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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
記号説明
MET : 主接地端子
注a) SPDの接地線は(1)及び/又は(2)のいずれか配線が短くなる経路で接続するこ
とが望ましい。JISによって,(1),(2)又は両方への接続を必須としてもよい。
図8−接続タイプ1(CT1)
――――― [JIS C 5381-12 pdf 36] ―――――
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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
記号説明
MET : 主接地端子
注a) SPDの接地線は(1)及び/又は(2)のいずれか配線が短くなる経路で接続するこ
とが望ましい。JISによって,(1),(2)又は両方への接続を必須としてもよい。
図9−接続タイプ2(CT2)
各種低圧電源システムに対して要求してもよい防護モードを表3に示す。
注記3 同一導体上に二つ以上のSPDを接続する場合,各SPD間の協調を考慮している(7.5.7参照)。
注記4 防護モードの数は,被保護機器のタイプ(例えば,被保護機器が接地していない場合,充電相
又は中性線と接地との間の防護は不要としてもよい。),各防護モードに対する機器の耐電圧,
配電方式,低圧電源システムの接地系統の種類,及び侵入するサージの特性に依存している。
例えば,ほとんどの場合,充電相及び中性線と接地との間(CT1の場合),又は充電相と中性線
との間及び中性線と接地との間(CT2の場合)の防護で十分であり,ほとんどの場合,充電相
間の防護にはSPDを用いていない。
注記5 電力供給業者の電力量計の上位(電源側)にSPDを設置する場合,電力供給業者の同意を得て
実施することになる。
――――― [JIS C 5381-12 pdf 37] ―――――
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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
表3−各種接地系統に対して要求する防護モード
SPDの接続 各種接地系統に対するSPDの接続箇所
TT系統 TN-C系統 TN-S系統 IT系統 IT系統
中性線あり 中性線
接続タイプ 接続タイプ 接続タイプ なし
CT1 c) CT2 CT1 CT2 CT1 CT2
充電相と中性線との間 + 〇 − + 〇 + 〇 −
充電相と接地との間 〇 − − 〇 − 〇 − 〇
中性線と接地との間 〇 〇b), d) − 〇a) 〇a), b) 〇 〇b) −
充電相とPEN導体との間 − − 〇 − − − − −
充電相間 + + + + + + + +
記号説明
〇 : 必須
− : 適用しない
+ : 任意,追加の要求がある場合
注a) TN-S系統又はTN-C-S系統では,保護導体PEから中性線Nまでの分離点と設置されたSPDの位置との間
の距離が0.5 m未満の場合又は分離点とSPDとが同じ分電盤にある場合,中性線Nと保護導体PEとの間
のSPDは省略してもよい。
注b) CT2を用いる場合,2個のSPD(充電相Lと中性線Nとの間のSPD及び中性線Nと接地PEとの間のSPD)
を直列接続し,結果として得る電圧防護レベルと,機器の定格インパルス電圧UWとを比較することが望
ましい。この場合,2個のSPDの電圧防護レベルを単純に加算した値と異なる結果になってもよい。
注c) SPDを漏電遮断器の負荷側に設置する場合だけに適用する。
注d) SPDを主漏電遮断器の上位(電源側)に設置する場合,IEC 60364-5-53に従って設置したSPDは,6.5.1.2
に規定するTOVに耐えなければならない。
追加の情報は,附属書Jを参照。
7.4 追加防護の必要性(図7の追加防護の必要性)
7.4.1 一般
SPDが必要な場合,1個のSPDを設備の引込口の近傍に設置することが望ましい。このSPDの目的は,
建築物等の外部から侵入するサージ電流を低減し,サージの影響を軽減することである。状況によっては,
例えば,建築物等の引込口でサージのストレスが小さい場合,又は機器のインパルス耐電圧が高い場合,
