JIS C 60068-2-80:2009 環境試験方法―電気・電子―第2-80部:混合モード振動試験方法(試験記号:Fi) | ページ 6

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したがって,それぞれの個別状況に応じて,これらのパラメータについて適切な妥協点を見つけること
が必要になる。
試験所で適切な機器が利用できる場合,より高度なスペクトル分析をオフラインでできるように,制御
点からの時刻歴波形を記録するとよい。これによって,試験中に達成した試験レベルだけでなく,試験中
の詳細な挙動まで試験報告書に含めることができる。
A.1.4 固定振動数正弦波と広帯域ランダム波との混合モード
正弦波成分を,正弦波とランダム波とが複雑に混合したものから分離することは困難である。この分離
は,ランダムrms値に対する正弦波の振幅の比率が大きければ,比較的容易である。この比率が小さい場
合は,正弦波成分を正確に抽出することが難しくなる。この点は,次の結果が実証している。
この結果は,最新のデジタル制御システムを3タイプ使用して調査した。各制御システムの試験パラメ
ータは,次のとおりである。
a) ランダム波
振動数範囲 : 10 Hz2 000 Hz
ASDレベル : 0.5,1.0,5.0 (m/s2)2/Hz(フラット)
振動数分解能 : 1 Hz(又は最大値が使用できる。)
統計的自由度 : 120(又は最大値が使用できる。)
b) 正弦波
レベル : 50 m/s2
振動数 : 20,160,380 Hz
ASDレベルと各正弦波の振動数を組み合わせ,各60秒以上の記録をとった。
制御システム(閉ループで動作)の出力をデジタルテープレコーダに接続して,サンプリング周波数12.5
kHzで記録した。このデータをコンピュータに転送して,ASDスペクトルを算出した。分析パラメータは,
次のとおりである。
振動数範囲 : 10 Hz2 000 Hz
振動数分解能 : l Hz
統計的自由度 : 120
期間 : 60秒
1台の制御システムについて,正弦波の振動数が異なる場合のASDスペクトルをプロットした例を,図
A.1及び図A.2に示す。
表A.1に,三つのASD値と三つの振動数の正弦波とを組み合わせた測定結果を示す。これらの値から,
rms値の大きさを算出し,また,理論値からの偏差をパーセントで表示した。この偏差は,信号に含まれ
る正弦波成分の品質に関するパラメータとして使える。この場合,rms値だけを比較しているので,正弦
波の“形状”に関しては確定できない。
信号中の正弦波がどの程度の周期性をもっているかの情報を得るために,各信号の5秒間に自己相関関
数を適用した。2種類の異なるランダム波レベルに関してプロットした例を,図A.3に示す。
さらに,正確に正弦波5周期後の振幅の二乗値を自己相関関数から読み取り,表A.2に表示した。また,
理論値からの偏差をパーセントで表示した。
これらの値は,正弦波振動数が固定されており,かつ,高速フーリエ変換 (FFT) ライン上に存在すると
きにだけ該当する。正弦波振動数がFFTライン上にない場合,スペクトルの漏れ損失が生じ,これは正弦
波振動数がFFTラインの中間にあるときに正弦波ピークの17 %にも高くなることがある。ただし,漏れ

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損失は系統誤差であり,また,これを補正する方法は,複雑ではあるが幾つか存在する。
A.1.5 掃引振動数正弦波と広帯域ランダム波との混合モード
この組合せについても,A.1.4で取り上げたものと同じ問題が生じる。さらに,正弦波成分を掃引すると,
ASD算術平均アルゴリズムがランダム信号成分だけに使用することを意図しているために,重大な誤差が
加わるおそれがある。この方法によって掃引正弦波の振幅を推定することは,実質的に不可能である。し
たがって,正弦波成分は独立して分析し,表示することが必要となる。
A.1.6 固定及び掃引振動数正弦波,狭帯域ランダム波と広帯域ランダム波との混合モード
この試験方法は,正弦波成分が相互に交差するだけでなく,掃引している狭帯域ランダム成分とも交差
することから,非常に複雑な状況を表している。
この試験方法は,最終確認としてだけ実施し,しかも,その場合でも多くの経験を積んだ知識のある試
験担当者が実施に当たるようにすることが望ましい。そうしないと,試験の妥当性及びその再現性に疑義
が生じやすくなる。
図A.1−160 Hz正弦波
図A.2−380 Hz正弦波

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図A.3−自己相関−160 Hz正弦波

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表A.1−APD計算による正弦波の決定
信号のタイプ : F A 偏差
制御システム 正弦波50 m/s2peak−ランダム
(m/s2)2/Hzの混合 Hz m/s2 rms %
20 35.6 0.6
0.5 160 35.6 0.7
380 35.6 0.6
20 35.4 0.1
1 1.0 160 35.7 0.9
380 35.4 0.2
20 36.0 1.8
5.0 160 35.8 1.1
380 35.6 0.6
20 34.9 −1.2
0.5 160 35.2 −0.4
380 35.1 −0.7
20 34.9 −1.3
2 1.0 160 35.2 −0.4
380 35.3 −0.3
20 35.5 0.5
5.0 160 35.3 0
380 35.1 −0.7
20 35.1 −0.8
0.5 160 35.3 −0.2
380 35.4 0.1
20 35.0 −1
3 1.0 160 35.4 0.2
380 35.2 −0.5
20 35.2 −0.4
5.0 160 35.1 −0.6
380 35.8 1.4
正弦波50 m/s2peak合成 35.3 −0.2
正弦波50 m/s2peak理論的 35.4 0.0

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表A.2−自動補正計算による正弦波の決定
信号のタイプ : F T 5TにおけるA2 偏差
制御システム 正弦波50 m/s2peak−
ランダム (m/s2)2/Hzの混合 Hz s (m/s2)2 %
20 0.05 1 245 −0.4
0.5 160 0.006 24 1 271 1.7
380 0.002 64 1 265 1.2
20 0.05 1 267 1.4
1 1.0 160 0.006 24 1 288 3.0
380 0.002 64 1 311 4.9
20 0.05 1 337 7.0
5.0 160 0.006 24 1 198 −4.2
380 0.002 64 1 323 5.8
20 0.05 1 200 −4.0
0.5 160 0.006 24 1 232 −1.4
380 0.002 64 1 219 −2.5
20 0.05 1 197 −4.2
2 1.0 160 0.006 24 1 285 2.8
380 0.002 64 1 230 −1.6
20 0.05 1 233 −1.4
5.0 160 0.006 24 1 169 −6.5
380 0.002 64 1 323 5.8
20 0.05 1 214 −2.9
0.5 160 0.006 24 1 230 −1.6
380 0.002 8 1 233 −1.4
20 0.05 1 221 −2.3
3 1.0 160 0.006 24 1 247 −0.2
380 0.002 8 1 207 −3.4
20 0.05 1 201 −3.9
5.0 160 0.006 24 1 363 9.0
380 0.002 8 1 071 −14.3
20 0.05 1 237 −1.0
160 0.006 24 1 248 −0.2
正弦波50 m/s2peak合成
360 0.002 77 1 249 −0.1
380 0.002 62 1 249 −0.1
20 0.05 1 250 0
160 0.006 25 1 250 0
正弦波50 m/s2peak理論的
360 0.002 78 1 250 0
380 0.002 63 1 250 0

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