10
C 5600 : 2006
参考
番号 用語 定義 関連IEC 60050
対応英語
番号及び用語
2-1-65 [ドリフト]移動 荷電粒子が外部電界を受けてドリフトする速度 111-14-53
(drift) obility
度 が電界と比例関係にあるときの速度を電界で除 移動度,
した商で,荷電粒子の動きやすさを表す物理量。 394-19-05
備考 ドリフト速度をvd ,電界をε,移動 (荷電粒子の)
度をμとするとき, 移動度,
vd =με 521-02-58
参考 普通,単に移動度といえばドリフト移 drift mobility
動度をさすが,特にホール移動度と区 (of a charge
別するときにドリフト移動度という。 carrier),
881-02-77
mobility (of a
particle),
521-09-04
Hall mobility
2-1-66 ドリフト電流 drift current
外部電界の下で,荷電粒子のドリフトによって流
れる電流。
2-1-67 拡散 diffusion
多数の粒子系で,ある平衡状態からずれた粒子が 111-14-66,
密度分布のこう配に応じて平衡状態へと移る粒 521-02-59
子の移動過程。 diffusion (in a
semiconductor)
2-1-68 拡散係数 diffusion
拡散の速さを示す物理量で,単位時間,単位面積 521-02-61
coefficient,
当たり粒子の流れ(流束)を粒子密度のこう配で diffusion
除した商。Φ D C ,Φ:粒子の流束,C: 粒 diffusion constant (of
子密度,D: 拡散係数 constant charge carriers)
2-1-69 拡散の長さ diffusion length
粒子の拡散過程において,粒子密度が1/eに減衰 393-05-05
する長さ。半導体中の少数キャリヤの拡散の長さ 拡散距離,
は,拡散係数と寿命の積の平方根で表される。 521-02-61
diffusion length
(of minority
carriers)
2-1-70 拡散電流 荷電粒子の拡散によって流れる電流。 diffusion current
2-1-71 アインシュタイ 半導体内のキャリヤの移動度μと拡散係数Dの Einstein
ンの関係式 関係とを表す式。 拡散速度は,キャリヤの移動relationship
度が大きいほど速く,その関係は次式による。
D kT
e
ここに,k : ボルツマン定数
T : 絶対温度
e: 電気素量
2-1-72 緩和 relaxation
非平衡状態にある系が,その系の内部運動によっ
て平衡状態に戻ること。
――――― [JIS C 5600 pdf 11] ―――――
11
C 5600 : 2006
参考
番号 用語 定義 関連IEC 60050
対応英語
番号及び用語
2-1-73 平均寿命 (粒子 111-14-14,
mean life (of a
素粒子,原子,分子,電子,イオンなどの粒子が
の) ある不安定な励起状態に留まっている平均の時 particle) 393-04-18,
間。 定義に 1/e 及び 1/2(半減期)の 2種類が 881-04-18
ある。 普通,個々の粒子の寿命は異なるが,あ
る不安定な状態にある多数の粒子の数は,時間と
ともに指数関数的に減少し,その寿命の平均値
は,不安定な状態にある粒子数が 1/e になる時間
である。 放射性原子核の崩壊など,また,時間
に対し指数関数的に減少しない系では,その状態
の粒子数が 1/2 になる時間(半減期)で定義する。
2-1-74 平均自由行程 mean free path
運動するある特定のタイプの粒子が,特定のタイ 111-14-5,
プの散乱(衝突)から次の散乱(衝突)までの時 393-04-91,
間に走行する距離の平均。 881-04-40
2-1-75 活性化エネルギ ある状態からそれよりエネルギーの高い遷移状activation (521-02-05
ー energy
態を経て次の状態に移る過程において,遷移状態 impurity
のエネルギーとはじめの状態とのエネルギーの activation
差。 energy)
2) 粒子の性質
参考
番号 用語 定義 関連IEC 60050
対応英語
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2-2-1 [マクスウェル・] (Maxwell-)
ある一つの系の非常に小さい有限な体積内で,位 521-01-03
ボルツマン統 置座標及び速度座標又はエネルギー座標の平均 Boltzmann
計 値によって定義される非量子化系の巨視状態の statistics
存在確率を扱う統計理論。
2-2-2 [マクスウェル・]熱平衡状態における非量子化系のあるエネルギ(Maxwell-)
ボルツマン分 Boltzmann
ー状態を粒子が占める確率を表す分布。その確率
布 f (E) は,次の式で表す。 distribution
E
f (E) exp
kT
ここに,T : 絶対温度
