JIS C 61810-1:2020 電磁式エレメンタリ リレー―第1部:一般及び安全性要求事項 | ページ 5

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C 61810-1 : 2020 (IEC 61810-1 : 2015)
表6−リレーデータ必要項目(続き)
No. データ 内容 表示場所
5j 端子の最大許容定常温度(必要に応
リレーとソケットとの組合せにも製造業者仕様書
適用
じて記載),及び/又は平形接続子
のための部材組合せ
5k はんだ耐熱性 試験方法を記載しなければならな製造業者仕様書
い。

7.2 付加データ

  リレーを使用した装置の試験を容易にするために,手動操作のための作動部品を組み込んだリレーの製
造業者は,あらゆる特殊な動作の要求事項を指定しなければならない。
例 手動操作に使う作動部品(例えば,押しボタン)を動かすとき,オフ状態からオン状態(又は逆
もあり)の動作はできるだけ速やかに操作しなければならない。

7.3 マーキング

  表6の“1a”及び“1b”のデータはリレー上に,明瞭で耐久性のある表示をする。マーキングに特別な
材料を使う(例えば,インクジェット又はスタンプ印刷)場合は,次に示す試験を行う。マーキングの耐
久性要求事項への適否は,目視検査の後,次の手順で人の手によってマーキング部をこすって判定する。
a) 蒸留水で湿らせた布片で15秒間に15往復させる。
b) ミネラルスピリットでぬらした布片で15秒間に15往復させる。
試験の間,布片は約2 N/cm2の圧力をマーキング部に加える。
これらの試験後もマーキングは見やすくなければならない。
注記 使用するミネラルスピリットは,芳香族の含有体積分率0.1 %以下,カウリブタノール価29,
初期沸点約65 ℃,乾点約69 ℃,比重0.68 g/cm3の脂肪族溶剤ヘキサンとして定義されている。

7.4 記号

  記号を用いるときは,表7の規定に従わなければならない。
開閉電圧及び開閉電流の定格値は,表8に規定するように表示してもよい。
表7−記号
電圧の単位 V
電流の単位 A
電源周波数 Hz
交流の電力 VA
直流の電力 W
直流(IEC 60417-5031) 又はDC
交流(単相)(IEC 60417-5032) 又はAC
交流(二相) 2
交流(中性との二相) 2N
交流(三相) 3
交流(中性との三相) 3N
交流/直流(IEC 60417-5033) 又はAC/DC
保護接地(IEC 60417-5019)
メーク接点(常時開路接点) NO
ブレーク接点(常時閉路接点) NC
切換接点 CO

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C 61810-1 : 2020 (IEC 61810-1 : 2015)
表8−定格値の表示例
次のいずれかを表示する。
次のいずれかを表示する。
10 A 250 V 16 A 230 V
10 A 250 V AC 16/230
10 A 250 Vcosφ 0.4 16
230

8 温度上昇

8.1 要求事項

  リレーは,通常の使用で,過度の温度に到達しないように構成しなければならない。
リレー製造業者は,次のいずれか一つを実施する。
− 耐熱クラスを明らかにする各試験及び表9に従って,材料の耐熱クラスを選ぶ。
− 箇条16のボールプレッシャー試験によって材料の適合性を評価し,最大温度を指定する。
表9−耐熱クラス
耐熱クラス 最大温度 既存品の最大
(コイル絶縁システム) 温度(参考)
Y 90 ℃ −
A 105 ℃ 120 ℃
E 120 ℃ 135 ℃
B 130 ℃ 145 ℃
F 155 ℃ 155 ℃
H 180 ℃ 175 ℃
200(N) 200 ℃ 195 ℃
220(R) 220 ℃ 215 ℃
250(C) 250 ℃ −
表9は,抵抗法に適用する。熱電対法でコイル温度を測定する場合,最大温度から20 Kを減算しなけれ
ばならない。
同じ構造のリレーでは,全てのコイル電圧仕様から最大コイル消費電力のコイル電圧試験を減らすこと
ができる。
注記 耐熱クラスは,JIS C 4003を参照。
通常の使用で短時間だけ触れる手動操作の作動部品は,次の限界温度に従わなければならない。
− 金属 60 ℃
− セラミックス又はガラス材 70 ℃
− プラスチック,ゴム又はモールド材 85 ℃
8.3の試験中に,温度が与えられた限界を超える場合,リレーの使用者向けに作成した文書に警告を明示
しなければならない。

