JIS C 61280-2-2:2017 光ファイバ通信サブシステム試験方法―第2-2部:光アイパターン,光波形及び消光比測定 | ページ 2

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C 61280-2-2 : 2017 (IEC 61280-2-2 : 2012, Cor.1 : 2015)
るのに使用する。
3.12
信号対雑音比,SNR(signal-to-noise ratio)
Q値に類似し,アイパターンの1レベル及び0レベルの標準偏差の総和に対する,アイパターンの論理
1と0レベルとの差の比。
3.13
単位間隔,UI(unit interval)
NRZ(非ゼロ復帰)信号の場合の,一つのビット周期又は信号伝送速度の逆数。

4 試験装置

4.1 一般事項

  図1に示すように,光アイパターン,光波形及び消光比試験装置の主な構成要素は,光/電気変換器,
低域通過フィルタ,オシロスコープ及び光パワーメータによる。多くの伝送特性は,伝送時間領域波形の
分析に由来する。伝送波形特性は,試験装置の周波数応答と帯域幅とに従い変化する。一貫した結果を得
るために,基準受信器の概念を使用する。基準受信器は,光/電気変換器,低域通過フィルタ及びオシロ
スコープの周波数と位相特性との組合せで定義する。基準受信器の周波数応答は,一般的に低域通過フィ
ルタ設計で,詳細は4.2に規定する。高い信号伝送速度での,基準受信器周波数応答は,個々の部品を使
って構成するとき,達成するのが困難となる。基準受信器仕様を達成するためにオシロスコープ・システ
ムの内部に基準受信器を集積することが,一般的である。基準受信器仕様を単独で達成する低域フィルタ
の使用は,必要な周波数応答を達成する試験装置にならないことが多い。

4.2 基準受信器の仕様

  基準受信器は,通常4次ベッセル低域通過特性をもつ。4次ベッセル低域通過特性は,仕様に従う全て
の試験装置全体に,一貫した結果を与える。低域通過応答性は,試験装置の雑音を減らすとともに,送信
器が実際の通信システムでの対向受信器の帯域幅に近づけることができる。アイマスクの障害になるオー
バシュート,リンギングのような過渡信号は,一般的にシステムの受信側の帯域を狭めることによって抑
えられるので,送信側のテストシステムに,同じような帯域を使うことは適切である。ベッセル位相特性
は,通過帯域でほぼ恒常的な群遅延を与える。そして,それは時間領域光学波形の最小の位相ひずみに帰
着する。周波数応答の帯域幅は,一般的に信号伝送速度の0.75倍(75 %)に設定する。例えば,10.0 GBd
信号の基準受信器は,7.5 GHzの−3 dB帯域幅をもつ。NRZ信号の場合,この応答は,垂直又は水平方向
で閉眼(符号間干渉)にならない最小帯域幅をもつ。全試験装置が信号伝送速度の75 %の帯域幅で4次ベ
ッセル低域通過特性を達成するとき,これはベッセル・トムソン基準受信器と呼ぶ。RZ(ゼロ復帰)信号
形式は,より広帯域幅な基準受信器を必要とするが,いずれの規格も規定していない。

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C 61280-2-2 : 2017 (IEC 61280-2-2 : 2012, Cor.1 : 2015)
パルスパターン クロック(トリガ)(任意)
発生器
データ 時間領域光検出システムに
基づいた基準受信器
光送信器 光/電気 低域通過 オシロ
光減衰器 変換器 フィルタ スコープ
(被試験物)
光ファイバ(任意)光ファイバ
コード コード
光パワー
メータ
図1−光アイパターン,光波形及び消光比試験装置構成

