JIS C 61000-4-7:2007 電磁両立性―第4-7部:試験及び測定技術―電力供給システム及びこれに接続する機器のための高調波及び次数間高調波の測定方法及び計装に関する指針 | ページ 10

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る。それは電圧及び電流の両方に関連するものであり,電流の式は,電圧で示された式と同一である。
ほとんどの適用については,第2次第25次の高調波範囲を考慮すれば十分である。
b) インダクタンスに適用される重み付けされたひずみ率
40 2
Un
Dind /U1
n 2 na
ここに, 懿 1...2
ひずみ率Dindは,電圧にだけ用いる。これは,コイル,誘導電動機及び一部の同期発電機のような
インダクタンスによる付加的な熱応力の近似的な数値である。
ほとんどの適用については,第2次第20次の高調波を考慮すれば十分である。
c) コンデンサに適用する重み付けされたひずみ率
40
Dcap (n Un ) 2 /U1
n 2
ひずみ率Dcapは,電圧だけに用いる。これは,システムに(直列インダクタンスなしに)直接接続
されたコンデンサによる付加的な熱応力の近似的な数値である。
JA.10.2.2 評価雑音の重み付け
オーディオラインヘの電磁結合の影響を評価するためには,ITU-Tに従った妨害の評価雑音で重み付け
した出力も役立つことがある。
JA.10.3 対称成分の測定
与えられた周波数fn(すなわち“元のシステム”の)の不平衡三相電圧(又は電流)は,同一周波数の
3個の“対称システム”の総和によって置き換えることができる。
− 正相分Un, pos (In, pos)(相順 L1,L2,L3)
− 逆相分Un, neg (In, neg)(相順 L1,L3,L2)
− 零相分Un, 0 (In, 0)
仮に元のシステムの3個の電圧(又は電流)が同一の波形をしている場合,すなわち基本波周期の±1/3
を移動して同一となる場合,すべての高調波に対して唯一の“特性”システムが存在し,次数n=3×m (m
=1,2,3,···)の高調波だけが零相分を,次数n=3×m−2の高調波だけが正相分を,次数n=3×m−1の
高調波だけが逆相分を形成する。
現実には,非対称性は常に存在し,また“非特性的”高調波の原因となる。これらは,例えば電線,ケ
ーブル,変圧器など完全には平衡のとれない装置,不均一に分布する単相負荷による微小な非対称性の存
在に敏感である。低電圧主回路(1 000 V以下)の非特性的高調波電圧は,それらの特性に関係して,それ
ぞれ次数n≠3×mに対して20 %まで,次数n=3×mに対して50 %まで達することがある。
高調波に関して対称成分を用いる理由を,次に示す。
− ほとんどすべての負荷及び回路網設備(配線,ケーブル,変圧器)にとって,正相(又は逆相)のイ
ンピーダンスは,零相インピーダンスとは異なっている。したがって,注入された電流によって生じ
た高調波電圧を評価するためには,別のシステムの処理が必要である。
− 零相の電流及び電圧は,通常用いる変圧器(デルタ・スター,又はスター・千鳥)によっては変換さ
れない。
− デルタ接続負荷(電動機,コンデンサバンクなど)は,零相電圧によって影響されない。例えば,第

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3次高調波電圧の非特性的成分だけがこれらの電動機に付加的損失を生じさせる。
− 三相機器の対称性を損なう微小事故(例えば,溶断ヒューズの不良又は補償装置の一つのコンデンサ
の不良)は,その相対的な非特性電流を測定することによって容易に検出できる。
対称成分は,よく知られた形式の分解マトリックスを用いる方法,又は特殊な計測器で直接測定する方
法による三相の測定値から計算できる。
JA.10.4 次数間高調波の測定
次数間高調波電流源及び次数間高調波電圧の影響は,IEC 61000-2-2 : 1990で取り扱う。次数間高調波は,
準安定状態といえるが,通常振幅及び/又は周波数が変化する。
a) 少なくとも固定周波数をもつ準安定状態の次数間高調波は,準安定状態用に指定された計装で測定し
てよい。時間領域形又は周波数領域形の計測器,例えば,ヘテロダイン計測器は,任意の周波数に同
期又は調整可能な場合,用いることができる。
次数間高調波の主要な影響の一つに,リプル制御受信器の動揺の可能性がある。そのため,通常の
リプル制御受信器の帯域幅に対応して,−3 dBにおいて約5 Hzの帯域幅,すなわち,ウィンドウ幅
Tw=0.16 sを推奨する。
結果として,fmを中心とする各周波数の周辺の次数間高調波成分は測定することができ,また,そ
れがリプル制御の周波数に対応する場合,次数間高調波の妨害レベルを正確に評価できる。
b) 周波数領域形計測器は,急速に変動する周波数に対して計測器を同期させることが困難なために,揺
動する又は急激に変化する次数間高調波周波数の測定には,通常は適切ではない。
時間領域形計測器は,使用可能である。それは,同様に,測定する次数間高調波周波数と同期して
いる必要はないが,すべての周波数fm=m/Tw(ここで,Twは時間ウィンドウ幅,また,m=0,1,2
···)で測定結果が与えられる。したがって,各中心周波数fmの周辺での次数間高調波成分は測定が可
能であり,また,それがリプル制御の周波数に合致している場合,次数間高調波の妨害レベルも正し
く評価できる。上述のウィンドウ幅0.16秒は6.25 Hzのすべての周波数線を与える。これは,望まし
い帯域幅と急激に変化する振幅及び/又は周波数に追従する能力との間の適切な妥協である。
さらに,仮に幾つかの次数間高調波線だけが優位(例えば,6.25 Hzの周波数ウィンドウ内の最大値
の一つの次数間高調波周波数)の場合は,複素平面で fint−fmの差で回転するベクトルとして解釈
できる。ここで,fintは次数間高調波の実際の周波数,fmは測定された中心周波数である。実際の周波
数fintは再計算してもよく,また,FFT変換の伝達関数による減衰は,ソフトウェアの操作によって補
正してもよい。
次数間高調波の統計的評価が必要な場合は,JA.9の規定に従ってもよい。次数間高調波の場合は,
固定高調波周波数の代わりに周波数範囲を考慮しなければならない。これらの範囲の中心及び幅は,
検討している現象(例えば,リプル制御受信器への影響又はフリッカ効果への影響)に従って選択す
る。
JA.11 周囲条件による影響−イミュニティテスト
製造業者は,次の各項目について,定格動作条件を明示しなければならない。また,これらの周囲条件
が変動した場合に,機器に生じる可能性がある誤差の大きさを明示しなければならない。
− 温度
− 湿度
− 機器供給電圧及びシリースモードの妨害波

