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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
附属書O
(参考)
雷サージ侵入時のシステムのイミュニティレベルを試験する実用的な方法
O.1 一般
次に示す試験方法は,システム全体のイミュニティレベルの評価に用いることが可能である。
O.2 通常の使用状態でのSPDのインパルス電流試験
考慮する事項は,次による。
a) システムのイミュニティレベル試験の前
被保護機器のイミュニティレベルを決定することが望ましい。電源線に接続する機器は,JIS C
60664-1及びJIS C 5381-12を用い,通信線に接続する機器は,JIS C 5381-22,ITU-T K.20,ITU-T K.21
及びITU-T K.45を用いる。
SPDの防護性能は,試験及び性能の規格JIS C 5381-11又はJIS C 5381-21に規定する試験手順を用
いて決定することが望ましい。
b) 被保護機器は,SPDを製造業者の取扱説明書に従い設置し,試験することが望ましい。機器には公称
電圧を課電し,SPDの公称放電電流Inを印加することが望ましい。必要な場合,通信線,センサ,モ
ータなどの付加回路を接続することが望ましい。
c) 通常の使用状態でのインパルス電流試験の回路例を,図O.1に示す。
O.3 インパルス電流による誘導試験
インパルス電流による誘導試験は,次による。
a) 雷サージ電流を模擬し,発生する電磁界によって,システム全体が受ける挙動を調べるために,イン
パルス電流は,金属製の取付板に印加することが望ましい。
b) 試験するシステムは,可能な限り,実際の状況に合致していなければならない。実際の状況を模擬し
た設置には,被保護機器,SPDの接続,並びに相互を接続する配線の種類及び実際の長さを含めるこ
とが望ましい。
c) 結果として,システム全体の配線に誘導するインパルス電流を測定する。
d) 印加するインパルス電流の特性及び適用する電流値は,JIS Z 9290-1:2014の表C.3から選定すること
が望ましい。
e) 電源線にクラスII試験に適合するSPDを接続し.制御システムにもSPDを接続した場合の誘導試験
の例を,図O.2に示す。
O.4 システムのイミュニティレベル試験(JIS C 61000-4-5に規定する)の推奨する試験結果の分類
JIS C 61000-4-5が規定する合格基準は,次による。
a) 製造業者が指定する仕様限度内の正常な性能
――――― [JIS C 5381-12 pdf 186] ―――――
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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
b) 妨害がなくなった後に復帰する一時的な機能損失又は性能低下で,操作者が介在することなく,供試
装置(EUT)が正常な性能に自己復帰する場合に限る。
c) 操作者の介在が必要な,一時的な機能損失又は性能低下
d) ハードウェア又はソフトウェアの損傷によって,復帰不可能な機能損失若しくは性能低下,又はデー
タの損失
記号説明
SPD1,SPD2及びSPD3 : 電源用SPD
SPD4 : 通信及び信号回線用SPD
図O.1−通常の使用状態でのインパルス電流試験の回路例
図O.2−インパルス電流による誘導試験の回路例
――――― [JIS C 5381-12 pdf 187] ―――――
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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
附属書P
(参考)
複数の部品で構成するSPDの試験の手引
P.1 一般
この附属書は,複数の部品で構成するSPDの幾つかの例に対し,どの電流経路を試験するかの手引を示
す。SPDは,JIS C 5381-11に規定する特定の試験を実施する場合,修正してもよい。このSPDを修正す
る“供試品準備”の要求事項は,SPDに主に用いる部品の配置に基づいてJIS C 5381-11に規定している。
今日,ますます複雑な回路をもつSPDが,市場に出ており,この複雑なSPDに対し,どのように“供試
品準備”の要求事項を,正しく適用するかについての問題が生じている。JIS C 5381-11は,非線形部品だ
けを規定しているため,複数の部品で構成する回路にサージ電流の多くが流れる場合,又は複数の部品で
構成する回路が故障した場合,どのようなことが起きる可能性があるかを考慮していないため,更なる手
引が必要となっている。ただし,新しい回路構成のSPDが次々と出現するため,一般的な方法として,こ
のような手引を示すことは,困難である。そのため,“供試品準備”において,製造業者及び試験技術者が,
最も適切な決定を実施するための手引として,次の例を示す。
P.2 抵抗性又は容量性のトリガ電圧制御を伴う直列接続した複数のスパークギャップの例
抵抗性又は容量性のトリガ電圧制御を伴う直列接続した複数のスパークギャップの例を,図P.1に示す。
1
1
1
1
