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C 61280-2-2 : 2017 (IEC 61280-2-2 : 2012, Cor.1 : 2015)
再生したクロックトリガに存在するジッタの量は,クロック再生システムのPLLのループ帯域幅に依存
する。ループ帯域幅が狭い場合,超低周波ジッタだけがオシロスコープのトリガとして使用する再生クロ
ックへ伝達する。ループ帯域幅が広い場合,低周波及び高周波ジッタ両方ともに再生クロックトリガへ伝
達する。これは,被試験信号のジッタと再生したクロックのジッタとの比であるジッタ伝達関数(JTF)
で記載する。JTFは,ジッタ周波数の関数であると一般的にみなされ,低域通過フィルタ応答に従う(図
3参照)。
トリガ及び試験信号に共通のジッタは,オシロスコープの上で表示されない。クロック再生ループ帯域
幅が狭い場合,低周波ジッタは示されたアイパターンから抑えられ,高周波ジッタを表示する。ループ帯
域幅が広い場合,低周波及び高周波ジッタ両方とも抑えられる。これは観測ジッタ伝達関数(OJTF)の概
念に至る。OJTFは,数学的に,クロック再生JTFを補うものである(図3参照)。実質的に,再生したク
ロックによるトリガは,表示したジッタの高域フィルタリングに帰着する。フィルタ帯域幅は,PLLの帯
域幅に近づく。実際のOJTF反応は周波数の複素関数で,PLL設計及び試験装置の任意のサンプリングす
るトリガ遅延の両方に依存する。
ループ応答 OJTF
ジッタ粒度係数
周波数(kHz)
図3−PLLジッタ伝達関数及び結果として生じる観測ジッタ伝達関数
OJTF現象は,戦略的な使い方ができる。通信システムでは,送信器は,時間判定するためのクロック
再生システムをもつ受信器と対になる。そのような受信器は,そのループ帯域幅内のジッタに追随し,ジ
ッタを許容するため,ループ帯域幅内のジッタが入力信号上に存在する場合がある。このような低周波ジ
ッタが信号に存在しても通信システムレベルを低下させない。このジッタが試験中の観測信号に残る場合,
それはアイパターンを閉鎖させ,実行可能な送信器が使用不能に見える。通信システム受信器に類似した
ループ帯域幅があるクロック再生プロセスを使用する試験装置は,不要な低周波ジッタの表示を抑える。
通信基準は,一般的にアイ及び波形測定並びに使用中の受信器のための観測ジッタ・トランスファー帯域
幅を定義する。受信可能な信号は,関連する通信基準によって定義され,許容する送信器ジッタを規定す
る場合,JTF及びOJTF概念の両方を考慮することが望ましい。
4.5.4 直接データからのトリガ
サンプリング・オシロスコープは,光/電気変換器の後に試験信号を分割し,かつ,トリガ入力に信号
を送ることによってトリガすることができる。データ・トリガは不確実な方法である。任意の2ビットの
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シーケンスについては,可能な四つの組合せのうちの一つだけが,有効なトリガとなるエッジを生成する。
したがって,代表的な試験パターンのおおよそ75 %は,ただの一つのアイパターン上でも系統的に観察で
きない。上記のように,ジッタは,データ及びトリガの両方に共通である。観測ジッタは,送信器のクロ
ック・ジッタの除去によって縮小する。送信器のクロック・ジッタのOJTF上に制御はなく,その多くが
信号の高周波ジッタによって増加する。この方法は,OMA測定を除いて推奨しない(7.4参照)。
任意のオシロスコープは,データを得て,後処理“ソフトウェア”クロック再生によって有効なトリガ
を引き出す。アルゴリズムは,ハードウェアトリガ及びクロック再生で存在する同じ問題を考慮しなけれ
ばならない。
4.6 パターン発生器
パターン発生器は,送信機器の電気インタフェースのシステム入力部に必要な信号形式(パルス形状,
振幅など)にあったシステムに対し,通信標準によって定義されたビットシーケンス及びプログラマブル
ワードパターンの供給能力がなければならない。
4.7 光パワーメータ
光パワーメータは,被試験機器の動作波長に対して校正し,0.1 dB以上の分解能をもつものを使用しな
ければならない。光パワーメータは,光/電気変換器の出力電流のDC成分を監視することで,光基準受
信器内に統合することもできる。
4.8 光減衰器
減衰器は,光/電気変換器の許容範囲に合わせて入力レベルを調整することができることが望ましく,
0.1 dB以下のステップで減衰できなければならない。
減衰器は,被試験信号のモード構造を変えないようにすることが望ましい。総減衰量は,絶対振幅情報
が必要な測定を考慮する。送信器への後方反射を避けるように注意することが望ましい。
4.9 試験コード
特に指定がない限り,試験コードは,機器を運用する予定のケーブル設備と同等の物理的及び光学的特
性をもつものとする。試験コードは,長さ2 m5 mとする。適切なコネクタを使用しなければならない。
シングルモード用の試験コードは,直径90 mmのループを2か所もたなければならない。機器がマルチモ
ード動作を対象とし,かつ,使用予定のケーブル設備が不明である場合は,光ファイバのサイズはコア径
