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3.1.4
めす(ソケット)コンタクト[female (socket) ontact]
おす(ピン)コンタクトを受け入れ,その内側表面で電気的接続をするコンタクト。
3.1.5
雌雄同形コンタクト(hermaphroditic contact)
同一のコンタクト同士で結合することを意図したコンタクト。
3.1.6
弾性コンタクト(resilient contact)
接触部に力を与えるために弾性をもつコンタクト。
3.2 基本的なコネクタ用語
3.2.1
コネクタ(connector)
伝送ラインシステムの分離可能な部分を電気的に接続するため,ケーブルに取り付ける部品又は装置(ア
ダプタを除く。)に実装する部品。
3.2.2
一対のコネク夕(connector pair)
結合及びインターロックが可能であるように,補足し合う結合面及びロック機構を互いに備える二つの
コネクタ。
3.2.3
シリーズ,タイプ(series,type)
構造及び寸法に関して,コネクタの特定の結合面及びロック機構を特長付ける用語。
注記 用語“シリーズ”は,同じ結合面及びロック機構を備えるコネクタのスタイル全体を示すため
に“タイプ”とほぼ同義語として用いることがある。
3.2.4
スタイル(style)
コネクタの特定の形式又は形状,同様に同じタイプのコネクタの組合せ。
注記1 “アダプタ”については,3.5.13.5.5を参照。“タイプ内アタプタ”は,特定タイプの固有
のスタイルとしてみなしてもよい。
注記2 例として,可動形コネクタ及び固定形コネクタ,ストレートタイプ及びライトアングルタイ
プの両方,並びにタイプ内アダプタのストレート及びライトアングルがある。
3.2.5
バリアント(variant)
スタイル内の変種,特にケーブルエントリ寸法などの詳細。
3.2.6
グレード(grade)
特に定義したリターンロスに関係して,機械的及び電気的精度に関するコネクタの能力。
3.2.7
汎用コネク夕 : グレード2(general purpose connector: Grade 2)
記載されている最小限の性能及び結合の互換性を保証するために,許容する最大の寸法偏差(公差)を
用いているコネクタ。
――――― [JIS C 5410-1 pdf 6] ―――――
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C 5410-1 : 2021
リターンロスの要求事項は,規定しても,しなくてもよい。
3.2.8
高性能コネクタ : グレード1(high performance connector: Grade 1)
リターンロスの限界を周波数特性として規定するコネクタ。
注記 グレード2に規定するものと同等の寸法公差を,通常は規定している。ただし,製造業者は,
リターンロスの要求事項を確実に満たすため,必要に応じて厳しい公差を選択する責任がある。
3.2.9
標準試験用コネク夕 : グレード0(standard test connector: Grade 0)
グレード1及びグレード2のコネクタのリターンロス測定を行うために用いる,測定結果に無視できる
誤差だけ寄与している,特定のタイプの精密に作られたコネクタ。
注記 標準試験用コネクタは,多くの場合,測定装置の一部を形成する精密コネクタと接続を可能に
するタイプ間アダプタの一部である。
3.2.10
精密コネクタ(precision connector)
一致した機械的及び電気的な基準面をもち,誘電体が空気で,大きな反射,損失又は漏えいを生じるこ
となく高い再現性で結合する特性をもつコネクタ。
注記 これは,エアライン及び装置に取り付けることを意図している。精密コネクタは,IEC 60457-1
に規定する雌雄同形タイプ,フランジタイプ,又はピン及びソケットタイプがある。
3.2.11
実験室用精密コネクタ,LPC(laboratory precision connector)
中心導体の誘電体サポートがない精密コネクタ。
3.2.12
汎用精密コネクタ,GPC(general precision connector)
実験室用精密コネクタ(LPC)の支持のない中心導体及びそれが結合する標準エアラインを支持するこ
とが可能な,内蔵の誘電体サポートをもつ精密コネクタ。
3.3 構成用語
3.3.1
おす(ピン)コネクタ[male (pin) onnector]
おす(ピン)の中心コンタクトをもつコネクタ。
3.3.2
めす(ソケット)コネクタ[female (socket) onnector]
めす(ソケット)の中心コンタクトをもつコネクタ。
3.3.3
プラグコネクタ(plug connector)
カップリング機構の能動部品,すなわち,ナット又はバヨネットリングを特徴とし,通常,可動形コン
タクトであるコネクタ。
注記 特定のタイプによって,プラグは,おすコネクタ又はめすコネクタとなる。
3.3.4
ソケット(socket)
プラグに対応するコネクタ。
