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E Ei E (2)
N 1 N
統計的な意味として測定点の数N=5は非常に少ないが,それでも測定値Eiに対し正規分布を仮定する
ことができる。測定結果の確率75 %が式(3)の範囲に収まる場合,ファクタKは,1.15を選択する。
E K E≦ Ei ≦ EK E (3)
ここに,Kの値を,表1に示す。
表1−正規分布における拡張不確かさのためのKの値
ファクタK 1 1.15 1.3 1.5 2 3
確率 % 68.3 75.0 80.6 86.6 95.5 99.7
式(4)に従った範囲内に納まるかどうかにかかわらず,dBの値で扱った確率を必要とする。
EMargin
ELimit ≦ Ei ≦ ELimit (4)
この範囲を式(3)と比較し,式(5)となる。
K
ELimit ≦ Ei ≦ ELimit E (5)
このときの標準偏差を,式(6)に示す。
M
E
≦ (6)
2K
確率が75 %の場合,ファクタK=1.15で,かつ,マージンM=6 dBに対する,デシベルで表す標準偏
差を次に示す。
6
E
≦ .261
2 .115
センサの最大寸法は,内部導体と外部導体との間の距離の10 %より小さくしなければならない。この場
合は,いかなる場の乱れも無視することができる。詳細は,参考文献[18]に示す。
5.2.3.3A 試験電界強度の設定
選択する試験電界強度Etestを得るために必要な進行波電力Ptestは,5.2.3.2の基準電界強度Eref,及びEref
を発生させるための進行波電力Pfwdから,式(7)を用いて計算し,記録しなければならない。
2
Etest
Ptest 2 Pfwd (7)
Eref
ここに, Etest : 選択する試験電界強度(V/m)
Eref : 5.2.3.2で規定した基準電界強度(V/m)
Ptest : Etestを得るために必要な進行波電力(W)
Pfwd : Erefを発生させるための進行波電力(W)
例 Pfwdが81 Wのときに得たErefが9 V/mの場合,Etestが3 V/mに対して9 WのPtestが必要となる。
5.3 特定のTEM導波管に対する要求事項及び推奨事項
5.3.1 開放形TEM導波管のセットアップ
周囲の電磁環境の影響を最小にするために,TEM導波管をシールドルーム内に設置する。
開放形TEM導波管は,シールドルームの床,壁及び天井の金属壁面から十分離して設置することが望
ましい。追加の電波吸収体をシールドルームに適切に置くことで,シールドルームの金属壁面による影響
を最小にすることができる。
また,開放形TEM導波管をシールドルームの床に直接設置する方法もある。
――――― [JIS C 61000-4-20 pdf 11] ―――――
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5.3.2 2ポートTEM導波管のTEMモードの代替立証法
5.2.1の代替として,2ポートTEM導波管の使用可能な周波数範囲は,次の方法によっても立証できる。
EUTを試験する前に,B.3に従ってEUTを設置し,EUTの電源をオフにした状態で2ポート導波管の共
振を測定しなければならない。この場合,TEM導波管の使用周波数範囲における伝送損失は,式(8)の要
求を満たさなければならない。
Prefl Poutput
Atloss
10 log ≦1 (8)
Pfwd Pfwd
ここに, Atloss : EUTを入れた導波管の伝送損失(dB)
Prefl : 入力ポートで測定した反射電力(W)
Pfwd : 入力ポートで測定した進行波電力(W)
Poutput : 出力ポートで測定した出力電力(W)
注記1 入力ポートの反射電力及び進行波電力,並びに出力ポートの出力電力はTEM導波管の特性
インピーダンスで測定できる。インピーダンス変換器は不要である。電力は直列接続でだけ
測定できる。式(8)は50 Ωの特性インピーダンスに対して有効である。
注記2 この箇条で規定する方法は,ISO 11452-3に規定する形式の2ポートTEM導波管の代替立証
方法で,共振している高次モードがTEMモードからのエネルギーを抽出するという仮定に
基づいている。
6 EUTのタイプの概要
6.1 一般事項
EUTのタイプとは,同じ試験配置及び同じ試験手順での試験が可能である,電磁的特性又は物理的寸法
が十分類似している製品のグループのことである。EUTのタイプ及びその構造は,イミュニティ試験及び
エミッション測定に対して有効であり,試験領域中で同一の配置を可能にする。
6.2 小さいEUT
EUTは,きょう体の最も大きい外形寸法又は相互接続ケーブルを含む最大寸法が最高試験周波数に対応
する波長の1波長(例えば,1 GHzでλ=300 mm)より小さく,かつ,EUTに外部接続ケーブルが接続さ
れていない場合,“小さいEUT”とする。その他のEUTは“大きいEUT”とする。ただし,EUTの一部
分となっている,引き回しを変更しない相互接続ケーブルをもつEUTは,小さいEUTとする。
6.3 大きいEUT
次のいずれかに該当するEUTは,大きいEUTとする。
− 一つ又は複数の外部接続ケーブルをもつ小さいEUT