62.5 クラッド径125 ァイバでなければならない。
5 被試験信号
試験サンプルは,指定のファイバ光送信器でなければならない。システムの入力及び出力は,通常,シ
ステムのユーザによって確認できるものでなければならない。図1に示すように,試験送信器を,測定構
成内に設置しなければならない。
6 機器の設定及び被試験物の設定
6.1 特に指定がない限り,標準動作条件を適用する。周囲温度又は基準点の温度及び湿度を記録しなけ
ればならない。特記がない限り,4.2に記載した基準受信器のフィルタ特性を使用する。試験機器のために
十分な暖機運転時間をとる。製造業者が推奨するあらゆる機器の校正を行う。特に,アイパターンの消光
比試験は,暗レベル校正が重要である。入力に光信号がないときにオシロスコープ内に存在する残留信号
が,暗レベルとして知られている。暗レベルbdarkを測定して取り除くことは,消光比測定の精度を高める。
暗レベルは,オシロスコープの入力に全く信号が存在しないときに,オシロスコープで観測する垂直ヒス
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トグラムで決まる。bdarkは,ヒストグラムの平均である。最高の精度を得るには,消光比測定を行うとき
の,オシロスコープの垂直スケール及びオフセット設定において,暗レベル校正を行うことが望ましい。
したがって,暗レベル校正は,送信信号レベルを観測した後に,繰り返す必要がある場合がある。被試験
装置に適した入力電圧及び電力を加える。適切な動作条件に従う。被試験端末又は送信器の温度及び性能
が安定するまで,十分な時間をおく。
6.2 標準動作条件として,全ての送信器の入力には,最高の信号速度で,実際の動作スペクトル成分の
代わりとなるパターンを加える。条件を満足する信号は,関連する通信規格が定義している。それ以外の
場合は,擬似ランダムデータ(典型として231−1)を使用する。試験パターンは,231−1擬似ランダムデ
ータシーケンスよりもはるかに短く,実際の通信信号に相当するように構成できる。これは,非常に長い
試験パターンがオシロスコープの構造上問題となる試験シナリオに適している。
6.3 適切な光ファイバケーブルを使用する。必要に応じて,光/電気変換器の入力を,試験する光イン
タフェース点に接続する。
6.4 安定した波形表示を実現するために,オシロスコープのトリガ設定及びレベルを調整する。
6.5 試験対象の光信号の速度を決める。信号速度及び制御仕様に対応する周波数応答をもつ基準受信器
を選択する。
6.6 図1に示すように,試験機器を接続する。波形形状が,平均化によって又はオシロスコープへの過
大電力によって劣化しないことを確認する。必要に応じて,製造業者が指定する入力電力レベル範囲内に
なるように,基準受信器への入力電力を光減衰器で調整する。
6.7 一つの完全なアイを含む12又はそれ以上の単位間隔が表示できるように,オシロスコープの時間
軸を設定する。試験システムが一つの単位間隔の外のデータを使用することができない場合,僅かに1単
位間隔(又は一つのアイパターン)が大抵の自動測定システムで分析されるので,多数のアイパターン表
示は,非効率的なデータ収集になる。
6.8 波形全体がスクリーン上で観察されるように,オシロスコープの垂直軸を設定する。一般的に,垂
直軸の大部分を使用する場合,測定精度は向上する(例えば,垂直軸が8分割の場合に,波形を6又は7
分割の間に表示する。)。自動サンプリング・オシロスコープは,一般的に“オートスケール”機能(可能
な範囲で,縦軸一杯にアイパターンを表示することが望ましい。)によって最適な水平・垂直のスケーリン
グができる。
7 測定手順
7.1 概要
定義及び測定手順を含めて,幾つかのアイパターンのパラメータを提供する(一部の例における,複雑
な測定アルゴリズムは,この規格の適用範囲外とする。)。
7.2 消光比測定
7.2.1 試験装置の構成
箇条6で規定するとおりに試験機器を設定する。特に指定がない限り,標準動作条件を適用する。周囲
温度又は基準点の温度及び湿度を記録しなければならない。
7.2.2 測定手順
7.2.2.1 概要
最新のサンプリング・オシロスコープは,消光比測定を自動的に行い,7.2.2.27.2.2.4の測定手続に従
うことが望ましい。
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7.2.2.2 振幅ヒストグラム(方法1)の作成
アイパターン単位間隔の中央20 %以内の論理1レベル上に存在する全てのサンプルを含めて,振幅ヒス
トグラムを作成する。b1は,ヒストグラムの平均値(図4参照)である。
アイの中心は,クロスポイントの中間として定義する。正確な定義は,管理基準で指定してもよい。別
な方法として,クロスポイントの平均から0.5 UIが適切である。次の理由で,ピーク値ではなくヒストグ
ラム手段を使用することが重要である。
消光比は,論理1レベル及び論理0レベルの総計として測定するのが望ましい。アイパターンのパター
ン依存性は,非対称で,及び/又は複数のモードが含まれる結果になる。また,二つ以上のモードが支配
的で大きさが接近している場合,データを収集する間にピーク値がモード間で切り替わる可能性があるた
