JIS C 6121:2010 光増幅器―通則 | ページ 2

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C 6121 : 2010 (IEC 61291-1 : 2006)
間で合意した製品仕様で指定できる。
マルチチャネルシステムの場合のように,光増幅器に波長多重光信号を入力する場合は,既存の関連パ
ラメータの定義を適切に修正するとともに,新たにパラメータを定義しなければならない。
マルチチャネル用光増幅器の典型的な構成を,図2に示す。送信側では,m台の光送信器Tx1Txmが送
出した,それぞれ異なる波長λ1λmをもつm波の信号光を,光合波器 (OM) で合波する。受信側では,
波長λ1λmのm波の信号光を光分波器 (OD) で分波し,m台の個別の光受信器Rx1Rxmのそれぞれに入
力する。このマルチチャネル用光増幅器の特性を規定するため,図2に示すように,光増幅器の入出力端
をそれぞれ入力参照面及び出力参照面と定義する。
PASE (
図2−マルチチャネル用光増幅器の典型的な構成
入力参照面には,m波の波長で,それぞれ特定のパワーレベルPi1,Pi2···.Pimをもつm個の入力信号があ
る。出力参照面では,対応するm個の個々の入力信号が増幅され,結果としてm波の波長でそれぞれのパ
ワーレベルPo1,Po2···.Pomをもつm個の出力光信号がある。さらに,光増幅器の出力端では,雑音パワー
スペクトル密度PASE (λ) をもつ増幅された自然放出光 (ASE) も考慮しなければならない。
単一チャネル用に規定する関連パラメータの定義のほとんどは,マルチチャネル用途まで拡張して適用
できる。そのまま拡張が可能な場合は,該当するパラメータに“チャネル”という用語を追加する。特に,
雑音指数及び信号光−ASE間雑音指数については,各チャネル波長でのPASE (λ) の値及びチャネル信号帯
域幅を考慮することによって,マルチチャネル用途における各チャネルに対しても拡張して適用できる。
各チャネル波長が,全入力信号パワーレベルの関数として,それぞれ異なる雑音指数の値をもつことにな
る。この場合,チャネル雑音指数及びチャネル信号光−ASE間雑音指数というパラメータを導入する。し
かし,これに加えて,幾つかの新たなパラメータを定義する必要もある。各々のパラメータに対して,チ
ャネル信号波長,各チャネルの入力パワーなど,特定のマルチチャネル構成を規定する。
特に規定しない限り,3.2及び3.3に規定する光パワーは平均パワーを示す。
注記3 3.2及び3.3に定義するパラメータは,一般的に,温度又は入力信号光の偏波状態に依存する。
温度及び偏波状態は,一定に保つか又は測定し,測定パラメータと共に記録することが望ま
しい。
注記4 測定光パワーは開放ビームパワーであるため,光パワーの絶対値の測定では0.18 dB程度の
誤差がある。
注記5 分布増幅の場合,すべてのパラメータは伝送用光ファイバを模擬する参照用光ファイバに依
存する。

――――― [JIS C 6121 pdf 6] ―――――

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3.2及び3.3で定義する用語は,JIS C 6121規格群及びJIS C 6122規格群で規定する光増幅器に,一般的
に適用できる。

3.2 光増幅器及び分布増幅器に関する用語及び定義

3.2.1
利得 (gain)
光増幅器の入力端に接続した入力側光ファイバ端部の光信号パワーの光増幅器の出力端の光信号パワー
に対する比。光増幅器の入力端と入力側光ファイバとの間の接続損失を含む。
注記1 利得は,デシベル (dB) で表す。
注記2 入出力コードに用いる光ファイバは,光増幅器内部の入出力端に用いる光ファイバと同タイ
プの光ファイバを使用することが望ましい。
注記3 出力信号光パワーからは,ASEの光パワーを除外することが望ましい。
3.2.2
小信号利得 (small-signal gain)
指定した信号波長及び励起光パワー条件で,利得が入力信号光パワーに依存しない線形領域で光増幅器
を動作させたときの利得。
注記 この特性は,個々の波長又は波長の関数で表すことができる。
3.2.3
逆方向利得 (reverse gain)
光増幅器の入力端子と出力端子とを逆にして測定した利得。
3.2.4
逆方向小信号利得 (reverse small-signal gain)
光増幅器の入力端子と出力端子とを逆にして測定した小信号利得。
3.2.5
最大利得 (maximum gain)
規定した公称動作条件で光増幅器を動作させた場合に得ることができる,最も高い利得。
3.2.6
最大小信号利得 (maximum small-signal gain)
規定した公称動作条件で光増幅器を動作させた場合に得ることができる,最も高い小信号利得。
3.2.7
最大利得波長 (maximum gain wavelength)
最大利得が得られる波長。
3.2.8
最大小信号利得波長 (maximum small-signal gain wavelength)
最大小信号利得が得られる波長。
3.2.9
利得波長変動 (wavelength variation)
指定した波長範囲内における,利得の最大変動幅。
3.2.10
小信号利得波長変動 (small-signal gain wavelength variation)
指定した波長範囲内における,小信号利得の最大変動幅。