――――― [JIS C 5410-1 pdf 7] ―――――
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C 5410-1 : 2021
3.3.5
雌雄同形コネクタ(hermaphroditic connector)
同一のコネクタ同士で結合するコネクタ。
3.3.6
可動形コネクタ(free connector)
ケーブルの自由端に取り付けるコネクタ。
注記 固定形と規定しない場合,コネクタは可動形とみなしている。
3.3.7
固定形コネクタ(fixed connector)
固定面に取り付けるコネクタ。
3.3.8
トライアキシャル(triaxial)
共通の軸をもち,それぞれの導体が他の二つから絶縁している三重の同心導体で構成する伝送ライン。
3.4 封止(気密性)
3.4.1
気密形コネクタ(sealed connector)
規定のガス,湿気又は液体に対し,気密性の要求事項を満足するシールをもつコネクタ。
3.4.2
バリアシール(barrier seal)
コネクタ本体のシェル内の軸方向に,ガス,湿気又は液体の通過を防止するシール。
3.4.3
パネルシール(panel seal)
固定形コネクタ又はアダプタ本体シェルとパネルとの間で,取付穴からのガス,湿気又は液体の通過を
防止するシール。
注記 シールは,しばしば単品で提供している。
3.4.4
結合面シール(mating face seal)
結合したコネクタのインタフェース空間へのガス,湿気又は液体の通過を防止するシール。
3.4.5
ハーメチックシール(hermetic seal)
JIS C 60068-2-17の試験Qk(質量分析計を用いたトレーサガス方法による封止試験)に規定する要求事
項を満足するシール。
3.5 その他の用語
3.5.1
アダプタ(adaptor)
結合できないコネクタをもつ二つの伝送ラインを接続するための二つのポートをもつコネクタ。
3.5.2
固定形アダプタ(fixed adaptor)
固定面に取り付けるアダプタ。
注記 固定形と規定しない場合,アダプタは可動形とみなしている。
――――― [JIS C 5410-1 pdf 8] ―――――
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C 5410-1 : 2021
3.5.3
タイプ内アダプタ(within-type adaptor)
二つ以上の同じタイプのコネクタ間で用いるアダプタ。
3.5.4
タイプ間アダプ夕(inter-type adaptor)
二つ以上の異なるタイプのコネクタ間で用いるアダプタ。
3.5.5
標準試験用アダプタ(standard test adaptor)
片端に標準試験用コネクタをもち,他端に精密コネクタをもつ試験を目的としたタイプ間アダプタ。
3.5.6
標準エアライン(standard air line)
導体の直径及び真直性の不ぞろいが可能な限り小さく,内部導体の支持がなく,更に導電性の良い非磁
性材料を用いる誘電体が空気の均質な伝送ライン。
3.5.7
基準ライン(reference line)
標準エアラインに類似しているが,内部導体の誘電体サポートをもち,測定に用いる周波数範囲内で内
部のリターンロスを最小に保つような設計のエアライン。
3.5.8
耐カップリングトルク(proof coupling torque)
カップリング機構の機械的強度を試験するために,特定のコネクタシリーズのねじ式カップリング機構
に加える最大トルク。
3.5.9
標準カップリングトルク(normal coupling torque)
ねじ式カップリングタイプのコネクタを通常用いるときに加えるトルクの最大値及び最小値。
3.5.10
結合トルク及び離脱トルク(engagement and separation torque)
完全に結合する前又は後に,回転式カップリング機構をもつコネクタを結合及び離脱する間,摩擦,ば
ねの圧縮などに打ち勝つために必要とするトルク。
注記 これは,ねじの過度な締付け,バヨネットカムのばり,回転式カップリングの自由度などを確
認することを意図する。
3.5.11
プッシュオン(push-on)
軸方向で結合又は離脱するインタフェースをもつコネクタ。
3.6 一般電気工学の用語
3.6.1
公称値(nominal value)
部品,装置又は機器を明示又は識別するために用いる代表値。
注記1 定義から公称値は,公差の影響を受けないことが分かる。
注記2 代表(typical)及び公称(nominal)は,同じ意味で用いている。
――――― [JIS C 5410-1 pdf 9] ―――――
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C 5410-1 : 2021
3.6.2
限界値(limiting value)
規格における,ある数値の最大許容値及び/又は最小許容値。
3.6.3
定格値(rated value)
個別規格に規定する動作上の値。
4 単位,記号及び寸法
