JIS C 61000-4-4:2015 電磁両立性―第4-4部:試験及び測定技術―電気的ファストトランジェント/バーストイミュニティ試験 | ページ 6

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C 61000-4-4 : 2015 (IEC 61000-4-4 : 2012)
したがって,繰返し周波数は,変動し,一桁以上の変化範囲となることが一般的である。
注記 EFT/Bの最も重要なパラメータ範囲を一つの試験に含む必要があるため,実際には繰返し周波
数の折衷案として試験用に5 kHz及び100 kHzの繰返し周波数が選択できる。
A.6 バースト及びバースト時間ごとのパルス数
バースト及びバースト時間ごとのパルス数は,開閉接点の耐電圧と同様に開閉によって誘導負荷に蓄積
されたエネルギーに依存する。
パルス又はバーストの回数は,パルスの繰返し周波数率及びバースト時間に直接関係する。測定結果か
ら,ほとんどのバースト時間は,約2 msである。ただし,その他の種類ほど一般的に用いていない水銀湿
式リレーは考慮していない。
注記 100 kHzで試験する場合の基準時間として,バースト時間0.75 msを選んだ。したがって,バー
ストごとのパルス数は,75となる。5 kHzで試験する場合のバースト時間は,15 msとなる。

――――― [JIS C 61000-4-4 pdf 26] ―――――

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C 61000-4-4 : 2015 (IEC 61000-4-4 : 2012)
附属書B
(参考)
試験レベルの選択
試験レベルは,最も現実に即した設置及び環境条件に基づいて選定することが望ましい。試験レベルは,
箇条5で規定する。
イミュニティ試験には,当該装置が動作する環境における性能と試験レベルとの間に相関関係がある。
信号及び制御ポートを試験する場合,試験電圧値は,電源ポートに適用する電圧の半分の値である。
入出力,制御,信号及びデータEUTポートに対しては,電源ポートに用いる試験電圧の半分の値を用い
る。
通常の設置方法に基づいた,電磁環境の要求事項に従ったEFT/B試験で推奨する試験レベルの選択を,
次に示す。
a) レベル1 : 十分によく保護された環境 レベル1の設置環境は,次によって特徴付ける。
− スイッチング電源及び制御回路における全てのEFT/Bの抑制
− より高い厳しさレベルに属するその他の環境からの制御及び測定回路と,電源線(AC及びDC)との
間の分離
− 設置場所の基準グラウンドに両端を接地したシールド電源ケーブル及びフィルタによる電源保護。コ
ンピュータ室は,この環境の代表例である。
試験する装置に対してこのレベルを適用する場合には,形式試験では電源回路に限定し,また,現
地試験では,特に接地回路及び装置のきょう体に限定する。
b) レベル2 : 保護された環境 レベル2の設置環境は,次によって特徴付ける。
− 電磁接触器ではないリレーだけで切り換わる制御回路及び電源におけるEFT/Bの部分的抑制
− より高い厳しさレベルの環境に関連したその他の回路からの,工業環境で動作する回路の不十分な分

− 非シールド電源及び制御ケーブルの,信号及び通信ケーブルからの物理的分離
工業及び電力プラントの制御室又は端末室が,この環境の代表例である。
c) レベル3 : 典型的な工業環境 レベル3の設置環境は,次によって特徴付ける。
− 電磁接触器ではないリレーだけで切り換わる制御回路及び電源回路におけるEFT/Bの抑制なし
− より高い厳しさレベルの環境に属する回路からの,工業用回路の不十分な分離
− 電源,制御,信号及び通信の専用ケーブル
− 電源,制御,信号及び通信のそれぞれのケーブル間の不十分な分離
− PEシステムに接続したケーブルトレー内の導電性パイプ及び接地導体,並びにメッシュ接地に代表さ
れる接地システムの使用
工業用プロセス装置の設置区域が,この環境の代表例である。
d) レベル4 : 厳しい工業環境 レベル4の設置環境は,次によって特徴付ける。
− リレー及び電磁接触器によって切り換わる,電源,制御回路及び電源回路におけるEFT/Bの抑制なし
− より高い厳しさレベルの環境に属するその他の回路からの工業用回路の非分離
− 電源,制御,信号及び通信のそれぞれのケーブル間の非分離
− 制御及び信号線に共用した多心ケーブルの使用

――――― [JIS C 61000-4-4 pdf 27] ―――――

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C 61000-4-4 : 2015 (IEC 61000-4-4 : 2012)
特別な設置方法が適用されていない工業プロセス装置の屋外地区,発電所,屋外の高電圧変電所の
継電器室及び標準的な設置方法をもつ500 kV以下のガス絶縁変電所が,この環境の代表例である。
e) レベルX : 分析を要する特殊な状況 装置の回路,ケーブル,線路などの妨害源からの電磁的な分離
の良否及び設置の質によって,a) d)のレベルより高い又は低い環境レベルの適用が必要な場合があ
る。高い環境レベルの装置の配線が,より低い厳しさの環境に入り込む可能性があることに注意する
ことが望ましい。