――――― [JIS C 6121 pdf 7] ―――――

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3.2.11
単一チャネル動作における利得スロープ (gain-slope under single wavelength operation)
ある波長及びパワーをもつ光信号を光増幅器に入力したときに,信号波長においてパワーの小さいプロ
ーブ光が得る利得の波長に対する微分値。アナログ動作時に適用する。
利得波長形状への影響を抑制するため,プローブ光総平均出力レベルは,入力信号に対し20 dB以上低
くしなければならない。
3.2.12
偏波依存利得変動,PDG (polarization-dependent gain)
公称動作時における,入力光の偏波状態の変化に起因した光増幅器利得の最大変動。
注記 光増幅器における偏波依存利得変動の発生要因は,内蔵された受動部品の偏波依存損失である。
3.2.13
チャネル利得 (channel gain)
規定したマルチチャネル構成における各チャネル(波長λj)の利得。マルチチャネル用途の場合に適用
する。
チャネル利得は,次の式によって求める。
Gj=Poj−Pij
ここに, Gj : チャネル利得 (dB)
Pij : j番目のチャネルの入力パワーレベル (dBm)
Poj : j番目のチャネルの出力パワーレベル (dBm)
j : 1からチャネル総数までの順序数
注記 光増幅器の飽和出力レベルは,すべての波長の入力信号の和によって決定されるので,チャネ
ル利得は,すべての信号の入力パワーレベルに依存する。
3.2.14
マルチチャネル利得偏差,チャネル間利得差 (multichannel gain variation, interchannel gain difference)
規定したマルチチャネル構成における任意の二つのチャネルのチャネル利得の差分。
マルチチャネル利得偏差は,次の式によって求める。
ΔGjk=Gj−Gk
ここに, ΔGjk : マルチチャネル利得偏差 (dB)
Gj : j番目のチャネル利得 (dB)
Gk : k番目のチャネル利得 (dB)
j : 1からチャネル総数までの順序数
k : 1からチャネル総数までの順序数
ただし,jとkとは同じ値にはならない。
注記1 通常,このパラメータは,マルチチャネル利得偏差の最大値を規定する。これは,二つのチ
ャネルのすべての組合せの中でマルチチャネル利得偏差の絶対最大値を示す。通常,入力パ
ワーレベルは,規定範囲の最小値及び最大値に設定する。また,入力パワーレベルは,ある
利得値又は総出力パワーレベルを達成するために規定することもある。マルチチャネル利得
偏差の最大値は,次の式によって求める。
ΔGMAX=MAXjk (|ΔGjk|)
ここに, ΔGMAX : マルチチャネル利得偏差の最大値 (dB)
ΔGjk : マルチチャネル利得偏差 (dB)
j : 1からチャネル総数までの順序数

――――― [JIS C 6121 pdf 8] ―――――

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k : 1からチャネル総数までの順序数
ただし,jとkとは同じ値にはならない。
注記2 マルチチャネル利得偏差及びチャネル間利得差は,利得平たん(坦)性ともいう。
3.2.15
相互利得飽和 (gain cross-saturation)
規定したマルチチャネル構成における,あるチャネルのチャネル利得変化の,他のチャネルの入力パワ
ーレベル変化に対する比。ここで,他のすべてのチャネルの入力パワーレベルは一定とする。マルチチャ
ネル用途の場合に適用する。
相互利得飽和は,次の式によって求める。
GXSjk=ΔGj/ΔPk
ここに, GXSjk : 相互利得飽和 (dB/dB)
ΔGj : j番目のチャネルのチャネル利得変化 (dB)
ΔPk : k番目のチャネルの入力パワーレベルの変化 (dB)
j : 1からチャネル総数までの順序数
k : 1からチャネル総数までの順序数
ただし,jとkとは同じ値にはならない。
注記 通常,このパラメータは,各チャネルの入力パワーが許容最小レベルにある場合で,その入力
パワー変動に対して規定する。製品によっては,その他のパワー変動で規定することもある。
3.2.16
チャネル間クロストーク (interchannel crosstalk)
IECで審議中。マルチチャネル用途の場合に適用する。
3.2.17
マルチチャネル利得変化差,チャネル間利得変化差 (multichannel gain-change difference, interchannel
gain-change difference)
規定したチャネル配置のうち二つの規定したチャネル入力パワーに対して,一つのチャネル利得の変化
と他方のチャネル利得の変化との差。
マルチチャネル利得変化差は,次の式によって求める。
GDjk=[Gj(1)−Gj(2) ]−[Gk(1)−Gk(2) ]
ここに, GDjk : マルチチャネル利得変化差 (dB)
Gj(1) : 第1のチャネル入力パワーでのj番目のチャネル利得 (dB)
Gj(2) : 第2のチャネル入力パワーでのj番目のチャネル利得 (dB)
Gk(1) : 第1のチャネル入力パワーでのk番目のチャネル利得 (dB)
Gk(2) : 第2のチャネル入力パワーでのk番目のチャネル利得 (dB)
j : 1からチャネル総数までの順序数
k : 1からチャネル総数までの順序数
ただし,jとkとは同じ値にはならない。
注記1 通常,入力パワーレベルをすべて最小に設定した場合及びすべて最大に設定した場合を二つ
の規定したチャネル入力パワーとする。
注記2 通常,マルチチャネル利得変化差は最大値を規定する。受渡当事者間で合意した製品仕様で
は,他の条件で規定することもある。
注記3 プリアンプ又はラインアンプとして使用するOAでは,順方向ASEパワーレベルの影響もあ
る。この場合,チャネル入力パワーとしては順方向ASEの寄与を取り入れて規定することが
望ましい。

