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d) スポット径及び開口数で規定するビーム形状の範囲,又は適用可能な光ファイバの種類の範囲
e) 適用可能なコネクタアダプタ対(存在する場合)
f) 光源の波長の範囲
g) 光源の最大スペクトルバンド幅
特に規定がない限り,動作条件には,とり得る全ての偏光状態を含む。また,結露点以下の相対湿度を
想定している。
a) g)の条件は,光パワーメータの製造業者又は動作条件での校正を行う校正機関のいずれが指定して
もよい。式(35)を用い,不確かさを算出するためには,各条件に対する依存性による全ての不確かさを合
成する。
n
2
uextension u (35)
extension,i
i 1
ここに, uextension,i : 不確かさに寄与する項目
n : 寄与する項目の総数
6.3.2 測定条件依存性の決定
個々の依存性は,動作範囲内で関連条件を変化させた際に生じる,光パワーメータの応答度の相対変化
として記録することが望ましい。試験の間,その他の全ての条件は校正条件に保持することが望ましい。
校正条件における応答度をゼロ点と定義する。この方法では,応答度の正及び負の最大変化の範囲を,各
依存性と定義する。通常,図5に示すように,ゼロ点に対して非対称な範囲が得られる。
図5−不確かさの決定及び記録
高い測定精度を得るために,箇条4のガイドラインを守ることが望ましい。測定中の不確かさは,可能
な限り小さくすることが望ましい。なぜならば,測定結果には,測定中の不確かさも含めなければならな
いからである。測定によらず,既知の物理的関係,又は同形の被校正器での十分な特性データに基づいて,
測定条件依存性を推定してもよい。
動作条件における被校正器の合成標準不確かさを決定するためには,個々の依存性を定量化した限界値
を,式(A.5)を用いて標準不確かさに変換しなければならない。
個々の不確かさは,通常,独立していると仮定する。ただし,一部の事例では,不確かさが複数の条件
に強く依存することがある。幾つかの例を,6.3.5,6.3.7及び6.3.8に示す。(指定動作範囲内の)その他の
動作条件を変化させることによって不確かさが実質的に増大する場合は,大きい方の不確かさを記録しな
ければならない。その後,不確かさの算出は,この大きい方の不確かさを基に行わなければならない。
6.3.3 経時変化
経時変化は,与えられた期間にわたる応答度の相対変化である。経時変化は,同一条件における光パワ
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ーメータの継続的な校正の結果,又は製造業者の指定によって決定できる。
製造業者において,与えられた期間にわたる応答度の相対変化は,測定器を注意深く使用する想定の下
で決定しなければならない。光パワーメータは,典型的な環境条件の下で試験することが望ましい。例え
ば,実験室仕様の機器については,23 ℃±1 ℃の周囲温度で,光入力端子には光を照射しないで,12時
間の電源オン及び12時間の電源オフの連続反復サイクル試験を行う。総試験時間は,一定の再校正周期と
等しくなるようにする。応答度の変化は,実用標準との比較によって測定することが望ましい。実用標準
の経時変化を排除するには,実用標準の定期的でトレーサブルな再校正が必要になる。いつものように,
測定不確かさを,この場合は主に実用標準の不確かさを考慮しなければならない。
上述のようにして得られたく(矩)形分布から経時変化の不確かさを算出することが望ましい(A.3参
照)。例えば,特定の波長で検出器の応答度が1年当たり最大0.1 %の割合で増大することが知られている
場合,経時変化の不確かさは,0 %(時点0のとき)から+0.1 %(1年時点のとき)まで広がるく(矩)
形分布によって特徴付けられる。
6.3.4 温度依存性
校正条件における応答度の相対変化は,動作温度範囲内で温度を変化させて測定することが望ましい。
応答度の正及び負の最大変化の範囲で,不確かさのく(矩)形分布を定義する。この場合,温度の関数と
しての応答度の最大最小だけが対象であり,最高最低温度での応答度ではないことに注意する(図5参照)。
なお,半導体検出器の分光応答度の温度依存性は,波長にも依存することに注意する。
6.3.5 光パワーレベル依存性(非直線性)
校正光パワーレベルに対する応答度の相対変化は,箇条7に従って測定することが望ましい。
6.3.6 光ファイバの種類又はビーム形状の依存性
6.3.6.1 一般事項
光ファイバ用光パワーメータは,光ファイバ又は空間ビームを受光できるように設計してもよい。光パ
ワーメータの応答度は,例えば,光パワーメータの光入力端子の不均一性及び角度依存性のために,光ビ
ームの形状に依存すると考えられる。
応答度の相対変化は,次の条件を満足する実用標準を使用して測定することが望ましい。
− 角度依存性が無視できる。
− 表面反射が無視できる。
− 光ファイバビーム又は空間ビームを受光するのに十分に大きい受光面である。
図6−空間応答度測定のための光学的基準面の分割区分の例,10個×10個の正方形