2 2 2 1
記号説明
1 : スパークギャップ
2 : 抵抗性又は容量性のトリガ電圧制御
図P.1−抵抗性又は容量性のトリガ電圧制御を伴う直列接続した複数のスパークギャップの例
直列接続した複数のスパークギャップは,試験する唯一の電流経路である。抵抗性又は容量性の分圧又
――――― [JIS C 5381-12 pdf 188] ―――――
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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
はトリガ電圧制御の回路は,非線形部品を含まず,サージ電流は,ほとんど流れないため,JIS C 5381-11
に規定する,別の電流経路を,構成しない。
P.3 容量性トリガ電圧制御を伴い,GDTとMOVとの直列回路を並列に接続する,直列接続した二つの
スパークギャップの例
容量性トリガ電圧制御を伴い,GDTとMOVとの直列回路を並列に接続する,直列接続した二つのスパ
ークギャップの例を,図P.2に示す。
U
1 3
2 1 4
記号説明
1 : スパークギャップ
2 : 容量性のトリガ電圧制御
3 : MOV
4 : GDT
図P.2−容量性のトリガ電圧制御を直列接続した二つのスパークギャップの例
直列接続した二つのスパークギャップは,試験を考慮する必要がある主電流経路を構成する。
GDTとMOVとを直列接続した電流経路は,別の電流経路として試験を考慮する必要がある。これは,
GDTとMOVとを直列接続した電流経路に流れるサージ電流の分流を決定することは難しく,仮に分流を
決定することが可能であっても,JIS C 5381-11は,このようなサージ電流の分流に対して限度を規定して
いないためである。
容量性のトリガ電圧制御の回路は,非線形部品を含まず,サージ電流は,ほとんど流れないため,JIS C
5381-11に規定する,別の電流経路を,構成しない。
P.4 MOVによるバイパス又はトリガ電圧制御回路を並列に接続する3極GDTの例
MOVによるバイパス又はトリガ電圧制御回路を並列に接続する3極GDTの例を,図P.3に示す。
――――― [JIS C 5381-12 pdf 189] ―――――
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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
U
MOV
GDT
U
MOV
記号説明
GDT : 3極GDT
MOV : “高エネルギー”バイパス
図P.3−MOVによるバイパス又はトリガ電圧制御回路を並列に接続する3極GDTの例
3極GDTは,試験を考慮する必要がある一つの電流経路を構成する。
直列接続したMOVに流れる,並列の電流経路は,別の電流経路として試験を考慮する必要がある。こ
れは,GDTが動作するまでの間,直列接続したMOVには,サージ電流の大部分が流れると想定可能なた
めである。
P.5 GDT及びMOVで構成するトリガ電圧制御を伴う4極スパークギャップの例
GDT及びMOVで構成するトリガ電圧制御を伴う4極スパークギャップの例を,図P.4に示す。
U
U
図P.4−GDT及びMOVで構成するトリガ電圧制御を伴う4極スパークギャップの例
4極スパークギャップは,試験を考慮する必要がある主電流経路を構成する。
4極スパークギャップの最初の電極間と並列の,GDTとMOVとを直列接続した僅かな電流経路は,非
線形部品を含むが,別の電流経路として試験を考慮する必要はない。これは,GDTとMOVとの電流経路
が,主電流経路となる4極スパークギャップに対して,並列の電流経路を構成しないためである。
――――― [JIS C 5381-12 pdf 190] ―――――
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JIS C 5381-12:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61643-12:2020(IDT)
JIS C 5381-12:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.240 : 送電及び配電網 > 29.240.10 : 変電所設備.サージ防止装置
JIS C 5381-12:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC5381-32:2020
- 低圧サージ防護デバイス―第32部:太陽電池設備の直流側に接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準
- JISC60364-4-41:2010
- 低圧電気設備―第4-41部:安全保護―感電保護
- JISC60364-4-43:2011
- 低圧電気設備―第4-43部:安全保護―過電流保護
- JISC61000-4-5:2018
- 電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験
- JISZ9290-4:2016
- 雷保護―第4部:建築物等内の電気及び電子システム