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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
A.2.2.4 試験群3
A.2.2.4.1 絶縁抵抗(JIS C 5381-11:2014の7.2.6及び8.3.6参照)
48時間,加湿後,全ての接近可能な導電性部分間の絶縁抵抗を測定する。測定した抵抗値が,製品規格
で規定する最小値よりも高いことを確認する。
A.2.2.4.2 耐電圧(JIS C 5381-11:2014の7.2.7及び8.3.7参照)
高電圧用の交流電源を用いて,SPDの最大連続使用電圧Ucによって決定する試験電圧を,全ての接近可
能な導電性部分間に,1分間印加する。試験中,フラッシオーバを生じてはならない。屋外用SPDの場合,
この試験は,さらに湿った状態(散水)で実施する。
A.2.2.4.3 分離絶縁した回路をもつSPDに対する分離した回路間の絶縁(JIS C 5381-11:2014の7.5.3,
8.3.6及び8.3.7参照)
主回路と電気的に絶縁した回路との間で,絶縁抵抗及び耐電圧試験を再度実施する。
A.2.2.4.4 機械的強度(JIS C 5381-11:2014の7.3.5及び8.4.4参照)
供試品は,各種高さから振り下ろす振り子ハンマによって,衝撃試験を実施する。この試験は,ハンマ
が供試品の外郭部品(前面,側面,後部など)に与える落下の高さによる衝撃を比較することが可能であ
る。重大な損傷がない場合,供試品は,この試験に合格する。
A.2.2.4.5 耐熱性試験(JIS C 5381-11:2014の7.2.5及び8.3.5.1参照)
SPDは,周囲温度80 の恒温槽に24時間放置する。SPDの外郭又は内部の損傷がなく,内部分離器は,
動作してはならない。
A.2.2.4.6 電圧降下,製造業者が明示する場合(JIS C 5381-11:2014の7.6.2.1及び8.7.2参照)
電圧降下率(SPDの入力電圧に対する出力電圧の降下の割合)は,SPDに電源を接続し,最大負荷電流
が流れるように負荷を調整し,測定する。製造業者が明示する値と測定結果とを比較する。
注記 対応国際規格の誤記であり,A.2.2.4.5の2行目以降をA.2.2.4.6として修正した。
A.2.2.5 試験群4
A.2.2.5.1 耐熱性(JIS C 5381-11:2014の7.4.2及び8.5.2参照)
100 の恒温槽内に1時間放置後,目に見える損傷,又は内部分離器の動作を許容する場合でも,機能上
の問題を引き起こす可能性のある劣化が発生してはならない。
A.2.2.5.2 TOV試験(JIS C 5381-11:2014の7.2.8及び8.3.8参照)
この試験は,“低圧電源システムでの故障によって発生する一時的過電圧(JIS C 5381-11:2014の7.2.8.1
及び8.3.8.1参照)”及び“高圧(中圧)電源システムでの故障によって発生する一時的過電圧(JIS C 5381-
11:2014の7.2.8.2及び8.3.8.2参照)”の二つの試験で構成する。
供試品に,各種電圧で,各種継続時間の間,各種短絡電流を印加する。これらの特別なストレスは,発
生する可能性がある三つの一時的過電圧を模擬する。この異なる一時的過電圧TOVは,配電方式の種類
及び低圧電源システムの接地系統の種類によって,各防護モードに対して各種ストレス電圧を発生する。
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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
− 配電用変圧器の高圧側(高圧電源システム)での地絡によって発生するTOVは,中性線と接地(PE)
との間,及び充電相と接地(PE)との間で電圧上昇を引き起こす場合がある。試験は,300 Aに制限
した電流を200 msの間印加する。我が国のTOV試験パラメータは,表E.8を参照。
− 低圧電源システムでの地絡(TT系統の場合),PEN導体との混触(TN系統の場合)又は中性線との
混触(TT系統及びIT系統)によって発生するTOV。試験は,制限しない電流を5秒間印加する。我
が国のTOV試験パラメータは,表E.8を参照。
− 低圧電源システムの負荷側での中性線の欠相(単相又は三相の低圧電源システムの全て)によって発
生するTOV。試験は,充電相間の電圧で,10 Aに制限した電流を120分間印加する。
試験後のSPDに要求する状態は,TOVの種類及びTOVの種類に対して製造業者が明示するSPDの挙
動によって異なる。
各TOVのストレス後,電源システムを正常状態に戻し,SPDの状態に安全上の問題(爆発,損傷又はそ
