実施する。
A.2.2.2.6 漏電電流(JIS C 5381-11:2014の7.2.2及び8.3.2参照)
SPDに,許容可能な電圧変動を含む,電源システムの公称電圧を課電したとき,測定した接地端子(PE)
に流れる漏電電流を,製造業者が明示する漏電電流IPEと比較する。
A.2.2.2.7 動作責務試験(JIS C 5381-11:2014の7.2.4及び8.3.4参照)
この試験は,“クラスI,クラスII及びクラスIII動作責務試験(JIS C 5381-11:2014の8.3.4.2,8.3.4.3及
び8.3.4.5参照)”及び“クラスI試験に対する追加の責務試験(JIS C 5381-11:2014の8.3.4.4参照)”の二
つの試験で構成する。
試験回路を,図A.1に示す。
記号説明
Uc : JIS C 5381-11:2014による交流電源
D : 製造業者が指定するSPD分離器
DUT : 供試品(SPD)
インパルス : クラスI及びクラスII動作責務試験 : 8/20電流インパルス
追加の責務試験 : インパルス放電電流
クラスIII動作責務試験 : コンビネーション波形発生器
図A.1−動作責務試験の試験回路
使用状態は,次の試験を適用することで模擬する。
− クラスI(Iimp)試験,クラスII(In)試験及びクラスIII(Uoc)試験は,15回のインパルス
− クラスI試験に対する追加の責務試験は,Iimpの0.1倍,0.25倍,0.5倍,0.75倍及び1倍の5回の追
加のインパルス
クラスI試験及びクラスII試験での15回のインパルスは,供試品に流れる電流が,製造業者が明示す
るIimp値又は製造業者が明示するIn値となるように設定した8/20電流インパルス発生器で印加する。クラ
スIII試験での15回の試験インパルスは,開回路電圧が,製造業者が明示するUoc値となるように設定し
たコンビネーション波形発生器(2 Ωの実効出力インピーダンスZf)で印加する。
15回のインパルスは,一群5回のインパルスを3回印加する。インパルスは,50秒60秒間隔で印加
し,群と群との間は30分35分間とする(図A.2参照)。
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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
クラスI試験及びクラスII試験での15回の各インパルスは,正極性で,電源周波数に同期して印加す
る。同期角は,0°30°間隔で増加する。
クラスIII試験での15回のインパルスの場合,第一群及び第三群のインパルスは正極性で,第二群のイ
ンパルスは,負極性で印加する。第一群及び第三群の各インパルスは,電源周波数の正極のピークに同期
して印加し,第二群の各インパルスは,電源周波数の負極のピークに同期して印加する。
a) クラスI試験及びクラスII試験 b) クラスIII試験
記号説明
(1) : Ucを課電し,インパルスを50秒60秒間隔で5回印加する。5回目のインパルス印加後1分間は,
Ucの課電を継続する。
(2) : 第一群と第二群との間隔及び第二群と第三群との間隔 : 30分35分間(Ucを課電しない。)
(3) : 最後のインパルス印加後15分間は, Ucの課電を継続する。
図A.2−15回のインパルスの試験タイミング図
クラスI試験に対する追加の責務試験のインパルスは,供試品に流れる電流が,Iimpの0.1倍,0.25倍,
0.5倍,0.75倍及び1倍となるように設定(ブラインドスポットの可能性を見つけるため)したインパルス
電流発生器で印加する(図A.3参照)。インパルスは,電源周波数の正極性のピークで印加する。各インパ
ルスの間は冷却する。
注記 ブラインドスポットは,Iimpに対しては正常に機能しているが,Iimpよりも低い電流値で故障する
ことを意味する。代表的な一つの例は,スパークギャップと並列接続したMOVである。この例
では,スパークギャップが放電しない場合,全てのサージがMOVに流れる。このとき,MOVは,
スパークギャップと同じストレスに耐えられないことがあり,この場合,MOVは故障することが
ある。
記号説明
(1) : Uc(電源の推定短絡電流は5 A)を課電し, インパルスを1回印加する。インパルス印加後の1
分間及び15分間は,Ucの課電を継続する。周囲温度まで冷却後, 次のインパルスを印加する。
