JIS C 61300-3-4:2017 光ファイバ接続デバイス及び光受動部品―基本試験及び測定手順―第3-4部:損失測定 | ページ 2

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C 61300-3-4 : 2017 (IEC 61300-3-4 : 2012)
表1−推奨する光源
番号 タイプ 重心波長 スペクトル幅 光源の種類
nm nm
S1 マルチモード 660±30 30以上 モノクロメータ又はLED
S2 マルチモード 780±30 30以上 モノクロメータ又はLED
S3 マルチモード 850±30 30以上 モノクロメータ又はLED
S4 マルチモード 1 300±30 30以上 モノクロメータ又はLED
S5 シングルモード 1 310±30 個別に規定する。 レーザダイオード,モノクロメータ又はLED
S6 シングルモード 1 550±30 個別に規定する。 レーザダイオード,モノクロメータ又はLED
S7 シングルモード 1 625±30 個別に規定する。 レーザダイオード,モノクロメータ又はLED
注記1 例えば,CWDMなどの光部品では,波長可変レーザなど,他の光源が必要になる可能性があることを認識
しておく。したがって,このような場合,供試品の特性に関し,推奨する光源の特性を規定することが望
ましい。
注記2 重心波長及びスペクトル幅の用語は,JIS C 61280-1-3で定義している。
光源の励振条件は,JIS C 61300-1:2015の箇条9による。
光源は,発光部,駆動回路及び光出力端子で構成する。推奨する光源の条件を表1に示す。23 ℃の温度
環境において,測定中の光源出力の光パワー安定性は,シングルモード光ファイバの場合±0.01 dB以内,
マルチモード光ファイバの場合±0.05 dB以内とする。光源の出力光パワーは,光パワーメータの最小受光
感度に対し,20 dB以上高くする。

4.2 光パワーメータ(D)

  光パワーメータは,光検出器,信号処理用の電子回路及び光ファイバと光検出器との光学的接続機構で
構成する。光検出器への接続は,裸光ファイバ又は適切な光コネクタプラグと接続する光ファイバアダプ
タ(以下,光アダプタという。)を用いる。
測定系は,式(1)に定義するP0及びP1を測定する間を通して安定とする。P0及びP1の測定において光フ
ァイバと光検出器との接続を切り離し,再接続する場合の測定再現性は,±0.02 dB以内とする。十分小さ
な測定再現性を得るため,光検出器は受光領域の広いものが望ましい。
光検出器は,各種特性が測定条件を満足するものを用いる。光パワーメータは,測定波長において供試
品の出力端子の光パワーを測定するダイナミックレンジをもつ。
推奨する光パワーメータの特性を表2に示す。光パワーメータは,測定波長及び測定する光パワーレベ
ルで校正する。光パワーメータは,測定環境温度範囲及び測定時間内で,±0.01 dB以内の受光感度安定性
をもつことが望ましい。受光感度の安定性及び入射光がない状態での暗電流に対する校正が不十分な場合,
測定不確かさに影響することがある。

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C 61300-3-4 : 2017 (IEC 61300-3-4 : 2012)
表2−推奨する光パワーメータの特性
記号 タイプ 直線性 相対不確かさ
dB dB
±0.05以内
D1 マルチモード 0.05以内
(入力光パワー : −60 dBm以上かつ−5 dBm以下)
±0.01以内
(供試品の損失 : 10 dB未満)
D2 シングルモード 0.02以内
±0.05以内
(供試品の損失 : 10 dB以上かつ60 dB未満)
注記1 光ファイバからの全ての出射光を光パワーメータで受光するために,光ファイバの開口数(Numerical
Aperture : NA)に対して,光検出器の受光面積及び光検出器から光ファイバまでの相対位置を適切に設定
することが望ましい。
注記2 D1及びD2に共通な測定不確かさの要因には,受光感度偏光依存性,光検出器と光ファイバ端面との反射
による干渉がある。反射による受光感度への影響は,高コヒーレント光を用いる場合の波長軸上のスペク
トルリップルとして観測することができる。

4.3 テンポラリジョイント(TJ)

  テンポラリジョイントは,安定的に,再現性良く及び低損失に,2本の光ファイバの端面を一時的に整
列する部品又は機械的な固定具である。供試品を測定系に接続する場合に標準的な光ファイバコネクタ(以
下,光コネクタという。)を使用できない場合に用いる。例えば,精密V溝,真空チャック,微動台,融
着接続又はメカニカルスプライスを用いてもよい。テンポラリジョイントの損失安定性は,式(1)に定義す
るP0及びP1の測定の間にわたって,要求する測定不確かさの,dB単位で±10 %以内とする。テンポラリ
ジョイントの安定性を確保するために屈折率整合剤を用いてもよい。

4.4 測定用光ファイバコード及び置換用光ファイバコード

  光源からテンポラリジョイントまでの光ファイバ,測定用光ファイバコード及び置換用光ファイバコー
ドの光ファイバは,供試品の光ファイバと同一の分類とする。光ファイバの分類は,JIS C 6820に従うこ
とが望ましい。

4.5 基準プラグ(RP)

  基準プラグは,供試品と接続することによって,プラグ−アダプタ−プラグ又はプラグ−レセプタクル
の形態で光接続を実現するため,損失測定中に供試品の一部として機能する。基準プラグは,個別に規定
する。

4.6 基準アダプタ(RA)

  基準アダプタは,供試品と接続することによって,プラグ−アダプタ−プラグの形態で光接続を実現す
るため,損失測定中は供試品の一部として機能する。基準アダプタは個別に規定する。

