JIS C 6121:2010 光増幅器―通則 | ページ 3

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C 6121 : 2010 (IEC 61291-1 : 2006)
製品仕様において,最小値以外の増減設前後のパワーレベルの場合を示すこともある。
注記2 チャネル増減設利得過渡応答の最悪値(最大値)は,一般に,1チャネルを除いたすべての
チャネルを増減設するときに生じる。
注記3 正方向へのチャネル利得の最大の変化は,通常,オーバーシュートという。負方向へのチャ
ネル利得の最大の変化は,通常,アンダーシュートという。
注記4 チャネル増減設利得過渡応答は,デシベル (dB) で表す。
3.2.21
チャネル増減設利得過渡応答時定数 (channel addition/removal transient response time)
チャネル増減設時から,増減設したチャネル又はそれと異なるチャネルの出力パワーレベルが,増減設
後の定常値の±N dB以内に達するまでの時間。Nは,受渡当事者間で合意した製品仕様で規定する。
増減設の発生する時間が利得過渡応答時間に比較し無視できる場合,チャネル数の瞬時変化に適用する。
3.2.22
オンオフ利得 (on-off gain)
励起光をオフした状態を基準とし,励起光をオンしたときの分布増幅用光ファイバからの出力信号光パ
ワーの増加量。分布形光増幅器だけに適用する。
注記1 入力信号光パワーと出力信号光パワーとの比較ではないオンオフ利得は,光ファイバの損失
を含み,光ファイバ損失は増幅器単体ではなく伝送システムに関連するため,通常の利得と
は異なる。その結果,入出力間の受動的損失の量に従って,オンオフ利得の値は通常の利得
より大きくなる。
注記2 オンオフ利得は,デシベル (dB) で表す。
注記3 実効利得ともいう。
3.2.23
ネットオンオフ利得 (net on-off gain)
分布増幅を得るために追加で必要とする光学装置を光ファイバに取り付けない状態を基準とし,励起光
をオン状態としたときの分布増幅用光ファイバからの出力信号光パワーの増加量。
3.2.24
波長帯域 (wavelength band)
入力信号光パワーが規定した入力光パワー範囲内にあるときに,光増幅器の出力信号光パワーを規定し
た出力光パワー範囲内に保つことができる波長範囲。
3.2.25
使用可能波長帯域 (available signal wavelength band)
光フィルタの効果を含む光プリアンプの波長帯域。光フィルタを内蔵する光プリアンプだけに適用する。
3.2.26
可変波長範囲 (tunable wavelength range)
波長可変光フィルタを内蔵する光プリアンプにおいて,内蔵する波長可変光フィルタを調整可能な波長
帯域内の波長範囲。
3.2.27
チャネル配置 (channel allocation)
チャネルの数,チャネルの中心周波数(中心波長)及びそれらの中心周波数(中心波長)の許容偏差の
割当て。マルチチャネル用途の場合に適用する。

――――― [JIS C 6121 pdf 11] ―――――

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C 6121 : 2010 (IEC 61291-1 : 2006)
3.2.28
利得安定度 (gain stability)
公称動作条件における,指定した測定時間内での利得変動の程度。利得の最大値の最小値に対する比で
表す。
3.2.29
小信号利得安定度 (small-signal gain stability)
公称動作条件における,指定した測定時間内での小信号利得変動の程度。小信号利得の最大値の最小値
に対する比で表す。
3.2.30
最大利得温度変動 (maximum gain variation with temperature)
指定した範囲内の温度変動に対する利得の変化。
注記 最大利得温度変動は,デシベル (dB) で表す。
3.2.31
最大小信号利得温度変動 (maximum small-signal gain variation with temperature)
指定した範囲内の温度変動に対する小信号利得の変化。
注記 最大小信号利得温度変動は,デシベル (dB) で表す。
3.2.32
大信号出力安定度 (large-signal output stability)
公称動作条件及び指定した大入力信号光パワーにおける,規定した測定時間内での出力信号光パワー変
動の程度。出力信号光パワーの最大値の最小値に対する比で表す。
3.2.33
飽和出力光パワー(利得抑圧光パワー)(saturation output power,gain compression power)
信号波長における,小信号利得に対してN dB小さくなる利得を生じる出力信号光パワーレベル。
注記1 Nの代表的な値は,3である。
注記2 このパラメータを指定するには,波長を規定することが望ましい。
3.2.34
公称出力信号光パワー (nominal output signal power)
公称動作条件において指定した入力信号光パワーに対する最小の出力信号光パワー。
3.2.35
最大出力信号光パワー (maximum output signal power)
公称動作条件において光増幅器から得られる最も高い出力信号光パワー。
3.2.36
入力光パワー範囲 (input power range)
規定された出力信号パワーが得られ,光増幅器の性能を保証できる入力信号光パワーの範囲。
3.2.37
出力光パワー範囲 (output power range)
入力信号光パワーが規定した入力光パワー範囲内のときに得られ,光増幅器の性能を保証できる出力信
号光パワーの範囲。
3.2.38
雑音指数,NF (noise figure)