4.3 時間領域光検出システム

4.3.1  概説
時間領域光検出システムは,光波形の強度を時間の関数として表示する。時間領域光検出システムは,
主として線形光/電気(O/E)変換器,線形位相低域通過フィルタ及びオシロスコープで構成する。線形
光/電気変換器の出力電流は,入力光強度に正比例していなければならない。三つの要素を接続するとき,
時間の関数として,電圧よりもむしろ光強度を表示する光オシロスコープとなって,校正することができ
る。機器の詳細を,4.3.24.3.4に規定する。
4.3.2 光/電気(O/E)変換器
光/電気変換器は,通常,高速フォトダイオードを使用する。光/電気変換器は,光インタフェース規
定点と直接的又は間接的に接続できる光コネクタをもつ。低い光入力信号を測定する場合,光/電気変換
器の後に電気増幅器を接続してもよい。増幅器の周波数応答は,それが試験装置の全体的な周波数応答に
影響を与える可能性があるため,考慮しなければならない。
種々の手段があるが,光/電気変換器の仕様に対する一般的なガイドラインを,次に示す。
a) 適用領域を十分カバーできる許容入力波長範囲をもつ。
b) 被試験光送信器への過度の反射を避けるために,十分に低い入力光反射率をもつ。
c) オシロスコープに正確に測定して表示するのに適した,受光感度及び低雑音性をもつ。光/電気変換
器の受光感度は,表示される信号の大きさに影響する。光/電気変換器及びオシロスコープの電子回
路は,雑音を発生する。試験装置の雑音は,観察信号と比較して小さくなければならない。雑音を検
出した光波形と比較して重大である場合,アイマスクマージンのような幾らかの測定は低下すること
になる。光/電気変換器が試験装置のオシロスコープの中に集積されるとき,雑音特性はRMS光強
度レベル(例えば,5 mW)として直接指定する。光/電気変換器の受光感度は,オシロスコープの縦
軸の校正に使用する。雑音の影響に関する更なる議論は,6.1に記載する。
d) 0 Hzまで伸びた低域遮断(−3 dB)周波数をもつ。
e) 次の二つの理由によって,直流(DC)結合で行う必要がある。
1) C結合でない場合,消光比が十分正確に測定できない。
2) 交流(AC)結合では,測定信号の低周波スペクトル成分(光/電気変換器の低域遮断周波数よりも
低い成分)が,検出した波形に重要なひずみを引き起こす可能性がある。
f) 基準受信器に要求されている特性を達成するため要求された帯域よりも広い上限カットオフ周波数を

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もつ。オシロスコープで観測できるのは−3 dBが電圧レベルフィルタ通過帯域でレベルの0.707を意
味することに注意する。
g) 過渡応答特性,オーバシュート,アンダーシュート及び他の波形ひずみが測定に影響を与えない。
h) 光/電気変換器に接続した低域通過フィルタからの反射が,0 Hzから低域通過フィルタの帯域幅より
も広い周波数まで十分抑圧できる出力反射減衰量をもつ。
4.3.3 線形位相低域通過フィルタ
基準受信器は,一般的にオシロスコープ・サンプリング電子回路の前の信号経路に周知の特性の低域通
過フィルタを置くことによって構成する。光/電気変換器及びオシロスコープを含む全ての信号経路の応
答が基準受信器仕様に満足するように,帯域幅及び低域通過フィルタの伝送機能特性を設計する。
光波形のパラメータの測定は,帯域制限なしで測定するのが最もよい。上昇時間,下降時間,オーバシ
ュートなどの測定は,低域通過フィルタ(4.3.4及び7.11参照)の除去で改善できることがある。これは,
電子開閉器で達成できる場合がある。この例の測定装置の−3 dB帯域幅は,最小限の上昇及び下降時間(例
えば,3分の1の単位間隔)の検証を許すのに十分高いが,重要でない高周波波形の詳細を除くのに十分
低くなければならない。NRZ信号の場合,信号伝送速度の300 %の帯域幅が妥協値である。RZ信号の場
合,信号伝送速度の500 %の帯域幅が妥協値である。
4.3.4 オシロスコープ
光アイパターンを表示するオシロスコープは,測定システムの帯域幅を制限しないように,低域通過フ
ィルタの帯域幅よりも広い帯域幅をもたなければならない。信号伝送速度が非常に高速になる場合,オシ
ロスコープの帯域幅は,全体的な基準受信器応答へのより重要な一因になることがある。オシロスコープ
のトリガには,光アイパターンに同期するローカルクロック信号又は光波形そのものから得られる同期信
号を使用する(4.5参照)。図2は,光アイパターン測定で一般的に使用するオシロスコープ帯域幅を示す。
図2 a)は,測定装置のフィルタが外部で変更が可能で,そして,帯域幅が20 GHzを超える10 GBd波形を
表示する。図2 b)は同じ信号を,適所に10 GBd基準受信器(7.5 GHzの帯域幅)を配置したとき,測定
した波形を表す。上昇及び下降時間並びにアイの形状がどのように測定装置の帯域幅に依存しているかに
ついて注意する。

