JIS C 62133-2:2020 ポータブル機器用二次電池の安全性―第2部:リチウム二次電池 | ページ 4

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7.3.7 強制放電(単電池)
a) 要求事項 単電池の極性を逆にして充電しても,発火又は破裂を引き起こしてはならない。
なお,単電池を使用する機器又は組電池に保護素子をもつ場合は,単電池に当該保護素子を装着し
た試験の実行が可能である。
b) 試験 製造業者が指定する設計上の放電終止電圧まで放電した単電池に対し,1 It Aの電流で90分間
逆充電を行う。
放電電圧が試験中に上限充電電圧の負の値に達した場合,試験の残り時間は電流を減らして電圧を
上限充電電圧の負の値を維持する(図1のケース1)。
放電電圧が試験中に上限充電電圧の負の値に達しない場合は,90分で終了とする(図1のケース2)。
c) 判定基準 発火又は破裂がないこと。
試験時間(min)
0 10 20 30 40 50 60 70 80 90 100
−上限充電電圧
ケース1 (試験中に上限充電電圧の負の値に達した場合)
ケース2 (試験中に上限充電電圧の負の値に達しない場合)
注記 図1に示した線は電圧推移の例である。
図1−強制放電試験中の電圧推移例
7.3.8 機械的試験(組電池)
7.3.8.1 振動(組電池)
a) 要求事項 運搬中に受ける振動によって,発火,破裂又は漏液を引き起こしてはならない。ただし,
特殊な構造の組電池については,適用しない。
b) 試験 7.1.1の第1手順に従って充電した組電池を,振動が正確に伝わるように,ゆが(歪)めること
なくしっかりと振動試験装置の台に固定する。
組電池に,表3に示す正弦波振動を加える。表3の試験は,取付台の面を含む三つの互いに垂直な
面に向けて各12回(約3時間)繰り返す。方向のうちの一つは,端子がある面に垂直になるようにす
る。
c) 判定基準 発火,破裂又は漏液がないこと。

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表3−振動試験条件
振動周波数の範囲 振動の強さ 対数掃引時間 軸 サイクル数
(Hz) (7 Hz 200 Hz 7 Hz)
始点 終点 (min) 回
f1=7 f2 A1=1 gn 約15 X 12
f2 f3 S=0.8 mm Y 12
f3 f4=200 A2 Z 12
f1=7 Hzに戻る 合計 36
注記 振動振幅は,変位又は加速度の最大絶対値である。例えば,0.8 mmの変位振幅は,1.6 mmの
ピークとピークとの変位に対応する。
記号説明
f1,f4 : 下限又は上限の振動数
f2,f3 : クロスオーバー
− f2 17.62 Hz
− f3 49.84 Hz
A1,A2 : 加速度
− A2=8 gn
S : 変位振幅
gn : 重力加速度(=9.806 65 m/s2)
7.3.8.2 衝撃(組電池)
a) 要求事項 運搬及び使用のときに衝撃を受けても,発火,破裂又は漏液を引き起こしてはならない。
ただし,特殊な構造の組電池については,適用しない。
b) 試験 7.1.1の第1手順に従って充電した組電池を,それぞれ全ての面を支持する固定治工具によって,
試験機器に固定する。各試験電池は,電池の三つの互いに垂直な取付位置の各方向に3回の衝撃を加
え,合計18回の衝撃を与える。各衝撃について,表4に示すパラメータを適用する。波形,ピーク加
速度及びパルス時間については,JIS C 60068-2-27による。
c) 判定基準 試験中に破裂,発火又は漏液がないこと。
表4−衝撃パラメータ
波形 ピーク加速度 パルス時間 軸各方向の衝撃回数
組電池 正弦半波 150 gn 6 ms 3回
7.3.8A 低圧(単電池)
a) 要求事項 低圧(例えば,空輸の場合)によって,発火,破裂又は漏液を引き起こしてはならない。
b) 試験 7.1.1の第1手順に従って充電した単電池を,周囲温度20 ℃±5 ℃の真空チャンバ内に置く。
チャンバを閉めた後,徐々に減圧して内部圧力11.6 kPa(高度15 240 mに相当)以下まで減圧し,こ
の圧力下で6時間保存する。試験後,目視検査を行う。
c) 判定基準 発火,破裂又は漏液がないこと。
7.3.8B 高率充電(単電池)
a) 要求事項 充電器の故障で,単電池を並列に接続した組電池に過剰な電流が流れても,単電池が発火
又は破裂を引き起こしてはならない。
なお,単電池を使用する機器又は組電池に保護素子をもつ場合は,単電池に当該保護素子を装着し
た試験の実行が可能である。
b) 試験 上限試験温度及び下限試験温度で行う。放電した単電池を,最大充電電流の3倍の充電電流で