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もう一つの方法は,光学的基準面上における被校正器の応答度の空間的な不均一性に全ての不確かさが
起因しているとの仮定に基づき,数学的解析によって評価することである。この解析を行うには,最初に,
光学的基準面上の受光面を正方形の配列,例えば,図6に示すように10個×10個に細分することが望ま
しい。
続いて,次の2種類の測定を実施することが望ましい。
a) 適切なビーム形状によって発生する光学的基準面上の空間光パワー密度及び入射角度の測定
b) 被校正器の光学的基準面上での斜め入射角依存性(角度依存性)を表す適切な乗数で重み付けした,
被校正器の空間応答度の測定。この空間応答度は,細分割された正方形の一辺の長さに等しい直径を
もつ光ビームで測定することが望ましい。
必要な測定結果のモデル化に基づき,(空間的)光パワーレベルに空間応答度を乗じ,これら全ての積を
加算することによって,ビームパラメータの変化に対する応答度の変化を評価することができる。空間応
答度は,通常,波長にも依存することに留意する。
6.3.6.2 光ファイバ依存性の測定
光ファイバに関係する不確かさの測定では,使用するマルチモード光ファイバは,限定モード励振状態
とすることが望ましい(5.2参照)。光ファイバは,校正条件で規定するコネクタアダプタ対によって結合
することが望ましい。コネクタアダプタ対及び検出器の間の多重反射が測定結果に影響を与えないように
するためには,コネクタ及びアダプタが共に低反射率であることが望ましい。また,光源のスペクトルバ
ンド幅は,広範囲の波長にわたっての平均化を避けるために十分狭くすることが望ましい。
ステップ1 : 基準光ファイバの出力を実用標準及び被校正器の両方で測定し,その差を(数学的に)補
正して0にする。
ステップ2 : 上記の手順を次に適用する。
a) IS C 6820によって規定する標準シングルモード光ファイバ
b) (指定した)最大のコア径をもつ光ファイバ,及び/又は最大の開口数をもつ光ファ
イバ
この試験の意図は,被校正器の,光ファイバの種類に対する依存性,及び伝搬モードに対する依存性を
測定することである。光ファイバに関係する不確かさを決定するためには,ステップ1に対する応答度の
正及び負の最大変化を用いることが望ましい。この不確かさには,実用標準で光ファイバ出力を測定する
ときの不確かさ,例えば,実用標準の不均一性,ビーム拡散放射,及び多重反射の影響を原因とする不確
かさを含めなければならない。
これらの測定では,光入力端子の不均一性に関連した“スペックル”を原因として,著しいタイプA不
確かさが生じることがある。スペックルは,マルチモード光ファイバ中の異なるモード間の干渉によって
生じる不規則な放射照度分布である。この影響は,レーザダイオードからの(高い可干渉性の)光によっ
て光ファイバが励振されるときに,顕著である。この不確かさは,光ファイバを僅かに動かしては測定し
た,一連の測定結果を平均化することで低減できる。光ファイバの動きは,スペックルパターンを変化さ
せる。この光ファイバの移動によって,総光パワーが変化し得ることに留意する。総光パワーの変化は,
反射光パワー変動及びレーザダイオードの反射戻り光依存性に起因している。
励振波長が,光ファイバのカットオフ波長よりも十分に長い場合,シングルモード光ファイバ中には,
スペックルは存在しない。スペックルパターンを除去できる別の方法は,LED又はフィルタされた“白色”
光源のような低コヒーレンス光源を用いることである。
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6.3.6.3 空間ビーム依存性の測定
光ファイバ依存性の測定と同様に,空間光ビームのスポット径及び開口数に対する依存性は,均一な大
面積検出器をもち,角度依存性が無視できる実用標準との比較によって評価できる。
スポット径及び開口数に対する依存性の組合せの問題に対処するのに,次の事項を評価すれば十分な場
合がある。
a) 指定する最小のスポット径,及び最小の開口数で励振することによる(校正条件における応答度に対
する)応答度の相対変化。
b) 指定する最大のスポット径,及び最大の開口数で励振することによる応答度の相対的変化。
6.3.7 コネクタアダプタ対依存性
この細分箇条では,光源からの反射に対する被校正器の依存性について記載する(例えば,光源及び光
入力端子との間のビーム経路中にある光コネクタ又はその他の機械的な部品)。反射には正反射又は拡散反
射があり得ることに留意する。
角度依存性及び表面反射が無視できる実用標準を用いて,応答度の相対変化を測定することが望ましい。
光ファイバは,校正で用いたものと同一とすることが望ましい。測定中,曲げに起因する光パワーレベル
の変化を避けるため,光ファイバの端を定位置に保持することが望ましい。使用する光源は,ファブリー
ペロー形干渉の影響を避けるため,高い可干渉性をもたない方がよい(6.3.8.2参照)。スペクトルバンド
幅が十分に広いことが望ましい(例えば,1 nm以上)。
