JIS C 5750-1:2010 ディペンダビリティ マネジメント―第1部:ディペンダビリティ マネジメントシステム | ページ 2

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C 5750-1 : 2010 (IEC 60300-1 : 2003)
− 顧客支給の無形の製品(例えば,納税申告に必要な収支情報)に対して行う活動
− 無形の製品の提供(例えば,知識伝達という意味での情報提供)
− 顧客のための雰囲気造り(例えば,ホテル及びレストラン内)
ソフトウェアは,情報で構成され,一般に無形であり,アプローチ,処理又は手順の形を
取り得る。ハードウェアは,一般に有形で,その量は数えることができる特性をもつ。素材
製品は,一般に有形で,その量は連続的な特性である。ハードウェア及び素材製品は,品物
と呼ぶことが多い。
(JIS Q 9000の3.4.2参照)
注記3 ディペンダビリティの概念において,製品には小規模なもの(例えば,デバイス,ソフトウ
ェアアルゴリズム)又は大規模なもの(例えば,輸送システム又はハードウェア,ソフトウ
ェア,人的要素,支援設備及び活動からなる統合ネットワーク)がある。
3.6
システム(system)
相互に関連する又は作用する要素の集まり(JIS Q 9000の3.2.1参照)。
注記1 ディペンダビリティの概念において,システムには次の事項を含む。
− 意図する機能によって表現される明確な目的
− 運用(JIS Z 8115のG9参照)に関する規定した条件
− 明確にした境界
注記2 システムの構造は,階層化してもよい。

4 ディペンダビリティ マネジメントシステム

4.1 適用

  組織は,ディペンダビリティ マネジメントシステムを確立し,かつ,維持したい場合に,この規格を適
用できる。この規格は,製品の効率的なディペンダビリティ マネジメントに対する一般的な指針を提供す
るものであるが,ここで対象とする製品は,ハードウェア,ソフトウェア並びに人の介在及び支援活動の
組合せで構成するものであってよい。この目的は,ディペンダビリティ マネジメントプロセスを本質的な
ところから取り組むことによって,対象とする製品のディペンダビリティを確実に達成することである。
これらのプロセスは,一般的なものであり,すべての組織,ライフサイクルの各段階及び契約状況に応じ
て,その種類,規模及び提供する製品にかかわらず適用可能である。
状況によっては,プロジェクト又は契約の中に,この規格のすべての条項を含めることは,不適切なも
のになり得る。したがって,契約の当事者が,明示的にこの規格(全体又はその一部)を前提として引用
し,更に,契約の文中にこの規格の一部を含めるように要求する場合に限って,(当該契約は書面として既
に完成しているかもしれないが)この規格は,当該契約の一部を形成するものとみなすことが望ましい。
この規格は,ディペンダビリティ マネジメントシステムの基本について規定し,次の事項を目指してい
る組織に対し,一般的な原則を与える。
a) 製品のディペンダビリティ目標を達成するためのディペンダビリティ マネジメントシステムを確立
する。
b) ディペンダビリティに対する顧客の要求及び期待並びにそれらが満足する方法を決定する。
c) ディペンダビリティ計画書の策定を支援する。
d) ディペンダビリティ マネジメントシステムの有効性を評価し改善する。

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e) ディペンダビリティ活動におけるコミュニケーションの推進を図る。

