JIS C 61000-4-20:2014 電磁両立性―第4-20部:試験及び測定技術―TEM(横方向電磁界)導波管のエミッション及びイミュニティ試験 | ページ 2

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3.1.12
相関アルゴリズム(correlation algorithm)
TEM導波管で測定した電圧をオープンエリアテストサイト(OATS),半電波無響室(SAC)又は自由空
間における電界強度に変換する数学的手順。
3.1.13
EUTのタイプ(EUT type)
同様の試験配置及び試験手順で試験可能な,電磁特性及び物理的寸法に十分な類似性をもつ製品の分類。
3.1.14
外部接続ケーブル(exit cable)
EUTをTEM導波管の外部装置に接続する,又は利用可能試験領域から出るケーブル。
注記 試験領域に関しては5.2.2を参照。
3.1.15
相互接続ケーブル(interconnecting cable)
試験領域内でEUTの構成部品を接続するケーブル。
3.1.16
試験用支持台(test set-up support)
相関アルゴリズム又は試験手順で要求しているEUTの正確な回転が可能な,非反射性,非導電性及び低
誘電率の,支持及び位置決めのための台。
注記 材料は一般に発泡スチロールである。木製の試験用支持台は,望ましくない。参考文献[4]を参
照。
3.1.17
(立体)対角線角(ortho-angle)
立方体の任意の頂点から最も遠い頂点へ向かう立体対角線を引いた場合,その始点となる頂点に含まれ
る3辺に対して作る角度。立方体をTEM導波管の直交座標系に合わせて置いた場合,立方体の対角線の
投影の方位角及び仰角は45°となり,各面の辺に対して54.7°となる。
注記1 立体対角線角の図は,図A.2 a)参照。
注記2 EUTに関連付けた場合,この角度を形成する立体対角線と一致する軸を対角線軸(ortho-axis)
と呼ぶ。
3.1.18
主(電界)成分[primary (field) omponent]
意図した試験偏波方向と同じ向きの電界成分。
注記 代表的な2ポートTEMセルの場合,セプタムは水平床面に平行となり,かつ,主電界成分ベ
クトルはTEMセルの断面の中心では垂直となる。
3.1.19
二次(電界)成分[secondary (field) omponent]
直交座標系で,主電界成分に直交し,かつ,互いに直交する二つの電界成分のいずれか一方。
3.1.20
合成電界(振幅)[resultant field (amplitude)]
主電界成分と二つの二次電界成分との二乗和平方根の値。ボルト毎メートル(V/m)で表す。

――――― [JIS C 61000-4-20 pdf 6] ―――――

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3.1.21
マニピュレータ(manipulator)
ターンテーブルのような構造をもつ非金属の手動又は自動の試験用支持台。相関アルゴリズム又は試験
手順によって要求される多数の位置に対して,EUTに取り付けて支持できるもの。
注記 マニピュレータの設計例は,図A.2を参照。
3.1.22
多回転形TEM導波管(hyper-rotated TEM waveguide)
大地面に対して,対角線軸が垂直となるように傾けることができるTEM導波管。
注記 詳細は,参考文献[6]を参照。

3.2 略号

  この規格で用いる主な略号は,次による。
BALUN バラン(balanced-to-unbalanced transformer)
DFT 離散フーリエ変換(discrete fourier transform)
EUT 供試装置(equipment under test)
FFT 高速フーリエ変換(fast fourier transform)
GTEM ギガヘルツTEM(セル)(gigahertz transverse electromagnetic)
HEMP 高々度核電磁パルス(high-altitude electromagnetic pulse)
OATS オープンエリアテストサイト(open-area test site)
PoE 注入点(points of entry)
RF 無線周波(radio frequency)
SAC 半電波無響室(semi-anechoic chamber)
SPD サージ防護デバイス(surge protective device)
TDR タイムドメインリフレクトメータ(time-domain reflectometer)
TE 横方向電界(モード),(Hモード)[transverse electric (mode), (H-mode)]
TEM 横方向電磁界モード(transverse electromagnetic)
TM 横方向磁界(モード),(Eモード)[transverse magnetic (mode), (E-mode)]
VSWR 電圧定在波比(voltage-standing-wave-ratio)

