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C 62197-1 : 2020 (IEC 62197-1 : 2006)
2.1.7
偶然原因(common causes)
経時的に安定して繰り返し性のある分布をもつ,工程内の多くの変動要因(例えば,抜き型の摩耗)。
注記 変動の偶然原因だけが存在し,その偶然原因が変化しない場合,工程のアウトプットは,予測
可能である。工程能力は,偶然原因による変動によって求められる。
2.1.8
異常原因(special causes)
工程に常に作用しない何らかの変動要因。
注記1 変動要因は断続的であり,多くの場合,予測できず不安定である。変動要因が生じるとき,
工程全体の分布が変化する。例えば,原材料の変更。
注記2 変動の異常原因が存在する場合,工程のアウトプットは,経時的に不安定である。弊害をも
たらす場合は,原因を特定して取り除く必要がある。有益である場合も,それを特定して工
程の一部とする必要がある。
2.1.9
工程広がり(process spread)
工程特性の個々の値の分布が変動する範囲。
注記 工程の平均に標準偏差(σ)の倍数を加算又は減算して示すことが多い。
2.2 水準の体系
2.2.1 性能水準
性能水準は,コネクタを試験する環境及び機械的ストレスの群分けを示し,並びに電気的特性の長期安
定性のような特徴も示す。これらの水準には,番号を付与し,通常最も小さい番号(1)が最高の性能を示
す。
2.2.2 互換性水準
互換性は,異なる製造業者のコネクタの互換性を,標準化の程度に応じて,JIS C 5401-1の2.2.3.2(水
準1−取付けの互換性),2.2.3.3(水準2−結合の互換性),2.2.3.4(水準3−結合及び取付けの互換性)及
び2.2.3.5(水準4−性能の互換性)による四つの水準に分類する。異なる互換性水準のコネクタ同士を結
合する場合は,下位の水準を優先する。
2.3 統計的工程管理[SPC(Statistical Process Contol)]
継続的な品質改善並びに優れた製造及び生産管理の達成は,全ての製造業者が目指している総合的品質
理念の本質である。優れた目標を達成するための主要な手段の一つは,統計的工程管理手法の適用である。
SPCは,定期的に補正を行うことが望ましく,SPCシステムの状況を記録することが望ましい。
統計的手法は,重要な工程特性及びそれらの変動性を決定することを可能にし,変動性を低減するため
の措置を講じることを可能にする(不良検知に代わる未然防止の戦略)。
SPCは,不良予防に第一の焦点を合わせる継続的工程改善の経営理念を包含する。経営陣は,人材に責
任及び権限を与え,SPCシステムを導入し,維持するために十分なリソースを提供する。SPCシステムは,
定期的に見直すことが望ましく,SPCシステムの状況を記録することが望ましい。
この細分箇条は,用いるSPC手法の一般的な概要だけを示している。
――――― [JIS C 62197-1 pdf 6] ―――――
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C 62197-1 : 2020 (IEC 62197-1 : 2006)
2.4 出荷不適合値のppm評価
生産技術の向上は,コネクタなどの部品の品質改善をもたらしている。このため,百分率による不適合
品の平均品質水準は,百万分率(以下,ppmという。)に置き換える必要がある。
ppmの考え方は,ロット受入れ方式に適用するのでなく,製品の平均品質水準の推定に適用する。
部品に対するppmでの不適合水準の推定は,次式で算出する。表1に,その例を示す。
7.0 u
D 10 6
n
ここに, D : ppm不適合水準
u : 不適合品数
n : 検査した製品の総数
表1−不適合水準の代表値
不適合品数(個) 検査試料数(個)
104 1.5×104 2×104 2.5×104
不適合水準 : ppm
0 70 47 35 28
1 170 113 85 68
2 270 180 135 108
3 370 247 185 148
4 470 313 235 188
5 570 380 285 228
例 不適合水準の計算例
不適合品数 : 0
検査した製品の総数 : 10 000