――――― [JIS C 6121 pdf 9] ―――――

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C 6121 : 2010 (IEC 61291-1 : 2006)
注記4 このパラメータは,マルチチャネル利得傾斜の定義が適用できない場合に代用できる。
3.2.18
マルチチャネル利得傾斜,チャネル間利得変化率 (multichannel gain tilt, interchannel gain-change ratio)
入力条件が第1のチャネル入力パワーから第2のチャネル入力パワーに変化したときの,各チャネルの
利得変化の基準チャネルの利得変化に対する比。マルチチャネル用途の場合に適用する。
マルチチャネル利得傾斜は,次の式によって求める。
GTj=[Gj(1)−Gj(2) ]/[Gr(1)−Gr(2) ]
ここに, GTj : マルチチャネル利得傾斜 (dB)
Gj(1) : 第1のチャネル入力パワーでのj番目のチャネル利得 (dB)
Gj(2) : 第2のチャネル入力パワーでのj番目のチャネル利得 (dB)
Gr(1) : 第1のチャネル入力パワーでの基準チャネルのチャネル利得
(dB)
Gr(2) : 第2のチャネル入力パワーでの基準チャネルのチャネル利得
(dB)
j : 1からチャネル総数までの順序数
注記1 通常,マルチチャネル利得傾斜は,基準チャネルで観測するチャネル利得の変化をもとに,
様々なチャネル入力パワーに対する各チャネルの利得を予測するために使用する。
注記2 通常,入力パワーレベルをすべて最小に設定した場合及びすべて最大に設定した場合を二つ
の規定したチャネル入力パワーとする。
注記3 受渡当事者間で合意した製品仕様では基準チャネルを規定することがある。基準チャネルの
マルチチャネル利得傾斜は,1 dB/dBと定義する。
注記4 ハイブリッド多段アンプ構成,不均一広がりをもつ利得媒質,自動利得制御機能をもつアン
プなどの異なる条件でのチャネル利得の予測には,マルチチャネル利得傾斜は適さないこと
がある。
3.2.19
チャネル増減設利得応答(定常状態)(channel addition/removal steady-state gain response)
規定したマルチチャネル構成のもとで,一つ以上のチャネルの信号を増減設したときの,それらとは異
なる任意の一つのチャネルにおけるチャネル利得の定常値の変化。
注記1 通常,チャネル増減設前後のいずれかのチャネルのパワーレベルを許容する最小値としたと
きの,チャネル増減設利得応答の最大値で規定する。ただし,受渡当事者間で合意した製品
仕様において,最小値以外の増減設前後のパワーレベルの場合を示すこともある。
注記2 チャネル増減設利得応答の最悪値(最大値)は,一般に,1チャネルを除いたすべてのチャ
ネルを増減設するときに生じる。
注記3 チャネル増減設利得応答は,デシベル (dB) で表す。
3.2.20
チャネル増減設利得過渡応答 (channel addition/removal transient gain response)
規定したマルチチャネル構成のもとで,一つ以上のチャネルの信号を増減設したとき,増減設したチャ
ネルとは別の任意の一つのチャネルが,増減設後の過渡応答時におけるチャネル利得の初期値からの変化
の最大値。
注記1 通常,チャネル増減設前後のいずれかのチャネルのパワーレベルを許容する最小値としたと
きの,チャネル増減設利得過渡応答の最大値で規定する。ただし,受渡当事者間で合意した

――――― [JIS C 6121 pdf 10] ―――――

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JIS C 6121:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61291-1:2006(IDT)

JIS C 6121:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6121:2010の関連規格と引用規格一覧