――――― [JIS C 6121 pdf 12] ―――――

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C 6121 : 2010 (IEC 61291-1 : 2006)
ショット雑音限界の信号光が光増幅器内を通過するときの,量子効率1,かつ,過剰雑音0の光検出器
の出力における信号対雑音比 (SNR) の劣化の指標。デシベル (dB) で表す。
注記1 雑音指数を規定する動作条件を指定することが望ましい。
注記2 この特性は個別波長ごとに,又は波長の関数として表すことができる。
注記3 光増幅器による雑音劣化は,信号光−ASE間ビート雑音,ASE間ビート雑音,内部反射雑音,
信号光ショット雑音,ASEショット雑音など,種々の要因によるものである。これらの各要
因は様々な条件に依存するので,雑音指数を正しく評価するためにはそれらの条件を規定し
なければならない。
注記4 慣例によってこの雑音指数は,正の数である。
注記5 アナログ用光増幅器の場合には,雑音指数は搬送波対雑音比 (CNR) の劣化量で表すことが
できる。
3.2.39
雑音係数,F (noise factor)
雑音指数を線形表示したもの。
3.2.40
チャネル雑音指数 (channel noise figure)
規定したマルチチャネル構成において規定した光学帯域幅における各チャネルの雑音指数。デシベル
(dB) で表す。
3.2.41
多重光路干渉 (MPI) 性能指数 (multi-path interference figure of merit)
多重光路干渉に起因する雑音係数への寄与をすべてのベースバンド周波数にわたって積分したもの。
注記 例えば,多重光路干渉は光路中の連続した複数の部分反射によって生じる。
3.2.42
二重レイリー散乱性能指数 (double Rayleigh scattering figure of merit)
レイリー散乱による多重光路干渉に起因する雑音係数への寄与をすべてのベースバンド周波数にわたっ
て積分したもの。
注記 光増幅用光ファイバが長い場合,利得と共に多くの散乱光が発生するため,二重レイリー散乱
は分布形及び集中形の光ファイバラマン増幅器と特に関連がある。高利得で光ファイバ長が長
い他の光ファイバ増幅器でもこの効果が生じる。その寄与は,利得が高いほど大きくなる。
3.2.43
周波数無依存雑音係数 (frequency-independent contribution to noise factor)
多重光路干渉に起因する雑音への寄与を除いた雑音係数。
3.2.44
信号光−ASE間雑音指数,NFsig-sp (signal-spontaneous noise figure)
信号光とASEとの間のビート雑音だけを考慮した場合の雑音指数。デシベル (dB) で表す。
3.2.45
チャネル信号光−ASE間雑音指数 (channel signal-spontaneous noise figure)
規定したマルチチャネル構成における各チャネルの信号光−ASE間雑音指数。デシベル (dB) で表す。
3.2.46
等価ASE−ASE帯域幅,Bsp-sp (equivalent spontaneous-spontaneous optical bandwidth)