ステップ1 : 基準コネクタアダプタ対とともに,光源又は基準光ファイバからの基準ビーム形状に対し
て,実用標準及び被校正器の両方で光パワーを測定し,差を(数学的に)補正して0にす
る。
ステップ2 : 上記手順を,指定する全てのコネクタアダプタ対に適用する。タイプA不確かさを低減さ
せるため,各接続を数回繰り返す。不確かさを決定するためには,ステップ1に対する応
答度の正及び負の最大変化を用いることが望ましい。不確かさには,実用標準との様々な
組合せの測定におけるタイプB不確かさも含めなければならない。このタイプB不確かさ
には,例えば,実用標準における反射を原因として生じるものがある。
6.3.2の最後の段落に従い,6.3.6.2に列記したような最大口径の光ファイバを用いて,依存性の測定が必
要な場合がある。大口径の光ファイバは,光学的基準面上に大きな像を作り,したがって,位置決め精度
の制限が,更に明確になる可能性がある。この場合,増加した依存性を記録することが望ましい。
6.3.8 波長依存性
6.3.8.1 一般事項
校正波長における応答度に対する分光応答度の相対変化を測定することが望ましい。この測定は,通常,
集光した連続スペクトル光源,及びスペクトル弁別器,例えば,モノクロメータ,又は多数の分光フィル
タを用いて行う。測定結果が正確であることを保証するためには,迷光,すなわち,選択した波長以外の
光の存在も評価することが望ましい。光源の中心波長及びスペクトルバンド幅も測定することが望ましい。
スペクトルバンド幅は狭いことが望ましい。スペクトルバンド幅が広いと,被校正器の波長依存性の急し
ゅん(峻)なカーブが関連して,誤った測定結果を生じることがある。スペクトルバンド幅が極端に狭い
と,ビーム経路に1個以上の光共振器が含まれる場合,光学干渉の問題,すなわち,くし(櫛)の歯状の
波長依存性の原因となることがあるので留意する。
ビーム形状は,波長依存性の決定に適したものであることが望ましい。レンズ及びアパーチャの組合せ
を使用して,光ファイバビームを代替してもよい。この場合,光学的基準面上でのスポット径及び位置が,
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光ファイバ入力の際に得られるものと整合するように注意することが望ましい。また,光入力端子からの
後方反射によって,測定結果の不確かさが増えないように注意を払うことが望ましい。
測定は,置換法によって,実用標準と直接比較して実施することが望ましい。実用標準は,相対分光応
答度を校正しておくことが望ましい。
この測定は,比較的低い光パワーレベルで行うため,双方の光パワーメータのゼロ点調整が必要である。
測定器が,例えば,校正曲線,又はメモリ中に保存した補正表をもっている場合には,補正後の応答度か
らの相対変化を測定する。
温度変化は,波長依存性に大きい影響を及ぼすことがある。例えば,波長1 550 nmにおけるゲルマニウ
ムフォトダイオードの0 ℃での波長依存性は,室温での波長依存性よりもはるかに大きい。一般に,波長
依存性の不確かさは,最大の波長依存性,この場合は0 ℃での波長依存性に基づいて算出しなければなら
ない。
6.3.8.2 ファブリーペロー形干渉による波長依存性
狭いスペクトルバンド幅のレーザ(B≪1 nm)を使用する場合には,図7に示すように,分光応答度が
波長に対して急激に変化する場合がある。これは,通常,検出器までの光路中に形成されたファブリーペ
ロー共振器で生じる。ファブリーペロー共振器は,検出器の窓の両表面間,窓の一つの表面と検出器自体
との間,又は光ファイバを使用の場合は,光ファイバ端面とその他の表面との間に形成される。
図7−ファブリーペロー形干渉による応答度の波長依存性
図7では,極大極小間の変動は, 0.2 dB( 4.6 %)に達し,影響が大きい。光学干渉に起因す
る標準不確かさは,正弦波パターンの標準偏差とし,式(36)となる。
1 Δ%
uint 1.6% (36)
2 2
6.3.9 スペクトルバンド幅依存性
スペクトルバンド幅依存性は,検出器の波長依存性の曲線形状に伴って増加する。指定したスペクトル
バンド幅の範囲内で,応答度の相対変化を光源のスペクトルバンド幅の関数として測定する。モノクロメ
ータを使用することで,可変なスペクトルバンド幅が得られる。波長依存性が無視できる実用標準で,実
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JIS C 6186:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 61315:2019(IDT)
JIS C 6186:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 33 : 電気通信工学.オーディオ及びビデオ工学 > 33.180 : 光ファイバ通信 > 33.180.10 : 光ファイバ及び光ケーブル
JIS C 6186:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC6820:2018
- 光ファイバ通則