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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
N.4 試験データに基づくヒューズの動作責務試験の耐量及びJIS C 8269規格群で規定するパラメータ及
び限界に基づく計算
1回のサージ耐量値と動作責務試験及び追加の責務試験に耐える値との比率(低減係数)を表N.1に示
す。
表N.1−1回のサージ耐量値と動作責務試験及び追加の責務試験に耐える値との比率(低減係数)
動作責務試験及び追加の責務試験に耐えるgGヒューズリンクのサージ耐量
ヒューズリンク 最小溶断I2t 計算した 安全係数 Inの最大値 Iimpの最大値
の定格電流 (JIS C 8269-2の 最小断熱I2t (電流値に対する) (8/20s) (10/350s)
(A) 表113) (A2s) (kA) (kA)
8 40 24 0.85 1.2 0.3
10 68 41 1.5 0.3
12 130 78 2.1 0.5
16 291 175 3.1 0.7
20 640 384 4.6 1.0
25 1210 726 6.4 1.4
32 2500 1750 9.9 2.2
40 4000 2800 12.5 2.8
50 5750 4025 15 3.4
63 9000 6300 19 4.2
80 13700 10960 25 5.6
100 21200 19080 33 7.3
125 36000 32400 42 9.6
160 64000 57600 57 13
200 104000 93600 72 16
224 139000 125100 83 19
250 185000 166500 96 22
315 302000 271800 123 28
400 557000 445600 157 35
500 900000 720000 200 45
630 1600000 1280000 267 60
表N.1に示すデータの説明は,次による。
列2 これらの,最小溶断I2tは,JIS C 8269-2:2016の表113から引用している。最小溶断I2tは,溶断時
間が4 msのときの値を示し,IEC SC32B(低圧用ヒューズ)によって,参考値として規定している。
列3 これらの,計算した最小断熱I2tは,物質定数及びヒューズエレメントの形状に基づいて計算する。
最小断熱I2tは,溶断時間が3 msの時の値を示し,経験によって確認している。
列4 これは,異なるヒューズ寸法を考慮した安全係数である。
列5及び列6 これらの値は,列3(最小断熱I2t)に基づいた計算結果で,動作責務試験の試験データで
確認している。
表N.1に示す値は,ヒューズの寸法にかかわらず,全ての種類のgGヒューズリンクに適用可能である
ことが望ましいが,その他の特性のヒューズには,適用不可能である。
当然,比較計算による推定には,役立つ可能性がある。
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その他の特性のヒューズは,JIS C 5381-11で規定する一連の動作責務試験手順を適用することによって,
個別に確認する必要がある。
注記 表N.1の基となる,試験データのほとんど,及び10/350電流インパルスに対応するための計算値
は,NHヒューズに基づく。ただし,少しの円筒形ヒューズに実施した幾つかの試験によって,ヒ
ューズの寸法に対する,表N.1に示すgGヒューズリンクのサージ耐量を確認している。
N.5 外部分離器の異なる技術による挙動
次に(表N.2)示す配線用遮断器及びヒューズの挙動は,過去3年の調査に基づいており,現在の状況
を短く要約する。表N.2に示す要約は,現状の配線用遮断器及びヒューズの技術,並びに230/400 V電源
システムで実施した試験に関連しており,将来,これらの条件が変わる場合,表N.2に示す内容に対し,
大きな影響があることを考慮する必要がある。
表N.2−外部分離器の異なる技術による挙動
項目 定格電流
80 A以下 80 Aを超える
サージ耐量(8/20) 一般に,配線用遮断器は,ヒューズ
一般に,配線用遮断器は,ヒューズ
よりも大きいサージ耐量をもつ
よりもかなり大きいサージ耐量をも
つ(2倍以上) (30 %50 %大きい)
サージ耐量(10/350) これは,配線用遮断器の定格電流に関連するものではなく,その技術によ
るものであり,ヒューズよりもかなり小さい又はかなり大きい可能性があ
る。
分岐回路にSPDと直列に分離器を設 一般に,配線用遮断器は,ヒューズ
一般に,配線用遮断器は,ヒューズ
と比べて,より大きい電圧降下を発
置する場合,分離器が動作しない状態 と比べて,同等及び小さい電圧降下
で,SPDの残留電圧に加わる電圧降下 を発生する。この差は,定格電流が
生する。この差は,定格電流が大き
くなると減少する。 大きくなると増加する。
分岐回路にSPDと直列に分離器を設 ヒューズのアーク継続中の電圧降下は,配線用遮断器のアーク継続中の電
置する場合,分離器が動作a)したとき
圧降下よりも大きいが,配線用遮断器の時間挙動は,SPDの設計(電圧制
限又は電圧スイッチング)及び続流の大きさに依存する。
に,SPDの残留電圧に加わる電圧降下
注a) これは,分離器が,製造業者のデータシートに明示する,分離器の最大定格電流よりも,小さい定格電流
の場合,起こる可能性がある。
SPDの上位(電源側)の全ての部品は,設備のサージ耐量に影響を与える場合があるため,その部品の
サージ耐量は,既知であることが望ましい。
N.6 我が国及び一部の国で用いる外部SPD分離器の追加の要求事項及び試験値