及び/若しくはSPDのUpが低い場合,1個のSPDで十分である。
例えば,次の場合,分電盤内又は被保護機器(例えば,電源コンセントに接続する機器)の近傍に,追
加の防護をしてもよい。
· SPDと被保護機器との間の距離が長すぎる場合
· 雷放電によって建築物等内に電磁界が発生する場合
· 引込口に設置したSPDのリード線が長すぎて,引込口のSPDの防護効果が低減している場合
· 敏感な機器(電子装置,コンピュータ)があり,その機器のインパルス耐電圧がSPDのUpよりも低
い場合
次に示すその他の発生源で発生するサージからの防護のために,追加のSPDを設置してもよい。
· 設備内部の機器で発生する開閉サージ
· 電話回線,インターネット回線など,その他の引込線のサージ
· 二つの建築物等間,建築物等外部の設備(照明),外部センサへの電源供給線のような,建築物等から
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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
外部への供給線上のサージ
太陽電池設備がある場合,追加の防護をしてもよい。この場合,JIS C 5381-32に詳細な情報の記載があ
る。
7.4.2 防護距離での振動現象の影響
注記 防護距離は,幾つかの国では離隔距離ともいう。
SPDを設備内の特定の機器の防護のために用いる場合,SPDは,被保護機器に可能な限り近接して設置
することが望ましい。SPDと被保護機器との間の距離が非常に長い場合,振動によって機器の端子部では,
SPDのUpを超え,Upの2倍までの電圧が発生する可能性がある(条件によってはUpの2倍を超える場合
もある。)。この電圧は,SPDを設置したにもかかわらず被保護機器の故障の原因となる可能性がある(図
J.8図J.10を参照)。許容可能な距離(防護距離という。)は,SPDの種類,配電方式,侵入するサージの
波形及び上昇率(du/dt),並びに接続する負荷に依存する。特に,インピーダンスが高い,コンデンサとし
て機能している,又は内部で断路している機器の場合,この電圧は,SPDのUpの2倍となる可能性があ
る。この現象における2倍電圧の例を,図J.10に示す。
一般に,振動は防護距離が10 m未満の場合,無視してもよい。内部にサージ防護部品(例えば,MOV)
を実装する機器の場合,防護距離が長くても,振動を十分に低減する。この場合,SPDと機器内部のサー
ジ防護部品との協調の問題を回避することに注意する(7.5.7参照)。
7.4.3 設備内部に誘導する電圧
特にLPSがある建築物等,及び遮蔽していない建築物等の場合,SPDと被保護機器との間の誘導ループ
回路に直接誘起する電圧で発生する雷サージ電流によって,防護距離は,更に短くなることがある。
これは,次の条件下では無視することが可能である。
· 内部ケーブルを遮蔽する又は金属製のケーブルダクト内で配線した場合(遮蔽したケーブル又は金属
製のケーブルダクトは,両端で接地することが望ましい。)
· 接地(PE)線が,充電相及び中性線と同じケーブルで配線している場合。LPSがある場合には,誘導
ループの長さは,10 m以内とすることが望ましい。
· 接地(PE)線が,充電相及び中性線と同じケーブルダクト内で配線し,誘導ループの長さは10 m以
内及び損傷の発生源S1(建築物等への落雷)を無視する場合
· 機器の入力部にSPDを設置する場合
ほとんどの場合,鉄筋コンクリートの建築物等は,考慮する誘導電圧を避けるための十分な減衰を備え
ている。誘導電圧は,主に誘導ループの大きさに起因し,通常の設備では,充電相,中性線及び接地(保
護導体PE)は,壁面又はパイプ内を一緒に配線しており,この場合,誘導ループは無視する。無視するこ
とが不可能な場合,SPDの電圧防護レベルを選定するときに,誘導電圧を考慮する(JIS Z 9290-4を参照)。
追加の情報は,附属書Jを参照。
7.4.4 接続リード線長の影響
最適なサージ防護を達成するために,SPDの接続導体は可能な限り短くする。SPDの接続リード線が長
い場合,SPDが提供する防護の有効性が低下する。この場合,効果的な防護を達成するためには,電圧防
護レベルが低いSPDを選定してもよい。機器に加わる残留電圧は,最悪の場合,SPDの残留電圧と接続リ
ード線の電圧降下による電圧との合計となる。この電圧は,実効上の電圧防護レベルUp/fという。SPDの
