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C 61000-4-4 : 2015 (IEC 61000-4-4 : 2012)
表C.1−EFT/Bの電圧立上がり時間(tr)の不確かさバジェットの例
記号 推定値 単位 誤差限界 単位 PDF a) 除数 u(xi) ci 単位 ui(y) 単位
T10 % 0.85 ns 0.10 ns 三角 2.45 0.041 −1.02 1 0.041 ns
T90 % 6.1 ns 0.10 ns 三角 2.45 0.041 1.02 1 0.041 ns
正規
δR 0 ns 0.15 ns (k=1) 1.00 0.150 1.02 1 0.152 ns
一様
α 360 nsMHz 40 nsMHz (方形) 1.73 23.09 −4410−51/MHz 0.010 ns
一様
B 400 MHz 30 MHz (方形) 1.73 17.32 3910−5 ns/MHz 6.7810−3 ns
注a) 確率密度関数(Probability Density Function) uc(y)=√Σui(y)2 0.16 ns
U(y)=2 uc(y) 0.33 ns
表C.1の例を用いて,次の手順で各寄与成分の標準不確かさu(x)を計算する。
合成標準不確かさuc(y),包含係数k,及び拡張不確かさ[Uc=uc(y)×k]を計算する。
T10 %及びT90 %は,それぞれピーク電圧の10 %及び90 %の時間の読み値である。誤差限界は,毎秒5ギ
ガサンプリングでトレース補間機能をもつオシロスコープの不確かさの確率密度関数を三角分布と仮定し
て算出した値である。それ以外の場合は,一様の確率密度関数と仮定することが望ましい。
サンプリングレートによるMUへの寄与成分だけをここでは考慮する。追加の寄与成分はC.3.5を参照
する。読み値はT10 %=0.85 ns及びT90 %=6.1 nsと仮定した。
TMSは,測定システムのステップ応答の計算による立上がり時間である。係数は,測定システムのパル
ス応答の形状に依存し,その360に対する誤差限界±40は,様々な測定システムの代表値で,各々異なる
パルス応答の形状をもつ。測定システムの周波数帯域Bは,測定システムの各要素の周波数帯域Bi(基本
的には電圧プローブ,ケーブル及びオシロスコープ)から実験的(周波数帯域の直接測定)に得られるか,
又は式(C.2)を用いて計算できる。
2 2
1 1 1
... (C.2)
B B1 B2
Bは,一様確率密度関数30 MHzの誤差範囲をもつ400 MHzの推定値と仮定する。
Rは,10 %から90 %までの立上がり時間の非再現性の補正で,測定機器,測定セットアップの配置及び
EFT/B発生器自身によるT10 %T90 %の測定の再現性の欠如を定量化したものである。それは,実験によっ
て決定する。これはn回繰り返した測定サンプルqj の実験的標準偏差s(qk)の公式に基づいたタイプA
評価で,式(C.3)による。
n
1 2
s qk qj q (C.3)
n 1 j 1
ここで,qはqj の算術的平均値で,誤差限界[s(qk)=150 ps(正規確率密度分布の1σ)]をもつ0 ns
の推定値を仮定している。
この表C.1で算出した拡張不確かさのバジェッド0.33 nsに対して,実測した値5.33 nsは,6.2 %となる。
1 kΩ終端での電圧に対しては,バジェットは同様に得られる。その場合は,50 Ωインピーダンス変換器
を使用する代わりに,1 kΩインピーダンス変換器を使用した測定システムの周波数帯域が使用される。
――――― [JIS C 61000-4-4 pdf 31] ―――――
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C 61000-4-4 : 2015 (IEC 61000-4-4 : 2012)
C.3.3 EFT/Bのピーク電圧
測定量Vpは,50 Ω終端での測定したEFT/Bのピーク電圧の読み値を元に,式(C.4)を用いて計算する。
VPR 1 R V
VP 2 (C.4)
1
B
ここに, VPR : ピーク電圧の読み値
A : 電圧プローブのDCでの減衰量
δR : 非再現性のための補正値
δV : オシロスコープのDC垂直軸エラー
B : 測定システムの−3 dB周波数帯域
β : 帯域に関する係数 (7.0±0.8) Hz
表C.2−EFT/Bのピーク電圧(VP)の不確かさバジェットの例
記号 推定値 単位 誤差限界 単位 PDF a) 除数 u(xi) ci 単位 ui(y) 単位
VPR 3.75 V 0.007 3 V 三角 2.45 0.003 0 1 000 1 2.99 V
A 1 000 1 50 1 一様(方形) 1.7328.9 3.75 V 108 V
正規
δR 0 1 0.03 1 1.00 0.030 3 751 V 112.5 V
(k=1)
δV 0 1 0.02 1 一様(方形) 1.730.012 3 751 V 43.3 V
β 7.0 MHz 0.8 MHz 一様(方形) 1.73 0.462 0.328 V/MHz 0.152 V
B 400 MHz 30 MHz 一様(方形) 1.73 17.32 −0.005 8 V/MHz 0.099 5 V
注a) 確率密度関数 uc(y)=√Σui(y)2 0.162 kV
U(y)=2 uc(y) 0.32 kV
VPRは,ピーク電圧の読み値である。誤差限界は,8ビット垂直分解能のオシロスコープ及びその内挿補
間機能の不確かさの確率密度関数を三角分布と仮定して算出した値である。
Aは,電圧プローブのDC減衰量である。この誤差限界は,不確かさの確率密度関数を一様分布と仮定
して算出した値である。ここでは,DC減衰量を1 000と仮定した。