図A.3−追加の5回のインパルスの試験タイミング図
15回のインパルスを印加中,SPDにUcを課電する。交流電源の容量は,SPDの挙動,すなわち続流の
発生の有無(例えば,電圧スイッチング部品がある場合)に応じて選定する。このため,スイッチング(ク
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ローバ)部品の存在を決定し,続流の大きさを決定する試験を実施する。
− 続流が500 A以下又は続流がない場合 交流電源のインピーダンス又は容量は,続流している間,交
流電源電圧の波高値が,Ucの波高値よりも10 %以上低下しないようにする。
− 続流が500 Aを超える場合 交流電源の推定短絡電流は,製造業者が明示する続流遮断定格Ifiに等し
い電流,又は500 Aのいずれか大きい方とする。
TN系統及び/又はTT系統で,中性相と接地(PE)との間に接続するSPDの推定短絡電流は,100 A以
上とする。
追加の5回のインパルスを印加している間,5 A以上の容量をもつ交流電源で,SPDにUcを課電する。
試験後,最終にインパルスを2回印加し,残留電圧が明示した電圧防護レベル以下であることを確認す
る。SPDは,目に見える損傷がなく,使用可能な状態でなければならない。
A.2.2.2.8 熱安定性(JIS C 5381-11:2014の7.2.5.2及び8.3.5.2参照)
SPDは,劣化又は過負荷による過熱に対して保護する。この試験は,電圧制限SPD及び電圧制限部品と
電圧スイッチング部品とを直列に組み合せたSPDだけに実施する。このとき,電圧スイッチング部品は,
短絡する。交流電源の電圧は,SPDに強制的に電流を流すのに十分高くする。電流を測定し,実効値2 mA
から開始する。電流は,各段階で熱平衡となった後,2 mAずつ増加する。試験中,SPDの外部表面温度を
測定する。
分離器(SPDに組込み又は外部)が,電流を遮断したとき,試験を終了する。
SPDに課電する電圧がUcよりも低くなった場合,分離器が動作するまでの電流を制限しない短絡電流
容量をもつ交流電源でUREFを課電する。この場合,外部分離器が動作してもよい。
試験中及び試験後,SPDの温度上昇を検証のために確認し,最高値(試験中は120 K及び試験終了5分
後は80 K)と比較する。
A.2.2.2.9 空間距離及び沿面距離(JIS C 5381-11:2014の7.3.4及び8.4.3参照)
空間距離及び沿面距離を供試品で確認し,JIS C 5381-11:2014の表15及び表16に規定する値と比較す
る。空間距離は,SPDに実施する全てのインパルス試験中に測定した最大ピーク電圧に依存する。その距
離は,確認する部分によって異なる(例えば,充電部と止め金具表面との間,又は充電部とSPD本体との
間に要求する空間距離は異なる。)。
沿面距離は,電源システムの公称電圧及び導電部を絶縁する箇所の表面の性能(汚損度を含む。)に依存
して変わる。
空間距離は所定の高度(標高)で規定する。
A.2.2.2.10 ボールプレッシャー試験(JIS C 5381-11:2014の7.4.2及び8.5.3参照)
各温度(外郭部品の機能に応じて温度70 及び温度125 )で1時間,直径5 mmの鋼球を20 Nの力で
絶縁材料の表面に押し付ける。球体によるくぼみの直径は2 mm以下とする。
A.2.2.2.11 異常加熱及び火災に対する耐熱性(JIS C 5381-11:2014の7.4.3及び8.5.4参照)
SPDの外郭部品の機能に応じて,温度650 温度850 のグローワイヤでSPDにストレスを与える。
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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
SPDの外郭部品は発火しないか又は30秒間以内で自己消火する。
A.2.2.2.12 耐トラッキング性(JIS C 5381-11:2014の7.4.4及び8.5.5参照)
二つの電極を絶縁材料の表面上に4 mm離して置き,100 V600 Vの交流電圧を印加する。絶縁材料の
表面に溶液を滴下し,電流が増加したとき,又は絶縁材料の劣化が発生したとき,試験を終了する。その
後,トラッキング指数を決定し,製造業者の明示と比較する。
A.2.2.3 試験群2
A.2.2.3.1 電圧防護レベル(JIS C 5381-11:2014の7.2.3及び8.3.3参照)