k : ボルツマン定数
E: 非量子状態のエネルギー
A : 定数
2-2-3 ボルツマン因子 ボルツマン統計に従う粒子がエネルギーEの熱 Boltzmann
平衡状態に存在する確率と比例する因子。 factor
exp (E/kT) で表される。
2-2-4 ボルツマン[方 Boltzmann
粒子系のエントロピーが,その巨視状態の確率の
程]式 equation
自然対数に比例することを述べる関係式。その比
例定数が,ボルツマン定数である。
――――― [JIS C 5600 pdf 12] ―――――
12
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参考
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2-2-5 統計学的重み statistical weight
巨視状態に含まれる微視状態の数。 その統計学
的な重みが極大であるような巨視状態が平衡状
態である。
2-2-6 フェルミ[・ディ パウリ原理を考慮した粒子の量子化した系におFermi(-Dirac) 521-01-15
ラック]統計 ける巨視状態の確率を扱う統計理論。 statistics
2-2-7 フェルミ[・ディ Fermi(-Dirac)
固体中の電子はフェルミ[・ディラック]統計に (521-01-16
ラック]分布 distribution
従い,あるエネルギーの量子状態を電子が占める Fermi-Dirac
確率を表す分布。 その確率 f (E) は,次の式で表 function)
す。
1
f (E)
E EF
1 exp ( )
kT
ここに,T: 絶対温度
k: ボルツマン定数
E :量子状態のエネルギー
EF : フェルミ準位
2-2-8 フェルミ準位 Fermi level
固体において,絶対零度で電子で占有されている 111-14-38,
量子状態と占有されていない量子状態とを分け 521-01-17
るエネルギー準位。このエネルギーでフェルミ分
布関数が 1/2 の値をとる。
2-2-9 縮退(統計学の) degeneration (in
ボーズ統計,フェルミ統計に従う粒子が,古典力
学に従う粒子とは違ったその統計特有の性質を statistics)
表す状態。 低温で粒子密度が大きい場合に,そ
の特徴が大きく現れる。
2-2-10 縮退ガス, degenerate gas
ボーズ統計,フェルミ統計の効果を明確に示す気
縮退気体 体。
備考 ガスには,極低温の水素ガス,金属内
や高濃度ドープ半導体の電子が相当す
る。
2-2-11 ボーズ[・アイン Bose(-Einstein)
ボーズ[・アインシュタイン]統計に従う粒子の
シュタイン]分 distribution
分布。あるエネルギー量子状態を電子が占める確
布 率は,次の式で表す。
1
f (E)
E
Aexp 1
kT
ここに,T : 絶対温度
k : ボルツマン定数
E : 量子状態のエネルギー
A : 係数である。
2-2-12 フェルミ粒子, フェルミ統計に従う粒子。スピンが半奇数の粒Fermi particle,
フェルミオン 子,例えば,電子,陽子,中性子など。 fermion
2-2-13 ボーズ粒子, Bose particle,
ボーズ統計に従う粒子。 スピンが偶数の粒子で,
ボゾン 例えば,光子, 2H,4He など。 boson
――――― [JIS C 5600 pdf 13] ―――――
13
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参考
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2-2-14 ボーア原子 ボーアとゾンマーフェルドの概念に基づく原子Bohr atom 521-01-06
の模型であって,原子に束縛された電子はとびと
びの円又はだ円の軌道に沿って原子核の周りを
運動する。 原子の各自由度に対応する一連のエ
ネルギー状態が存在し,これらが原子によって放
出されるスペクトルの系列を決定する。
2-2-15 ブラソフ式 プラズマに関するボルツマン輸送方程式の修正Vlasov equation
式。粒子は相互に誘導する空間電荷電界を通して
だけ相互作用し,衝突は無視すると仮定したも
の。
2-2-16 量子化 古典的な物理量を量子論的な物理量に置き換えquantization
ること。
2-2-17 エネルギー準位 原子,分子などの量子力学系の定常状態でとるenergy level 111-14-21
種々のエネルギーの値。 (521-01-12),
845-04-16
2-2-18 量子数 quantum number 521-01-07
原子の自由度を特徴付ける数。 原子の電子に対
しては,主量子数n,方位量子数l,磁気量子数 quantum
m,スピン量子数sなどが,ある。
l number (of an
electron in a
given atom)
2-2-19 主量子数 原子内の電子のエネルギー準位の主要な変化をprincipal 521-01-08