Rは,測定セットアップ,配置及び測定の非再現性を定量化したものである。これは,ピーク電圧(n
回)の測定サンプルの実験によって得た標準偏差によるタイプA評価である。それは相対値で表わされ,
0 %の推定値及び誤差限界3 %[1標準偏差(1σ)]と仮定する。
Vは,オシロスコープのDC電圧測定の不正確さを定量化するものである。確率密度関数が一様分布の
2 %の誤差限界は,0の推定値と仮定する。
βは,測定システムのパルス応答波形及びピーク付近の標準的なパルス波形の両方に依存する係数であ
る。 (7.0±0.8) Hzの許容差は,各々異なるパルス応答波形をもつ多くのシステムを含む。
Bは,一様確率密度関数30 MHzの範囲をもつ400 MHzの推定値と仮定する。
1 kΩ終端での電圧に対してのバジェットは,同様に得られる。その場合は,50 Ωインピーダンス変換器
を使用する代わりに,1 kΩインピーダンス変換器を使用した測定システムの周波数帯域を使用する。
C.3.4 EFT/B電圧のパルス幅
測定量は,50 Ω終端での測定したEFT/Bのパルス幅時間の読み値を元に,式(C.5)を用いて計算する。
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tw T50%, F
T50%, R R 1 (C.5)
B
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C 61000-4-4 : 2015 (IEC 61000-4-4 : 2012)
ここに, T50 %, R : EFT/B波形の立上がり部分でのピーク電圧の50 %にな
る時間軸の読み値
T50 %, F : EFT/B波形の立下がり部分でのピーク電圧の50 %にな
る時間軸の読み値
δR : 非再現性のための補正値
B : 測定システムの−3 dB周波数帯域
β : 帯域に関する係数 (7.0±0.8) Hz
表C.3−EFT/Bの電圧パルス幅(tw)の不確かさバジェトの例
記号 推定値 単位 誤差限界 単位 PDF a) 除数 u(xi) ci 単位 ui(y) 単位
T50 %, R 3.5 ns 0.10 ns 三角 2.45 0.041 −1.00 ns 0.040 8 ns
T50 %, F 54.5 ns 0.10 ns 三角 2.45 0.041 1.00 ns 0.040 8 ns
正規
δR 0 ns 1.5 ns 1.00 1.50 1.00 ns 1.50 ns
(k=1)
一様
β 7.0 MHz 0.8 MHz 1.73 0.462 −0.004 5 ns/MHz 0.002 1 ns
(方形)
一様
B 400 MHz 30 MHz 1.73 17.32 8.010−5 ns/MHz 0.001 4 ns
(方形)
注a) 確率密度関数 uc(y)=√Σui(y)2 1.502 ns
U(y)=2 uc(y) 3.00 ns
T50 %, R及びT50 %, Fは,EFT/B電圧波形の立上がり及び立下がりにおいて,ピーク電圧の50 %になったと
きの時間軸の読み値である。誤差限界は,毎秒5ギガサンプリングのトレース補間機能をもつオシロスコ
ープの不確かさの確率密度関数を三角分布と仮定して算出した値である。それ以外の場合には,一様確率
密度関数と仮定することが望ましい。ここでは,サンプリングレートによるMUへの寄与成分だけをここ
では考慮する。追加の寄与成分に関しては,C.3.5参照。ここで,T50 %, R=3.5 ns,T50 %, F=54.5 nsと仮定す
る。
δRは,測定装置,測定セットアップの配置及びEFT/B発生器の違いによるT50 %, F−T50 %, R時間測定の非
再現性を定量化した数値である。これは実験環境によって決定される。これは,多くの測定サンプルの標
準偏差から示されたタイプA評価である。この誤差限界は,s (qk)=1.5 ns[確率密度関数の1標準偏差 (1σ)],
推定値は,0 nsと仮定する。
βは,C.3.3参照。推定値及び誤差限界に対して同じ意味及び同じ値をもつ。
Bは,C.3.2参照。推定値及び誤差限界に対して同じ意味及び同じ値をもつ。
1 kΩ終端の両端の電圧のバジェットも同様に得ることができる。この場合,50 Ω変換器を接続した測定
システムの帯域幅の代わりに1 kΩ変換器を接続した測定システムの帯域幅を使用する。
C.3.5 時間測定のMUの更なる寄与
時間測定のMUに対する測定器の潜在的な寄与成分を次に示す。
− サンプリング周波数 : 通常,不確かさの値は,オシロスコープの時間分解能であるサンプリング周波
数の逆数の1/2となる。仕様で決めてある見かけ上の振幅及び時間を得るための補間を行う場合は,
確率分布を三角分布(k=2.45)と仮定してもよい(オシロスコープの説明書を参照)。これ以外の場
合には,k=1.73 の一様分布と仮定する。
− 時間軸エラー及びジッタ : オシロスコープの仕様は,一様分布での不確かさとしてもよい。通常,こ
れらの影響は,無視できる。
――――― [JIS C 61000-4-4 pdf 33] ―――――
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C 61000-4-4 : 2015 (IEC 61000-4-4 : 2012)
− 垂直分解能 : 垂直分解能のMUに対する寄与は,垂直振幅分解能ΔA及び波形の傾きdA/dtに依存す
る。不確かさは,分解能幅の1/2の値を元に算出し,(ΔA/2)/(dA/dt)で表す。補間が行なわれる場
合(オシロスコープの説明書を参照),三角分布を使用し,補間をしない場合は,一様分布を使用する。
この影響は,多くの場合,無視できる。
C.3.6 測定システムの帯域幅制限による立上がり時間のひずみ