この試験は,“残留電圧(JIS C 5381-11:2014の8.3.3.1参照)”,“立ち上がり波形での放電開始電圧(JIS
C 5381-11:2014の8.3.3.2参照)”及び“コンビネーション波形による制限電圧(JIS C 5381-11:2014の8.3.3.3
参照)”の三つの試験で構成する。
クラスI試験及びクラスII試験の場合,残留電圧は,8/20電流インパルス発生器を用いて,両方の極性
で,In又はIimpの0.1倍,0.2倍,0.5倍及び1倍を印加し,測定する。さらに電圧スイッチング部品を含む
SPDの場合,追加で,1.2/50電圧インパルスを正極性で5回及び負極性で5回,SPDに印加する(1.2/50
電圧インパルス発生器は,500 のインピーダンスで,開回路電圧を6 kVに設定する。)。
クラスIII試験の場合,残留電圧は,コンビネーション波形発生器を用いて,明示したUOCの0.1倍,0.2
倍,0.5倍及び1倍を印加し,測定する。
測定制限電圧を決定するために用いる残留電圧は,SPDの試験クラスに応じて,In,Iimp又はUOCで測定
した電圧の最大値である。
残留電圧は,製造業者が明示する電圧防護レベルUp以下とする。
製造業者がImaxを明示する場合,追加でImaxと等しい8/20電流インパルスをSPDに印加し,残留電圧を
測定する。
Umaxを決定するための値は,SPDの試験クラスに応じて,In,Imax(製造業者が明示する場合)又はIimp
までの印加で測定した残留電圧の最大値である。
A.2.2.3.2 製造業者が明示する場合,負荷側サージ耐量(JIS C 5381-11:2014の7.6.2.2及び8.7.3参照)
基本的に,クラスII試験又はクラスIII試験に適合した2ポートSPDは,負荷側に対して,インパルス
試験を再度実施する。クラスIII試験を除き,印加するインパルスは,A.2.2.2.7のクラスII試験に示す方
法と同様に,常に正極性で電源周波数に同期する。SPDは,外部又は内部分離器の動作がなく,機能を維
持し,残留電圧は,明示した電圧防護レベル以下とする。
A.2.2.3.3 2ポートSPD又は個々の入力端子と出力端子とをもつ1ポートSPDの負荷側短絡容量
SPDは,電圧Ucの交流電源に接続し,最初はISCCRと等しい推定短絡電流とし,次は,製造業者が明示
する上位(電源側)の過電流保護器の定格電流の5倍と等しい推定短絡電流とする。SPDの出力(負荷側)
を短絡する。SPDは,SPD自体及び外部又は内部の分離器によって遮断するまでの間,損傷することなく,
短絡電流に耐えるものとする。
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JIS C 5381-12:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61643-12:2020(IDT)
JIS C 5381-12:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.240 : 送電及び配電網 > 29.240.10 : 変電所設備.サージ防止装置
JIS C 5381-12:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
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- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
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- 低圧サージ防護デバイス―第32部:太陽電池設備の直流側に接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準
- JISC60364-4-41:2010
- 低圧電気設備―第4-41部:安全保護―感電保護
- JISC60364-4-43:2011
- 低圧電気設備―第4-43部:安全保護―過電流保護
- JISC61000-4-5:2018
- 電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験
- JISZ9290-4:2016
- 雷保護―第4部:建築物等内の電気及び電子システム