20
C 5600 : 2006
参考
番号 用語 定義 関連IEC 60050
対応英語
番号及び用語
2-4-10 結晶運動量 結晶内電子の状態を指定する波数ベクトルをk crystal
とし, p k で定義される運動量p(ここに momentum
h/ 2 ,h : プランク定数)。結晶運動量を用
いることによって,外力が与えられた場合の運動
を自由粒子に対するニュートンの運動方程式と
同じ形式で記述できる。
2-4-11 ブリルアン帯域 結晶のユニットセルの大きさa に対応する周期Brillouin zone
性 2( / a)の基本領域 ( /a , / a) 。結晶中
を伝搬する電子波,格子波などの状態を波動ベク
トルで表すと同様の周期性の基本領域をもつ。
2-4-12 直接遷移形バン direct transition
伝導帯の最下端と価電子帯の最上端とが,ともに
ド構造 ブリルアン帯域の中心 [Γ(ガンマ)点と呼ばband structure
れ,波数ベクトルがゼロの点]にあるエネルギー
バンド構造。
参考 電子及び正孔の発光再結合の際,フォ
ノンの放出又は吸収を伴わずに光子だ
けを放出し,そのために発光遷移確率
が大きい。
2-4-13 間接遷移形バン indirect
価電子帯の最上端が,Γ(ガンマ)点にあるのに
ド構造 transition band
対して,伝導帯の最下端がΓ(ガンマ)点以外に
あるエネルギーバンド構造。 structure
参考 電子及び正孔の発光再結合の際,光子
の放出以外にフォノンの放出又は吸収
を必要とするので,発光遷移確率が小
さい。
2-4-14 状態密度 density of state,
量子化された状態の数を,単位体積当たり,単位
state density
エネルギー(又は波数空間での単位体積)当たり
の値で表したもの。エネルギー又は波数(運動量)
の関数として状態密度を表したものを,状態密度
関数と呼ぶ。
2-4-15 実効状態密度, effective density
伝導帯中の電子密度n,又は価電子帯中の正孔密
度pを,ボルツマン近似の下で表したときの係数of state
有効状態密度 N(電子),
c N(正孔)。
v
n Nc exp (EFEc ) / kT ,
p Nvexp (Ev EF ) / kT
ここに, E:F フェルミ準位
E:c 伝導帯の下端のエネルギー
E:v 価電子帯の上端のエネルギ
ー
k : ボルツマン定数
T: 絶対温度
2-4-16 局在準位 localized level
伝導電子のように,結晶全体に平面波状態で拡が
っているブロッホ状態に対し,不純物若しくは欠
陥に捕獲されている電子又は表面準位のように,
限られた空間にだけ存在する電子状態。
――――― [JIS C 5600 pdf 21] ―――――
21
C 5600 : 2006
参考
番号 用語 定義 関連IEC 60050
対応英語
番号及び用語
2-4-17 表面準位 半導体などにおいて波動関数が表面近傍に局在surface level 521-02-42
する電子状態。表面では結晶の周期性が失われる
ため,禁制帯中に新たな電子状態が現れる。また,
表面への不純物原子の吸着や,原子配列の乱れな
どによっても準位が発生する。
2-4-18 真空準位 真空中に孤立静止した荷電粒子のエネルギー準vacuum level
位。
参考 固体中の電子は,真空準位以上のエネ
ルギーをもつと固体から外部真空空間
に飛び出すことができる。
2-4-19 仕事関数 work function
固体表面から1個の電子を取り出すのに必要な最 111-14-52
小のエネルギー。固体中のフェルミ準位と真空準
位とのエネルギー差で与えられる。
2-4-20 電子親和力 electron affinity
陰イオンから電子を引き離すのに必要な仕事。電
子親和力は,金属では仕事関数に一致する。半導
体では真空準位と伝導帯下端とのエネルギー差。
参考 一般の半導体では,真空準位のほうが
エネルギーが高く,電子親和力の値は
正であるが,ダイヤモンドのように負
の電子親和力をもつ物質もある。
2-4-21 表面ポテンシャ 半導体内部に対する半導体表面でのエネルギーsurface potential
ル (半導体に 帯の曲がりを定量的に示すために電圧の単位で (in a
おける) semiconductor)
表した量。半導体内部の真性準位を基準として測
った半導体表面における真性準位で定義する。
5) 粒子系,光,電磁波及び音波
参考
番号 用語 定義 関連IEC 60050
対応英語
番号及び用語
