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C 60068-2-80 : 2009
正弦波120 Hz,50 m/s2と異なったASD値をもつ帯域幅20 Hz200 Hzのランダム波を
重畳させた場合(rms値は,m/s2で表示)
図4−正弦波信号,サイン・オン・ランダム信号及びランダム信号の分布(確率密度)
5.1.4 振動数分解能
真の加速度スペクトル密度と表示加速度スペクトル密度との差を最小にするために,必要な振動数分解
能は,式 (2) によって求める。
e fhigh
B (2)
n
ここに, Be : 振動数分解能 (Hz)
fhigh : デジタル振動コントローラの振動数範囲 (Hz)
n : 振動数帯域幅を超えてfhighまで均等に分散し
ているスペクトルラインの本数
fhighは,振動数2.0 f2を超えるのがよい。すなわち,fhigh≧2.0 f2であることが望ましい(図1参照)。
振動数分解能は,製品規格による。
5.1.4.1 ランダム・オン・ランダム
振動数分解能Beは,次のようにして選択する。
− 振動数ラインが図1の振動数f1と一致し,また,最初の振動数ラインがf1の0.5倍以下とする。
− 2本の振動数ラインが最初の掃引狭帯域の初期傾斜を定義する。
これによって,二つの異なる値が得られた場合は,小さい方のBeを選択する。
注記 Beを小さくして,制御ループタイムを遅くすることと,ランダム・オン・ランダムスペクトル
をより正しく定義することとの間で妥協点を見つける。同様に,掃引速度を上げる場合,掃引
帯域幅全体に対して制御を維持するために,振動数分解能を大きくすることが必要になること
がある。
――――― [JIS C 60068-2-80 pdf 16] ―――――
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5.1.4.2 サイン・オン・ランダム
振動数分解能Beは,次のように選択する。
振動数ラインが図1の振動数f1と一致し,かつ,最初の振動数ラインがf1の0.5倍以下とする。
正弦波は,連続的に掃引することが望ましい。正弦波の掃引が1本の振動数ラインから次の振動数ライ
ンへと移動する方式の制御システムでは,Beは,fhighの0.1 %未満であることが望ましい。
5.2 振動の許容差-正弦波
5.2.1 基準点
ランダム振動と掃引正弦波とを混合した試験の場合,通常,正弦波振幅を推定するためにデジタルトラ
ッキングフィルタを使用する。トラッキングフィルタは,信号のランダム波成分の低減も行う。ただし,
正弦波振幅の推定値は,正弦波振動数を中心とする信号のランダム波成分からの寄与分も含む。同様に,
正弦波rms値の二乗に対するランダム信号ASD値の比率(以下,“パワー比”という。)が大きくなると,
それだけ大きな偶然誤差が発生するようになる。トラッキングフィルタの帯域幅を小さくすると,偶然誤
差は小さくなる。ただし,このトラッキングフィルタがより狭い帯域幅では,平均化回数を増やす必要が
ある。
供試品が鋭く大きな共振をもつ場合,平均化回数を多く設定すると,偏り誤差が大きくなる。この偏り
誤差は,平均化によって求められた正弦波振幅と真の応答との差である。
サイン・オン・ランダム振動試験における正弦波成分に対する振動許容範囲は,偶然誤差,偏り誤差,
制御誤差及び計器誤差を複合した誤差より大きくなければならない。
図5に,次の仮定に基づいてパワー比の関数としての推奨掃引速度を示す。
− フーリエ積分によるデジタルトラッキングフィルタを使用する。
− 正弦波振幅を推定するために,指数平均を使用する。
− 供試品の減衰比が0.01である。
− Esorは,偶然誤差と偏り誤差との複合誤差であり,制御誤差,計器誤差などの他の誤差は含まれない。
− 複合誤差の指示値を,標準偏差とする。
合計誤差は,式 (3) によって求める。
2 2 2
Et k Esor Ei Ec (3)
ここに, Et : 合計誤差
k : 拡張係数(信頼水準95 %の場合は2)
Esor : 偶然誤差と偏り誤差
Ei : 標準偏差としての計器誤差
Ec : 標準偏差としての制御誤差
5.2.2 振動数の許容差
振動数許容差は,次による。
a) 掃引振動数の場合
5 Hz50 Hzは,±1 Hz
50 Hzを超える場合は,±2 %
b) 固定振動数の場合
±2 %
5.3 制御方法
――――― [JIS C 60068-2-80 pdf 17] ―――――
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5.3.1 1点制御及び多点制御
製品規格には,1点制御又は多点制御のどちらを使用するかを規定する。さらに,多点制御を使用する
場合,製品規格には,監視点の信号の平均値,又はある選択した点(例えば,最大振幅をもつ点)での信
号値のどちらで制御するかを規定する。1点制御を実施できない場合は,監視点における信号の平均値又
は極値を用いた多点制御を使用する。これら多点制御のいずれの場合にも,これらの点は架空の基準点で
ある。使用した方法は,試験報告書に記載する。
多点制御では,次の方法を利用することができる。
5.3.1.1 平均値制御
この方法では,制御信号を各監視点からの信号によって計算する。監視点からの信号値を,振動数ごと
に算術平均をとり,制御信号とする。この算術平均をとった制御信号が規定信号値となるように制御する。
5.3.1.2 重み付き平均値制御
各振動数の制御信号は,複数の監視点からの信号値に重みを付け,算術平均によって求める[式 (4) 参
照]。
w1 a1 w2 a2 wn an
ac (4)
w1 w2 wn
ここに, ac : 各振動数の制御信号
an : 監視点ごとからの信号値
wn : 監視点ごとの重み付け
n : 監視点の数