4.2 一般的な推奨事項

  組織は,ディペンダビリティ活動を指揮及び運営管理(control)するディペンダビリティ マネジメント
システムを確立し,それを維持することが望ましい。組織のディペンダビリティ マネジメントシステムは,
組織のマネジメントシステム全体の不可欠な部分としておくことが望ましい。ディペンダビリティ マネジ
メントの一般的なプロセスを,附属書Bに示す。
組織は,次の事項を実施することが望ましい。
a) 組織のビジネスニーズに対応したディペンダビリティ活動を特定する。
b) ディペンダビリティ目標を設定し,個別のプロジェクトに適した形で,製品の各ライフサイクル段階
を計画する。
c) プロジェクトに適用するすべての段階及び各時点で,適切なディペンダビリティ活動を確実に実施す
る。
d) 製品のディペンダビリティの査定,評価及び受入れのために基準及び方法を決定する。
e) プロジェクトによる適切なディペンダビリティ活動の実施によって,製品実現を支援するために必要
な利用可能な資源及び情報を提供する。
f) ディペンダビリティ活動を監視し,継続的な改善のために,その結果を測定し分析する。
g) 費用対効果に優れた業務を維持するために,各プロセス(設計,製品実現,サービス提供など)間の
連携を促進する。
h) 総合的なプロジェクト目標及び顧客満足達成のために,供給者・組織・顧客の三者の良好な関係を促
進する。

4.3 文書化に関する推奨事項

  ディペンダビリティ マネジメントシステムの文書化は,次の項目を含むように作成することが望ましい。
a) 文書化したディペンダビリティ方針及び目標の表明
b) ディペンダビリティ計画書
c) 組織のプロジェクト又はビジネスに関連するディペンダビリティ手法
d) ディペンダビリティ記録

5 マネジメントの責任

5.1 ディペンダビリティにおけるマネジメントの役割及びコミットメント

  ディペンダビリティにおけるマネジメントの役割は,明確になっていることが望ましい。ディペンダビ
リティ マネジメントシステムは,マネジメントシステム全体の不可欠な部分となっていることが望ましい。
個別のマネジメントの任務及びディペンダビリティ目標は,組織又はプロジェクトに必要な品質及びその
他の技術的な規範に関して明確にすることが望ましい。これは,ビジネスニーズ及び顧客の目標を達成し,
組織の継続的な改善を行うことである。
ディペンダビリティにおけるマネジメントの役割は,次の項目を含むことが望ましい。
− ディペンダビリティに対する戦略の立案
− ディペンダビリティ活動に対する責任及び権限の定義を含む適切な組織構成の定義
− ディペンダビリティ資源の割付け
− ディペンダビリティ目標及びディペンダビリティ活動から発生する利点の周知
− ディペンダビリティ マネジメント及び活動に対する,責任及び権限の識別

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− ディペンダビリティ方針,ディペンダビリティ プログラム及び関連プロセスの策定
− ディペンダビリティ活動の実行及び管理
− ディペンダビリティ性能の評価
− 製品ディペンダビリティの継続的な改善
− 上記の体系的なレビュー
トップマネジメントは,ディペンダビリティ マネジメントシステムの有効性及び継続的な改善を確実に
するために,そのコミットメント及び参画を明示することが望ましい。

5.2 ディペンダビリティにおける顧客重視

  トップマネジメントは,ディペンダビリティに対する顧客ニーズ及び期待を決定し,かつ,理解し,顧
客満足を高める目的に合致していることを確実にすることが望ましい。組織が供給者及び顧客との対話を
継続し,ディペンダビリティの問題点を速やかに解決し,製品のディペンダビリティを継続的に改善する
ことを確実にすることが望ましい。

5.3 ディペンダビリティ方針

  トップマネジメントは,製品ディペンダビリティの目標及び顧客にとっての価値の達成を目的とした方
針を構築することが望ましい。ディペンダビリティ方針は,経営方針の一部を形成したり,品質方針に組
み入れてもよい。