4 一般事項

  この規格は,TEM導波管の基本的な特性及び制限,例えば,試験領域,電磁界の均一性,TEMモード
の純度,周波数範囲などを規定する。TEM導波管の各種の一般的な特性は,附属書Dに示す。
TEM導波管による放射エミッション測定は,通常,OATS及びSACとの相関があり,その測定は,装
置からの妨害波電界強度の有効,かつ,再現性のある結果を提供する。附属書Aで規定するように,相関
アルゴリズムは,この場合TEM導波管における測定結果をOATSと等価のデータに変換するために用い
る。
TEM導波管は,電磁界に対して装置のイミュニティ試験をするための電磁界発生器として用いることが
できる。詳細は,附属書Bによる。TEM導波管によるイミュニティ試験は,参考文献に挙げる幾つかの
他の規格で参照されている。電磁界発生装置を,電界強度測定のために用いてもよい(参考文献参照)。
TEM導波管の試験は,完成装置の放射測定に限らず,電子部品及び集積回路の放射測定,並びにガスケ
ット材料及びケーブルの遮蔽効果の試験に適用してもよい。

――――― [JIS C 61000-4-20 pdf 7] ―――――

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更なる情報は参考文献を参照。

5 TEM導波管の要求事項

5.1 一般事項

  TEM導波管は要求事項を満たせばエミッション測定及びイミュニティ試験に使用できる。
TEM導波管の有効性の検証には,5.2及び5.3の方法を適用しなければならない。
ここでは,TEMモード及び電界均一性のような一般的な検証を規定する。エミッション,イミュニティ
及び過渡試験に対する特別な検証の要求条件は,附属書A及び附属書Bに記載する。

5.2 TEM導波管を使用するための一般要求事項

5.2.1  TEMモードの立証
TEM導波管では,断面寸法及び/又は導波管長によって導かれる特定のカットオフ周波数を超える周波
数で共振を起こすことがある。実際に使う場合には,TEM導波管内の電磁界は次の条件が満たされていれ
ばTEMモードで伝搬すると考えられる。TEMモードのこの立証は,エミッション又はイミュニティに使
用する導波管に適用する。TEMモードの特性は,定期的に確認しなければならない(5.2.3参照)。
注記1 一般に,TEM導波管の製造業者は,目的とした周波数範囲にわたってTEMモードの動作を
立証かつ文書化し,立証データを文書に含めることが望ましい。
イミュニティ試験における均一領域の立証手順(5.2.3に従って)を用いて得られる非意図的な二次電界
成分の強さは,TEM導波管の伝搬方向に垂直な指定した断面内における75 %を超える測定点で,電界の
主成分に対して6 dB未満でなければならない。
実際の精度及び周波数を試験報告書に記載している場合,この75 %の測定点に対して,試験周波数点数
の最大5 %まで(試験周波数点数が少ない場合には,一つの周波数)において,+6 dBを超え+10 dB以
下の電界の主成分の許容範囲,又は−2 dB以下の電界の主成分に対する二次電界成分のレベルは許容する。
周波数範囲は,30 MHzからそのTEM導波管の設計上の最高周波数までとする。80 MHz1 000 MHzの
周波数範囲では,最初の周波数ステップは,基本周波数の1 %を,それ以降は前の周波数の1 %以下とす
る。80 MHz未満及び1 000 MHzを超える周波数範囲では,最初の周波数ステップは基本周波数の5 %を,
それ以降は前の周波数の5 %以下とする。掃引速度は,電界プローブの応答時間より速くしてはならない。
注記2 TEMモードは主モードであり,共振が起こりにくい。この理由から,TEMモードの立証に
おいて5 %の周波数ステップを用いてもよい。
注記3 過渡試験(附属書C参照)の開始周波数は100 kHzが望ましい。
注記4 ここに規定する6 dBの値は,主TEMモードを示すものであり,電界の均一性の基準ではな
い。TEMモードの検証と電界均一の要求事項とを混同しないことが望ましい。電界の均一性
についてのより詳細な情報は参考文献[17]に示す。
5.2.2 試験領域及び最大EUTサイズ
EUTの最大のサイズはTEM導波管の“利用可能試験領域”の大きさに関係している。TEM導波管の“利
用可能試験領域”は,サイズ,幾何学的な形,及び電磁界の空間的な分布に依存している。
TEM導波管の“利用可能試験領域”(図A.6図A.9を参照)は5.2.3で規定する“均一領域”に依存す
る。導波管のTEMモードの伝搬方向(通常はz軸)は,均一領域に垂直(垂直断面,通常はxy平面)で
ある。
xy平面において,“利用可能試験領域”の全断面積は,5.2.3で規定する均一領域の要求を満たさなけれ
ばならない。EUT及び導波管のそれぞれの導体と電波吸収体との距離hEUTの最小値(図A.6図A.9を参