重み付き平均値制御では,各振動数の制御信号に対する,監視点ごとの影響度合いを変えることができ
る。
5.3.1.3 極値制御
極値制御では,制御信号を,各監視点で測定した各振動数ラインの信号値の最大値又は最小値から求め
る。各振動数の制御信号は,各監視点からの信号値を包絡する関数,又は信号値の下限値の関数として求
める。
5.3.2 複数基準制御
製品規格で規定する場合は,異なる監視点又は測定点ごとに,複数の基準スペクトルを規定できる。さ
らに,力による制限を加えた振動試験のような,異なる制御量について,複数基準スペクトルを定義して
もよい。
複数基準制御を指定する場合,次のどちらかによって制御方法を規定する。
− 制限 : すべての制御信号を該当する基準スペクトルの下にする。
− 優先 : すべての制御信号を該当する基準スペクトルの上にする。
5.4 振動応答検査
振動応答検査は,正弦波振動については,JIS C 60068-2-6に,ランダム振動については,JIS C 60068-2-64
による。
なお,振動試験方法の選択は,JIS C 60068-3-8を参照するとよい。
6 厳しさ
試験の厳しさは,次のパラメータを組み合わせて決定する。
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− 広帯域ランダム振動の試験振動数範囲
− 広帯域加速度スペクトル密度
− 加速度スペクトル密度曲線の形状
− 試験時間
− 狭帯域ランダム振動
− 正弦波成分
− 掃引速度
各パラメータは,製品規格で規定し,次のいずれかで求める。
a) 6.16.3に示す値から選択する。
b) 6.16.3に示す値が既知の環境と著しく異なる場合は、既知の環境から求める。
注記 ランダム振動及び正弦波振動のレベルを測定データから求める場合,採用したデータ解析技術
が様々な信号の振幅に重大な影響を与えることが考えられるので,注意することが望ましい
(JIS C 60068-3-8参照)。
6.1 広帯域ランダム振動
6.1.1 試験振動数範囲
試験振動数範囲は,可能な限り次の値から選択し,製品規格に規定する。
1,2,5,10,20,50,100,200,500,1 000,2 000及び5 000 (Hz)
下限振動数f1は,最低の場合1 Hzから開始し,上限振動数f2は5 000 Hzを超えてはならない。
6.1.2 広帯域加速度スペクトル密度
図1の,f1とf2との間の加速度スペクトル密度は,(m/s2)2/Hz又はm2/s3で表す次に近い値から選択し,
製品規格に規定する。
0.01,0.02,0.05,0.1,0.2,0.5,1,2,5,10,20,50及び100[(m/s2)2/Hz又はm2/s3]
最低値は0.01で,最高値は100とする。
6.1.3 加速度スペクトル密度曲線の形状
この試験では,平らな水平部分をもつ加速度スペクトル密度を規定する(図1参照)。任意の加速度スペ
クトル密度曲線を規定してもよいが,この場合,製品規格にはこの形状を振動数の関数として規定する。
振動数の関数としてレベル及びそれらに対応する振動数範囲は,すなわち,折れ点(ブレークポイント)
を可能な限り,6.1.1及び6.1.2に示す値から選択する。さらに,製品規格には,レベル間の傾斜も規定す
る。
6.1.4 試験時間
試験時間は,可能な限り次のシリーズの値から選択して,分 (min),時 (h) 又は日 (d) で表し,許容範
囲を+5 %として製品規格に規定する。
···1,2,5,10···(min,h又はd)
6.2 狭帯域ランダム振動
広帯域ランダム振動に重畳させる狭帯域ランダム振動の本数を,製品規格に規定する。
各狭帯域ランダムについて,次の事項を規定する。
a) 狭帯域ランダムの帯域幅は,広帯域ランダムの帯域幅の0.5 %以上10 %以下とすることが望ましい。
下限は,振動数分解能の2倍以上とする。
b) 掃引開始振動数及び終了振動数。
c) 掃引速度(オクターブ/min又はHz/s),又は1掃引サイクルにおける掃引時間。
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d) 掃引サイクル数又は狭帯域ランダムの持続時間。
e) 対数掃引又は直線掃引。
f) 各帯域における掃引の開始方向。
g) 下限振動数f1から上限振動数f2の範囲内における,各狭帯域ランダムの規定スペクトル。
h) 広帯域ランダムに重畳させる狭帯域ランダムの定義方法[加算値法 (SUM) 又は最大値法 (MAX)]。
6.3 正弦波成分
広帯域ランダム振動に重畳させる正弦波成分の本数を,製品規格に規定する。
各正弦波成分について,次の事項を規定する。
a) 各正弦波成分相互の関連付け,及びそれらの位相関係。
注記1 位相関係は,コントローラからの出力に関するものである。加速度信号の位相関係は,振動
発生機及び/又は取付具,並びに供試品の伝達関数によって変化する。
b) 掃引の開始振動数及び終了振動数。
c) 掃引速度(オクターブ/min又はHz/s),又は1掃引サイクルにおける掃引時間。
注記2 掃引速度は,5.2.1及び図5に従って,できるだけ遅くすることを推奨する。掃引速度を速く
すると,その結果,正弦波成分を十分正確に制御できなくなる。
d) 各成分における掃引の開始方向,開始時間及び停止時間。
e) 各成分の振幅と振動数との関係。
f) 正弦波成分の掃引サイクル数又は持続時間。
g) 対数掃引又は直線掃引。
h) 固定正弦波の振動数。
i) 固定正弦波の振幅。
正弦波を掃引しない場合は,b),c),d),f) 及びg) のパラメータを規定する必要はない。製品規格には,
正弦波成分を掃引するか,又は固定するかを規定する。
――――― [JIS C 60068-2-80 pdf 20] ―――――
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