7.0 0 6
D 10 70 ppm
10 000
ppmに対する不適合の対象には,機能的欠陥,電気的不適合,外観及び機械的欠陥を含む。
例えば,次の事象がある。
電気的不適合 : コンタクトの欠落又はハウジング内部への移動
機械的欠陥 : コネクタの結合機構の欠陥
注記 この細分箇条の全ての方程式に係数0.7が含まれているが,これは電子機構部品分野でのppm
不適合水準の算出における業界の実質的経験に十分な安全率を加味して設定している。
2.5 工程能力
工程能力は,偶然原因から生じる変動によって決定される。一般に,工程能力は,工程自体の最高性能
[すなわち最小の広がり(変動)]を表す。使用者は,より一般的に,工程の全体的なアウトプット及びそ
のアウトプットが,工程の変動に関係なく,いかに使用者の要求事項(仕様書として規定する。)に関連し
ているかに関心がある。
全ての工程は,工程能力及び工程管理に基づき分類される。工程は,次の四つの場合のいずれかに分類
が可能である(表2参照)。
− ケース1は,理想的な状況であり,工程は管理され,要求事項を満たす能力が得られる。
− ケース2は,工程は管理されているが,低減する偶然原因に過度の変動がある。
――――― [JIS C 62197-1 pdf 7] ―――――
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C 62197-1 : 2020 (IEC 62197-1 : 2006)
− ケ−ス3は,要求事項を満たす能力は得られるが,管理されていない。変動の異常原因を特定して対
応する。
− ケース4は,工程は管理されておらず,受け入れることが不可能である。偶然原因及び異常原因の変
動は低減しなければならない。
表2−工程能力の事例
管理状態 非管理状態
受入可
ケース1 ケース3
受入不可
ケース2 ケース4
記号の説明
USL : 上側規格限界
LSL : 下側規格限界
E : 設計上の公差
X : 工程の平均値
N : 規格の公称値
2.6 CP及びCPKの定義
工程の測定指標の定義は,次による。
CP : 公差の範囲を工程広がりで除したしたものとして定義する工程能力指数であり,工程の中心値と合致
しているかは無関係である。一般的に,次式で表す。
USL LSL
CP
6
CPU : 上側規格限界に対応した工程能力指数であり,上側の公差の広がりを実際の上側の工程広がりで除し
たしたものとして定義する。一般的に,次式で表す。
USL X
CPU
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CPL : 下側規格限界に対応した工程能力指数であり,下側の公差の広がりを実際の下側の工程広がりで除し
たものとして定義する。一般的に,次式で表す。
――――― [JIS C 62197-1 pdf 8] ―――――
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C 62197-1 : 2020 (IEC 62197-1 : 2006)
X LSL
CPL
3
CPK : 工程の平均値に対する偏りの度合いを説明する工程能力指数であり,CPU又はCPLの最小値として定
義される。工程の平均値及びそこから近い方の規格限界との間隔を,全体の工程広がりの半分に関
して表す。一般的に,次式で表す(詳細は,附属書A参照)。
USL X X LSL
CPK 又は CPK
3 3
ここに, X : 工程の平均値
その他の定義は,表2による。
CPKは,重要特性(critical characteristics)だけに用いる。
重要特性は,十分に確認し,使用者及び製造業者の双方に受け入れられなければならない[表3及び表
4,並びに図A.1 a),図A.1 b),図A.1 c),図A.1 d),及び図A.1 e) 参照]。
2.7 CPKと不適合(不良)品数との関係
CPKと不適合(不良)品数との関係は,表3を参照。
表3−良品/不良品の関数としてのCPK値
規格限界 CPK 良品の割合 不良品数
% ppm
X±1 σ 0 34.13 658 700
X±2 σ 0.17 69.13 308 700
X±3 σ 0.5 93.32 66 810
X±4 σ 0.83 99.379 0 6 210
