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C 60695-6-1 : 2006 (IEC 60695-6-1 : 2001)
m : 質量減少速度
煙発生速度( S)は,次の式による。
S fm (11)
5.6 質量光学密度 常用対数単位を使用した場合の比減光面積(σf)に対応する量は,質量光学密度
(Dmass)と呼ばれ,比減光面積との関係は,次の式による。
Dmass f /ln 10f /2.303 (12)
Dmassの単位は面積/質量(例 m2kg-1)となる。
静的システム(6.1参照)においては,次の式による。
Dmass DV/ΔmL (13)
ここに, Dmass : 質量光学密度
D' : 光学密度
V : チャンバ容積
Δm : 試験片の質量減少
L : 煙の中の光の透過長さ
動的システムにおける質量光学密度は,次の式による。
Dmass DV / m (14)
5.7 可視度 可視度(ω)とk(又はD)との比例定数(γ)が分かっている場合,可視度は煙の量(減光面積)及
び煙の収容された容積から直ちに算出できる。
(V / S) (15)
k 2.303 D (16)
可視度の算出方法の詳細は,附属書Aに示す。また,各種試験によって各種の測定単位を用いて得られ
た煙のパラメータの関係は,附属書B及び附属書Cに示す。
6. 静的方法及び動的方法
6.1 静的方法 静的煙試験では,試験片は閉鎖されたチャンバの中で燃焼し,生成した煙は時間に従っ
て増量する。試験によっては,煙が層になることを防ぐとともに煙を均一にするためにかくはんする。
煙の量は,煙を通過する光の減衰を観測することによって測定する。煙の減光面積は,煙生成量につい
ての役立つ指標であり,また,煙の不透過度,チャンバの容積及び煙の中の光の透過長さの関数である。
S V/L) ln(I/T) (17)
この式は,煙が均質である場合にだけ適用する。
JIS C 60695-6-30及びJIS K 7242-2を含め幾つかの試験では,煙量は光学密度から算出し,また試験片
の表面積の値Aに標準化できる。特定光学密度Dsは,次の式による。
Ds (18)
V /(AL) og10 (I / T)
――――― [JIS C 60695-6-1 pdf 11] ―――――
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試験片の厚さが煙生成量に影響すると考えられる。Ds値は,異なる厚さの試験片間で直接比較すること
はできない。比較する場合は,試験片厚さは同一にする必要がある。
Ds (又はS)測定の目的は,視界の予測を可能にすることである。しかし,試験チャンバ内部の視界は,
通常,知りたいとされているものではない。知りたいとされているものは,対象としているシナリオの中
の視界を試算することである。JIS C 60695-6-30のような静的試験方法によって得られたデータに基づき,
そのような試算をすることは可能である。しかし,火災モデルを変更した場合,煙生成過程及び煙の成長
の仕方の両者が変化する可能性があるので,あくまでも単なる試算であることを認識しなければならない。
6.2 動的方法 動的システムでは,試験片からの煙は排気系の中を基準の流速で通過し,煙の不透過度
は,煙中を通過する光線の透過強度を一定の時間間隔で観測することによって測定する(図4参照)。
ある瞬間の煙生成速度( S)は,次の式による。
S (19)
V : 排気ガスの流量
ここに,
S : 単位は面積/時間(例 m2s-1)
動的システムによって煙生成率は,直ちに確定される。これは,単位時間当たりの減光面積として表現
される。ASTM E1354 [2],コーンカロリーメータ又はファーニチャーカロリーメータのように,試験片の
表面積が既知の場合,煙生成速度は試験片単位面積当たりの値に標準化できる。この値は,時間の逆数で
表されることとなる[例 (m2s-1) m-2,すなわちs-1] 。
S kV (20)
/1(L1) n(I/T) V
I
V. 減光係数=kの煙
V.
L
T
図 4 動的煙測定
積算値である総煙生成量もまた,材料又は異なる燃焼時間で煙を生成するというシナリオを比較する場
合,特に注目される。総煙生成量は規定時間内に生成した減光面積として測定され,この値は,次の式に
よる。
S S dt (21)
ここに, S : 総煙生成量(総減光面積)
t : 時間
データの積算を終えるまでの時間は,決めておかなければならない。コーンカロリーメータの場合は,
この時間は試験の終了までである。その単純な例を挙げると,試験片の単位面積当たりの質量減少速度が
決めておいた値(例えば,25gm-2s-1)に達したときである。実規模試験の場合は,ほかの評価基準が必要とな
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ることもある。
総煙生成量は燃焼面積が分かっていれば,単位面積当たりの値として表現することができる。
一般的に閉鎖系での試験片の燃焼による煙生成量は,動的システムによる類似の燃焼試験による煙生成
量よりも少ない。これは静的システムにおいての測定は,煙の時間的変化並びにチャンバ内壁への沈着又
は内壁との相互作用による損失の影響をより受けやすいためである。
7. 試験方法
7.1 試験方法の検討 火災モデル又は評価する危険性に最も適したモデルを検討し,それらに類似した
火災モデルを対象とした試験方法を選定することが重要である(IEC 60695-6-2参照)。
試験方法の選定においては,検討している試験方法に対して,次の点を考慮するのが望ましい。
− 試験が対象製品の形状及び構成に対応し得るか。
− 試験方法が評価対象となる火災の場面を再現しているか。
− データは十分に識別でき,また,十分な分解能をもった適切な形式で得ることができるか。
これらのいずれかに適合しない場合,検討している試験方法を修正するか,又は代わりの試験方法を検
