JIS C 5381-12:2021 低圧サージ防護デバイス―第12部:低圧電源システムに接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準 | ページ 18

                                                                                            83
C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
表E.2−高圧電源システムでの地絡故障の間,低圧電源システムに発生する
交流ストレス電圧及び交流故障電圧
単位 V
接地系統 接地設備の接続状態 低圧電源システ U1 U2 Uf
の種類 ムでの最初の
地絡故障の場所
TT系統 形態1 図E.4 a) 適用しない U0 RE×IE+U0 0
RE及びRBを接続
RE(RB)はRAと分離
形態2 図E.4 b) 適用しない RE×IE+U0 U0 0
RE,RB及びRAを分離
TN系統 形態3 図E.3 a) 適用しない U0 U0 RE×IE
RE及びRBを接続
RE(RB)は使用者側の低
圧電源システムの接地
設備と共有
形態4 図E.3 b) 適用しない RE×IE+U0 U0 0
RE及びRBを分離
RBは使用者側の低圧電
源システムの接地設備
と共有
IT系統 形態5 図E.6 故障なし U0 RE×IE+U0 b), c) 0 c)
RE及びZを接続 変圧器側 U0×√3 a) RE×IE+U0×√3 0 c)
REは使用者側の低圧電 使用者側 RE×IE+U0×√3 U0×√3 a) RA×IE×RE/Z c)
源システムの接地設備
と分離d)
形態6 図E.5 故障なし U0 U0 RE×IE
RE及びZを接続 変圧器側 U0×√3 a) U0×√3 a) RE×IE
REは使用者側の低圧電 使用者側 U0×√3 a) U0×√3 a) RE×IE
源システムの接地設備
と共有e)
形態7 図E.7 故障なし RE×IE+U0 b), c) U0 0 c)
RE,Z及びRAを分離 変圧器側 U0×√3 a) RE×IE+U0×√3 0 c)
使用者側 RE×IE+U0×√3 U0×√3 a) RA×IE×RE/Z c)
注記1 IT系統の場合,同時に発生する可能性がある,低圧電源システムでの最初の地絡故障は,変電所の低圧
側又は使用者の低圧電源システム内で発生している。
注記2 TT系統及びTN系統で“接続”及び“分離”は,REとRBとの間の電気的な接続を示す。IT系統で“接
続”は,REとZとの間の電気的な接続を示している。
注a) IT系統で用いるSPDのUCは,充電相間の電圧以上とするため,考慮する必要はない。
注b) この高圧電源システムでの地絡故障では,最大の交流ストレス電圧が発生するが,ストレス電流は,イン
ピーダンスZによって制限する。
注c) SPDを低圧電源システムの両側(変圧器側及び使用者側)に設置する場合,一方のSPDの動作は,他方の
SPDに対して,即座に同様のストレスを与えることを考慮する必要がある。
注d) 低圧電源システムのIT系統における,一般的で推奨する接地設備の種類
注e) 低圧電源システムの工業用に用いるIT系統における,一般的で推奨する接地設備の種類
E.6.2 結論−高圧電源システムでの故障によって発生するTOVでSPDが受ける最大のストレス電流
変電所の高圧側での地絡故障によって,中性線及び/又は充電相と接地(PE)との間に接続するSPDに
流れる電流(ストレス電流)は,表E.2に示す低圧電源システムの接地系統の種類及び接地設備の接続状