――――― [JIS C 61000-4-4 pdf 28] ―――――

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C 61000-4-4 : 2015 (IEC 61000-4-4 : 2012)
附属書C
(参考)
測定不確かさ(MU)の考察
C.1 一般
EMC試験の再現性は,試験結果に作用する多くの要因に依存するか,又は影響を受ける。これらの影響
は,ランダム又は系統的な効果に分類することができる。現実の妨害量とこの規格で定義する妨害量との
整合性は,通常,一連の測定によって確認できる(例えば,減衰器を使用したオシロスコープでのパルス
の立上がり時間の測定)。各測定の結果は,測定器の不完全性と同様に測定の再現性の悪さによるMUを
含んでいる。
MUを評価するために必要なことを次に示す。
a) 測定器と測定量との両方に関して,不確かさの原因を確認する。
b) 影響(入力)量と測定(出力)量との機能的関係(測定モデル)を確認する。
c) 入力量に対する標準不確かさ及び推定値を得る。
d) 高い水準の信頼性をもつ測定量に対する真値を含む値の幅の推定値を得る。
イミュニティ試験においては,推定値及び不確かさは妨害量に対する値(例えば,立上がり時間,ピー
ク及びパルス幅)によって評価する。そのため,これらは,この規格に定める適切な妨害量の一致度につ
いて記載している。
特定の妨害量から得られた推定値及び不確かさは,この規格に定める擬似電磁気現象,及び試験所外に
おける実際の電磁気現象との間の一致度については記載しない。
EUTにおける妨害量のパラメータの影響は,先験的に未知であり,ほとんどの場合,EUTは非線形な挙
動を示すことから,単一の推定値及び不確かさの数値は,妨害量を定義できない。したがって,それぞれ
の妨害量パラメータは,対応する推定値及び不確かさが付随する。これによって,一つ以上の不確かさの
バジェットが生じる。
この附属書は,校正機関及び自ら校正を行う試験所における校正の不確かさを記載する。
C.2 EFT/Bにおける不確かさの寄与成分
不確かさは,妨害量のパラメータで規定できる。したがって,それらは,この規格で規定する仕様と指
定する測定機器との一致の度合いを記載する。
測定器及び試験セットアップの影響評価に用いる不確かさの寄与を,次に示す。
− ピーク値の読み値
− 10 %レベルの読み値
− 90 %レベルの読み値
− 50 %レベルの読み値
− 減衰比
− オシロスコープの接続のミスマッチ
− 終端−減衰器−ケーブルの接続
− オシロスコープの水平軸測定の寄与成分
− オシロスコープの垂直軸測定の寄与成分

――――― [JIS C 61000-4-4 pdf 29] ―――――

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C 61000-4-4 : 2015 (IEC 61000-4-4 : 2012)
− 測定システムの再現性(タイプA)
− 試験セットアップのばらつき(タイプA)
− オシロスコープ,減衰器の校正
校正に適用する寄与成分と試験に適用する寄与成分とが異なる場合がある。これによって校正手順と試
験手順との不確かさのバジェットが異なる。
注記 タイプAなどの用語は,IEC/TR 61000-1-6を参照。
C.3 校正における不確かさ
C.3.1 一般
Vp,tr,twそれぞれの校正項目に対して,個別の不確かさのバジェットを作成する必要がある。EFT/B試
験における,EUTに印加するEFT/B発生器からの妨害量は,パルスのエネルギー及びスペクトラムである。
C.1に記載したように,個別の不確かさのバジェットは,それぞれのパラメータごとに計算するのが望ま
しい。
パルスに関する一般的な測定の不確かさの手順を,次に示す。これらのパラメータに関する不確かさの
バジェットの計算例を,表C.1表C.3に示す。この表には,これらの例に対して最も重要と考えられる
不確かさのバジェットの寄与成分,各寄与成分の詳細(数値,分布タイプなど)及びそれぞれの不確かさ
のバジェットを決定するために必要な計算結果を含んでいる。
不確かさバジェットの記号に関する説明を次に示す。
u(xi) : 標準不確かさ
ci : 感度係数
y : 有意な系統的影響のために修正した測定量の推定
ui(y) : yの標準測定不確かさ
uc(y) : 合成標準不確かさ
U(y) : 拡張不確かさ
C.3.2 EFT/B電圧の立上がり時間
50 Ω終端でのEFT/B電圧の立上がり時間trを式(C.1)を用いて算出する。
2 2
tr T90 %T10 % R TMS (C.1)
ここに, T10 % : ピーク電圧の10 %に至るまでの時間(ns)
T90 % : ピーク電圧の90 %に至るまでの時間(ns)
δR : 非再現性のための補正値
TMS : 計測システムのステップ応答の10 %90 %の間の立上
がり時間(ns)
TMS
B
B : 計測システムの−3 dB周波数帯域(MHz)
α : 計測システムの周波数帯域幅を立上がり時間に関する
係数360±40

――――― [JIS C 61000-4-4 pdf 30] ―――――

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JIS C 61000-4-4:2015の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61000-4-4:2012(IDT)

JIS C 61000-4-4:2015の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 61000-4-4:2015の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称