5 手順

5.1 前処理

  供試品の光入出力端子は清掃し,供試品の性能及び測定結果に影響を及ぼす汚れを取り除く。清掃は,
製造業者が指定する方法に従って行う。
供試品は,試験前に1時間以上,JIS C 61300-1に規定する標準的環境条件下に放置する。
測定の間,接続部の表面がオイル又はグリースで汚染されないように注意する。素手で触れるとグリー
ス付着の原因になることがある。

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5.2 外観検査

  光入出力端子は,供試品の性能及び測定結果に影響を及ぼす欠陥又は損傷があってはならない。損失を
測定する前に,JIS C 61300-3-1に従って供試品の光端子の外観検査をすることが望ましい。

5.3 供試品の端子の形態に対する測定方法

                            表3−供試品の端子の形態に対する測定方法
タイプ 供試品の端子の形態 供試品の図 測定方法
基準測定法 代替測定法
光ファイバ対光ファイバ
1 C カットバック OTDR
(光受動部品)
カットバックa)
光ファイバ対光ファイバ
2 挿入(A) 又は
(融着又は現場取付形光コネクタ)
OTDR
3 光ファイバ対プラグ カットバック OTDR
挿入(C),置換
プラグ対プラグ
4 C 挿入(B) 又は
(光受動部品)
OTDR
挿入(C),置換
プラグ対プラグ
5 挿入(B) 又は
(光パッチコード)
OTDR
片端プラグ
6 挿入(B) OTDR
(ピッグテール)
置換
レセプタクル対レセプタクル
7 C 挿入(C) 又は
(光受動部品)
OTDR
置換
レセプタクル対プラグ
8 C 挿入(C) 又は
(光受動部品)
OTDR
注a) 供試品タイプ2にカットバック法を適用する場合,破壊測定となるため注意が必要である。
表3の供試品の図に示すCは,光受動部品を示す。3端子以上の光受動部品は,測定する端子対に対す
る構成を示す。タイプ2の供試品に対し,挿入法及びカットバック法は同等の測定結果が期待できる。OTDR
法は他の測定方法に比べ測定不確かさが大きいが,供試品によっては唯一の測定方法となることがある。
OTDR法を3端子以上の供試品に適用する場合,測定を行わない端子からの反射光を,無反射終端,小径
曲げなどの減衰領域を設けて抑制することが望ましい。

5.4 光パワーメータを用いた損失測定

5.4.1  一般事項
カットバック法,置換法又は挿入法を用いた損失測定は,光パワーメータを用いる。光パワーメータは,
4.2による。
測定した二つの光パワーを用いて,式(1)に従い損失Aを計算する。
P1
A 10 log (dB) (1)
P0
ここに, P1 : 測定系に供試品がある状態の測定光パワー
P0 : 測定系に供試品がない状態の測定光パワー

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光ファイバと光検出器との間に適切な接続機構を準備する。接続は,裸光ファイバアダプタ又は光コネ
クタプラグにかん合する光アダプタを用いることが望ましい。
5.4.2 カットバック法
タイプ1及びタイプ2の供試品の場合,供試品の一方の光ファイバをテンポラリジョイント(TJ)によ
って光源(S)に,他方の光ファイバを光パワーメータ(D)の光検出器に接続し,P1を測定する(図1
参照)。光ファイバをカットポイント(CP)で切断した後,切断した供試品の光ファイバを光パワーメー
タに接続し,P0を測定する。
供試品
供試品 検出器
検出器 DD
検出器 D 検出器 D
図1−カットバック法−供試品タイプ1,2及び3
光ファイバ対光コネクタプラグのタイプ3の供試品の場合,供試品の光コネクタプラグを,基準アダプ
タを介して光ファイバピッグテール付き基準プラグに接続する。この構成にすることで,タイプ3の供試
品の損失は,両端光ファイバピッグテール付き光コネクタ(供試品プラグ−基準アダプタ−基準プラグ)
の損失となり,タイプ1と同様の方法で損失を測定することができる。
5.4.3 置換法
置換法では,P1は測定系に供試品を接続した状態で測定し,P0は供試品の代わりに置換用光ファイバコ
ードを接続して測定する(図2参照)。
タイプ4の供試品の場合,基準アダプタ(RA)を,光源側の光ファイバ端の基準プラグ(RP)及び測
定用光ファイバコードの基準プラグ(RP)と接続する(図2参照)。

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C 61300-3-4 : 2017 (IEC 61300-3-4 : 2012)
置換用光 測定用光
ファイバコード ファイバコード
検出器 D
測定用光
供試品 ファイバコード
検出器 D
図2−置換法−供試品タイプ4
タイプ7の供試品の場合,P1の測定において,プラグ対プラグの供試品と同様に測定する(図2参照)。
ただし,基準アダプタ(RA)は不要である。
タイプ8の供試品の場合,P1の測定において,プラグ対プラグの供試品と同様に測定する(図2参照)。
この場合,基準アダプタ(RA)はできる限り光源(S)に近い位置に置く。レセプタクル側の基準アダプ
タ(RA)は不要である。
5.4.4 挿入法(A)
タイプ2の光ファイバ対光ファイバの供試品(融着又は現場取付形光コネクタ)の場合,P0をテンポラ
リジョイント(TJ)と光パワーメータ(D)の光検出器との間に規定長の光ファイバを接続して測定した
後,光ファイバを切断し,融着又は現場取付形光コネクタを取り付けてP1を測定する(図3参照)。

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JIS C 61300-3-4:2017の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61300-3-4:2012(IDT)

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