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C 5381-12 : 2021 (IEC 61643-12 : 2020)
残留電圧と接続リード線の電圧降下とによる電圧は,必ずしも同時にピークに達することはないが,実用
的には単純に加算してもよい。インパルス電流印加中のSPDの接続点間で測定した電圧で,接続リード線
のインダクタンスの影響を,図10に示す。
リード線における電圧降下ΔUは,次の式で推定することが可能である。
ΔU=0.1×ISPD×Δl(kV)
ここで, ISPD : SPDに流れる電流(kA)
Δl : 接続リード線の長さ(一般に0.5 m以下)(m)
この電圧降下は,建築物等の近傍への落雷によって誘起する雷サージ電流だけがSPDに流れる場合,無
視することが可能である。このインダクタンスの影響を極力低減する場合,可能な限り図10 b)(V接続と
いう場合がある。)に示す配線方法を用いることが望ましい。2本のケーブルをよって配線する。図10 c)
に示す配線方法は,図10 b)の配線方法を適用不可能な場合に用いることが可能である。図10 c) に示す配
線方法は,ほとんどの場合,リード線長の2分の1と等しい電圧降下の低減を達成する。図10 a) に示す
配線方法は,可能な限り避けることが望ましい。図10 a) に示す配線方法で最適なサージ防護を達成する
ためには,SPDの接続リード線長による過電圧の影響を低減する必要があるため,SPDの全ての接続リー
ド線はループ状にしないで,可能な限り短くする(接続リード線長の合計は,0.5 m以下が望ましい。)。0.5
mのリード線長は,被保護機器の定格インパルス電圧UWに対する20 %のマージンに相当する。接続リー
ド線長が0.5 mよりも長い場合,Upの代わりにUp/fを用いるのが望ましく,この場合,20 %のマージンは
不要である。
注記1 20 %のマージンとは,UWの20 %に相当し,UpがUWの0.8倍未満であることを示している
(7.4.5参照)。
保護(全体絶縁)を施した金属キャビネットの内部にSPDを設置する場合,SPDの接続リード線長を短
くする良い方法は,SPDの接地導体を最短のリード線で金属キャビネットのフレーム(金属板)に直接接
続することである。これは金属キャビネットがIEC 61439-1に適合する場合にだけ適用が可能である。SPD
の接地導体を金属キャビネットに接続する接続点は,同じ太さの導体で電源システムの接地バスに接続す
ることが望ましい(この場合,SPDの接地端子には二つの導体を接続する。一方は金属キャビネットのフ
レームに接続し,他方は接地バスに接続する。後者は,SPDが損傷して短絡電流が安全に流れる場合に用
い,金属板は主にサージの高周波部分を分流するために用いる。)。
注記2 電流帰還経路となる導体を入力電流導体に近接して敷設することで,電磁結合によってインダ
クタンスは減少する[図10 c) 参照]。
注記3 対応国際規格の“IEC 60439”は廃止され,IEC 61439-1に置き換えられているため,“IEC 61439-
1”を記載した。
――――― [JIS C 5381-12 pdf 40] ―――――
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JIS C 5381-12:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61643-12:2020(IDT)
JIS C 5381-12:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 29 : 電気工学 > 29.240 : 送電及び配電網 > 29.240.10 : 変電所設備.サージ防止装置
JIS C 5381-12:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC0920:2003
- 電気機械器具の外郭による保護等級(IPコード)
- JISC5381-32:2020
- 低圧サージ防護デバイス―第32部:太陽電池設備の直流側に接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準
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