JIS C 5381-32:2020 低圧サージ防護デバイス―第32部:太陽電池設備の直流側に接続するサージ防護デバイスの選定及び適用基準 | ページ 6

24
C 5381-32 : 2020
表A.1−離隔距離sが確保できない外部LPSを備えた建築物等の屋上に
太陽電池アレイを設置した太陽電池設備において,
直流側に接続する電圧制限SPDのInの値(8/20)及びIimpの値(10/350)の例
雷保護レベルLPL 外部引下げ導線の条数
雷保護レベルLPLに <4 ≧4
よる最大雷電流 クラスI試験に適合した電圧制限SPDのInの値(8/20)及びIimpの値(10/350)
(10/350) ISPD1=ISPD2 ISPD1=ISPD2
ISPD3=ISPD1+ISPD2=ITotal ISPD3=ISPD1+ISPD2=ITotal
Inの値/Iimpの値 Inの値/Iimpの値 Inの値/Iimpの値 Inの値/Iimpの値
I又は不明 200 kA 17 kA/10 kA 34 kA/20 kA 10 kA/5 kA 20 kA/10 kA
II 150 kA 12.5 kA/7.5 kA 25 kA/15 kA 7.5 kA/3.75 kA 15 kA/7.5 kA
III又はIV 100 kA 8.5 kA/5 kA 17 kA/10 kA 5 kA/2.5 kA 10 kA/5 kA
電圧制限SPDは,電圧制限部品及び電圧スイッチング部品を直列接続した複合SPDでもよい。
電圧制限SPDを用いる場合,次に示す二つの中から選択する。
− 表A.1で規定するIimpの値(10/350)でクラスI試験を実施し,Inの値(8/20)でクラスII試験を実施
したSPDを用いる。
− 表A.1で規定するInの値(8/20)と波高値が等しいIimpの値(10/350)でクラスI試験だけを実施した
SPDを用いる。
外部引下げ導線が4条未満及び雷保護レベルLPLのIII又はIVの例では,次の試験をしたSPDを選定
可能である。
− 防護モード当たり,Iimpの値(10/350)5 kA以上でクラスI試験を実施し,Inの値(8/20)8.5 kA以上
でクラスII試験を実施したSPD。
− 又は,防護モード当たり,Iimpの値(10/350)8.5 kA以上でクラスI試験だけを実施したSPD。
各種SPDの動作中のインピーダンス,及びその他特性によって,雷電流の分流値は,電圧スイッチング
SPDと,電圧制限SPDとでは異なる。電圧スイッチングSPDのクラスI試験におけるIimpの値(10/350)
を表A.2に規定する。
表A.2−離隔距離sが確保できない外部LPSを備えた建築物等の屋上に
太陽電池アレイを設置した太陽電池設備において,
直流側に接続する電圧スイッチングSPDのIimpの値(10/350)の例
雷保護レベルLPL 外部引下げ導線の条数
雷保護レベルLPLに <4 ≧4
よる最大雷電流 電圧スイッチングSPDのクラスI試験のIimpの値(10/350)
(10/350) ISPD1=ISPD2 ISPD1=ISPD2
ISPD3=ISPD1+ISPD2=ITotal ISPD3=ISPD1+ISPD2=ITotal
I又は不明 200 kA 25 kA 50 kA 12.5 kA 25 kA
II 150 kA 18.5 kA 37.5 kA 9 kA 18 kA
III又はIV 100 kA 12.5 kA 25 kA 6.25 kA 12.5 kA
電圧スイッチングSPDは,電圧スイッチング部品及び電圧制限部品を並列接続した複合SPDでもよい。
離隔距離sが確保できず,LPSと太陽電池アレイの金属構造物とを接続する場合,直流配線は遮蔽する
ことが望ましい。この場合,遮蔽はITotalに等しい部分雷電流を流せなければならない。遮蔽は両端で接地