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満充電にするか,又は満充電する前に対応する機器若しくは組電池で保護素子をもつ場合は,保護素
子の安全装置が作動して充電電流を遮断するまで充電を行う。
c) 判定基準 発火又は破裂がないこと。
7.3.8C 機器に装着した組電池の落下(組電池)
a) 要求事項 組電池を想定する機器の最大本体質量に相当する負荷に装着した状態で,落下又は衝撃が
加わった場合,組電池の内部において外部短絡を生じることなく,かつ,組電池内の単電池において
内部短絡を生じてはならない。
b) 試験 7.1.1の第1手順に従って充電した組電池を,使用を想定するポータブル機器に装着又は装着を
模擬し,かつ,用途に応じてJIS C 6950-1又はJIS C 6065に規定する落下試験の高さから,コンクリ
ートの床へ組電池に最も悪影響を与えると判断される落下方向へ1回落下させるか,又は同等の負荷
を当該組電池に与える。組電池を落下させる床として,コンクリートに代わり,金属の板を使用して
もよい。ただし,機器にオプションパーツが取り付けられる機器の試験条件については,機器の基本
動作に必要となる製造業者指定のオプションパーツ(コードで接続されるものは除く。)を取り付けて
試験を行う。また,複数のオプションパーツの組合せがある場合には,試験結果が最も厳しくなる組
合せで試験を行う。
落下試験の高さは,JIS C 6950-1の4.2.6(落下試験),又はJIS C 6065の12.1.5(ドロップ試験)に
よる。ただし,電池を装着した機器の質量が,ポータブル機器にあっては7 kgを超えるもの,卓上機
器(携帯する可能性があるものを除く。)にあっては5 kgを超えるものには,適用しない。
機器に装着した組電池の落下は,使用を想定する機器と同等の負荷を組電池に付与する試験を認め
る。例えば,ある機器のマイナーチェンジ製品(シリーズ物)に同一設計の組電池を搭載している場
合,組電池に機器と同等の付加を付与する試験を行い,その試験条件が全てのシリーズ物の試験条件
を満たしている場合には,改めて試験を行わなくてもよい。
c) 判定基準 組電池の内部において短絡を生じることなく,かつ,組電池内の単電池において内部短絡
を生じないこと。
7.3.8D 過充電保護(組電池)
a) 要求事項 組電池内の単電池又は単電池を並列に接続した電池ブロックの充電電圧は,パラメータ測
定許容差にかかわらず,表2の上限充電電圧を超えてはならない。ただし,機器などにおいて,上限
充電電圧を超えないよう制御を行う場合は,適用しない。
b) 試験 周囲温度20 ℃±5 ℃において,1)3)のいずれかの方法で試験を行う。過充電保護機能を評価
するための回路構成例を,図1Aに示す。ただし,この回路構成はあくまで例示であることから,実
際の測定においては電池製造業者と評価者との間であらかじめ試験方法を決定して実施してもよい。
また,この試験の目的は,組電池の制御として適切な過充電保護機能が備えられていることを確認す
るものであり,過充電保護機能は組電池に備えるか,又は組電池を装着した機器若しくは充電器に備
えてもよい。
1) 組電池が単電池又は1段の電池ブロックで構成される場合,充電時に単電池又は電池ブロックに印
加される電圧を測定する。
2) 組電池が,単電池又は電池ブロックを直列に2個以上接続した構造の場合,各単電池又は電池ブロ
ックの電圧を計測しながら充電を行い,同時に単一の単電池又は電池ブロックを徐々に強制的に放
電させ,その他の各単電池又は電池ブロックの電圧を測定する。
3) 組電池が,単電池又は電池ブロックを直列に2個以上接続した構造の場合,各単電池又は電池ブロ

