JIS C 6180:1991 レーザ出力測定方法

JIS C 6180:1991 規格概要

この規格 C6180は、レーザ装置から自由空間に放射されるレーザ出力の測定方法について規定。

JISC6180 規格全文情報

規格番号
JIS C6180 
規格名称
レーザ出力測定方法
規格名称英語訳
Measuring methods for laser output power
制定年月日
1991年8月1日
最新改正日
2015年10月20日
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対応国際規格

ISO

国際規格分類

ICS

31.260
主務大臣
経済産業
JISハンドブック
電子 II-1 2020, 電子 II-2 2020, 電子 III-1 2020, 電子 III-2 2020
改訂:履歴
1991-08-01 制定日, 1996-07-01 確認日, 2001-09-20 確認日, 2006-01-20 確認日, 2010-10-01 確認日, 2015-10-20 確認
ページ
JIS C 6180:1991 PDF [15]
                                       日本工業規格(日本産業規格)                             JIS
C 6180-1991

レーザ出力測定方法

Measuring methods for laser output power

1. 適用範囲 この規格は,レーザ装置から自由空間に放射されるレーザ出力の測定方法について規定す
る。
なお,光ファイバから出射される光出力(以下,光ファイバ出射光という。)にも適用する。
備考 この規格の引用規格を,次に示す。
JIS C 6182 レーザビーム用光パワーメータ試験方法
JIS C 6802 レーザ製品の放射安全基準
JIS C 6822 マルチモード光ファイバ構造パラメータ試験方法
JIS C 6825 シングルモード光ファイバ構造パラメータ試験方法
2. 用語の定義 この規格で用いる主な用語の定義は,次のとおりとする。
(1) 光パワーメータ レーザ出力のうち,連続光及び(又は)パルス光の光パワーを定量的に計測できる
機器。検出器と指示計から構成される。
(2) 光エネルギーメータ レーザ出力のうち,パルス光の光エネルギーを定量的に計測できる機器。検出
器と指示計から構成される。
(3) 検出器 レーザ出力の光パワー及び(又は)光エネルギーを電気的出力に変換する機器。
(4) 有効受光面寸法 レーザ出力の検出に有効な受光面の寸法。検出器の機械的開口寸法ではない。
(5) 補助光学素子 レーザ出力測定に必要な,被測定光源及び光パワーメータ(又は光エネルギーメータ)
以外の光学素子。シャッタ,アパーチャ,光減衰器,ディフューザ,ビームスプリッタ,光フィルタ,
レンズ系,反射光終端器など。
(6) ビーム直径 ビームの断面で,光パワー密度がビーム内の最大値に対してe−2(=0.135 3)になる点間の
最大距離。
(7) 発散角 発散光(発散光線束)で,光パワー密度がビーム断面内の最大値に対してe−2(=0.135 3)にな
る点のうち,最も外側にある点を通る光線と光軸がなす角度の2倍[附属書2図2(a)参照]。
(8) 集束角 集束光(集束光線束)で,光パワー密度がビーム断面内の最大値に対してe−2(=0.135 3)にな
る点のうち,最も外側にある点を通る光線と光軸がなす角度の2倍[附属書2図2(b)参照]。
備考 この規格をJIS C 6802に適用する場合は,(6)(8)の“e−2(=0.135 3)”を“e−1(=0.367 9)”とす
る。
(9) 背景光 測定対象光以外の光で,正規の経路を通って検出器に到達する光。太陽光,照明光,励起光,
放電光,蛍光など。
(10) 迷光 正規でない経路を通って検出器に到達する光。検出器などのすきまを通過してくる光及び測定
機器の内壁,光学部品の表面や内部,光学部品の支持具などから生じる反射光,散乱光,蛍光など。