X±5 σ 1.17 99.976 70 233
X±6 σ 1.5 99.999 660 3.4
注記 σは,工程特性の個々の値の分布における標準偏差である。
2.8 CP及びCPKの代表的な最小値
CP及びCPKの代表的な最小値は,表4及び附属書Aを参照。
――――― [JIS C 62197-1 pdf 9] ―――――
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C 62197-1 : 2020 (IEC 62197-1 : 2006)
表4−代表的な最小値
CPK<1.00 1.00≦CPK≦1.33 CPK>1.33
工程広がりは非常に大きい。 × ×
CP<1.00
工程能力は不十分。
工程広がりは規格限界を外 工程広がりは規格限界を外 ×
れる可能性がある。 れる可能性がある。
1.00≦CP≦1.33
工程平均は規格限界に近づ 工程能力は規格限界を外れ
けなければならない。 る可能性がある。
工程広がりは良好。 工程広がりは良好。 工程広がりは良好。
CP>1.33 工程平均は規格公称値に近 工程能力は規格公称値に近 工程能力は良好。
づけなければならない。 づけることで改善可能。
注記 詳細は,附属書Aを参照。
2.9 統計的工程管理の実施
次の条件を満たす場合,統計的工程管理の実証済みの物証は,ロットごとの検査及び定期試験の代わり
に,製品適合性のコンプライアンスとして用いてもよい。
− 最終品質を確実にするため,製造過程の製品及び/又は工程特性に統計的手法を適用する場合は,最
終製品の要求事項(技術的仕様)及び工程内特性の関係を明確に定義して文書化する。
− 製造工程は,仕様書の要求事項を満たす製品の生産能力があると明確に分かっている(CPK値が1.33
以上)。工程能力の実証には,管理された工程での100個以上のデータを用いることが望ましい。
− 工程は,適正なレベルの統計的管理を示す。すなわち,管理図の20以上の連続した副群が,管理の欠
如を示す記録を示すことがない。各副群は,3個5個の観察記録で構成する。
− 緊急措置は,管理図に示された異常原因を調査及び修正し,この措置を文書化する。
3 品質評価手順
IEC電子部品品質認証制度(IECQ-CECC)は,基本的に次の概念に基づいている。
− コネクタは,品質認証試験に合格し,その品質性能が承認されていることを実証するために品質認証
する。
− コネクタの品質評価は,納入のために出荷する前に検査ロットに関連する仕様書に従って行われる。
− 製造業者は,コネクタの関連する製造工程又はコネクタの認証プロセスを含む技術プロセス一式を製
造業者の裁量とする認証を得ている。
詳細は,IEC QC 001002-2及びIEC QC 001002-3参照。
3.1 品質評価の定義
3.1.1 製造の初期工程
製造の初期工程は,完成部品の製造及び二つ以上の単体部品の永久組立てに続く最初の工程である。
3.1.2 構造的に類似なコネクタ
同じ製造業者が,原則として同じ設計,材料,工程及び方法で生産したコネクタ。構造的に類似なコネ
クタは,あるコネクタに関して行った試験結果が,その試験群の他のコネクタに対しても有効であるとみ
なされる。それらのコネクタは,個別に識別が可能である。
3.1.3 性能水準
性能水準は,コネクタを試験する環境及び機械的ストレスの群分けを示し,並びに電気的特性の長期安
定性のような特性も示す。次に示す四つの要素に基づく。
――――― [JIS C 62197-1 pdf 10] ―――――
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JIS C 62197-1:2020の引用国際規格 ISO 一覧
- IEC 62197-1:2006(IDT)
JIS C 62197-1:2020の国際規格 ICS 分類一覧
- 31 : エレクトロニクス > 31.220 : 電子及び通信設備用機構部品 > 31.220.10 : プラグ・ソケット装備.コネクタ
JIS C 62197-1:2020の関連規格と引用規格一覧
- 規格番号
- 規格名称
- JISC5402:1992
- 電子機器用コネクタ試験方法
- JISZ9015-1:2006
- 計数値検査に対する抜取検査手順―第1部:ロットごとの検査に対するAQL指標型抜取検査方式