我が国及び一部の国では,外部SPD分離器の追加の要求事項及び試験値を規定している。
我が国では,SPD分離器用ヒューズ(SFD)の要求事項を,注記1及び注記2に示す規格で,規定して
いる。
注記1 JEITA RC-4501 低圧サージ防護デバイス用分離器−SPD分離器用ヒューズ(SFD)の要求性
能及び試験方法
注記2 JEITA RC-4502 低圧サージ防護デバイス用分離器−SPD分離器用ヒューズ(SFD)の選定及
び適用基準
中国では,特別なSPD分離器(SSD)の要求性能及び試験方法を,電力業界標準,及び通信業界標準で,
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規定している。
注記3 NB/T 42150-2018 低圧サージ防護デバイス用の特別な保護装置
基本的にSFD及びSSDの要求性能は,次による。
a) 大きいサージ耐量(表N.3及び表N.4参照)
b) サージ電流によって発生する電圧降下が小さい。
c) 上位(電源側)の過電流保護器OCPDが動作せずに,SPD故障時に安全な分離が可能な,小さな定格
電流(図N.1参照)
d) 上位(電源側)の過電流保護器OCPDと過電流協調が取れる動作時間−電流特性(図N.2参照)
表N.3−SFDの電気的定格の例
定格電流 サージ耐量 サージ電流波形 遮断容量
30 A 20 kA,15回 8/20 AC250 V
28 A 15 kA,15回 100 kA
23 A 10 kA,15回
表N.4−SSDの動作電流の例
最小動作電流 サージ耐量 サージ電流波形 遮断容量
3A 25 kA,1回 10/350 AC250 V,100 kA
3A 60 kA,15回 8/20 AC250 V,100 kA
3A 10 kA,15回 8/20 AC250 V,25 kA
SPD内部の分離器及びSPD外部の分離器の動作時間−電流特性曲線の例,並びにSPD内部のMOVの
故障(燃焼)時間−電流特性曲線の例を,図N.1に示す。SPD内部のMOVとSPDの内部分離器及び外部
分離器(SFD又はSSD)との間の動作協調は,次を確認する。
· SPD外部の分離器の動作時間−電流特性曲線は,故障電流の全領域に適用するため,SPD内部の分離
器の動作時間−電流特性曲線と交差させる。
· SPD内部の分離器及びSPD外部の分離器の動作時間−電流特性曲線は,MOVが故障(燃焼)する前
に回路から分離するため,SPD内部のMOVの故障(燃焼)時間−電流特性曲線よりも下側の位置に
する。
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大きい
電流 SPD外部の MOV
(A) 分離器
SPD内部の
分離器
小さい
短い 時間(s) 長い
記号説明
MOVの曲線 : SPD内部のMOVの動作時間−電流特性曲線
SPD外部の分離器の曲線 : SPD外部の分離器の動作時間−電流特性曲線
SPD内部の分離器の曲線 : SPD内部の分離器の動作時間−電流特性曲線
図N.1−SPD内部の分離器及びSPD外部の分離器とMOVとの協調を示す特性曲線
過電流保護器OCPD及びSPD分離器の動作時間−電流特性曲線を,図N.2に示す。定格電流50 Aの配
線用遮断器又は定格電流125 AのgGヒューズが,SPDの上位(電源側)にある場合,図N.2に示すよう
に,SPD分離器は,OCPDよりも早く動作することが望ましい。そのため,SPD分離器の動作時間−電流
特性曲線は,OCPDの動作時間−電流特性曲線より下側に位置することが望ましい。
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10 000
1 000 OCPD 2
gGヒューズ
OCPD 1
配線用遮断器
電流
(A)
SPD分離器
100
10
0.001 0.01 0.1 1 10 100 1 000
時間(s)
記号説明
OCPD1の曲線 : 定格電流50 Aの配線用遮断器の動作時間−電流特性曲線
OCPD2の曲線 : 定格電流125 AのgGヒューズの動作時間−電流特性曲線
SPD分離器の曲線 : SPD分離器の動作時間−電流特性曲線
図N.2−SPD分離器の動作時間−電流特性の例
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JIS C 5381-12:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61643-12:2020(IDT)
JIS C 5381-12:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.240 : 送電及び配電網 > 29.240.10 : 変電所設備.サージ防止装置
JIS C 5381-12:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
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- 低圧サージ防護デバイス―第32部:太陽電池設備の直流側に接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準
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- JISC60364-4-43:2011
- 低圧電気設備―第4-43部:安全保護―過電流保護
- JISC61000-4-5:2018
- 電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験
- JISZ9290-4:2016
- 雷保護―第4部:建築物等内の電気及び電子システム