4.1 単位及び記号
単位,図記号,文字記号及び用語は,可能な限り,次の規格の中から用いる。
− JIS C 0617規格群 電気用図記号
− JIS Z 8000-1 量及び単位−第1部 : 一般
− IEC 60027 (all parts),Letter symbols to be used in electrical technology
− IEC 60050 (all parts),International Electrotechnical Vocabulary (IEV)
4.2 寸法
4.2.1 個別規格に規定する事項
個別規格には,次の事項を規定する。
a) コネクタの結合面に関する十分な寸法情報(結合の互換性及び性能要求事項の適合性を確保する必要
があるため)。
b) コネクタ外形の最大寸法に関する情報(使用者が機器にコネクタを収容できるようにするため)。
c) 次の定型文を個別規格に記載する。
“個別規格に記載のある図は,互換性又は性能に影響を与えない構造の詳細を制限することを意図
しておらず,それらを製造図面として用いることも意図していない。”
4.2.2 規格で用いる寸法単位
寸法及び公差は,メートル法の単位で示す。
5 標準定格及び特性
各コネクタタイプ及びスタイルに適用可能な定格及び特性は,個別規格に規定する。それらは通常,次
の事項を含むことが望ましい。
a) 特に外部導体の内径を記載しているコネクタ構造の簡単な説明,及び該当する場合,コネクタに用い
る推奨するケーブルタイプ
b) 有効な試験とともに異なるグレード(該当する場合)に対する周波数の関数としてのリターンロス
c) 異なる高度(気圧)での動作電圧
d) 耐候性カテゴリ
e) 適用可能な他の定格又は特性
6 耐候性カテゴリによる分類
耐候性カテゴリによるコネクタの分類は,JIS C 60068-1の附属書A(部品の耐候性カテゴリー)に基づ
いて,低温試験の温度(マイナス記号は示さない),高温試験の温度及び湿度(定常状態)試験のさらし日
数に対応した斜線(/)で区切ったの3組の数字の列(第1組/第2組/第3組)で表す。
――――― [JIS C 5410-1 pdf 10] ―――――
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JIS C 5410-1:2021の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61169-1:2013(MOD)
JIS C 5410-1:2021の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.120 : 電気通信設備の部品及び付属部品 > 33.120.30 : R.F.コネクタ
JIS C 5410-1:2021の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60068-1:2016
- 環境試験方法―電気・電子―第1部:通則及び指針
- JISC60068-2-1:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-1部:低温(耐寒性)試験方法(試験記号:A)
- JISC60068-2-11:1989
- 環境試験方法(電気・電子)塩水噴霧試験方法
- JISC60068-2-13:1989
- 環境試験方法(電気・電子)減圧試験方法
- JISC60068-2-17:2001
- 環境試験方法―電気・電子―封止(気密性)試験方法
- JISC60068-2-2:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-2部:高温(耐熱性)試験方法(試験記号:B)
- JISC60068-2-20:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-20部:試験―試験T―端子付部品のはんだ付け性及びはんだ耐熱性試験方法
- JISC60068-2-27:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-27部:衝撃試験方法(試験記号:Ea)
- JISC60068-2-30:2011
- 環境試験方法―電気・電子―第2-30部:温湿度サイクル(12+12時間サイクル)試験方法(試験記号:Db)
- JISC60068-2-42:1993
- 環境試験方法―電気・電子―接点及び接続部の二酸化硫黄試験方法
- JISC60068-2-6:2010
- 環境試験方法―電気・電子―第2-6部:正弦波振動試験方法(試験記号:Fc)
- JISC60068-2-69:2019
- 環境試験方法―電気・電子―第2-69部:試験―試験Te/Tc:電子部品及びプリント配線板のはんだ付け性試験方法(平衡法)
- JISC60068-2-78:2015
- 環境試験方法―電気・電子―第2-78部:高温高湿(定常)試験方法(試験記号:Cab)
- JISZ8000-1:2014
- 量及び単位―第1部:一般