――――― [JIS C 6180 pdf 1] ―――――

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C 6180-1991
3. 被測定光と測定項目 被測定光は,単一波長レーザ又は多波長レーザから放射される連続光又はパル
ス光とする。検出器への入力形態には,自由空間と光ファイバ系とがあり,測定項目は表1による。この
規格では,連続光の光パワーの測定を基本として規定し,パルス光の測定では,“光パワー”を“光エネル
ギー”と読み替えることとする。
表1 被測定光と測定項目
被測定光 測定項目
連続光 光パワー (W)
パルス光光平均パワー (W) ,光ピークパワー (W) ,光エネルギー (J)
4. 測定機器の選択
4.1 測定環境 使用する測定機器(補助光学素子を含む。)は,温度,湿度,外光,風速などの環境条件
に適合するものでなければならない。
4.2 測定レベル範囲
4.2.1 一般事項 測定レベルに対応して,所要の最大測定光パワー,最小測定光パワー,最大測定光パワ
ー密度などをもつ検出器を選択しなければならない。特に,光ファイバ出射光は,次のような性質をもっ
ているため,測定機器の選択には注意が必要である。
(a) 出射ビームの広がりが大きい。
(b) ビーム断面内の光パワー分布が複雑である。
(c) 偏光特性がある。
4.2.2 最大測定光パワー 検出器の最大測定光パワーは,被測定光の光パワーより大きい値でなければな
らない。
被測定光の光パワーが検出器の最大測定光パワーより大きいときは,附属書1の方法によって測定レベ
ル範囲を拡大する。
4.2.3 最小測定光パワー 検出器の最小測定光パワーは,被測定光の光パワーより小さい値でなければな
らない。
4.2.4 最大測定光パワー密度 検出器の最大測定光パワー密度は,被測定光の受光面上での光パワー密度
より大きい値でなければならない。被測定光の光パワー密度が検出器の最大測定光パワー密度より大きい
ときは,附属書1の方法によって測定レベル範囲を拡大する。
4.3 波長範囲
4.3.1 単一波長レーザの出力測定 単一波長レーザの出力測定に用いる光パワーメータの校正された波
長範囲(1)は,被測定光源の発振波長を含まなければならない。
注(1) 校正された波長範囲とは,波長に対する感度が補正されているか,又は波長に対する感度の補
正値が与えられている波長範囲をいう。
4.3.2 多波長レーザの出力測定 多波長レーザの全出力測定に用いる検出器は,被測定光源の発振波長範
囲にわたって,所要測定精度に見合った十分小さい波長感度依存性をもつものでなければならない。ただ
し,各波長の出力を分離して測定し,これらを加算する場合を除く。
4.4 応答時間 繰返しパルス光の光平均パワー測定では,光パワーメータの応答時間は,被測定パルス
の繰返し周期に比べて十分長くなければならない。
光ピークパワー測定で波形観測装置を併用するときは,波形観測装置の応答時間は,被測定パルス波形
の立ち上がり時間及び立ち下がり時間に比べて十分に短くなければならない。

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4.5 ビーム形状と必要な検出器の有効受光面寸法 検出器の有効受光面寸法は,受光面上のビーム寸法
に比べて十分に大きくなければならない。ビーム寸法と所要受光面寸法の関係は,ビーム形状と,この項
目に対する許容誤差によって異なり,詳細は附属書2による。
ただし,光ファイバ用検出器を使用する場合(2)には,この項目は考慮する必要がない。
注(2) 光ファイバ出射端が,光コネクタやアダプタのようなかん(嵌)合機構によって決められた位
置に機械的に保持できるとともに,検出器に指定された光ファイバを用いる場合である。
4.6 検出器のNA 検出器のNA (numerical aperture) は,被測定光の発散角及び集束角より大きくなけれ
ばならない。光ファイバ用検出器を備えた測定器を使用する場合は,受光面寸法について,測定用光ファ
イバのNA及びコア径が,検出器に指定されている条件に適合することを確認しなければならない。
4.7 測定機器の確度 測定機器の確度は,必要とする測定精度を保証するものでなければならない。
参考 測定機器の確度は,校正での誤差限界と個別誤差試験によって得られた部分誤差の限界から決
定される。
個別誤差の要因には,次のものがある(JIS C 6182参照)。
(a) 受光面の感度偏差
(b) 入射角依存性
(c) 直線性
(d) 波長依存性
(e) 偏光依存性
(f) ゼロドリフト
(g) 温度依存性
(h) 照射時の安定度
その他,パルス光測定では,光エネルギー測定におけるパルス数の計数時の誤差,光ピーク
パワー測定における波形測定時の誤差がある。光ファイバ出射光の測定では,光ファイバ端面
と検出器間の多重反射による誤差,クラッドモードによる誤差,戻り光による誤差などがある。
5. 測定の準備
5.1 安全性の確認 レーザ光の出力測定には,危険を伴う場合があるので,安全確保に十分な対策をす
る必要がある。主な注意項目を次に示す[JIS C 6802の5.2(安全予防対策)参照]。
(1) 反射光,散乱光に対する処置
(2) レーザ光の終端処置
(3) インタロックスイッチの動作確認
(4) 測定者の保護具装着
自由空間に放射されるレーザ出力の測定,特に高光パワーの測定では,測定系の配置について,安
全性を十分に確認した後に作業を開始する。
低出力可視光による試照射系を用いて測定系の配置を行うことが望ましい。
非可視光の測定では,主ビーム以外の補助光学素子などからの反射光についても十分な注意をする。
5.2 測定系の構成