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照)は,導体と均一領域の境界(5.2.3参照)との距離によって決定する。
EUTと導波管の外部導体との密結合によって起こり得るEUTの動作の変化を避けるために,hEUTは0
にしない方がよい[hEUTは0.05h(hはセプタムと外部導体との距離)より大きいことが望ましい。]。利用
可能試験領域は,z軸(伝搬方向)に沿ってzminzmaxの範囲とする。ここで,zmin及びzmaxは,給電点から
z軸正方向に延ばした線上の給電点に近い任意の点及び遠い任意の点までの距離とする。ただし,zmin及び
zmaxはTEM導波管の形状に依存する。図A.6図A.9参照。
試験領域の長さは,L=zmin−zmaxとする。均一領域の要求事項は,zmin≦z≦zmaxを満たす全ての断面で確
認しなければならない。TEMモードの要求事項は,zmin≦z≦zmaxで,次のいずれかの条件のもとで満足し
ているとみなす。
− TEMモードの要求事項をzmaxの位置で満足し,かつ,導波管の構造が0 h(高さ)のアスペクト比(導波管の原理上決められる形)が一定となる,図A.6図A.9に示す形式
の一つと類似している。
− TEMモードの要求事項をzmin及びzmaxの位置で満足し,かつ,導波管の断面積が一定,又はzmin zmaxで一様な傾斜をもって広がっており(テーパ状),導関数dh/dz及びdw/dzがzmin 構造において,ねじれも段差もない)滑らかな関数となる。
EUTの最大寸法は,利用可能試験領域の大きさに関係している。EUTは,0.6w×0.5L以下であることを
確認しなければならない(図A.6図A.9を参照)。
注記1 EUTの最大寸法は,ISO 11452-3では0.33w×0.6Lを,MIL-STD-461Fでは0.5w×0.5Lを推
奨している。
試験可能なEUTの最大高さは,0.33hとすることが望ましい。ここでhは,試験領域にある外部導体と
内部導体との間の距離(導体間の間隔で,セプタム高という。例えば,TEMセル内のセプタムと外部導体
との間である。)に等しい。ただし,GTEMセルの場合,hは,EUTのz軸方向の中心点を通る,試験領域
内の外部導体と内部導体との間の距離とする。いずれのTEM導波管においても,EUTのいかなる回転(配
向)に対し,EUTは利用可能試験領域の中に入っていなければならない。
注記2 ほとんどの規格ではEUT寸法を0.33hに制限している。多くのTEM導波管製造業者は,提
供するデータシートでEUTの高さを最大0.5hに制限している。電界プローブ,センサなど
の高精度の校正を除いて,EUTの高さは0.33hを超えてもよいが,製造業者の推奨値を超え
ないことが望ましい。製造業者が大きいEUTに対する測定不確かさについての情報を提供し
ているならば,使用可能なEUTの最大高さは0.33hより高くできる。EUTを入れた導波管の
影響についてのより詳細な情報を,参考文献[25]に示す。
5.2.3 利用可能試験領域の検証
5.2.3.1 一般事項
ここでは,電界強度の変化が十分小さい均一領域の概念を用いる(参考文献[15]参照)。
TEM導波管の大きさが均一領域の大きさを決定する。EUTの最大寸法は“利用可能試験領域”の大き
さに関係している(5.2.2参照)。
注記1 一般には,均一領域の正確な形及び位置は決められないが,ここでは,この規格の手順を使
用して決定している。
注記2 他に規定がない場合,均一領域は電界の伝搬方向に直交する垂直面であり,EUTの正面にお
ける一つの平面とすることが望ましい。この垂直面は,TEMモードの伝搬方向がほとんど水
平(z軸に沿っている。)で,平面波伝搬するとみなす。図A.7に示すTEM導波管のような,