8.2 試験準備

  試験準備は,次による。
a) 試験手順A−グループ取付け : 三つのリレーを同じ方向に並べて取り付け,表5試験手順A及び附属
書Eを参照して試験を行う。
試験手順B−単体取付け : 一つのリレーで,表5試験手順Bを参照して試験を行う。

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C 61810-1 : 2020 (IEC 61810-1 : 2015)
他に特別に設計していない限り,試験片は,端子を下向きにして水平位置で試験する。取付間隔は,
製造業者が指定しなければならない。
b) 端子ねじ及び/又はナットは,IEC 60999-1に規定するトルクの2/3で締め付ける。
c) ねじなし端子の場合,導線はIEC 60999-1に従って端子に正しく接続する。
d) リレーは,強制対流のない十分な大きさのある恒温槽内に実装しなければならない。試験のために空
気循環恒温槽を使用する場合は,この箇条の他の条件が全て満たされていない限り,恒温槽内に隔壁
を設けなければならない。
e) 試験品は,通気,太陽光などから保護し,人為的な冷却をしてはならない。
f) 試験中,恒温槽の指定周囲温度は,リレーの影響を受けてはならない。
g) 周囲温度は常に室温,又は動作温度範囲の上限に等しくなければならない。
h) コイルの温度を測定するために熱電対を使用する場合は,少なくとも二つの熱電対を使用する必要が
ある。熱電対は,試験中の向きに基づいて上面であるコイル線の表面に配置する。

8.3 試験手順

  熱平衡に達した後,t1及びR1の値を測定する(次の式を参照)。その後,全ての接点に製造業者が指定
した連続通電電流を通電する。
− メーク接点のあるリレーには,コイルは製造業者が指定した定格コイル電圧若しくは公称コイル電圧
の1.1倍,定格コイル電圧範囲の上限の1.1倍,又は最大電圧U2を熱平衡に達するまで印加する。そ
の後,t2及びR2の値を測定する。
− ブレーク接点のあるリレーには,温度上昇試験は2段階で行わなければならない。第一に,メーク接
点リレー(接点負荷なし)及びコイル自体の温度上昇のために,前述のようにコイルに通電する。第
二に,コイルは非通電状態とし熱平衡に達するまで,NC接点に負荷通電する。次に,t2及びR2の値
を測定する。
− パルス幅変調(PWM)及び/又は他のコイル電力減衰の方法で動作するリレー又は双安定リレーでは,
コイルへの電圧印加は,製造業者が指定する方法で行う。
コイル温度は抵抗法で求め,温度上昇は次の式で計算する。
R2 R1
Δt (2345.t1 )(t2 t1 )
R1
ここに, Δt : 温度上昇
R1 : 試験開始時の抵抗値(恒温槽温度)又は室温での抵抗値
R2 : 試験終了時の抵抗値
t1 : 試験開始時の周囲温度(恒温槽温度)又は室温
t2 : 試験終了時の周囲温度
234.5の値は,電気銅(EC58)に適用する。その他の材料では各々の値を用い,製造業者が指定する。
例 アルミニウムは,225.0の値。
リレーが動作温度範囲の上限で動作時,全ての材料は温度限界値を超えてはならない。

8.4 端子

8.4.1  一般
端子温度は,温度にほぼ影響を与えない位置に細線の熱電対を取り付ける方法で測定する。測定位置は,
リレー本体にできる限り近い状態で端子上に設置する。熱電対が直接端子に設置できない場合には,リレ
ーにできる限り近い状態で導電体に固定してもよい(附属書E参照)。
試験結果が同等であれば,熱電対以外の温度センサを使用できる。