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a) フィルタを使用しないときの10 GBd信号の測定
b) 10 GBd基準受信器での10 GBd信号の測定
図2−アイパターン測定で一般的に使用するオシロスコープ帯域幅

4.4 総合的なシステム応答

  アイパターン測定のタイプにかかわらず,システムは,フィルタの−3 dB帯域幅を超える周波数で線形
的な位相応答をもつことが望ましい。大きく減衰する周波数まで位相応答が線形的(すなわち,群遅延が
一定)である場合,フィルタ帯域幅の僅かな変化が,波形測定に著しい影響を与えないようにすることが
望ましい。表1は,0.75/T反応のための基準受信器仕様の例を示す。ここで,Tは一つの単位間隔(正確
な仕様は,10 GBd試験装置に対する典型的減衰の許容誤差を示して,伝送性能を定めている通信規格標準
の範囲内で,典型的に見つかる)の時間である。RZ信号用の基準受信器の次の帯域幅及び設計は,詳細
を検討中である。
− −3 dB帯域幅 : 0.75/T(Hz)
− フィルタ応答形式 : 4次ベッセル・トムソン形フィルタ

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表1−周波数応答特性
ビットレートによる 公称減衰量 減衰量公差 最大群遅延ひずみ
周波数分割 dB dB S
0.15 0.1 0.85 −
0.30 0.4 0.85 −
0.45 1.0 0.85 −
0.60 1.9 0.85 0.002T
0.75 3.0 0.85 0.008T
0.90 4.5 1.68 0.025T
1.00 5.7 2.16 0.044T
1.05 6.4 2.38 0.055T
1.20 8.5 2.99 0.100T
1.35 10.9 3.52 0.140T
1.50 13.4 4.00 0.190T
2.00 21.5 5.70 0.300T
−3 dB周波数を超える中間の減衰値は,対数的周波数軸上で線形に解釈することが望ましい。
直流で低域通過フィルタ応答の0 dBの振幅を定めることは,一般的である。ただし,直流の光受信器の
周波数応答測定は,非実用的である。このように,0 dBのレベルは,信号伝送速度の3 %のような超低周
波で,反応と関連付けることができる。他の全ての減衰量公差は,それから0.03/Tで応答と比較してある。
基準受信器の周波数応答が正確に知られている場合,理想からの偏差は,ポート処理技術を使って補償で
きる。

4.5 オシロスコープ同期システム

4.5.1  一般事項
光送信機の測定は,一般にサンプリング・オシロスコープと呼ばれる等間隔デジタルオシロスコープを
使用する。このオシロスコープは,観察されている信号に合わせて同位相であるトリガ信号を必要とする。
波形から誘導される全ての時間情報は,このトリガ信号と比較できるようにしている。
4.5.2 純粋なクロックによるトリガ
最も一般的なトリガ信号はシステム・クロックであり,管理標準によって許可される場合,使用するこ
とができる。理想的には,これは,観察するデータストリームを生成するのに使用するのと同じクロック
である(図1参照)。同期したサブレートクロックは,繰り返しパターンを試験する場合を除き,データ・
パターン長とクロック分割比率との比が1以外の整数であるとき有効である。データ・パターン長とクロ
ック分割比率との比が整数の場合,試験パターンの特定のビットが系統的に観察されない不完全なアイパ
ターンに帰着する。例えば,パターン長が128ビットである場合,分割比率4,8,32などを避けることが
望ましい。ただし,パターン長が127ビットである場合,これらの分割比率は適切である。
4.5.3 再生クロックを使用したトリガ
管理基準がクロック再生器によって被試験信号から再生した同期クロック信号を要求することは,一般
的である。クロック再生システムは,一般的には送信信号に同期する位相同期回路(PLL)で達成する。
観察信号から抽出したクロックでオシロスコープを同期させることは,重要な測定問題を生じる。送信信
号が,重大なタイミング不安定性(ジッタ)を引き起こす場合,ジッタを観察することは重要である。た
だし,オシロスコープのためのタイミング基準(トリガ)が送信信号に由来した場合,それは同じジッタ
特性の幾つかを含む。ジッタは,観測するトリガ及び信号に共通であるため,表示したジッタを激減する
ことができる。

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  • IEC 61280-2-2:2012(IDT)
  • IEC 61280-2-2:2012/CORRIGENDUM 1:2015(IDT)

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