対応国際規格の内容は,この規格においては不要なため削除した。
C.3.7 測定システムの帯域幅制限によるパルスピーク及びパルス幅ひずみ
測定システムの出力におけるひずんだパルス波形vout(t)は,式(C.6)の畳み込み積分によって求める。
t
vout t vin ht d (C.6)
0
ここに, vout(t) : 入力パルス波形
h(t) : 測定システムのパルス応答
A・h(t)=h0(t)であることに注意する。ここに,Aは測定システムのDC減衰である。入力がそのピ
ーク電圧Vpに達する場合は,時定数tpに関するテイラー級数展開によって入力波形を近似させることがで
きる。
vin tp 2 vin tp 3
vin t Vp t tp t tp ... (C.7)
2 6
v(tp)=0であるため,一次項は,式(C.7)ではない。さらに,凹みは下方(最大)を指すためv'''in(tp)
< 0であり,また,ここで対象の標準波形のため,立上がり時間は,立下がり時間よりも小さいので,v'''in
(tp)>0である。式(C.7)を式(C.6)に代入し,また,測定システムの帯域幅が入力信号の帯域幅に関して
大きい(したがって,階級が2よりも大きいべき級数は,無視することができる。)場合に有効な単純化の
後,式(C.8)を得ることができる。
2
Vp
Vpd 1 (C.8)
A B
ここに, Vpd : 出力パルスピーク電圧
A : 測定システムのDC減衰
vin tp
(C.9)
4Vp
パラメータβは,標準入力波形の二次導関数及びC.3.6に記載し,得られたパラメータαに依存する。
標準EFT/B波形の数学的表現は,6.2.2に示しているため,βの値は数値的に計算することができ,その値
は (7.0±0.8) Hzである。
入力パルス幅twのひずみの推定値は,出力パルスの面積がDC減衰Aで除した入力パルスの面積である
ことを考慮して,式(C.10)を用いて容易に求めることができる。
Vptw AVpdtwd (C.10)
ここで,twdは,出力パルス幅で,式(C.10)から式(C.11)が求められる。
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C 61000-4-4 : 2015 (IEC 61000-4-4 : 2012)
Vp 1
twd tw 2tw (C.11)
AVpd
1
B
C.4 結合装置の校正
対応国際規格の内容は,この規格においては不要なため削除した。
C.5 EFT/B発生器の適合基準における不確かさの適用
一般的に発生器の校正結果は,この規格で規定する範囲内であることが望ましい。この規格で規定する
許容差の範囲は,MUによって影響されることはない。
参考文献 JIS C 61000-4-2:2012 電磁両立性−第4-2部 : 試験及び測定技術−静電気放電イミュニティ試
験
注記 対応国際規格 : IEC 61000-4-2:2008,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-2:
Testing and measurement techniques−Electrostatic discharge immunity test(IDT)
JIS C 61000-4-5:2009 電磁両立性−第4-5部 : 試験及び測定技術−サージイミュニティ試験
注記 対応国際規格 : IEC 61000-4-5:2005,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 4-5:
Testing and measurement techniques−Surge immunity test(IDT)
JIS Z 9290-1 雷保護−第1部 : 一般原則
注記 対応国際規格 : IEC 62305-1:2010,Protection against lightning−Part 1: General principles
(IDT)
IEC 60050-300:2001,International Electrotechnical Vocabulary−Electrical and electronic
measurements and measuring instruments−Part 311: General terms relating to measurements
IEC 60050-702:1992,International Electrotechnical Vocabulary. Chapter 702: Oscillations, signals and
related devices
IEC/TR 61000-1-6:2012,Electromagnetic compatibility (EMC)−Part 1-6: General−Guide to the
assessment of measurement uncertainty
IEC Guide 107,Electromagnetic compatibility−Guide to the drafting of electromagnetic compatibility
publications
JIS C 61000-4-4:2015の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61000-4-4:2012(IDT)
JIS C 61000-4-4:2015の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.100 : 電磁両立性(EMC) > 33.100.20 : イミュニティ
JIS C 61000-4-4:2015の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称