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C 6180-1991
5.2.1 一般事項 測定系の基本的な構成は,5.2.2(1)に規定する補助光学素子を含む主ビーム測定系(レ
ーザビーム用)とする。被測定光の光パワーが大きく,主ビーム測定系による測定に耐える光減衰器など
が得られない場合や,主ビーム系の作動中に光パワーを測定する必要がある場合などには,5.2.3に規定す
る副ビーム測定系を用いる。
なお,光ファイバ用検出器を使用する場合には,5.2.2(2)に規定する補助光学素子を省略した主ビーム測
定系(光ファイバ出射光用)を用いる。
5.2.2 主ビーム測定系
(1) レーザビーム レーザビームの基本的な主ビーム測定系を,図1に示す。なお,次の(a)(f)の場合に
は補助光学素子を挿入する(図2参照)。
図1 基本的な主ビーム測定系
図2 補助光学素子を含む主ビーム測定系
注(3) 例えば,ダミーとしての検出器,れんがなどを使用する。
(a) 被測定光のビーム形状を,検出器の有効受光面寸法及び最大測定光パワー密度に適合させるための
ビーム寸法の変換,及び発散光又は集束光の平行光への変換が必要な場合には,レンズ系Aを挿入
する。
(b) 測定器のゼロ点調整を行うために,被測定光を遮断する必要がある場合には,シャッタを挿入する。
(c) シャッタを挿入する場合は,シャッタからの反射光を吸収する光吸収体Aを挿入する。
ただし,この反射光が安全上又は測定精度上問題にならない場合には,省略してもよい。
(d) 検出器入力がその最大測定光パワー又は最大測定光パワー密度を超える可能性がある場合には,光
減衰器を挿入する。
(e) 光減衰器を挿入する場合は,光減衰器からの反射光を吸収する光吸収体Bを挿入する。
ただし,この反射光が安全上又は測定精度上問題にならない場合には,省略してもよい。
(f) ビーム寸法の変換が必要な場合には,レンズ系Bを挿入する。
備考1. レンズ系,光減衰器などの補助光学素子を挿入する場合には,その挿入損失,偏光特性など
をあらかじめ評価して,測定結果を補正しなければならない。
2. 高光パワーの測定では,使用素子の温度上昇などに伴う特性変化をあらかじめ評価して,測
定結果を補正しなければならない。

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(2) 光ファイバ出射光 光ファイバ出射光の主ビーム測定系を,図3に示す。
図3 光ファイバ出射光の主ビーム測定系
備考1. 光ファイバは外部条件によって出射光の性質が変わるので,測定の再現性をよくするには光
ファイバの配置,曲げ,側圧などができるだけ一定になるように注意するとともに,シング
ルモード光ファイバの場合には,戻り光,偏光,干渉などにも注意する必要がある。
2. レーザ加工などに使用される高出力光ファイバの出力測定では,光ファイバと検出器との距
離が少なくなるほど検出器へ入射する光パワー密度が大きくなるので,上記距離を必要以上
に小さくしないように,注意する必要がある。
5.2.3 副ビーム測定系 副ビーム測定系を図4に示す。
レンズ系,シャッタ,光減衰器,光吸収体は,必要に応じて5.2.2(1)と同様に挿入する。
図4 副ビーム測定系
注(4) 例えばレーザ加工の場合は,被加工物のことをいう。
5.2.4 波形測定併用の場合(パルス出力)の測定系 パルス出力測定で波形測定を併用する場合の測定系
を図5に示す。
レンズ系,シャッタ,光減衰器,光吸収体は,必要に応じて5.2.2(1)と同様に挿入する。
図5 波形測定併用の場合(パルス出力)の測定系
5.2.5 多波長レーザの測定系

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