討しなければならない。
新たに試験方法を適用する場合において,現存する試験方法の適合性を評価するためのフローチャート
を図5に示す。
7.2 試験片の選定 様々な種類の試験片が試験される。製品試験において試験片は,製造された製品で
ある。模擬製品試験においては,試験片は製品を代表する一部分である。また,試験片は基礎材料(固体又
は液体)又は材料の複合体であってもよい。
試験片の種類は,発煙性試験の規模に応じて決定する。小規模試験は,材料及び小形製品,又は大形製
品を代表する試験片の試験により適している。大規模試験においては,製品そのものを試験することがで
きる。試験片を選択できるのであれば,使用状況を最も反映した試験片を選択することが望ましい。
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試験の候補選択
他の試験が適用
はい いいえ 新規試験方法の
試験の候補選択 可能であるか。 開発
試験は製品の代表的 試験を適応できる
いいえ いいえ
な構造及び構成に適 よう修正が可能か。
応できるか。
試験方法の はい
はい 修正
試験は評価対象 試験が火災段階
の火災段階を再 いいえ いいえ
を再現するよう
現しているか。 修正が可能か。
はい
試験方法の修正
はい
データは十分に識別
でき,また十分な分解 いいえ 分解能及び形式 いいえ
能をもった適切な形 は改良できるか。
式で得られるか。
分解能及び形式の
修正 はい
はい
試験方法の修正
試験が元となる方 はい ラウンドロビ
法から著しく変更 ン(持ち回り)
されているか。 試験の実施 はい
いいえ
いいえ 結果は許容でき 更なる試験方
るか。 いいえ 法の修正が可
能か。
試験の適用
はい
図 5 煙試験方法の評価及び検討
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8. データの表現
現在,発煙性データの表現については多くの手法がある。異なる試験方法に基づく発
煙性データを比較することは困難であり,また,不可能な場合もある。したがって,材料又は製品の試験
結果を火災の危険性と相関付けることも困難である。
これらの問題を克服するために,発煙性データは,可能な限り煙の減光面積で報告することが望ましい。
ほかのすべての関連したパラメータも報告する。これらには,試験片の性状,試験条件及び異常挙動の
観察のすべての詳細を含める。
また,現在報告に用いられている標準化された発煙性データとしては,単位質量当たりの煙生成量及び
単位表面積当たりの煙生成量などがある。この場合,一次データ(例えば,標準化される前の)も報告し
なければならない。
9. データと火災危険性評価との関連性
製品の火災挙動の現実的評価は,実際に使用される状態での実
規模試験片を試験することによってだけ得られる。製品の最終使用を代表していない独立した個々の小規
模試験は,選択された火災モデルへの応答を示すことができるだけである。
どのような燃焼試験又は発煙性試験も,通常状況下での火災又は煙の危険性を測定することはできない。
加えて,単一の標準燃焼試験又は単一の発煙性試験での満足のいく結果でも安全性レベルを保証すると
みなすことはできない。多様な燃焼試験による結果は,火災及び煙の危険性の判定及びその後の制御に役
立つ情報を提供する。
燃焼する材料からの発煙によって引き起こされる光の不透過による危険性は,多くの要素に依存してい
る。これらには,次の要素が含まれる。
− 総発煙量
− 煙の比減光面積 : すなわち,燃焼材料の単位質量減少当たりの発煙量
− 燃焼材料の質量減少速度(これは,どれだけ多くの材料が燃焼したか,またどれだけ燃えやすいかと
いうことに依存している。)
− 発煙速度(これは上記2項目の燃焼材料の単位質量減少当たりの発煙量から算出する。)
− 煙が拡散している体積
避難路の視界に関係して,次の多くのほかの要素がある。
− 発光表示のサイズ,明視度,コントラスト及び強度
− 反射物のサイズ及びコントラスト
− 外部照明の存在
また,次に示す人間の反応要素がある。
− 視力
− 暗順応
− 刺激性
したがって,材料単位質量又は単位面積当たりより発生する煙を考慮するだけでは,危険性評価を行う
には十分ではない。大きな比減光面積σf又は大きな特定光学密度Ds値をもった材料は,危険性シナリオ
の中で材料の量が少ない場合及び/又は煙が拡散する容積が大きい場合,危険性が生じる可能性は低い。
また,小さい比減光面積σf又は小さな特定光学密度Ds値をもった材料は,危険性シナリオの中で材料
の量が多い場合及び/又は煙が拡散する体積が小さい場合,危険性が生じる可能性がある。
――――― [JIS C 60695-6-1 pdf 15] ―――――
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JIS C 60695-6-1:2006の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 60695-6-1:2001(IDT)
JIS C 60695-6-1:2006の国際規格 ICS 分類一覧
- 13 : 環境.健康予防.安全 > 13.220 : 火災に対する防御 > 13.220.99 : 防火に関するその他の規格
JIS C 60695-6-1:2006の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60695-6-30:2001
- 環境試験方法―電気・電子―火災危険,火災のもつ潜在的・偶発的危険の試験方法―火災に遭った電気製品からの煙による光の不透過度に起因する視界のさえぎりの評価に関する指針及び試験方法:小規模静的試験方法―煙による光の不透過度測定―試験装置の記述
- JISC60695-6-31:2002
- 環境試験方法―電気・電子―耐火性試験―煙による光の不透過度の測定―小規模静的試験方法―材料