JIS C 5381-331:2021 低圧サージ防護用部品―第331部:金属酸化物バリスタ(MOV)の要求性能及び試験方法 | ページ 3

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C 5381-331 : 2021 (IEC 61643-331 : 2020)
· 温度範囲 : 15 ℃35 ℃
· 相対湿度範囲 : 25 %75 %

7 電気的要求事項

7.1 バリスタ電圧(VV)

  8.3.3に従って試験を実施したとき,バリスタ電圧は製造業者が指定する範囲内であることが望ましい。
一般的に用いる高電圧及び低電圧のディスク形MOVのバリスタ電圧を,表1に示す。バリスタ電圧の許
容公差は,±10 %である。
表面実装用MOVの標準的なバリスタ電圧及び許容公差の値を,表2に示す。

7.2 最大連続使用交流(直流)電圧[VM(AC)/VM(DC)]

  規定がない場合,MOVは,8.2.3に従って試験を実施したとき,表1及び表2に示す最大連続使用交流
(直流)電圧[VM(AC)/VM(DC)]に耐えなければならない。
注記 最大連続使用交流(直流)電圧は,UCということがある。

7.3 待機電流(ID)

  直流待機電流IDCは,8.3.2に従って試験を実施したとき,測定値が最大連続使用直流電圧VM(DC)を印加
したときに製造業者が指定する最大値よりも低く,かつ,VM(DC)の印加中に増加してはならない。

7.4 静電容量(CV)

  静電容量は,8.3.4に従って試験を実施したとき,測定値が,製造業者が指定する値を超えてはならない。

7.5 制限電圧(VC)

  制限電圧(8.3.1参照)は,指定するインパルス電流にて測定し,製造業者が指定する値又は表1に示し
た値を超えてはならない。規定がない場合,製造業者が指定するピークをもつ8/20のインパルス電流を用
いる。
注記 JIS C 5381-11:2014では,制限電圧VCは測定制限電圧という。

――――― [JIS C 5381-331 pdf 11] ―――――

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表1−ディスク形MOVの代表的な電圧の定格値
単位 V
バリスタ電圧VV 最大連続使用電圧 VM 制限電圧 VC
交流VM(AC) 直流VM(DC) 8/20を用いた場合
18 11 14 36
22 14 18 43
27 17 22 53
33 20 26 65
39 25 31 77
47 30 38 93
56 35 45 110
68 40 56 135
82 50 65 135
100 60 85 165
120 75 100 200
150 95 125 250
180 115 150 300
200 130 170 340
220 140 180 360
240 150 200 395
275 175 225 455
300 195 250 505
330 210 270 545
360 230 300 595
390 250 320 650
430 275 350 710
470 300 385 775
510 320 410 845
560 350 450 930
620 385 505 1 025
680 420 560 1 120
715 440 585 1 180
750 460 615 1 240
820 510 670 1 355
910 550 745 1 500
1 000 625 825 1 650
1 100 680 895 1 815
1 200 750 970 2 000
1 600 1 000 1 280 2 650
1 800 1 100 1 465 2 970
制限電圧の測定中,供試品のフラッシオーバ又は破壊が生じてはならない。供試品のバリスタ電圧(VV)
を,試験の前後に8.3.3に従って測定する。また,そのときの変化率は,±10 %を超えてはならない。

7.6 静電気放電(ESD)[表面実装用(SMD type)MOVに適用]

  表2の要求事項は,表面実装用MOVに適用する。表面実装用MOVは,8.5の試験を実施する。

――――― [JIS C 5381-331 pdf 12] ―――――

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C 5381-331 : 2021 (IEC 61643-331 : 2020)
表2−表面実装用MOVの代表的な電圧定格
単位 V
バリスタ電圧VV 最大連続使用電圧 VM
交流VM(AC) 直流VM(DC)
5.6 V±20 % 2.5 4
6.8 V±20 % 3.5 4.5
8.2 V±20 % 4 5.5
10 V±20 % 5 7
12 V±20 % 6 8.5
15 V±20 % 7.5 10.5
18 V±20 % 9 13
22 V±10 % 14 18
27 V±10 % 17 22
33 V±10 % 20 26
39 V±10 % 25 31
47 V±10 % 30 38
56 V±10 % 35 45
68 V±10 % 40 56
82 V±10 % 50 65

7.7 定格インパルスエネルギー

  MOVは,8.3.5に従って,1回の2 msく(矩)形波又は10/1000インパルスの電流試験を,8.2.1に従っ
て1回の8/20インパルスの電流試験を実施したときに,製造業者が指定する定格インパルスエネルギーを
吸収可能でなければならない。

7.8 公称放電電流(In)

  MOVには9.3に従って,製造業者が指定するピーク値の8/20インパルス電流波形をもつ公称放電電流
で15回通電する。

7.9 耐久性

  耐久性試験は,8.4に従って,MOVに製造業者が指定する温度及び最大連続使用電圧の条件下で1 000
時間実施する。全ての関係者が同意する場合には,附属書Cの加速耐久性スクリーニング試験を用いても
よい。