2-5-1 光束 標準的な視感度をもった観察者によって評価さluminous flux 723-08-27
れた放射束。単位は,ルーメン(lm)である。
2-5-2 照度 illuminance,
光が照射される面における光束密度。 光束をF, 845-01-25
面積をSとしたとき d F/d S 。単位はルクス (lx)
luminous flux
である。 density
2-5-3 光度 光源からある特定の方向に放射される光束Fを,
luminous 723-08-28
その方向の単位立体角 )
(dF/dωで表 intensity 光束密度,
したもの。単位は,カンデラ (cd) である。 1/683 845-01-31
(W/sr) を1 (cd) とする。
――――― [JIS C 5600 pdf 22] ―――――
22
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参考
番号 用語 定義 関連IEC 60050
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番号及び用語
2-5-4 色度 色刺激又は心理物理的に表示される色の感覚のchromaticity 723-08-33,
うち,明るさに対応する次元を除いた測色的性 845-03-34
質。 色の色相(hue:赤 黄,緑,青,紫などの色
感覚の属性とそれを尺度化したもの)と彩度(色
の純度及び飽和度)からなる。 三つの色度座標
分の一つをもう一つの座標分に対してプロット
して得られる平面図表を色度図と呼ぶ。
2-5-5 明度 lightness
物体表面の相対的明るさに関する色感覚の属性, 845-02-31
及びそれを同一条件で照明した白色面を基準と
して尺度化したもの。
2-5-6 偏波, polarization,
電磁波の電界ベクトル,又は一般的に横波の変位 705-01-13
偏光 polarization (of
polarized light
ベクトルが,空間の特定の点において伝搬方向と
直角の平面内において時間的に規則的に変化す an
ること,又はその軌跡。電磁波が光の周波数にあ electromagneti
るときには,偏光ともいう。 c wave)
(電磁波の) 偏
波,
726-04-01
polarization (of
a wave or field
vector),
845-01-10
polarized
radiation
2-5-7 偏光度 degree of
物質によって散乱される光,又はルミネッセンス
polarization
は,一般に入射光と異なる偏光状態になり,入射
光と同じ偏光状態の成分の強度をI,これと直交
する偏光状態の成分の強度を Iとして,
P (I I ) /(I I ) ,によって偏光状態の
変化を表した量。
2-5-8 消光(複屈折にお 結晶板の複屈折による干渉を偏光子と検光子でextinction (in
ける) birefringence )
検出する際,結晶板のある回転角に対して透過光
がゼロになる現象。
2-5-9 消光 (ルミネセ quenching (in
励起電子が非発光的に基底状態に戻り,発光が抑
ンスにおける) 制されること。 luminescence)
2-5-10 屈折率 自由空間における波の位相速度と与えられた媒index of 731-03-11,
refraction ,
質中における位相速度との比。吸収を伴う媒質に 705-03-21
対しては複素数で与えれれる複素屈折率が用い refractive (702-02-19
られる。 index , MOD)
refractivity refractive
index,
845-04-101
――――― [JIS C 5600 pdf 23] ―――――
23
C 5600 : 2006
参考
番号 用語 定義 関連IEC 60050
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番号及び用語
2-5-11 反射率, 異なる媒質間の境界で反射する波のエネルギーreflectivity,705-04-16
反射係数 reflection
(又は粒子束)と入射する波のエネルギー(又は (amplitude)
粒子束)との比。 反射係数という場合には,反coefficient reflection
射する波の振幅と入射する波の振幅との比で,こ factor,
の場合は,位相関係も含む。 731-03-25
(705-04-17
MOD)
power reflection
coefficient;