5.4 ディペンダビリティ計画

  トップマネジメントは,ディペンダビリティ計画をビジネス戦略に整合し,総合経営計画の一部に組み
込むことを確実にすることが望ましい。ディペンダビリティは,顧客に付加価値の提供を実現するための
技術及び重要なビジネス的意思決定要素として考えることが望ましい。ディペンダビリティ計画書は,製
品のディペンダビリティ性能を決定するために顧客からのフィードバックの仕組みを包含することが望ま
しい。ディペンダビリティ計画は,適切な場合に次の事項を検討することが望ましい。
− ディペンダビリティ主導の市場ニーズ及びタイミング
− 市場優位性又は影響力などを提供する,製品の付加価値属性としてのディペンダビリティ
− ディペンダビリティ マネジメントプロセスと他のマネジメントプロセスとの相互作用
− 費用対効果を最適化するためのディペンダビリティ設計のトレードオフ
− 費用対効果の高いディペンダビリティ性能に影響する規制及び契約の規定
− 組織のディペンダビリティ能力の開発及び維持
− 知識ベース及び知的所有権の維持
− ディペンダビリティ情報の普及及びフィードバックの仕組み
− ディペンダビリティ計画書及び戦略の実施
− 社会的利益及び環境影響

5.5 責任,権限及びコミュニケーション

  トップマネジメントは,ディベンダビリティの責任及び権限を定め,周知し,かつ,十分な資源を提供
することを確実にすることが望ましい。プロジェクトに関する個別のディペンダビリティ機能及び割当て
を明確にすることが望ましく,それらの品質及びその他の技術的な規範との相互関係を,組織内に周知す
ることが望ましい。
必要な場合,ディペンダビリティに対する顧客のニーズ及び期待に適切に対処することを確実にするた
め,ディペンダビリティ懸案事項に関する管理責任者の役割を明確に示すことが望ましい。また,ディペ
ンダビリティ懸案事項に関する内部及び外部コミュニケーションは,ディペンダビリティ計画プロセスの

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一部として明確化することが望ましい。

5.6 マネジメントレビュー

  ディペンダビリティ マネジメントシステムが,引き続き適切,妥当,かつ,有効であることを確実にす
るために,定期的にレビューすることが望ましい。マネジメントレビューは,他の継続的な改善活動と組
み合わせてもよい。トップマネジメントは,マネジメントシステムが,組織のディペンダビリティ方針及
び目標に適合しているかどうかを判断するために,マネジメントレビューを実施することが望ましい。マ
ネジメントレビュー会議における意思決定のために,適切なディペンダビリティ情報を,使用可能にして
おくことが望ましい。ディペンダビリティ マネジメントシステムのディペンダビリティ改善及び変更提案
についての推奨事項を,レビュー時に提示することが望ましい。マネジメントレビュー会議による決定事
項及び処置については,参照及びフォローアップのために記録することが望ましい。

6 資源の運用管理

6.1 資源の提供

  組織は,次の事項に必要な資源を明確にし,提供することが望ましい。
a) ディペンダビリティ マネジメントシステムを実施し,維持する。また,その有効性を継続的に改善す
る。
b) ディペンダビリティに関する顧客のニーズ及び期待を満たすことによって,顧客満足を達成及び向上
する。

6.2 人的資源

  ディペンダビリティ プロジェクト又は個別のディペンダビリティ活動に従事する要員は,適切な教育,
訓練,技能及び経験を判断の根拠とした力量があることが望ましい。
ディペンダビリティに責任のある要員に対しては,訓練及び教育によって,知識及び力量を継続的に改
善することを奨励し,そのための機会を提供することが望ましい。要員のディペンダビリティ知識及び力
量を,ビジネス及び市場変化に適応できるように,常時,最新なものに維持することが望ましい。人的資
源のレビュープロセスは,適切な力量向上,個人能力開発及び更なる責任を負うための担当者を用意する
必要性を判断するものであることが望ましい。

6.3 インフラストラクチャー

  組織は,ディペンダビリティ方針を反映した長期的なディペンダビリティ目標及び短期的なプロジェク
ト目標を達成する上で必要とするインフラストラクチャーを明確にし,提供し,かつ,維持することが望
ましい。
インフラストラクチャーには,次のようなものがある。
a) ディペンダビリティ活動を支援するための作業場所,施設及びユーティリティ(例えば,電気,ガス,
水)
b) ディペンダビリティ データの収集,普及,保管及び使用を容易にする情報システム
c) 情報及び知的所有権を保護するセキュリティシステム
d) 周辺の支援業務を外注するためのプロセス
注記 インフラストラクチャーとは,“組織の運営のために必要な施設,設備及びサービスに関するシ
ステム”を指す(JIS Q 9000の3.3.3参照)。