の他の危険な現象の兆候)がないことを確認する。
TOVに耐えるモードは,製造業者が明示する。IEC 60364規格群に適合した電源システムの場合は,表
E.3参照。我が国の電源システムの場合は,表E.8を参照。
A.2.2.6 試験群5 短絡電流耐量(JIS C 5381-11:2014の7.2.5.3及び8.3.5.3参照)
注記 対応国際規格では,A.2.2.6.2がない誤記のため,A.2.2.6.1を削除して統合し,A.2.2.6.1のタイト
ルを,A.2.2.6のタイトルとして追記した。
SPDは,推定短絡電流を流せる電源を試験対象の防護モードに接続し,別々に準備した供試品に対して,
2種類の試験を実施する。
供試品の準備は,それぞれの電流経路ごとに,非線形部品を銅バー(ダミー)に置き換える。この試験
は,火災,爆発,感電などの危険なしで,SPDの短絡によって発生するストレスに,SPD内部の電流経路
が耐えることを確認する。
推定短絡電流は,最初の試験では,ISCCRとし,次の試験では,上位(電源側)過電流保護器の定格電流
の5倍とする(上位の過電流保護器を明示しない場合,300 Aとする。)。
ISCCRを2回印加し,小さい電流(製造業者が指定する外部過電流保護器の定格電流の5倍又は製造業者
が外部過電流保護器を要求しない場合は300 A)を1回印加する。ISCCRの1回目は,電源周波数に同期し,
同期角45°で印加する。ISCCRの2回目は,電源周波数に同期し,同期角90°で印加する。小さい電流は,
電源周波数に同期し,同期角45°で印加する。
試験は,SPDの外部又は内部の分離器によって電流を遮断したとき,又は小さい電流を印加してから5
秒間経過したときに終了する。この5秒間は,過電流保護器の代表的な過電流の最大遮断時間から選定し
た。
製造業者がIfiを明示する場合で,ISCCRがIfiよりも大きい場合,供試品の準備なしで,次に示すIsccrを印
加する試験を再度実施する。SPDの電圧スイッチング部品が続流を開始するのに十分な大きさのサージ電
流をもつトリガ電圧を印加する。この試験は,外部分離器の動作を確認する。
A.2.2.7 試験群6 多極SPDの全放電電流(JIS C 5381-11:2014の7.6.1.1及び8.7.1参照)
注記 対応国際規格では,A.2.2.7.2がない誤記のため,A.2.2.7.1を削除して統合し,A.2.2.7.1のタイト
ルを,A.2.2.7のタイトルとして追記した。
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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
製造業者は,多極SPDの各極のサージ耐量とは異なる,全放電電流を明示することが可能である。
この試験は,同時に全ての活線端子(充電相及び中性線を接続する端子)を介して接地(PE)端子(又
は電線)に流れるサージ電流に,SPDが耐えることを確認する。インパルス発生器の一端を,多極SPDの
接地(PE)端子に接続し,残りの活線端子には,規定する直列インピーダンスを介してインパルス発生器
の他端に接続する。この試験では,インパルス電流は,接地(PE)との間の全ての防護モードに等しく分
流する。
インパルスは,製造業者が明示する全放電電流を1回だけ印加し,SPDは,損傷してはならない。製造
業者が明示するITotalは,クラスI試験又はクラスII試験に応じて,10/350波形又は8/20電流インパルスの
いずれかとすることが可能である。
A.2.2.8 試験群7 屋外用SPDに対する環境試験(JIS C 5381-11:2014の7.5.2及び8.6.2参照)
注記 対応国際規格では,A.2.2.8.2がない誤記のため,A.2.2.8.1を削除して統合し,A.2.2.8.1のタイト
ルを,A.2.2.8のタイトルとして追記した。
SPD(屋外用SPD)は,製造業者が屋外で用いることを明示し,次に示す追加の試験を実施する。
− 紫外線照射による加速劣化試験
− 浸水試験
− 耐電圧試験
− 温度サイクル試験
− 耐腐食試験
これらの試験は,JIS C 5381-11:2014の附属書Fに規定する。
A.2.2.9 試験群8 短絡SPD(JIS C 5381-11:2014の7.5.4及び8.6.4参照)
この試験は,“特性変化の手順(状態試験)(JIS C 5381-11:2014の8.6.4.1参照)”,“サージ耐量試験(短
絡回路条件下)(JIS C 5381-11:2014の8.6.4.2参照)”及び“短絡容量試験(短絡回路条件下)(JIS C 5381-
11:2014の8.6.4.3参照)”の三つの試験で構成する。