− 一つ又は複数の引き回しに自由度のあるケーブルをもつ小さいEUT
− ケーブルの有無にかかわらず,最高試験周波数での1波長以上の寸法をもつEUT
− 外部接続ケーブルの有無にかかわらず,相互接続ケーブルをもつ,複数の小さいEUTから成るグルー
プ
7 試験室の基準条件
7.1 一般事項
周囲環境のパラメータが試験結果に与える影響を最小限にするために,試験は,7.2及び7.3で規定する
気象及び電磁環境条件で行う。
――――― [JIS C 61000-4-20 pdf 12] ―――――
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7.2 気象条件
共通規格,製品群規格又は製品規格で規定がない限り,試験室の気象条件は,全て,EUT及び試験装置
の動作に関して,それぞれの製造業者が指定する限度内でなければならない。
EUT又は試験装置に結露が生じるほど相対湿度が高い場合には,試験を行ってはならない。
7.3 電磁環境条件
試験室の電磁環境条件は,試験結果に影響を与えないようにEUTの正確な動作を保証しなければならな
い。
8 試験結果の評価及び報告
試験は,試験計画に従って実行するとともに,それらを試験報告書に記載する。試験結果及び報告書の
要件は,実行する試験の種類による。
試験報告書は,試験を再現するために必要な全ての情報を含まなければならない。特に,次の事項を記
載する。
− 試験計画において指定した項目
− EUT及び関連装置の識別表示。例えば,商標,製品形式,製造番号
− 試験装置の識別表示。例えば,商標,製品形式,製造番号
− 試験を行った特別な環境条件
− 試験を行うために必要な特別な条件
− 製造業者と,試験の依頼者又は購入者との間で指定する性能レベル
イミュニティ試験については,次の事項も記載する。
− 共通規格,製品規格又は製品群規格で規定する性能基準
− 妨害の印加中又は印加後に観測したEUTへの全ての影響,及びこれらの影響が持続した期間
− 合否判定の根拠(共通規格,製品規格若しくは製品群規格で規定する性能基準,又は製造業者と購入
者との間で合意した性能基準に基づく。)
− 装置の取扱いにおける特定の条件。例えば,適合性を達成するために必要なケーブルの長さ,形式,
遮蔽若しくは接地,又はEUTの動作条件
− 試験セットアップ及びEUTの配置の図面及び/又は写真
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附属書A
(規定)
TEM導波管によるエミッション試験
A.1 概説
A.5及びA.6は,TEM導波管によるエミッション試験について規定する。A.2A.4は,TEM導波管の
製造業者に対しての規定である。
TEM導波管によるエミッション試験は,次の2種類の方法のうちの一つで得られた許容値と比較しても
よい。
− TEM導波管を基にした許容値 この方法は,参考文献に記載しているような,特定の製品群(例え
ば,集積回路,軍需品,車載部品,モジュールなどのための試験手順)に適用する。この場合,TEM
導波管によるエミッション試験の結果は,独立した妨害許容値と直接,又は通常,1種類のTEM導波
管のために,特別に作られた指針と比較する。幾つかの事例では,TEM導波管の許容値は他の試験設
備で用いている許容値から導き出していることもある(参考文献[36]参照)。
− OATSを基にした許容値 この方法は,OATSでの電界強度で示す妨害許容値に適合することを求め
られているEUTに用いる。TEM導波管試験からOATSでの電界強度を導出するために,相関アルゴ
リズムを使用する。
この附属書では,後者の試験方法だけについて詳細を規定する。TEM導波管を用いるエミッション試験
では,TEM導波管の妥当性を確認するため,TEM導波管の正当性の検証が必要になる。各EUTタイプに
対する検証は,箇条5に示す手順で行わなければならない。ただし,同じEUT製品群の中での相対的な比
較だけを行う場合は,OATS又は他の試験サイトとの相関は要求しない。この場合,製品規格委員会は,
測定データの適合性を決めるための特定の許容値を設定しなければならない。
A.3に相関アルゴリズムを規定する。等価的なOATSの電界強度を評価するために,相関アルゴリズム
ではTEM導波管の測定電圧値を用いる。このアルゴリズムによって,自由空間における電界強度値を推
定することが可能である。これらの電界強度値は,EUTタイプの検証手順による試験結果に従って,規格
の要求値と比較することができる。
注記 試験手順では,通常,EUTを全3軸方向で回転することを要求している。多回転形TEM導波
管を使用する場合(参考文献[6]参照)は,その対角線軸が大地面に垂直になるように,TEM導
波管を再調整する。EUTは,(その対角線軸である)垂直軸に対して±120°回転させることに
なるが,水平軸に対して回転する必要はない。
A.2 試験装置
試験装置は,CISPR 16-1-1の関連する要求事項に適合しなければならない。
注記 等方性電界プローブの校正手順及び特性は参考文献[24]に記載している。
A.3 TEM導波管電圧と電界データとの相関
A.3.1 一般的な注意
ここに規定する手順は,TEM導波管による試験をOATSでのエミッション試験法の代替法として確立す