――――― [JIS C 5381-12 pdf 86] ―――――

           84
C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
態の違いによって異なり,次による。
a) IT系統の場合
− 変電所の高圧側の接地設備RE及び使用者側の低圧電源システムの接地設備RAを分離する場合(表
E.2の形態5及び形態7参照)で,かつ,低圧電源システムでの最初の地絡故障がある場合,全て
のシステムで,最大300 Aである。
− 変電所の高圧側の接地設備REを使用者側の低圧電源システムの接地設備と共有する場合(表E.2の
形態6参照),低圧電源システムでの最初の地絡故障があっても,ストレス電圧及びストレス電流は
発生しない。
− 変電所の高圧側の接地設備RE及び使用者側の低圧電源システムの接地設備RAを分離する場合(表
E.2の形態5及び形態7参照),ストレス電流は,低圧電源システムでの最初の地絡故障がない限り,
インピーダンスZによって制限する。ただし,この理想的な状況は,低圧電源システムでの最初の
地絡故障が変圧器側又は使用者側での発生に関係なく,SPDの動作によって影響を受ける。SPDが
動作する場合,低圧電源システムでのストレス電流は,300 Aまで増加する場合がある。
b) TT系統の場合
− 変電所の高圧側の接地設備RE及び低圧電源システムの中性点へ接続する接地設備RBを分離する場
合(表E.2の形態2参照),ストレス電圧は,低圧電源システムの変圧器側(U1)だけに生じ,スト
レス電流は,最大300 Aである。
− 変電所の高圧側の接地設備RE及び低圧電源システムの中性点へ接続する接地設備RBを接続する場
合(表E.2の形態1参照),ストレス電圧は,低圧電源システムの使用者側(U2)だけに生じ,スト
レス電流は,最大300 Aである。
c) TN系統の場合
− 変電所の高圧側の接地設備RE及び低圧電源システムの中性点へ接続する接地設備RBを分離する場
合(表E.2の形態4参照),ストレス電圧は,低圧電源システムの変圧器側(U1)だけに生じ,スト
レス電流は,最大300 Aである。
− 変電所の高圧側の接地設備RE及び使用者側の低圧電源システムの接地設備RAを接続する場合(表
E.2の形態3参照),ストレス電圧及びストレス電流は,発生しない。
E.6.3 中性線及び/又は充電相と接地(PE)との間に接続するSPDの最悪条件を考慮した,高圧電源シ
ステムでの故障によって発生する一時的過電圧試験に用いる電源
表E.2の形態1,形態5及び形態7の場合,中性線と接地(PE)との間は,交流1 200 V,充電相と接地
(PE)との間は,U0+交流1 200 Vで,電流300 A,印加時間200 msとする(SPDを低圧電源システムの
使用者側で用いる場合,又は未知の場合)。
表E.2の形態2及び形態4の場合,中性線と接地(PE)との間は,交流1 200 V,充電相と接地(PE)
との間は,U0+交流1 200 Vで,電流300 A,印加時間200 msとする(SPDを低圧電源システムの変圧器
側で用いる場合,又は未知の場合)。
表E.2の形態3及び形態6の場合,すなわちTN系統及びIT系統で,変電所の高圧側の接地設備REを
使用者側の低圧電源システムの接地設備と共有する場合,この試験は必要ない。
注記1 中性線がない低圧電源システムでは,U0は,充電相間の電圧である。
SPDは,製造業者の取扱説明書に明示する適用可能な接地系統の種類に応じて,JIS C 5381-11:2014の
8.3.8.2に規定する高圧電源システムでの故障によって発生する一時的過電圧試験に,“TOVに耐えるモー

――――― [JIS C 5381-12 pdf 87] ―――――

                                                                                            85
C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
ド”又は“TOV故障モード”で,合格しなければならない。
SPDの選定,設置及び基準は,IEC 60364-5-53にも従うものとする。
注記2 TT系統で,主漏電遮断器の上位(電源側)の中性線と接地(PE)との間に設置すると,製造業
者が取扱説明書で明示するSPDは,JIS C 5381-11:2014の8.3.8.2に規定する合格基準“TOVに
耐えるモード”を考慮している。
注記3 対応国際規格の“IEC 60364-5-53:2001の534.2.3.3で規定する適用を含んでいる。”は,誤記の
ため削除した。
E.6.4 異なる低圧電源システム及び可能な接地系統の例
TN系統の例を図E.3に,TT系統の例を図E.4に,IT系統の例を図E.5図E.7に示す。

――――― [JIS C 5381-12 pdf 88] ―――――

           86
C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
a) 変電所の高圧側の接地設備REと低圧電源システムの中性点へ接続する接地設備RBとを
相互接続する場合
b) 変電所の高圧側の接地設備REと低圧電源システムの中性点へ接続する接地設備RBとを
分離する場合
図E.3−TN系統(出典 : IEC 60367-4-442:1993の図44B)

――――― [JIS C 5381-12 pdf 89] ―――――

                                                                                            87
C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
a) 変電所の高圧側の接地設備REと低圧電源システムの中性点へ接続する接地設備RBとを相互接続する場合
b) 変電所の高圧側の接地設備REと低圧電源システムの中性点へ接続する接地設備RBとを分離する場合
図E.4−TT系統(出典 : IEC 60367-4-442:1993の図44C)

――――― [JIS C 5381-12 pdf 90] ―――――

次のページ PDF 91

JIS C 5381-12:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61643-12:2020(IDT)

JIS C 5381-12:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 5381-12:2021の関連規格と引用規格一覧