この試験は,製造業者が明示する短絡SPDに対する過渡サージ電流定格Itransを印加し,外郭のいかなる
損傷もなく供試品を意図する短絡状態にする。その後,供試品に,A.2.2.6に示す短絡容量試験を実施する。
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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
附属書B
(参考)
Ucと電源システムの公称電圧との間の関係の例及び
MOVのUpとUcとの間の関係の例
B.1 Ucと電源システムの公称電圧との間の関係
IEC 60364-5-53に規定する値に基づくUcと,JIS C 60664-1に規定する電源システムの公称電圧との間
の関係を表B.1に示す。
表B.1−Ucと電源システムの公称電圧との間の関係
単位 V
JIS C 60664-1に規定する IEC 60364-5-53に規定する値に基づくUcの最小値の例
電源システムの公称電圧
三相4線 三相3線 充電相と接地 充電相と 充電相又は 充電相又は 充電相と充電相
中性線接地 又は4線 (PE)又は 中性線 中性線と接地 中性線と接地 との間
非接地 PENとの間a) との間a) との間a) との間
TT系統 IT系統 TN系統 TT系統 TT系統 IT系統 TT系統,TN系統
TN系統 IT系統
電圧変動が 電圧変動が 1.5×U0の場合 √3×U0の場合 電圧変動が
10 %の場合 10 %の場合 10 %の場合
120/208 − 132 132 180 − 229
127/220 220 140 140 191 220 242
− 230,240 − − − 240 264
− 260,277, − − − 347 382
347
220/380 380,400 253 253 345 400 440
230/400
240/415 415 286 286 390 415 484
260/440
277/480 440,480 305 305 416 480 528
注記 対応国際規格では,表内タイトルのIT系統及びTN系統の記載が不明確な構成のため,修正した。
注a) ある条件では,より高い値が必要になることがある(例えば,TT系統での中性線の欠相)。
B.2 MOVのUpとUcとの間の関係
UpとUcとの比率(Up/Uc)は,SPDの特性の重要なパラメータである。この比率は,用いた部品に関連
する。MOVのUp/Ucの比率は,印加電流In及び部品の大きさで変化し,代表的な比率の値を,表B.2に示
す。
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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
表B.2−MOVのUp/Uc値の例
In(8/20) 直径 MOVのUp/Uc
(kA) (mm)
1 14 3.3
2.5 20 3.8
5 32 4.1
10 40 4.6
20 60 4.6
より低い比率及びより高い比率は,いずれも,その他の技術を用いた部品で可能である。
注記 サージ耐量のようなその他のパラメータは,技術によっても変わる。
――――― [JIS C 5381-12 pdf 70] ―――――
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JIS C 5381-12:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61643-12:2020(IDT)
JIS C 5381-12:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.240 : 送電及び配電網 > 29.240.10 : 変電所設備.サージ防止装置
JIS C 5381-12:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC5381-32:2020
- 低圧サージ防護デバイス―第32部:太陽電池設備の直流側に接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準
- JISC60364-4-41:2010
- 低圧電気設備―第4-41部:安全保護―感電保護
- JISC60364-4-43:2011
- 低圧電気設備―第4-43部:安全保護―過電流保護
- JISC61000-4-5:2018
- 電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験
- JISZ9290-4:2016
- 雷保護―第4部:建築物等内の電気及び電子システム