――――― [JIS C 5381-32 pdf 26] ―――――

                                                                                             25
C 5381-32 : 2020
する。
SPDを接続した太陽電池アレイ(太陽電池アレイにそれぞれSPDが一つ)が複数ある場合,雷電流が複
数のSPDへ分流することを考慮し,表A.1及び表A.2で規定するInの値(8/20)及びIimpの値(10/350)
は減らしてもよい。
A.3 大規模太陽光発電所
ここでは,外部LPSを備えた太陽電池設備の直流側に接続するSPDの放電電流の波高値を決定する方
法を提供する。
次の例は,大規模な太陽電池設備の構造に基づく簡略化した方法である。この大規模太陽光発電所は,
多重接地及びメッシュサイズ20 m×20 mのメッシュ接地システムをもつ。この例を図A.2に,Iimpの値
(10/350)を表A.3に示す。
注記1 地上設置の太陽電池設備は,一般的に,独立した建築物(CD=1)で,農村地域(CE=1)に
位置する。
CD : IEC 62305-2で規定するLocation factor
CE : IEC 62305-2で規定するEnvironmental factor
注記2 詳細な情報が入手できない場合,太陽電池設備は,高圧電源線(CT=0.2)に,架空(CI=01)
で,非遮蔽(CLD=1,PLD=1)の3相電源線で接続し,電源線の長さは5 kmと仮定する。
CT : IEC 62305-2で規定するLine type factor for a HV/LV transformer on the line
CI : IEC 62305-2で規定するInstallation factor of the line
CLD : IEC 62305-2で規定するFactor depending on shielding, grounding and isolation conditions
of the line for flashes to a line
PLD : IEC 62305-2で規定するProbability of reducing PU, PV and PW depending on line
characteristics and withstand voltage of equipment
PU : IEC 62305-2で規定するProbability of injury to living beings by electric shock
PV : IEC 62305-2で規定するProbability of physical damage to a structure
PW : IEC 62305-2で規定するProbability of failure of internal systems
注記3 リスクマネジメントの用語に関する詳細情報はIEC 62305-2に規定している。
交流配線は,主分電盤内で内部配線と接続し,内部配線は,太陽電池インバータと接続する。通常,PE
導体(保護導体)は,ライン導体と同じケーブルで配線する(我が国では,配電方式はTTシステムであ
り,配線方法が異なる。)。
監視及び制御機器に接続する信号線は,太陽電池設備に含む。
SPDを経由して直流配線に侵入する部分雷電流は次に依存する。
− LPSのクラス
通常,地上設置の太陽電池設備は,LPL IIIで十分である。
− 大地抵抗率
大地抵抗率が高い場合,SPDを経由して直流配線に侵入する部分雷電流は大きくなる。
− 接地極システムのメッシュサイズ
メッシュサイズが大きい場合,SPDを経由して直流配線に侵入する部分雷電流は大きくなる。
− SPDの動作中のインピーダンス(電圧制限又は電圧スイッチングで異なる。)
− インバータシステムの配置(複数のインバータを集中配置,又は分散配置)

――――― [JIS C 5381-32 pdf 27] ―――――

26
C 5381-32 : 2020
複数のインバータを集中配置した場合,部分雷電流は直流配線に侵入する。複数のインバータを分
散配置した場合,部分雷電流は交流配線に侵入する。
太陽電池設備の直流側に接続するSPDを経由して,直流配線に侵入する部分雷電流は,10/350電流波形
よりも波尾長が短くなることを,測定値及びシミュレーションは示している。これは,多重接地及びメッ
シュ接地システムをもつ大規模太陽光発電所における雷電流の分流の特徴である。この波形をJIS C
5381-31で規定するSPDパラメータに等しいとみなすためには,実際の波形から等価のインパルスエネル
ギーを計算し,標準化した10/350雷電流インパルスに変換する必要がある。
インバータ
システム
接続箱 接地極システム
メッシュサイズ20 m×20 m
太陽電池アレイ 直流配線
図A.2−大規模な太陽電池設備の構造例
(多重接地及びメッシュ接地システムを備えた大規模太陽光発電所)