reflectance,
反射率,
845-04-86
reflectivity
2-5-12 透過率, 731-03-31,
transmittance,
ある厚さの媒質,又は異なる媒質間の境界に波動
透過係数 transmission
若しくは粒子が入射したとき,その入射エネルギ 845-04-59
coefficient
ー(又は粒子束)に対する透過エネルギー(又は
粒子束)の割合。透過係数という場合には,透過
した波の振幅と入射する波の振幅との比で,この
場合は,位相関係も含む。
2-5-13 吸収係数 absorption
波動や粒子の吸収に関する減衰定数をいい,波動 393-04-51,
又は粒子束が媒質中の dx の厚さの層を進むと coefficient 881-04-26
き,αd x の割合でエネルギー又は粒子数が吸収に
よって減衰するときのαをいう。αが場所 xによ
らない一定値のときは,x に対して波動のエネル
ギー,粒子数はexp(−αx) に従がって減衰する。
x
又は 10 で表す場合もある。 光の吸収におい
ては入射光の強度 0Iと透過光の強度Iとの比の
対数が媒質の厚さdに比例するというランベル
トの法則から, I
ln(0/ I) d 又は
log (0
I / I) d から求められる。
2-5-14 散乱(波の) 393-03-07,
scattering (of a
媒質の不均一性や異方性,他の媒質の影響などに
wave)
よって,電磁波,音波などの波動の伝搬方向,周 705-04-46,
波数,偏波面などが不規則に変化する現象。 731-03-35,
801-23-26,
881-03-14
2-5-15 レイリー散乱 大きさが波長の約10分の1以下の粒子によって Rayleigh 731-03-37
起こる,波長変化を伴わない光の散乱。 散乱光scattering
強度は,波長の4乗に逆比例する。
2-5-16 ミー散乱 Mie scattering
粒子の大きさが,波長に比べて無視できない場合
の,光の散乱。
2-5-17 回折 入射波動が障害物によってその振幅又は位相がdiffraction 705-04-44,
変化し,幾何光学では予測できない方向に進行方 731-03-34,
向が変化すること。 801-23-25,
845-01-13
――――― [JIS C 5600 pdf 24] ―――――
24
C 5600 : 2006
参考
番号 用語 定義 関連IEC 60050
対応英語
番号及び用語
2-5-18 フラウンホーフ 回折物体から実効的に無限遠方にある観測されFraunhofer (731-03-94
ァー[の]回折 る平行光線の回折。 diffraction far-field
diffraction
pattern;
Fraunhofer
diffraction
pattern,
ファーフィー
ルド回折パ
ターン)
2-5-19 フレネル[の]回 Fresnel
光源,観測点の少なくとも一方が回折を起こす物 (731-03-91
折 diffraction
体(例ば,開口)に対し有限の距離にあって,入 near-field
射又は回折波を平面波とみなせない場合の,光の diffraction
回折をいう。フラウンフォーファの回折の対語。 pattern;
Fresnel
diffraction
pattern,
ニアフィール
ド回折パター
ン)
2-5-20 分光[法] spectrum
波動や粒子の性質を,波長,エネルギー,運動量,
analysis,
周波数,温度,電圧などをパラメータとして分析
spectroscopy
すること,又はその手法。物質が放出又は吸収す
る光のスペクトルから物質のエネルギー準位,遷
移確率などを研究する学問分野を,分光学
(spectroscopy)という。
――――― [JIS C 5600 pdf 25] ―――――
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JIS C 5600:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60050(MOD)
JIS C 5600:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.020 : 電気通信工学一般
- 01 : 総論.用語.標準化.ドキュメンテーション > 01.040 : 用語集 > 01.040.33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学(用語集)