quantum
特徴付ける正の整数。波動関数の節面(波動関数 principal (first)
が0となる面)の数に1を加えた整数に等しく, number quantum
通常,nで表す。 number
備考 ボーア(Bohr)モデルによれば,主量子数
は電子軌道の半径を特徴付けると考え
られる。電子に働く力が原子核からの
クーロン引力だけの場合は,そのエネ
ルギーはnだけで表される。水素原子
以外の原子の電子のエネルギーは,n
だけでなく,方位量子数lにも依存す
る。
2-2-20 方位量子数, 軌道運動している電子の軌道角運動量の大きさazimuthal 521-01-09
軌道量子数 を与える量子数。 通常,lで表す(多粒子系でLquantum orbital (second)
number,
は)。 球対称の場の中では,軌道角運動量 lの2 quantum
2
乗の固有値は, l(l )1 で与えられる。 lは 0orbital quantumnumber
からn−1(nは主量子数)までのすべての整数値number
をとり,nが 同じ場合には,l が大きい方がエ
ネルギーは大きい。 l= 0,1,2,3,4,5,6···
に 応じた固有状態を s,p,d,f,g,h···で表す (多
粒子系では S,P,D,F,G,H···)。
――――― [JIS C 5600 pdf 14] ―――――
14
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参考
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番号及び用語
2-2-21 スピン軌道相互 電子の軌道磁気モーメントとスピン磁気モーメspin-orbit
作用 ント間の相互作用。 軌道角運動量をl ,スピンinteraction
角運動量をs とすると,スピン軌道相互作用エネ
ルギーは ls 例定数 スピ
ン軌道相互作用定数と呼ばれる。
2-2-22 パウリの原理 量子化した系における各電子状態には,0個,1 521-01-14
Pauli principle,
個又は2個の電子しか入ることができないというPauli-Fermi
原理。2個の電子の場合には,反対方向のスピンexclusion
principle
をもつ。パウリの排他原理,パウリの排他律又は
単に排他原理若しくは排他律ともいう。
2-2-23 ボーズ[・アイン 整数のスピンをもつ粒子 (光子,2H,4He)は,
Bose(-Einstein)
シュタイン]統 statistics
各々の一粒子状態を占有する粒子数は 0 から ∞
計 までの任意の数が可能で,このような粒子が従う
統計。
2-2-24 磁気量子数 軌道角運動量l のz(任意)方向成分z
lの大きさ magnetic
を与える量子数。通常,mで表す(多粒子系では
l quantum
M)。
L 球対称場では,zlの 固有値はml とな number
る。 mlの値は,l (
, l
)1 ,・・・,0,・・・,
(l )1 ,l の 2l
1 個ある。 各状態は,通常,縮
退しているが,磁界をかけると mに比例したエネ
l
ルギーの変化を受けて縮退がとれる。
2-2-25 スピン[量子数] spin (quantum
電子を,自転軸の周りを回転している小さな荷電 521-01-10
number)
球と考えたときの,角運動量を与える量子数。 通 spin (quantum
常,sで表す(多粒子系ではS)。 スピン角運動 number)
2 2
量sの2乗 sの固有値は, s(s )1 で与えられ
る。 sの z(任意)方向成分szの固有値は,ms
と表される。mをスピン磁気量子数といい,電
s
m=±1/2 である。
子に対しては,s=1/2,s
2-2-26 全角運動量量子 total angular
軌道角運動量lとスピン角運動量sの和である全 521-01-11
数, 角運動量 j l momentum
s の大きさを与える量子数。 通
内量子数 常,jで表す(多粒子系ではJ)。全角運動量 jquantum
2
の2乗の固有値は j( j)1 で与えられる。j number,
l
は,| s| から ls る。jの z(任
inner quantum
意)方向成分 zjの大きさを与える量子数を内磁気
number
量子数といい,通常, mで表す(多粒子系では
j
M)。スピン軌道相互作用を考慮した系では,
J
m,
l mの代わりに,j,
s mが
j よい量子数とな
る。
参考 内部量子数ともいうことがある。
――――― [JIS C 5600 pdf 15] ―――――
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JIS C 5600:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60050(MOD)
JIS C 5600:2006の国際規格 ICS 分類一覧
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