――――― [JIS C 5381-32 pdf 28] ―――――

                                                                                             27
C 5381-32 : 2020
表A.3−インバータを集中配置した,多重接地及びメッシュ接地システムを備えた,
太陽電池設備の直流側に接続するSPDのIimpの値(10/350)及びInの値(8/20)の例
雷保護レベルLPL 直流側に接続するSPDのIimpの値(10/350)及びInの値(8/20)
雷保護レベルに 電圧制限SPD 電圧スイッチングSPD
応じた最大電流 Iimpの値 Inの値 Iimpの値
(10/350) 各防護 ITotal 各防護 ITotal 各防護 ITotal
モード モード モード
III又はIV 100 kA 5 kA 10 kA 15 kA 30 kA 10 kA 20 kA
電圧制限SPDは,電圧制限部品及び電圧スイッチング部品を直列接続した複合SPDでもよい。
電圧スイッチングSPDは,電圧スイッチング部品及び電圧制限部品を並列接続した複合SPDでもよい。
この場合,SPDは次に示す三つの中から選択する。
− 表A.3の電圧制限SPDで規定するIimpの値(10/350)でクラスI試験を実施し,Inの値(8/20)でクラ
スII試験を実施した電圧制限SPD。
− 表A.3で規定するInの値(8/20)と波高値が等しいIimpの値(10/350)でクラスI試験だけを実施した
電圧制限SPD。
− 表A.3の電圧スイッチングSPDで規定するIimpの値(10/350)でクラスI試験を実施した電圧スイッ
チングSPD。
例えば,選択可能なSPDは,次による。
− 電圧制限SPD
・ 防護モード当たり,Iimpの値(10/350)5 kA以上でクラスI試験を実施し,Inの値(8/20)15 kA以
上でクラスII試験を実施したSPD。
・ 又は,防護モード当たり,Iimpの値(10/350)15 kA以上でクラスI試験だけを実施したSPD。
− 電圧スイッチングSPD
・ 防護モード当たり,Iimpの値(10/350)10 kA以上でクラスI試験を実施したSPD。
注記4 表A.3は,インバータシステムの金属構造物(又は建築物等)への直撃雷を考慮していない。
この直撃雷を想定する場合,特別なシミュレーションを実行する必要がある。
直流配線へ侵入する雷電流の誘導を減らすため,太陽電池アレイと集中配置したインバータとの間の直
流配線は,遮蔽することが望ましい。この場合,遮蔽は,ITotalに等しい部分雷電流を各接続箱に流せなけ
ればならない。遮蔽は両端で接地する。
インバータを分散配置した大規模太陽光発電所の場合,表A.3で規定する値は,分散配置したインバー
タの交流側及び共通の変圧器の低圧側に設置するクラスI試験に適合したSPDに適用する。通常,分散配
置したインバータの直流側に設置するSPDは,クラスIIで十分であり,インバータ側及び太陽電池アレイ
側の2か所に設置する。

――――― [JIS C 5381-32 pdf 29] ―――――

28
C 5381-32 : 2020
附属書B
(参考)
太陽電池の特性
B.1 太陽電池の特性
太陽電池の等価回路図を図B.1に,太陽電池の非線形な電流電圧特性を図B.2に示す。
RS
I
RL
U
記号説明
RS 出力抵抗
U 出力電圧
RL 負荷抵抗
I 負荷電流
図B.1−太陽電池の等価回路図

――――― [JIS C 5381-32 pdf 30] ―――――

次のページ PDF 31

JIS C 5381-32:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61643-32:2017(MOD)

JIS C 5381-32:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 5381-32:2020の関連規格と引用規格一覧