め,消光比測定が不安定になる。
7.2.2.3 振幅ヒストグラム(方法2)の作成
7.2.2.2と同様にアイパターン単位間隔の中央20 %以内の論理0レベルに存在する全てのサンプルを含め
て,振幅ヒストグラムを作成する。b0は,ヒストグラムの平均値(図4参照)である。
7.2.2.4 振幅ヒストグラムの作成
RZ(ゼロ復帰)信号の場合は,7.2.2.2及び7.2.2.3の手順を使用するが,ヒストグラムは,RZアイの中
央5 %に作られる。アイの中心は,アイのピークの時間位置として定義する。
図4−アイパターン中央20 %領域から収集した論理1及び論理0の
平均b1及びb0を決めるために使用するヒストグラム
7.2.3 消光比の計算
消光比の定義は,論理1の中央の平均光エネルギーと論理0の中央の平均光エネルギーとの比である。
非ゼロ復帰(NRZ)及びゼロ復帰(RZ)の光ライン符号の場合,消光比は次の比で決めてもよい。
b1 bdark
消光比(線形) :
b0 bdark
b1 bdark
消光比(デジベル) : 10 log10
b0 bdark
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b0 bdark
消光比(パーセント表示) : 100
b1 bdark
消光比をパーセントで表す場合,オン・オフ比率が高くなるほど,消光比のパーセント表示が小さくな
ることに,注意する。
消光比は,理想的な周波数応答からの偏差特性をもつ基準受信器によって悪影響を受ける。規則正しい
測定誤差は,特に低い周波数で,理想的な周波数応答からはずれた特性によって起きる。この誤差は,消
光比補正率(ERCF)として定量化することができ,消光比測定結果の改善に使用できる。ERCF値は,試
験装置に,消光比が既知の信号を供給することによって決まる。
ERCFは,既知の消光比と測定した消光比(両方ともパーセントとして表示)との差で表す。真実の消
光比が1 %で,測定値が1.5 %の場合,ERCFは−0.5 %となる。後の消光比測定は,測定値にERCFを加え
ることによって改善される。一般に,ERCF値は,特定の光基準受信器を基にした試験装置に特有の値で
ある。試験装置が,複数のデータレートの基準受信器で構成できる場合は,ERCF特性は構成ごとに必要
となる。測定した消光比を補正した後は,次の式を使用して線形又はデシベルで表現できる。
b0 bdark
補正済み消光比(パーセント表示) : 100 ERCF
b1 bdark
b0 bdarkERCF
補正済み消光比(線形) : 1
b1 bdark 100
b0 bdarkERCF
消光比(デシベル) : 10 log10
b1 bdark 100
7.3 アイ振幅
7.3.1 アイ振幅は,OMAに似ている(7.4参照)。
7.3.2 アイ振幅は,7.2で規定するb1とb0との値の差である。
7.4 方形波を使用した光変調振幅(OMA)測定
7.4.1 一般事項
幾つかの通信システム規格は,符号間干渉によって影響されないOMA値を要求している。
論理1の振幅b1は,論理1の連続したシーケンス内で取得し,論理0の振幅b0は,論理0の連続したシ
ーケンス内で得る。最も一般的な方式は,送信器が五つの論理1に続けて,五つの論理0を繰り返すシー
ケンスによって生成する。八つの論理1及び八つの論理0も使用する。
7.4.2 オシロスコープのトリガ
オシロスコープのトリガは,方形波シーケンスのN回の繰り返し当たり1回発生する信号端を使用する。
これは,分周クロック信号(パターン長のN倍で割った信号レート)を使う,又は被試験信号を直接ト
リガにして実現できる。例えば,信号が五つの論理1の後に五つの論理0が続く場合,10,20,30などで
割った信号レート周波数をもつクロック信号が有効である。一般的に,被試験信号で直接トリガすること
は推奨しないが,データの上昇端又は下降端のいずれかでトリガしたOMA測定では,正しい波形表示を
得る。
7.4.3 振幅ヒストグラム,ステップ1
振幅ヒストグラムは,論理1のシーケンスの中央ビット(又は通信規格で指定する領域)の十分なビッ
ト間隔の間で構成する。b1は,このヒストグラムの平均値である。
7.4.4 振幅ヒストグラム,ステップ2
振幅ヒストグラムは,論理0のシーケンスの中央ビット(又は通信規格で指定する領域)の十分なビッ
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JIS C 61280-2-2:2017の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61280-2-2:2012(IDT)
- IEC 61280-2-2:2012/CORRIGENDUM 1:2015(IDT)
JIS C 61280-2-2:2017の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.01 : 光ファイバシステム一般
JIS C 61280-2-2:2017の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC61280-2-3:2013
- 光ファイバ通信サブシステム試験方法―第2-3部:ジッタ及びワンダ測定