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TEMモードの伝搬方向が少し異なる方向にある場合,均一領域平面はそれに従って変えても
よい。
TEM導波管を使用することで,電波半無響室のような大地反射波による電場の乱れを避けることができ
る。したがって,内部導体及び外部導体の(法線方向だけ)すぐ近くまで均一領域を得ることができる。
原理的に均一領域は,入力ポートからどの距離に位置してもよい。その位置は,特定の導波管の幾何学
的構造に依存する。均一領域は校正された入力ポートからの距離においてだけ有効とする。
EUTを回転するために,均一領域は5.2.2で規定した利用可能試験領域の端であるzmaxからきょう体の
最大寸法以上の距離に配置しなければならない。
均一領域は,5.2.1で規定した周波数ステップ及び周波数レンジで無変調信号を用いて,EUTのない空の
導波管の状態で検証する。
均一領域の寸法に応じて,少なくとも五つ以上の測定点(中央一つ及び角で四つ)で検証する。
二つの測定点間の間隔は50 cm以下とする。この50 cmの制限を超える場合は,50 cm以下になるよう
に測定点を増やし格子状に均等に配置する[図B.2 b)参照]。このことは,測定点を9点にすることを意味
する。
5.2.3.2 電界均一性測定手順
電界均一性検証手順は,次による。この方法を“進行波電力一定法”という。
a) 格子点の一点に等方性3軸プローブを配置する。
なお,使用する電界プローブの校正方法は,附属書Eに記述する。
b) 5.2.1で規定した周波数範囲及び周波数ステップで,主電界成分の電界強度が選択した試験電界強度
ELimitとなるようにTEM導波管の入力ポートに進行波電力を供給する。全ての進行波電力,主電界成
分及び二次電界成分の各強度の読み値を記録する。
c) 同じ進行波電力で,残りの格子点の主電界成分及び二次電界成分の強度を測定し,記録する。
d) 5.2.3.3の式(2)に従って主電界成分の標準偏差を計算する。その標準偏差は2.61 dB未満でなくてはな
らない。
e) )までの手順で得られた,最も主電界成分の小さい格子点の電界強度Erefを基準とし,基準点以外の
格子点における主電界成分強度は0 dB6 dBの範囲にあることを確認する。また,それぞれの格子点
における二次電界成分の大きさは,主電界成分の半分(−6 dB)以下とする。
これと等価な代替法として次の方法を示す。まず,主電界成分が要求された試験電界強度ELimitになった
ときのTEM導波管の入力端の進行波電力を全測定点について記録する。次のステップとして上記ステッ
プa),d)及びe)を実施しなければならない。この方法は“電界一定法”という。
均一性の検証は,個々の面(全てのケーブル配線を含む。)が“均一領域”によって完全に囲われる全て
のEUTに対して,有効とする。均一領域の完全な検証は,年1回か又は導波管の形状(TEMセル又はシ
ールドルーム内のストリップライン)を変更したときに行う。
5.2.3.3 電界均一性の判断基準
電界均一性は,次のように決定する。
測定点iにおいて,測定した電界強度をEiで示す。平均値E及び標準偏差 E
N個の測定点から式(1)
及び式(2)によって計算する。
1
E Ei (1)
N N

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