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ックの電圧を計測しながら表2の上限充電電圧を超える電圧を単電池又は電池ブロックに印加し,
充電が停止するときの電圧を測定する。
c) 判定基準 いずれの方法で測定した電圧も上限充電電圧を超えないこと。ただし,電池内でリチウム
イオンの移動が追従しない電圧変動(例えば,リプル,ノイズなどを想定した50 kHz以上の交流成分
の電圧変動)は含まない。
図1A−過充電保護機能を評価するための回路構成例
7.3.9 強制内部短絡(単電池)
コイン形電池及びリチウムイオンポリマー単電池については,適用しない。
a) 要求事項 単電池において強制的な内部短絡によって発火を引き起こしてはならない。
単電池製造業者は,要求事項に合致していることの記録を保管しなければならない。評価は,単電
池製造業者又は第三者機関で実施しなければならない。
b) 試験 強制内部短絡試験は,チャンバ内で次の手順に従って実施する。
1) 試験数量 この試験は,内部短絡を観測した試料の合計数が5個に達するまで実施する。ただし,
試験に供した試料が10個に達した場合は,内部短絡が観測された試料の合計数が5個に達していな
くても試験を終了する。
上限試験温度及び下限試験温度について試験を行うために,正極活物質部と負極活物質部との間
にニッケル小片を配置した試料を少なくとも各5個,最大各10個用意する。加えて,負極活物質層
との対向部分に露出した正極アルミニウムはく部が存在する場合,当該場所にニッケル小片を配置
した試料を上限試験温度及び下限試験温度について,少なくとも各5個,最大各10個用意する。
例 5個の試料を用意して,5個とも内部短絡した場合は試験を終了する。5個の試料を用意して,
3個しか短絡しなかった場合,試料を追加して合計5個の試料で短絡が発生するまで試験を

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する。10個の試料を試験して,合計5個の試料で短絡が発生しない場合,その時点で試験を
終了する。
2) 強制内部短絡試験の充電
2.1) 調整充放電 製造業者が推奨する充電条件で周囲温度20 ℃±5 ℃で単電池を充電する。次に,0.2
It Aの定電流で製造業者が指定した放電終止電圧まで周囲温度20 ℃±5 ℃で単電池を放電する。
2.2) 放置手順 単電池を表5に規定する周囲温度で1時間5時間放置する。
2.3) 周囲温度
表5−強制内部短絡試験の周囲温度a)
試験手順 下限試験温度での試験 上限試験温度での試験 適用箇条
℃ ℃
放置時 10±2 45±2 b) 2.2)
充電時 10±2 45±2 b) 2.4)
試料準備時 5±2 50±2 b) 3.1.1)
試験開始時 10±2 45±2 b) 3.2.1)
注a) この試験は,表2の条件で実施している。
2.4) 充電手順 表5で規定された周囲温度で,製造業者が指定した上限充電電圧まで製造業者が指定
した定電流で単電池を充電する。上限充電電圧に達したとき,充電電流値が0.05 It Aに低下する
まで定電圧で充電する。
3) ニッケル小片による電極体の圧縮 ニッケル小片による電極体の圧縮は,次による。この試験には,
温度制御チャンバ及び次の機能をもつ加圧装置が必要である。加圧装置の可動部分は一定の速度で
動き,また,内部短絡を検知したときに直ちに可動部の降下を停止するものでなければならない。
3.1) 試験準備
3.1.1) 試料準備の手引きをA.5,図A.6及び図A.9に示す。試料準備時のチャンバは,表5に規定する
温度に設定する。チャンバに密閉式のアルミニウムラミネートパックに入れた電極体を投入し,
45分±15分間放置する。
3.1.2) 密閉式のアルミニウムラミネートパックから電極体を取り出し,電圧測定用の端子及び熱電対の
端子を取り付け,目印位置に加圧ジグの中央が当たるように,電極体を加圧装置に設置する。こ
の作業は,電解液の蒸発を防ぐため,10分以内に行う。
3.1.3) 短絡防止の絶縁フィルムを引き抜き,チャンバを閉じる。
3.2) 内部短絡
3.2.1) 電極体の温度が表5に規定する温度の範囲内に入ったことを確認し,試験を開始する。
3.2.2) 加圧装置の可動部分の底面は,ニトリルゴム製又はアクリル製であり,幅10 mm×10 mmのステ
ンレス角柱に取り付けられている。加圧ジグの詳細を,図2に示す。底面がニトリルゴム製のジ
グは円筒形電池用であり,角形単電池用には先端に大きさ5 mm×5 mm,厚さ2 mmのアクリル
板を追加した加圧ジグを使用する。単電池電極体の電圧を随時測定し,1秒間に0.1 mmの速度
で加圧ジグを降下させる。内部短絡による電圧降下を検出した時点で,加圧ジグの降下を停止し,
30秒後に加圧を解放する。電圧測定間隔は100ポイント/秒以上とし,初期電圧から50 mV以
上の降下を検出した場合を短絡とする。短絡が認められない場合の加圧力の上限は,円筒形の場
合は800 N,角形の場合は400 Nとし,各々の加圧力に達した時点で,加圧ジグの降下を停止す
る。

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JIS C 62133-2:2020の引用国際規格 ISO 一覧

  • IEC 62133-2:2017(MOD)

JIS C 62133-2:2020の国際規格 ICS 分類一覧

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