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製造業者が指定した(表6のNo.5j)端子の定常状態の温度の最大許容値を超えてはならない。
8.4.2 はんだ付け端子
リレー間の電気的相互接続は,表10による断面積をもつ露出した硬質導体で行う。リレーと電圧電源又
は電流電源との接続は,表10による可とう導体で行う。
表10−端子に流れる電流に依存する導体の断面積及び導体長
端子に通電する電流 断面積 試験における最小の導体長
A mm2 AWG mm
3以下 0.5 20 500
3を超え 6以下 0.75 18 500
6を超え 10以下 1.0 18 500
10を超え 16以下 1.5 16 500
16を超え 25以下 2.5 14 500
25を超え 32以下 4.0 12 500
32を超え 40以下 6.0 10 1200
40を超え 50以下 10.0 8 1200
50を超え 65以下 16.0 6 1200
65を超え 85以下 25.0 4 1200
85を超え 100以下 35.0 3 1200
100を超え 115以下 35.0 2 1200
115を超え 130以下 50.0 1 1200
130を超え 150以下 50.0 0 1200
150を超え 175以下 70.0 00 1200
175を超え 200以下 95.0 000 1200
200を超え 225以下 95.0 0000 1200
225を超え 250以下 120.0 250 1200
250を超え 275以下 150.0 300 1200
275を超え 300以下 185.0 350 1200
300を超え 350以下 185.0 400 1200
350を超え 400以下 240.0 500 1400
該当する可とう導体が入手できない場合は,入手可能な次に小さい断面積の可とう導体
を用いなければならない。
8.4.3 平形接続子
リレー間の電気的相互接続は,表10による断面積をもつ露出した硬質導体で行う。リレーと電圧電源又
は電流電源との接続は,表10による可とう導体で行う。いずれの接続も,JIS C 2809によるコネクタを用
いて行う。
注記1 コネクタの圧着領域に導体をはんだ付けすると,コネクタ又は圧着の品質による大きな影響
を受けることなく,リレーの平形接続子を判定することが可能である。
各試験ごとにコネクタは,新品に交換しなければならない。
決定した絶対温度は,製造業者が適切な材料の組合せを明示した場合を除いて,JIS C 2809の附属書A
による平形接続子における最高許容温度を超えてはならない。
平形接続子における温度上昇は45 Kを超えてはならない。これはリレー接点及びコイルの温度上昇によ
る影響を除いて(例えば,ブリッジ,短絡又は接点のはんだ付け)確かめてもよい。

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C 61810-1 : 2020 (IEC 61810-1 : 2015)
注記2 平形接続子の公称寸法は,一般に次のとおりとなっている。
端子の呼び寸法 最大定常電流
2.8 mm 6A
4.8 mm 16 A
6.3 mm 25 A
9.5 mm 32 A
8.4.4 ねじ式端子及びねじなし端子
リレー間の電気的相互接続は,表10による露出した硬質導体で行う。リレーと電圧電源又は電流電源と
の接続は,表10による可とう導体で行う。
端子における温度上昇は,45 Kを超えてはならない。これは,リレー接点及びコイルの温度上昇による
影響を除いて(例えば,ブリッジ,短絡,接点のはんだ付け)確かめてもよい。
8.4.5 互換性のある端子タイプ
リレー間の電気的相互接続は,表10による露出した硬質導体で行う。リレーと電圧電源又は電流電源と
の接続は,表10による可とう導体で行う。
端子における温度上昇は,45 Kを超えてはならない。これは,リレー接点及びコイルの温度上昇による
影響を除いて(例えば,ブリッジ,短絡,接点のはんだ付け)確かめてもよい。
8.4.6 ソケット
リレーとソケットとの間の接続部,並びにその接続に隣接するリレー及びソケットの絶縁材は,許容さ
れる最大定常温度限界を超えてはならない。
ソケット間の電気的相互接続は,表10による導体で行う。ソケットと電圧電源又は電流電源との接続は,
表10による可とう導体で行う。
ソケット間の取付間隔は,製造業者が指定しなければならない。

9 基本動作・復帰機能

9.1 一般試験条件

  試験に先立ち,リレーを大気中の定められた試験条件の下に放置し,熱平衡にする。
同一の構造をもつリレーの場合,この試験は全電圧コイル仕様での評価ではなく,電磁吸引力(アンペ
アターン)が最大値及び最小値の2種類のコイル電圧での評価に軽減することができる。

9.2 動作・復帰(単安定リレー)

9.2.1  コイル電圧(連続する一定の)で動作・復帰させる場合
表11に示す5種類のうち,少なくともいずれか1種類を,製造業者が指定した動作範囲の値(試験モー
ドI,II,IIIの場合は5.3.1,試験モードIV,Vの場合は5.3.2を参照)を用いて,この試験を実施する。

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JIS C 61810-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 61810-1:2015(IDT)

JIS C 61810-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧

JIS C 61810-1:2020の関連規格と引用規格一覧