JIS C 61000-4-5:2018 電磁両立性―第4-5部:試験及び測定技術―サージイミュニティ試験 | ページ 9

38
C 61000-4-5 : 2018 (IEC 61000-4-5 : 2014)
これらの記載事項は,表1で定義する試験レベル3でカバーされている。
クラス4 相互接続線が電源ケーブルに沿って屋外ケーブルとして配線され,ケーブルが電子及び電気回
路の両方に用いられる電気的環境。
装置が設置される環境の設備は,その設備又は雷によって発生する妨害電圧にさらされる可
能性がある電力設備の接地系統へ接続されている。
電力系統の地絡,開閉動作及び雷に起因するキロアンペア(kA)オーダの電流は,接地系統
に比較的高い振幅の妨害電圧を発生させる可能性がある。電源回路は,電子装置及びほかの電
気機器のものと同じであってもよい。相互接続ケーブルは,高電圧装置への接続の場合も,屋
外ケーブルとして配線されている。
この環境の特別な状態として,電子装置が人口密集地域の通信ネットワークに接続している
場合がある。系統的に構成されたグラウンドシステムが電子装置の周辺になく,接地は,パイ
プ,ケーブルなどで構成する。
サージ電圧は,4 kVを超えない。
これらの記載事項は,表1で定義する試験レベル4でカバーされている。
クラス5 非人口密集地域の通信線及び/又は架空電力線に接続された電子装置に対する電気的環境。
これら全てのケーブル及び配線は,過電圧(一次)保護を備えている。電子装置の周辺に,
広範な接地系統がない。地絡(10 kA以下)及び雷(100 kA以下)による妨害電圧は,非常に
高い可能性がある。
クラスX 製品仕様で指定する特別な条件。
C.4 交流又は直流電力系統に接続するポートの最小イミュニティレベル
電力系統への接続に対する最小イミュニティレベルを,次に示す。
− ライン−ライン間結合 : 0.5 kV
− ライン−グラウンド間結合 : 1 kV
C.5 相互接続線に接続するポートの装置レベルのイミュニティ
相互接続線回路でのサージ試験は,外部[きょう(筐)体の外]の接続に対してだけに適用される。
システムレベル(相互接続線を接続したEUT)での試験が可能な場合,特に相互接続線のシールドが保
護手段のときには,装置レベルでの試験は必要としない。装置の製造業者以外の人が設備への設置を行う
場合,EUTの入出力に対して許容できる電圧を指定することが望ましい。
製造業者は,装置レベルのイミュニティを確認するために,指定する試験レベル(例えば,二次保護を
備えたEUTのポートに対して0.5 kV)に基づいて装置を試験することが望ましい。設備の使用者又は設置
に対する責任者は,例えば雷などによって発生する妨害電圧が,選択したイミュニティレベルを超えない
ことを確実にするために,必要な対策(例えば,シールド,ボンディング,接地など)を施すことが望ま
しい。

――――― [JIS C 61000-4-5 pdf 41] ―――――

                                                                                             39
C 61000-4-5 : 2018 (IEC 61000-4-5 : 2014)
附属書D
(参考)
低電圧配電系統へ接続される装置のイミュニティ達成への考察
この規格は,電子装置及びシステムの電圧及び電流サージイミュニティを決定する試験を規定している。
試験される装置及びシステムは,ブラックボックスとして扱い,試験結果は,次の判断基準によって判断
する。
a) 正常な性能
b) 操作者の介在を必要としない,一時的な機能損失又は性能低下
c) 操作者の介在を必要とする,一時的な機能損失又は性能低下
d) 装置への永久的な損傷による機能損失(試験不合格を意味する。)
この規格の試験は,電子装置及びシステムに対する永久的な損傷及び破壊を含む,電子装置及びシステ
ムへの比較的低い電流サージによって発生する可能性があるあらゆる影響を調査する。その一方,一時的
な機能損失については関与せず,実際に発生する装置及びシステムの損傷及び破壊に関するほかの試験規
格がある。
JIS C 60664-1は,低電圧配電系統の装置の絶縁協調に関係する。また,JIS C 5381-11は,低電圧配電系
統に接続されるSPDの試験規格である。これら二つの規格は,いずれも装置への一時的な過電圧印加の影
響に関係する。
この規格を含むJIS C 61000規格群及び/又はIEC 61000規格群では,上記で示す装置又はシステムに
対する一時的な過電圧状態の影響は,考慮していない。
永久的な損傷は,システム故障時間,及び修理又は交換費用の理由から,ほとんど許容されない。この
種の機能停止は,通常,サージ保護が不適切又は全くないことによって生じる。これによって,高電圧及
び過度のサージ電流が装置の回路へ侵入し,その結果として,動作の中断,部品故障,永久的な絶縁破壊,
火災事故,発煙及び感電が発生する。また,装置又はシステムが非常に重要で,サージ発生中であっても
運転を継続しなければならない場合,いかなる機能損失及び性能低下も望ましくない。
この規格に規定する試験では,印加する電圧試験レベルの大きさ及びその結果流れたサージ電流は,装
置の応答に直接影響する。すなわち,装置が適切なサージイミュニティをもつように設計されていない場
合,サージの電圧レベルが高くなればなるほど,機能の損失又は性能低下の発生頻度は高い。
低電圧配電系統で用いるSPDを試験するために,JIS C 5381-11のクラスIII試験では,8/20 sの短絡電
流波形及び1.2/50 sの開回路電圧波形を発生する実効出力インピーダンス2 ΩのCWGを規定している。
この規格では,通電された装置及びシステムのサージイミュニティ試験に,同一のCWGを用いるが,異
なる結合素子及び場合によっては追加の直列接続インピーダンスを用いる。この規格の電圧試験レベルと
JIS C 5381-11に規定する開回路ピーク電圧Uocとは,同一のものである。この電圧は,CWGの端子にお
けるピークの短絡電流値を決定する。ただし,試験方法の違いによって,試験結果は,直接比較すること
はできない場合がある。
装置又はシステムのサージイミュニティは,内蔵のSPD,又は外付けのSPDによって実現する。SPD
の最も重要な選択基準は,JIS C 5381-11に定義及び規定する電圧防護レベルUpである。この値は,JIS C
60664-1に規定する装置の耐電圧Uwと,特定の条件における試験期間中にSPDの端子間に発生する可能
性がある最大電圧とで協調することが望ましい。