――――― [JIS C 6121 pdf 13] ―――――

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C 6121 : 2010 (IEC 61291-1 : 2006)
信号光の周波数におけるASEスペクトルパワー密度の二乗との積を取ることによって,ASEスペクト
ルパワー密度の二乗をASEスペクトル帯域 (BASE) の全域にわたって積分した値と等しい値が得られる等
化的なスペクトル帯域幅。等価ASE−ASE帯域幅は,次の式によって求める。
2 B 2
Bsp -spASE sig ASE d
ASE
ここに, Bsp-sp : 等価ASE−ASE帯域幅
ρASE : ASEスペクトルパワー密度
νsig : 信号周波数
ν : 周波数
注記1 光増幅器の出力部に光フィルタを用いることによって,等価ASE-ASE帯域幅を低減するこ
とができる。
注記2 このパラメータは光増幅器のASE間ビート雑音の発生に関係し,ASEスペクトルパワー密度
の二乗で表せる量である。
3.2.47
等価全雑音指数 (equivalent total noise figure)
励起光をオフした状態を基準として,励起光をオンしたときにショット雑音限界の信号光が,分布増幅
用光ファイバを伝搬するときに生じる信号対雑音比 (SNR) の劣化の指標。量子効率1で過剰雑音0の光
検出器の出力で測定し,デシベル (dB) で表記する。分布形光増幅器だけに適用する。
注記1 等価全雑音指数が雑音指数と異なるのは,光増幅器の入出力でのSNRの比較ではない点であ
る。そのため,SNRの変化に関係する信号強度の増加は,利得ではなく等価利得で決まる。
特に,信号光−ASE間雑音指数の有効雑音指数における寄与は光受動部品の入出力間の損失
の大きさによって減少する。そのため,dB表記での分布形光増幅器の等価雑音指数は負の数
になり得る。
注記2 等価全雑音指数は等価利得で示す利得をもち,分布形光増幅器と同じASE出力パワーを発生
する集中形光増幅器を光ファイバの終端に設置した場合の雑音指数として理解できる。分布
形光増幅器の光ファイバ内で発生するASEの一部は,光ファイバの損失によって減少するた
め,分布形光増幅器で発生するASE出力パワーは集中形光増幅器で得られる値より小さくな
ることがある。
3.2.48
等価信号光−ASE間雑音指数 (equivalent signal-spontaneous noise figure)
等価全雑音指数を求めるときに,信号光とASEとの間のビート雑音だけを考慮した雑音指数。分布形光
増幅器だけに適用する。
3.2.49
偏波モード分散,PMD (polarization mode dispersion)
信号光が光ファイバ,又は部品及び光増幅器のようなアセンブリを通過するとき,二つの偏波主軸状態
間の平均の伝搬遅延の差[群遅延時間差 (DGD)]又は各偏波主軸状態での波形ひずみ(歪)によって,パ
ルス波形又はパルス幅が変化する現象。偏波モード分散,偏波依存性損失及び偏波依存性利得変動が同時
に発生した場合,許容しにくいビットエラーレートの増加につながる大きな波形ひずみを引き起こすこと
がある。
注記 偏波モード分散は,温度及び動作条件に依存する。

――――― [JIS C 6121 pdf 14] ―――――

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C 6121 : 2010 (IEC 61291-1 : 2006)
3.2.50
偏波主軸状態,PSP (principal state of polarization)
ある特定の周波数(又は波長)において出力される偏光状態 (SOP) が1次的に光周波数に依存しない二
つの直交した入力偏光状態。
注記1 光ファイバ,部品及びアセンブリは,一般的に,物質固有の複屈折率と外部的及び内部的に
加わる応力とによって変化する二つの偏波主軸状態で特徴付けられる。
注記2 これらの二つの偏波主軸状態間のDGDは,時間及び波長によって変動する。
注記3 SOPが偏波主軸状態の一つに一致するように調整した信号光は,少なくとも1次のPMDの
大きさに影響を受けない。
3.2.51
順方向ASEパワーレベル (forward ASE power level)
公称動作状態で,光出力端子から出力されるASEの指定した帯域内の光パワー。
注記1 このパラメータは光増幅器を光プリアンプ又は光ラインアンプとして利用する場合に特に重
要であり,主に使用する光フィルタの特性に依存する。
注記2 ASEパワーレベルを指定するには,利得,入力信号光パワーなどの動作条件を規定すること
が望ましい。
3.2.52
逆方向ASEパワーレベル (reverse ASE power level)
公称動作状態で光入力端子から出力される指定した帯域内のASEパワー。
3.2.53
ASE帯域幅 (ASE bandwidth)
光増幅器から出力されるASEパワーの最大値からみた減少量が規定値以内である周波数範囲の幅。
注記1 30 dB40 dBの減少量で規定するのが妥当と考えられる。
注記2 測定するASEスペクトルが励起光の漏れなどによってひずむ可能性があるので,適正な外挿
法による補正が必要な場合がある。
3.2.54
最大入力端光反射率 (maximum input reflectance)
動作波長内のすべての入力偏光状態において,公称動作条件下で光増幅器の入力端子に入射した光パワ
ーのうち,入力端子から反射した光パワーの割合の最大値。通常はデシベル (dB) で表す。
注記 測定は,指定した入力信号光パワーで行う。
3.2.55
最小入力端光反射率 (minimum input reflectance)
動作波長内のすべての入力偏光状態において,公称動作条件下で光増幅器の入力端子に入射した光パワ
ーのうち,入力端子から反射した光パワーの割合の最小値。通常はデシベル (dB) で表す。
注記 測定は,指定した入力信号光パワーで行う。
3.2.56
出力端光反射率 (output reflectance)
動作波長において,公称動作条件下で光増幅器の出力端子に入射した光パワーのうち,出力端子から反
射した光パワーの割合。通常はデシベル (dB) で表す。
注記 測定は,指定した入力信号光パワーで行う。

――――― [JIS C 6121 pdf 15] ―――――

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JIS C 6121:2010の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61291-1:2006(IDT)

JIS C 6121:2010の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 6121:2010の関連規格と引用規格一覧