――――― [JIS C 61000-4-20 pdf 14] ―――――
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ることを意図している。TEM導波管での試験結果は,OATSでの電界データと等価な値に変換する。ここ
では,TEM導波管測定から得られた放射電力が,基準大地面にあるダイポールから放射されるという仮定
に基づいたアルゴリズムを規定する。
相関ルーチンは,hEUT及びh[図A.6 b)及び図A.7 b)参照]を計算に用いている。TEM導波管内に置か
れたEUTによる測定電圧は,EUTから放射されるエミッションによって発生する。相関ルーチンの要求
に従ってEUTを回転(位置を再設定)した後,全ての要求位置での試験が終了するまで,更なる電圧測定
を行う。OATSでの試験を模擬するために,相関ルーチンではこれらのデータを用いる。
注記 エミッション測定の相関性及び相関データについての情報は,参考文献[5],[8],[17],[22],[34],
[36],[40]及び[41]から得ることができる。
A.3.2は,“3か所の位置での試験”に基づいた相関アルゴリズムについて規定する。他のアルゴリズム
も提案されており,幾つかの種類のEUTに対しては有用である(参考文献[31]及び[41]参照)。
A.3.2 相関アルゴリズム
A.3.2.1 一般事項
A.3.2.2及びA.3.2.3は,独立した二つの相関性を求める手法を規定する。A.3.2.2は“多極モデル”のた
めの相関ルーチンの基本的な手法を規定し,等価的な多極モーメントを決めるために,一連の導波管試験
を使用する。A.3.2.3は三つの電圧測定を使う,もう一つの相関ルーチンの基本的な手法を規定する。この
手法は,“全放射電力法”ということもある。
A.3.2.2 多極モデル
有限の大きさをもつ任意の放射源は,放射源の外側空間において同一の放射パターンになるような等価
の“多極展開”によって置換できる。放射源が電気的に小さい場合(電気長0.1波長未満の場合)では,
多極展開初項,すなわち,電気及び磁気ダイポールで放射源を正確に模擬できる。このことは任意の放射
源に対しても適用できる。放射源自身が,電気及び磁気ダイポールのようなエレメントだけで構成されて
いる場合では,波長に対して電気的に小さいという制限は緩和してもよい。
TEM導波管と,OATS又は自由空間データとの相関をとるアルゴリズムの基本的な手法では,多極モー
メントを決定するために一連のTEM導波管試験を用いる。通常,三つの複素直交ダイポールモーメント
を使い,6回以上の測定を必要とする。基本的な三方位測定法では放射電力は評価できるが,個々の多極
モーメントは求められない。放射電力が決まれば,自由空間中又は無限グラウンド面上での放射電界は数
値的に求められる。この方法によって,OATSにおけるエミッション規格で要求されている,送信及び受
信アンテナの様々な配置を模擬することが可能になる。
2ポートTEM導波管では,両ポートでの測定は,振幅及び相対位相(入力ポートと出力ポートとの間の
電圧位相差)の両方の情報を得ることができる(参考文献[14],[29],[30],[35]及び[38]を参照)。この方
法では,多極モーメントの大きさ及び位相が決定でき,位相の相殺によるヌル点を含んだ放射パターンが
正確に模擬できる。1ポートTEM導波管では,相対位相情報を得ることはできない。すなわち,多極モー
メントの大きさだけを決定できる(参考文献[36],[40]及び[41]を参照)。相対的な位相情報が未知であるた
め,1ポートTEM導波管の相関ルーチンは,全ての多極モーメントが同位相であると仮定する。これは,
推定値の上限だけを与え(参考文献[10],[28]及び[39]を参照),詳細な放射パターンを模擬することはでき
ない。上限の推定は,規格で規定する許容値との比較を行うときに有効である。
TEM導波管内には,交差偏波による結合が存在し,エミッション試験に対し影響がある(参考文献[31]
及び[32]参照)。
――――― [JIS C 61000-4-20 pdf 15] ―――――
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JIS C 61000-4-20:2014の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61000-4-20:2010(MOD)
JIS C 61000-4-20:2014の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.100 : 電磁両立性(EMC) > 33.100.20 : イミュニティ
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.100 : 電磁両立性(EMC) > 33.100.10 : エミッション
JIS C 61000-4-20:2014の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC60050-161:1997
- EMCに関するIEV用語
- JISC61000-4-3:2012
- 電磁両立性―第4-3部:試験及び測定技術―放射無線周波電磁界イミュニティ試験