――――― [JIS C 61000-4-5 pdf 42] ―――――

40
C 61000-4-5 : 2018 (IEC 61000-4-5 : 2014)
なお,電圧防護レベルUpは,装置の耐電圧Uwとの絶縁協調のため,JIS C 5381-12だけに用いられてい
る。保護デバイスの電圧保護レベルは,ほぼ同等のストレスが印加されるこの規格の試験のイミュニティ
電圧レベル未満であることが望ましいが,特に二つの規格間の波形は,常に比較可能ではないため,現在
のところ,これは取り扱わない。
一般的に,この規格による装置のサージイミュニティレベルは,JIS C 60664-1に規定する絶縁耐圧より
も低い。ただし,JIS C 60364-4-44に規定する極端に低い保護電圧レベルをもつSPD(又は内蔵の保護素
子)の一時的過電圧の影響に,注意することが望ましい。サージ印加中に装置を故障から保護し,動作を
継続し,かつ,ほとんどの一時的な過電圧状態に耐えるSPDを選択することは,十分可能である。

――――― [JIS C 61000-4-5 pdf 43] ―――――

                                                                                             41
C 61000-4-5 : 2018 (IEC 61000-4-5 : 2014)
附属書E
(参考)
サージ波形の数理モデル化
E.1 一般
この附属書では,次のために用いる数理的な基準波形を示す。
− サージ発生器の設計
− EUTにおけるサージ性能のシミュレーション
この附属書に示す数式は,次の要求事項を考慮して定義した。
− ESD,EFT/B,サージなど過度現象に関するIEC規格で用いられているものと同じ基本式を用いる。
− この規格に規定する開放及び短絡状態でフロントタイム及び持続時間の公称値を再現する。
− 該当する場合,EUTの設計者が,この規格に規定した簡易回路図及びその公称値を用いたCWGの回
路モデルを組み立てることを支援する。
− 数値的シミュレーションを行うときの不安定さを回避するために,開始時にゼロに等しい導関数を用
いる。
注記 電圧サージ(1.2/50 s)及び電流サージ(8/20 s)について,この附属書に示す波形の数理モ
デルは,IEEE Std C62.45-2002に規定したものと一致する。ただし,IEEE Std C62.45-2002が
電圧サージ(10/1 000 s)の値を規定しているため,電圧サージ(10/700 s)との比較はでき
ない。また,電流サージ(5/320 s)については,IEEE Std C62.45-2002では規定していない。
この附属書に用いるパラメータの定義は,次による。
a) wは,最初にピーク値の50 %に達してから,次にピーク値の50 %に達するまでの時間間隔
b) は,サージ電圧がピーク値の30 %における時間と90 %における時間との時間間隔
c) rは,サージ電流がピーク値の10 %における時間と90 %における時間との時間間隔
d) dは,最初の立ち上がり時間と立ち下がり時間の50 %の時間との間の時間間隔
e) fは,フロントタイム。次の値は,モデルシミュレーションに用いる簡易回路から発生する波形と一
致するように定義した。
1.2/50 s電圧サージ : Tf=1.67×T,Td=Tw
8/20 s電流サージ : Tf=1.25×Tr,Td=1.18×Tw
10/700 s電圧サージ : Tf=1.67×T,Td=Tw
5/320 s電流サージ : Tf=1.25×Tr,Td=Tw
f) BWは,スペクトル応答が−60 dB/decの傾斜で下降を開始する周波数を上限とするサージ波形の帯域

E.2 正規化した時間領域の1.2/50 μs電圧サージ
1.2/50 s電圧サージの正規化した時間領域の式を,式(E.1)に示す。

――――― [JIS C 61000-4-5 pdf 44] ―――――

42
C 61000-4-5 : 2018 (IEC 61000-4-5 : 2014)
SURGE
t
t
v1 1
vSURGE t kV e 2
(E.1)
kSURGE t
SURGE
1
1
式(E.1)の係数は,次の値を用いる。
kV=1 τ1=0.356 μs
τ2=65.845 μs
v1=0.94
ηSURGE=1.852
1
1 2
SURGE SURGE
kSURGE 2 1
時間関数としての1.2/50 μs電圧サージ波形を,図E.1に示す。
正規化電圧
1
0.8
0.6
0.5
0.4
50μs
Tw==50
Tw
0.2
0
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
時間(
時間 (μs)
図E.1−1.2/50 s電圧サージ
立ち上がり波形の拡大図を,図E.2に示す。

――――― [JIS C 61000-4-5 pdf 45] ―――――

次のページ PDF 46

JIS C 61000-4-5:2018の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61000-4-5:2014(IDT)

JIS C 61000-4-5:2018の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 61000-4-5:2018の関連規格と引用規格一覧

規格番号
規格名称
JISC60050-161:1997
EMCに関するIEV用語