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− 機器の接地端子と主電源入力との間のコモンモードの妨害波電圧
− 静電気放電
− 放射電磁界
注記 安全及び絶縁要件に関してJIS C 1010-1を適用する場合,入力回路(電圧及び電流)は,主供
給電圧に直接接続されることを考慮しなければならない。
JA.11.1 温度及び湿度
要求される温度及び湿度範囲は,次による。
− 機器の動作状態での周囲温度 : +5 ℃+40 ℃
− 機器の保管状態での周囲温度 : −10 ℃+55 ℃
− 機器の動作状態での相対湿度 : 40 %95 %
JA.11.2 計測器供給電圧
製造業者は,要素が次のように変動した場合に,機器が影響を受ける誤差を示さなければならない。ま
た,この影響誤差は,図JA.1で規定する機器の精度に対して無視できる範囲でなければならない。ここで
示す電源のすべての変動要素は,補助電源装置にも適用する。
− 定格周波数からの偏移 : ±2 %
− 定格電圧からの偏移 : ±15 %
− 総合ひずみ :
− 通常用途においては10 %以下
− 現場測定のように過度なひずみをもった電源で用いる計装は,より高い総合ひずみ耐力が必要とな
る。
− 端子間に重畳する過渡電圧 : ピーク値2 kV(両極性 : インパルス波形 : 1.2/50
− 瞬時停電 : 期間10 ms
注記 さらに長い瞬時停電 (> 10 ms) については,記録したデータを安全に保存し,かつ,測定は,
瞬時停電の後,自動的に再開しなければならない。
− その他の妨害の影響 : 検討中。
試験は,関連するIEC規格によって行う。
JA.11.3 コモンモード妨害電圧
製造業者は,次に示す要素によって受ける影響誤差を明示しなければならない。また,この誤差は,表
示した精度に対して,無視できる範囲でなければならない。
− 主電源周波数で実効値420 V未満のコモンモード電圧を,次の各ペアチャネル間に加える。
− 各入力チャネル(電圧又は電流)
− 補助電源供給端子
− 接地された測定機器のきょう体及び出力端子
− 過渡電圧印加 : ピーク値2 kVを機器の接地されたきょう体と外部供給電圧との間に加える(インパル
ス電圧波形 : 1.2/50 。
− その他の妨害の影響 : 検討中。
JA.11.4 静電気放電
JIS C 61000-4-2の規定に従って試験する。
試験電圧 : 15 kV(気中放電)
JA.11.5 電磁界

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影響誤差は,電源周波数での100 A/mの磁界の影響を受けた状態で表示する。
その他の妨害の影響 : 検討中。
許容誤差 : 次の値から誘導される最大値。
a) 限度値の5 %又は
b) rの0.15 %
測定−計装の精度 : 次の値から誘導される最大値。
c) 測定値の5 %
b) 初期値の0.15 %
図JA.1−被試験機器の定格電流に関する許容誤差及び推奨測定器精度

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測定した電圧変圧器の代数 : 41台
最大誤差5 %
最大誤差5°
図JA.2−変換比が周波数fに対して(公称値から)最大5 %又は5°未満であった誘導電圧変圧器が
測定した台数の何 %あったかの百分率p
1 : 入力部
2 : フィルタ部
3 : 整流器
4 : 低減フィルタ(必要な場合)
5及び5° : 指示器,記憶器でCn及び/又は Cを示す
n
図JA.3−測定及び評価装置のブロック図

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JIS C 61000-4-7:2007の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61000-4-7:2002(IDT)

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