6.4 作業環境

  組織は,組織のビジネスニーズに従って,継続的な学習,リーダーシップ訓練及びチームの育成並びに

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継続的なプロセス改善を奨励する作業環境を確立し,維持することが望ましい。主要なビジネス要素とし
て,ディペンダビリティを作業環境の中で考慮に入れることが望ましい。

7 製品実現

7.1 製品実現の計画

  組織は,製品目標又は仕様と整合が取れたディペンダビリティに影響するプロセスを計画して,構築す
ることが望ましい。適切なディペンダビリティ活動は,製品の各ライフサイクル段階で実施することが望
ましい。これらの活動は,結束したプロジェクトへの取組みのために,他の要素,すなわち製品開発及び
生産プロセス並びに組織の運営活動と一体化した活動であることが望ましい。ディペンダビリティ計画書
の範囲及び内容は,プロジェクトの特定の要求に応じて決めることが望ましい。この内容には,実際の製
品に適用するディペンダビリティの個別の制約及び重大性を含んでいる。
注記 ディペンダビリティ計画書を作成する指針は,JIS C 5750-2で規定する。
製品実現の計画において,適切な場合には,組織は次の事項を決定することが望ましい。
a) 製品のディペンダビリティ目標
b) ディペンダビリティ目標を満たすために適用する方法及びプロセス
c) 技術的な制限及び適用上の制約の下で,ディペンダビリティに影響を与える個別のプロセスを確立す
る要求
d) 検証及び妥当性確認方法並びに製品のディペンダビリティ評価及び受入れに関連する基準
e) ディペンダビリティについての文書及び記録の要求

7.2 顧客関連のプロセス

  組織は,次の事項を明確にすることが望ましい。
a) 市場又はビジネス戦略に関する顧客の意見を反映したディペンダビリティのニーズ及び目標
b) 製品の使用及び適用に関する法令及び規制要求事項
c) 製品のディペンダビリティ性能に影響する,予想した最終利用者の使用条件及び適用環境
組織は,ディペンダビリティ目標を規定し,その目標を満足する組織の能力を評価することを確実にす
ることが望ましい。ディペンダビリティのレビュープロセスを導入することが望ましく,レビューは,個
別の製品ライフサイクルにおいて製品の評価及び受入れを容易にすることが望ましい。
ディペンダビリティ記録は,製品の妥当性確認及び受入れのために維持することが望ましい。製品ディ
ペンダビリティに関連する情報は,適切な時期に顧客に連絡することが望ましい。顧客からのディペンダ
ビリティについての懸案事項のフィードバックは,問題解決及び継続的改善のためにレビューすることが
望ましい。計画した製品の廃止があった場合には,顧客に対して,それを助言することが望ましい。

7.3 設計・開発

  組織は,製品のディペンダビリティに影響を与える設計・開発の活動を計画し管理することが望ましい。
設計へのインプット及びアウトプットは,レビューし,評価し,かつ,記録を維持することが望ましい。
設計変更及び部分変更は,管理することが望ましい。製造,サービス運用,保全支援,及び製品廃却又は
予想できるリユースに影響のあるディペンダビリティについての懸案事項は,できるだけ早く明確化及び
文書化し,解決することが望ましい。与えられたライフサイクル コストの制約の中でディペンダビリティ
性能を確実に最適化するために,適用可能で適切と判断する場合には,プロジェクトのリスクアセスメン
ト及びライフサイクル コストの分析を開始することが望ましい。

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JIS C 5750-1:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 60300-1:2003(IDT)

JIS C 5750-1:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 5750-1:2010の関連規格と引用規格一覧