14
C 61280-2-11 : 2010 (IEC 61280-2-11 : 2006)
附属書B
(参考)
光帯域透過フィルタのクロストーク及び周波数ずれ
平均化Q値法の特性は,OBPFの帯域幅及び隣接チャネルのパワー抑圧比に依存する。三つの10 Gbit/s
NRZ光信号の光スペクトラム及びOBPFの周波数応答を,図B.1に示す。中心チャネルのQ及びQaveを
OBPFを用いたフィルタリングの後で検査する。OBPFの3 dB帯域幅Δfobpf,隣接チャネルのパワー抑圧比
Y及びWDM信号のチャネル間隔 圀 図B.1に示すように定義する。OBPFの周波数応答にはガウス
関数を用い,数値シミュレーションを実行する。
図B.1−WDM信号及びOBPFの周波数応答の定義
ΔfWDMが100 GHz,50 GHz及び25 GHzのときの,Q,Qave及びYのΔfobpf依存性を,図B.2に示す。隣
接チャネルのWDMクロストークは,高いQ及びQaveを維持するために−20 dBより小さくするのがよい。
Δfobpfの上限は0.8×ΔfWDMであり,10 Gbit/sのNRZ光信号に対してΔfWDMが100 GHz,50 GHz及び25 GHz
のとき,80 GHz,40 GHz及び20 GHzに対応する。ΔfWDMが25 GHzの結果は,100 GHzのΔfWDMで40 Gbit/s
のNRZ光信号にも適用する。Δfobpfが10 GHzより狭くなるとQ及びQaveが急速に減少する理由は,Δfobpf
が10 Gbit/s NRZ信号のすべての光スペクトラム成分を通過するには小さすぎるためである。したがって,
Qave値を偏差1 dB未満に維持するためのΔfobpfの範囲は,中心周波数のずれが無視できるとき,1.5×B以
上,かつ,0.8×ΔfWDM以下である。
――――― [JIS C 61280-2-11 pdf 16] ―――――
15
C 61280-2-11 : 2010 (IEC 61280-2-11 : 2006)
a) ΔfWDMが100 GHzのとき b) ΔfWDMが50 GHzのとき
c) ΔfWDMが25 GHzのとき
図B.2−ΔfWDMに対するQ及びQaveのΔfobpf依存性
次に,この測定法のOBPFの中心周波数ずれδfcの特性を計算する。中心周波数のずれδfcを,図B.3で
定義する。ΔfWDMが100 GHz,50 GHz,25 GHzのときのQaveのδfc依存性を,図B.4に示す。
中心周波数のずれは,測定するチャネルのパワーの抑圧と隣接チャネルのパワーの増大とを引き起こす。
測定するチャネルのパワー透過率を高く保つために,Δfobpfを広くすることは効果的である。しかし,Δfobpf
が広すぎると隣接チャネルからのクロストークによる劣化を引き起こす。図B.4 a)及び図B.4 b)から,ΔfWDM
が10 Gbit/s NRZ光信号に対し各々100 GHz,50 GHz,25 GHzであるとき,中心周波数の許容範囲を広く
するための 戀湧 椰 囲は,0.4×ΔfWDM以上,かつ,0.6×ΔfWDM以下である。図B.2 c)では15 GHz
(1.5×ビットレート)より狭いΔfobpfに対してQaveは急速に減少している。これは,Δfobpfが狭くなりすぎ
ると10 Gbit/s NRZ信号のすべての光スペクトラム成分が通過することができないためである。図B.2 c)及
び図B.4 c)から,ΔfWDMが10 Gbit/s NRZ光信号に対し25 GHzであるとき,中心周波数の許容範囲を広く
するためのΔfobpfの範囲は,1.5×B以上,かつ,0.6×ΔfWDM以下である。
これらの結果に基づき,Δfobpfをおおよそ0.6×ΔfWDMに設定することによって,Qaveを高く保ち中心周波
数の許容範囲を広くすることが可能となる。この場合,期待される中心周波数の許容範囲は,±1/5×ΔfWDM
である。
――――― [JIS C 61280-2-11 pdf 17] ―――――
16
C 61280-2-11 : 2010 (IEC 61280-2-11 : 2006)
図B.3−OBPF中心周波数のずれδfcの定義
a) ΔfWDMが100 GHzのとき b) ΔfWDMが50 GHzのとき
c) ΔfWDMが25 GHzのとき
図B.4−ΔfWDMに対するQaveのδfc依存性
――――― [JIS C 61280-2-11 pdf 18] ―――――
17
C 61280-2-11 : 2010 (IEC 61280-2-11 : 2006)
附属書C
(規定)
Qaveの上限
図C.1に示すように,Qaveの測定によって10−24以下の非常に低いBER(Q>20 dB)を評価することが
できる。Qが14 dBから20 dBまでのシミュレーション結果による線形近似曲線を,図C.1に示す。シミ
ュレーションでは,ガウス形雑音を仮定した。Qが20 dBを超える領域では,Qaveには制限がある。この
制限は,Qaveを見積もるためにクロスポイントデータの一部を含むことに起因する。上限は,雑音成分を
無視することによって見積もることができる。従来のQ値測定法では,マーク及びスペースレベルの分布
の標準偏差は,ともにゼロとなるため上限がない(すなわち,Qは無限大である。)。しかし,図C.1に示
す平均化Q値の測定法では,マーク及びスペースレベルの分布の標準偏差は,ともに雑音成分がないとき
でもこの分布にクロスポイントデータの一部分が含まれるため,ゼロにはならない。雑音を無視するとき,
Qaveの上限はα及び電気的なNRZ信号の上昇(下降)時間に依存する。αが0.3のときのQaveの上限とO/E
変換器後の上昇時間との関係を,図C.2に示す。Trが1/4×Tslot s及びBreが0.75×B Hzのとき,O/E変換器
後の上昇時間は0.7 sとなる。図C.2に示すように,O/E変換後の上昇時間が0.7 sのとき,Qaveの上限は
14.5 dBである。この結果は,図C.1に示す結果と一致する。これによって,同期デジタルハイアラーキ
(SDH/SONET)レイヤで可能な測定法より高い感度で信号品質の劣化を検出することができる。言い換え
れば,純粋なデジタル監視及びビット誤り処理では,適度な測定時間内にこのような感度のよい傾向分析
を実現することは,非常に難しい。
図C.1−Bが10 Gbit/sのときのQaveのQ依存性 : Tr=1/4×Tslot s,
Bre=0.75×B Hz,Bopt=4×B GHz,Tres=1/256×Tslot s,Nsamp=16 384(214),α=0.3
――――― [JIS C 61280-2-11 pdf 19] ―――――
18
C 61280-2-11 : 2010 (IEC 61280-2-11 : 2006)
図C.2−αが0.3のときのQaveの上限とO/E変換器後の上昇時間との関係
――――― [JIS C 61280-2-11 pdf 20] ―――――
次のページ PDF 21
JIS C 61280-2-11:2010の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61280-2-11:2006(IDT)
JIS C 61280-2-11:2010の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.10 : 光ファイバ及び光ケーブル