7.10 電流を制限した一時的過電圧

  電流を制限した一時的過電圧試験は,過熱保護付きMOVが交流過負荷状態となる場合に,その発火の
可能性を評価するための交流ステップストレス試験とする(9.4参照)。

8 標準設計品の試験基準

8.1 一般

  8.2,8.3及び8.4に規定する形式試験は,部品選定のためにMOVに製造業者が指定する特性測定の標準
化した方法を提供する。これらの特性はMOVの種類などによって様々であり,全てのタイプの部品を測
定する必要がある。MOVは双方向部品であるため,正極及び負極電圧の両方で試験を実施する。

――――― [JIS C 5381-331 pdf 13] ―――――

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8.2 定格

8.2.1 単一インパルスの最大電流(ITM)
単一インパルスの最大電流の試験回路を,図4に示す。試験電流は,規定がない場合,8/20の波形を用
いる。オシロスコープは,供試品の制限電圧の記録に用いる。VM(AC)又はVM(DC)のいずれか適切な電圧を,
試験電流通電前には最低2秒間及び通電後30秒間は連続的に印加する。
大電流及び高周波試験の測定には,例えば,4端子ケルビン接触,差動オシロスコープ,短いリード線
などを用いる測定技術を適用することが望ましい。
記号説明
C : エネルギー蓄電用コンデンサ R2 : インパルス整形及び電流制限抵抗器
L : インパルス整形インダクタンス R3 : インパルス整形抵抗器
MOV : 供試品(MOV) R4 : 電流検出用抵抗器(同軸)の代わりになるものとして
(CUT) 適切な定格の電流変流器プローブを用いてもよい。
OSC : 電流及び電圧を観測するためのオシ S1 : 充電スイッチ
ロスコープ
PS : 直流充電部 S2 : 放電スイッチ
R1 : 充電抵抗器
注記 示した図は説明用だけのものである。
図4−単一インパルスの最大電流の試験回路
8.2.2 2回目以降のインパルス電流試験(繰返し試験)
同一供試品に2回目以降のインパルス電流を繰り返して通電する場合,供試品が熱平衡に戻った後(例
えば,インパルスを印加する前の初期条件),図4に示す試験回路を用いて印加する。規定がない場合,試
験電流は8/20の波形を用いる。
注記 JIS C 5381-11:2014に規定するSPDに用いるMOVの場合には,クラスI,クラスII及びクラス
III試験の試験手順及び波形が必要である。これらの試験は附属書Aに記載されている。
8.2.3 最大連続使用電圧(VM)
最大連続使用電圧(VM)は,8.3.2で検証する。

8.3 電気的特性

8.3.1 制限電圧(VC)
制限電圧は,図4に示す試験回路を用いて,供試品を単一インパルス電流(IP)の試験(8.2.1参照)で
測定する。制限電圧のピーク及び試験電流のピークは,必ずしも時間的に一致しなくてもよい。規定がな

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い場合,試験電流は8/20の波形を用いる。
注記 JIS C 5381-11:2014に規定するSPDに用いるMOVの場合には,クラスI,クラスII及びクラス
III試験の試験手順及び波形が必要である。これらの試験は附属書Aに記載されている。
8.3.2 待機電流(ID)
待機電流測定の試験回路を図5に示す。この測定では,負荷インピーダンスに関係なく,電圧を安定し
た値に保つのが望ましい。定電圧源の電源を用いる。電圧計を供試品の両端に直接接続することは,この
電圧計にも電流が流れ,待機電流の測定値が不正確となるため推奨しない。電圧源PSは,試験中,製造業
者が指定するMOVの最大連続使用直流電圧[VM(DC)]に設定することが望ましい。
注記 待機電流の試験通電時間は,主にMOVの電極面積に依存し,その他の条件が同じ場合,大きな
電流面積ほど試験通電時間は長くなる。試験通電時間は,待機電流が安定するように十分長くす
ることが可能である。
記号説明
A : 電流計
PS : 電圧源(DC電圧電源とする。)
V : 電圧計
MOV (CUT) : 供試品
図5−待機電流測定の試験回路
8.3.3 バリスタ電圧(VV)
バリスタ電圧を測定する試験回路を,図6に示す。通電する電流は負荷インピーダンスに関係なく一定
の値に維持することが望ましい。定電流源の電源を用いることが望ましい。試験電流(IN)の通電時間は,
20 ms100 msの間とする。規定がない場合,試験電流は直流1 mAとする。
注記 測定中,MOVの温度がかなり上昇するときの熱的影響を避けるため,試験通電時間は,長くでき
ない。ただし,とても大きい寸法のMOVの場合,100 msを超えてもよい。

――――― [JIS C 5381-331 pdf 15] ―――――

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JIS C 5381-331:2021の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61643-331:2020(IDT)

JIS C 5381-331:2021の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 5381-331:2021の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC0617-4:2011
電気用図記号―第4部:基礎受動部品